WHITE PAPER|ガラス・土石製品 × 戦略・経営企画
輸入品と同じ土俵で、
価格だけで
戦い続けるか?
セメント・ガラス・セラミックスメーカーのための
WHITE PAPER|その他製品× 調達・購買
コスト構造改革と高付加価値化の実践フレームワーク
海外で作れば安い、
その前提は 価格競争 固定費 付加価値
まだ成り立っているか?
汎用品で強まる 窯・炉の稼働が 機能・品質・供給力
輸入品との競合 左右する収益 で選ばれる製品へ
玩具・スポーツ用品・家具・文具メーカーのための
生産拠点・調達先の再配置と近接調達に向けた実践フレームワーク
約10日 総コスト 近接調達 本稿の内容 製品分野別の輸入品との競合度(概念図)
喜望峰への迂回による輸送遅延 単価だけでなく 需要地に近い生産拠点・調達先の活用
物流・在庫まで比較
汎用ガラス・タイル
本稿の内容 海外生産と近接調達の総コストの比較(概念図) 1 輸入品との価格競争が厳しくなった理由
1 「海外生産なら安い」が崩れた理由 欠品損失
建材用セラミックス
在庫・保管
2 海外調達をめぐる環境変化 2
物流費 高付加価値化を阻む構造的な壁
製品の単価
3 拠点の再配置を阻む構造的な課題 汎用セメント
4 調達先再配置の4層フレームワーク 3 事業構造改革が進むまでの道のり
機能性ガラス
海外生産 近接調達
5 セルフ診断と次のステップ 単価が高くても、総コストでは近接調達が有利になる場合があります
4 事業構造改革の4層フレームワーク 電子部品用セラミックス
アクセンチュア株式会社 2026年 外部公開版 競合度:高 競合度:中 競合度:低
Supply Chain & Engineering(SC&E) 5 セルフ診断と次のステップ ※概念図であり、実際の値は企業・製品により異なります
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アクセンチュア株式会社 2026年 外部公開版
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EXECUTIVE SUMMARY
窯の稼働を維持するための生産量確保が、利益を圧迫していないか?
ガラスやタイル、衛生陶器などの汎用品では、人件費やエネルギー費の安い国からの輸入品との価格競争が続いています。窯や
溶解炉は止めると再立ち上げに多額の費用がかかるため、稼働維持のために生産量を確保し、価格を下げざるを得ない構造に
陥りがちです。
本稿では、窯業メーカーが価格競争から抜け出すため、品種別の収益を可視化し、コスト構造の改革と高付加価値品へのシフ
トを同時に進めるための考え方とアプローチを整理します。
Why 1
価格競争は「営業の課題」ではなく「事業構造の課題」
窯業は設備の固定費が大きく、エネルギー費の比率も高い産業です。エネルギー価格が上がると原価が膨らむ一方、汎用品では輸入品
があるため価格に転嫁しにくく、利益が圧迫されます。
一方、機能性ガラスや電子部品用のセラミックスなど、品質や技術で選ばれる分野では、価格だけの競争になりにくい傾向があります。どの
品種に生産能力を振り向けるかが、収益を左右します。
図1 窯業のバリューチェーンと価格競争のホットスポット
原料・エネルギー 製造 製品構成 販売 顧客
窯・炉の
原料の調達 汎用品 価格交渉 建設・住宅
稼働維持
燃料・電力 電子・
歩留まり 機能性製品 流通経路
の価格 自動車
品種の
物流費 特注品 技術提案 輸出
切り替え
価格競争の影響が大きい領域 影響が中程度の領域 影響が比較的小さい領域
図1:価格競争は、エネルギーコスト、窯の稼働維持、汎用品の販売に大きく影響します(概念図)
固定費 エネルギー費 品種構成
窯・炉の稼働率が 価格に転嫁しにくい 窯の能力をどこに
収益を左右する 原価の上昇 振り向けるか
※図1と表紙の図は概念図であり、競合の強さや収益構造は製品・地域・顧客により異なります。
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図2 価格競争から抜け出すことを阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
固定費の壁 コストの壁 開発の壁
窯・炉 ・ 稼働率 ・ 立ち上げ エネルギー ・ 原料 ・ 物流 機能性 ・ 顧客 ・ 人材
・窯の再稼働には費用がかかる ・エネルギー費の比率が高い ・機能性製品の開発に時間がかかる
・稼働維持には一定の生産量が必要 ・原価の上昇を価格に転嫁しにくい ・顧客との共同開発の機会が限られる
・汎用品向けに最適化された設備 ・重く運びにくい製品が多い ・技術提案のできる人材が不足
量を追う構造から抜けにくい 利益が圧迫される 高付加価値化が進まない
図2:固定費・コスト・開発の3つの壁が、価格競争から抜け出すことを難しくしています
Why 2
コスト改革と高付加価値化を、同時に進める
汎用品の競争力を保つには、エネルギー効率の改善、窯の集約、物流の最適化によるコスト構造の改革が欠かせません。同時に、品質や
機能で選ばれる製品の比率を高めなければ、価格競争からは抜け出せません。
2つを別々に進めると、窯の稼働と製品構成の計画がかみ合いません。品種別の収益を共通の物差しにして、設備・製品・販売の計画を
一体で設計する必要があります。
図3 窯業の事業構造改革が進むまでの道のり(概念)
開始 3ヵ月 6ヵ月 9ヵ月 12ヵ月 18ヵ月 24ヵ月~
1 2 3 4 5 6 7
品種別収益 窯・炉の 品種構成の 窯の集約・ 機能性製品 顧客との 付加価値型の
の可視化 稼働分析 見直し方針 省エネ投資 の拡販 共同開発 事業構造へ
収益の可視化と方針策定 構造改革の実行
図3:収益の収益の可視化と方針策定を先に進め、窯の集約と高付加価値化を並行して進めます
窯を動かすための値下げは、窯を守ることにはなりません。
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Why 3
構造改革を「工場任せ」にしない
生産体制の効率化に向けた窯の集約や品種の見直しは、工場の稼働、営業の売上計画、顧客への供給責任に同時に影響します。経
営判断の基準を定め、部門横断で推進する必要があります。そこには3つの課題があります。
品種別の収益の可視化
1 エネルギー費や窯の稼働状況を含めて、品種・顧客別の収益性を把握します。
生産能力の配分
2 収益性と需要の見通しをもとに、窯の集約と品種ごとの生産配分を決めます。
高付加価値品の開発と提案
3 顧客の課題に応える機能性製品を開発し、技術提案を通じて販売につなげます。
図4 従来の事業運営と目指す姿
従来の事業運営 目指す姿
窯の稼働維持を優先して受注する 収益性で受注と品種を選ぶ
収益は製品群の合計で把握する 品種・顧客別の収益を把握する
エネルギー費の上昇を吸収する 省エネと価格の見直しで対応する
汎用品の比率が高い 機能性製品の比率を高める
価格を中心に営業する 技術提案を通じて製品価値を訴求する
アプローチ
品種別の収益を起点に、窯・製品・販売を組み替える
品種・顧客ごとの収益性を可視化し、価格競争にさらされる汎用品と、強みを生かせる製品を区別します。そのうえで、窯の集約と省エネ
投資、機能性製品の開発と販売を一体で計画します。それを支えるのが次の4層の仕組みです。
図5 窯業の事業構造改革 4層フレームワーク
Layer 4 経営・投資判断
窯の集約 省エネ投資 品種構成
窯の集約・省エネ投資・品種構成を全社で決定
Layer 3 製品・販売の転換
機能性製品 共同開発 技術提案
機能性製品の開発と技術提案型の販売
Layer 2 コスト構造の改革
エネルギー 歩留まり 物流
エネルギー効率・歩留まり・物流の改善
Layer 1 収益の可視化
品種別 顧客別 窯の稼働
品種・顧客別の収益性と窯の稼働を把握
図5:収益の可視化を土台に、コスト改革・製品転換・投資判断を積み上げます
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図6 窯業の事業構造改革 実行ロードマップ
STEP 1 0~6ヵ月 STEP 2 6~18ヵ月 STEP 3 18ヵ月~
品種別収益と コスト改革と 高付加価値化の
窯の稼働の可視化 品種構成の見直し 実行と定着
品種・顧客別の収益把握 省エネ・歩留まり改善 機能性製品の拡販
窯・炉の稼働分析 窯の集約計画 顧客との共同開発
品種の分類と方針 重点製品の選定 定期的な見直し
収益をけん引する品種が明確になる 構造改革の計画推進 価格競争に強い事業構造へ
図6:可視化・改革・高付加価値化の3段階で、価格競争に強い事業構造をつくります
STEP 1 品種ごとの収益力を把握する
エネルギー費や窯の稼働を含めて、品種・顧客別の収益性を把握します。輸入品との競合が強い品種と、強みを生かせる品種を区別し、
方針を定めます。
STEP 2 コストと品種構成を同時に見直す
省エネと歩留まりの改善、物流の見直しでコスト構造を改革します。収益性と需要の見通しをもとに、窯の集約と品種ごとの生産配分を計
画します。
STEP 3 高付加価値品で選ばれる事業へ
機能性製品の開発と技術提案型の販売を進め、顧客との共同開発を広げます。市場と原価の変化を継続的に把握し、品種構成を定
期的に見直します。
期待する成果
段階ごとに得られる成果
短期(0~6ヵ月) 中期(6~18ヵ月) 長期(18ヵ月~)
→ 品種別の収益把握 → エネルギー原単位の改善 → 機能性製品比率の向上
→ 窯の稼働分析 → 窯の集約計画 → 顧客との共同開発
→ 品種ごとの方針 → 重点製品の選定 → 価格競争に強い収益構造
※成果の時期は目安であり、対象範囲や状況により異なります
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セルフ診断
あなたの会社は、価格競争から抜け出す道筋を描けているか?
以下の項目に1つでも当てはまる場合、価格競争により、収益性が低下するリスクがあります。
図7 窯業の事業構造 セルフ診断チェック
品種・顧客別の収益性を把握していない
要対応レベル
→ 早急な対応が必要な可能性があります
窯の稼働維持を優先して受注している 0
→ 早急な対応が必要な可能性があります 現時点では大きな懸念なし
エネルギー費の上昇を価格に反映できていない
1~2
→ 早急な対応が必要な可能性があります
注意が必要
汎用品が売上の大半を占めている
→ 早急な対応が必要な可能性があります
3以上
機能性製品の開発テーマが定まっていない 早急に着手
→ 早期の見直しをおすすめします
当てはまる項目の数
技術提案ができる営業人材が不足している
→ 早期の見直しをおすすめします
図7:紫の背景は早急な対応が必要な項目、灰色の背景は早期の見直しをおすすめする項目です
1つでも当てはまる場合 3つ以上当てはまる場合
価格競争により、収益性が低下するリスクがあります。まずは、 事業構造の改革に早急に着手すべき段階です。品種別の収
品種・顧客別の収益性を確認してください。 益を可視化し、窯の能力の配分を見直すことをおすすめします
。
次のステップ
事業構造の現状診断から始める
価格競争から抜け出すための改革は、すべてを一度に変える必要はありません。品種ごとの収益力と窯の稼働を把握することから始まりま
す。アクセンチュアでは、収益の可視化から、コスト構造の改革、品種構成の見直し、高付加価値化の実行まで、段階的に支援していま
す。
窯業の事業構造改革を、まずは相談してみませんか?
現状診断のご相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
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本稿のデータは公表情報・統計資料に基づきます。図は概念図を含みます。個別の投資・経営判断については、当社の専門家にご相談ください。
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