WHITE PAPER|その他製品 × サステナビリティ
その包装・素材は、取引先や規制の要求に
対応できているか?
玩具・スポーツ用品・家具・文具メーカーのための
素材・包装の環境配慮設計とサプライヤー連携に向けた実践フレームワーク
2022年4月 2026年8月 設計段階
プラスチック資源 EU包装・包装廃棄物 環境対応の方針を大きく左右する
循環促進法が施行 規則の適用開始
本稿の内容 環境対応の項目別進捗状況(概念図)
素材情報の開示
1 素材と包装が「取引条件」になった理由
再生素材の使用
2 包装と素材をめぐる規制の動き
分別しやすい設計
3 対応を阻むサプライチェーンの壁
包装のプラスチック削減
4 環境配慮設計の4層フレームワーク 輸送の効率化
進捗度:低 進捗度:中 進捗度:高
5 セルフ診断と次のステップ ※概念図であり、実際の値は企業・製品により異なります
アクセンチュア株式会社 2026年 外部公開版
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EXECUTIVE SUMMARY
素材・包装の環境配慮は、取引先選定における重要な条件になりつつある
日本では2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行され、製品の設計から廃棄までプラスチックの削減と再資源化が求
められています。EUでは包装・包装廃棄物規則が2026年8月から適用され、包装のリサイクル性や再生材の使用が求められま
す。小売や海外の取引先からも、素材と包装の環境情報の開示を求められる場面が増えています。
本稿では、玩具・スポーツ用品・家具・文具メーカーが、素材と包装の環境配慮設計を進め、サプライヤーと連携して情報を管理
するための考え方とアプローチを整理します。
Why 1
「コストの問題」から「取引先選定の条件」へと変化する素材・包装の環境配慮
これまで包装は、製品を守り、店頭で目立たせるための手段として設計されてきました。素材の選定も、コストと品質、デザインが主な基準
でした。
しかし、小売や海外の取引先が環境配慮の取り組みを強化するにつれ、プラスチックの使用量、再生素材の比率、リサイクルのしやすさが
取引の条件に加わっています。対応が遅れると、売り場や販路の確保に影響する可能性があります。おそれがあります。
図1 製品と包装のバリューチェーンと環境対応のホットスポット
企画・設計 素材調達 生産 物流・販売 使用後
海外の
素材の選定 樹脂・木材 輸送効率 回収
委託工場
分別の
包装の設計 再生素材 成形・加工 店頭陳列
しやすさ
デザイン 部品・資材 包装作業 EC向け梱包 再資源化
重要度:高 重要度:中 重要度:低
図1:素材・包装の設計、再生素材の調達、使用後の分別が、とくに重要な環境対応領域となっています(概念図)
2022年4月 2026年8月 設計段階
プラスチック資源 EU包装・包装廃棄物 環境対応の方針を大きく左右する
循環促進法が施行 規則の適用開始
※出典:環境省・経済産業省「プラスチック資源循環促進法」、欧州委員会「包装・包装廃棄物規則」
※図1および表紙の図は、傾向を示すための概念図です
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図2 素材と包装の環境対応を阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
情報 設計 調達
素材 ・ 委託工場 ・ 開示 コスト ・ 品質 ・ デザイン 再生素材 ・ 量 ・ 価格
・素材の構成を把握していない ・再生素材の品質の安定性に対する懸念 ・再生素材の安定的な調達が困難
・委託工場の状況が把握しづらい ・環境配慮に伴うコスト上昇 ・海外工場での調達が難しい
・製品別の環境負荷を把握できていない ・環境配慮と包装デザインの両立の難しさ ・価格の変動が大きい
情報開示要求への対応が困難 設計の基準が定まらない 再生素材への安定的な切り替えが困難
図2:情報・設計・調達の3つの壁が、素材と包装の環境対応を遅らせています
Why 2
設計の段階で、素材と包装の基準を策定
製品の環境負荷は、素材や構造を決める設計段階の影響を大きく受けます。後から包装だけを変えても、取引先や規制の求めに十分に
応えられないことがあります。
企画・設計の段階で、プラスチックの使用量、再生素材の比率、分別のしやすさの基準を定め、コストと品質と合わせて評価する仕組みが
必要です。基準は、海外の委託工場や資材のサプライヤーとも共有しなければなりません。
図3 素材と包装をめぐる主な動き
2020年 2022年 2024年 2025年 2026年 2030年 今後
1 2 3 4 5 6 7
レジ袋の プラスチック EUエコデザイン EU包装・包装 EU包装規則の EUでリサイクル可能 取引先からの
有料化 資源循環法 規則が発効 廃棄物規則 適用開始 な包装を義務化 開示要求の拡大
が施行 が発効
日本の制度と取引先の動き EUの規制
図3:国内外で素材と包装の規制が進み、設計段階での対応が求められています
包装のみを後から変更するのではなく、設計段階で素材・包装の環境配慮基準を定める必要が
あります。
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Why 3
素材と包装の見直しは「品質保証部門だけ」では進まない
素材と包装を変えると、製品の品質、コスト、デザイン、物流に影響します。企画・調達・生産・営業が同じ基準で判断し、委託工場や資
材のサプライヤーと連携する必要があります。そこには3つの課題があります。
素材・包装情報の把握
1 製品ごとの素材構成と包装の仕様を、委託工場から集めて管理します。
環境配慮設計の基準化
2 使用量・再生素材の比率・分別のしやすさを、設計の基準に組み込みます。
サプライヤーとの連携
3 再生素材の調達と品質基準・製造条件の確立を、資材メーカーや委託工場と進めます。
図4 従来の対応と目指す姿
従来の対応 目指す姿
素材はコストとデザインで選ぶ 環境の基準も含めて素材を選ぶ
包装デザインを重視した設計 使用量と分別のしやすさを基準化
素材の情報は委託工場任せ 製品ごとの素材構成を自社で管理
一部製品での再生素材の試験導入 対象製品を選定し、再生素材へ計画的に切り替え
取引先の要求に都度対応する 規制の導入・強化時期を踏まえた計画的な対応
アプローチ
製品情報を起点に、設計基準・サプライヤー連携を整備
製品ごとの素材構成と包装の仕様を把握し、取引先と規制の求めに照らして優先的に見直す製品を決めます。環境配慮設計の基準を
定め、再生素材の調達と品質基準・製造条件の確立をサプライヤーと進めます。それを支えるのが次の4層の仕組みです。
図5 素材と包装の環境配慮設計 4層フレームワーク
Layer 4 開示・訴求
情報開示 取引先対応 環境訴求
取引先への情報開示と環境価値の訴求
Layer 3 サプライヤー連携
再生素材 委託工場 品質確認
再生素材の調達と品質基準・製造条件の確立
Layer 2 環境配慮設計
使用量 再生素材の比率 分別設計
使用量・再生素材の比率・分別のしやすさの基準
Layer 1 製品情報の把握
素材構成 包装仕様 環境負荷
製品ごとの素材構成と包装の仕様を管理
図5:製品情報の把握を土台に、設計・サプライヤー連携・開示を積み上げます
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図6 素材と包装の環境対応 実行ロードマップ
STEP 1 0~6ヵ月 STEP 2 6~18ヵ月 STEP 3 18ヵ月~
製品情報の把握と 設計基準と 展開と
優先順位の決定 調達の見直し 情報開示
素材・包装の棚卸し 環境配慮設計の基準化 対象製品の拡大
要求事項の整理 再生素材の調達計画 取引先への情報開示
対象製品の特定 委託工場との品質確認 規制動向の継続把握
環境対応を通じた取引先からの評価向
優先的に見直す製品・項目の明確化 再生素材への切り替え体制の構築
上への寄与
図6:把握・基準化・展開の3段階で、素材と包装の環境対応を進めます
STEP 1 製品別に素材・包装の情報を把握
製品ごとの素材構成と包装の仕様を、委託工場から集めて整理します。国内外の規制と取引先の要求に照らし、優先して見直す製品を
特定します。
STEP 2 設計基準・調達方針の見直し
プラスチックの使用量、再生素材の比率、分別のしやすさを設計の基準に組み込みます。資材メーカーや委託工場と、再生素材の調達と
品質基準・製造条件の確立を進めます。
STEP 3 対象製品の拡大と価値の訴求
環境対応の効果が確認できた製品から対象を広げ、取引先に環境情報を開示します。規制と取引先の要求の変化を継続的に把握し、
基準を定期的に見直します。
期待する成果
段階ごとに得られる成果
短期(0~6ヵ月) 中期(6~18ヵ月) 長期(18ヵ月~)
→ 素材・包装の棚卸し → 設計基準の策定 → 対象製品の拡大
→ 要求事項の整理 → 再生素材の調達 → 情報開示の仕組み
→ 対象製品の特定 → 委託工場との連携 → 取引先からの評価向上への寄与
※成果の時期は目安であり、対象範囲や状況により異なります
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セルフ診断
あなたの会社は、素材・包装に関する規制や取引先の要求に対応できていますか?
以下の項目に1つでも当てはまる場合、売り場や販路を失うリスクが潜んでいる可能性があります。
図7 素材と包装の環境対応 セルフ診断チェック
製品ごとの素材構成を把握していない
要対応レベル
→ 早急な対応が必要な可能性があります
包装のプラスチック使用量を管理していない 0
→ 早急な対応が必要な可能性があります 現時点では大きな懸念なし
EU包装・包装廃棄物規則への対応計画がない
1~2
→ 早急な対応が必要な可能性があります
注意が必要
環境配慮の基準が設計段階に組み込まれていない
→ 早急な対応が必要な可能性があります
3以上
再生素材の調達計画がない 早急に着手
→ 早期の見直しをおすすめします
当てはまる項目の数
取引先への環境情報の開示に対応できない
→ 早期の見直しをおすすめします
図7:紫の背景は早急な対応が必要な項目、灰色の背景は早期の見直しをおすすめする項目です
1つでも当てはまる場合 3つ以上当てはまる場合
売り場や販路を失うリスクが潜んでいる可能性があります。まず 素材と包装の見直しに早急に着手すべき段階です。製品情
は、主力製品の素材構成と包装の仕様を確認してください。 報の把握から始め、環境配慮設計の基準を定めることをおす
すめします。
次のステップ
環境対応の現状診断から始める
素材と包装の環境対応は、すべての製品を一度に変える必要はありません。製品ごとの素材と包装を把握することから始まります。アクセン
チュアでは、現状診断から、環境配慮設計の基準づくり、サプライヤーとの連携、情報開示の仕組みづくりまで、段階的に支援しています。
素材と包装の環境対応を、まずは相談してみませんか?
現状診断のご相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
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本稿のデータは公表情報・統計資料に基づきます。図は概念図を含みます。個別の投資・経営判断については、当社の専門家にご相談ください。
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