WHITE PAPER|酒類 × 戦略・経営企画 多様化する飲み手と飲用シーン
!
飲む理由を、 若年層
既存 健康
ブランド 志向層
もう一度つくる。
酒類ブランドの 家飲み
クラフト
再構築と新カテゴリー。 志向層
外食
顧客セグメント別のブランド再構築と
新カテゴリー開発の実践フレームワーク 低アルコール・
ノンアルコール
新たな
顧客
▲25% 低アルコール 多様化
成人1人当たり 低アルコール・ 飲み方や
消費量の減少 ノンアルコールの拡大 価値観の変化
成人1人当たり酒類消費量(概数・L)
120
本稿の内容 102
100 94
1 「酒離れ」の本質は何か 82
75
80
2 酒類市場をめぐる主な変化
60
3 新カテゴリーを育てるための組織づくり
40
4 ブランド再構築の4層フレームワーク
20
5 セルフ診断チェックと次の一手
0
1992 2000 2010 2021
ピーク期 減少期 直近
▲25%
成人1人当たり酒類消費量のピーク比(国税庁)
低アルコール
低アルコール・ノンアルコール市場の拡大
2024年
アクセンチュア株式会社
「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
「酒離れ」は、消費者が酒に「飲む理由」を見いだせなくなった先にある。
国内の成人1人当たりの酒類消費量は、ピーク時から約4分の1減少した。若年層の飲酒機会の減少、健康意識の高まり、余暇の過
ごし方の多様化——酒を飲む理由そのものが変わりつつある。一方で、低アルコール・ノンアルコールやクラフト酒など、新たな需要も生ま
れている。
本稿は、顧客セグメントごとに「飲む理由」を再設計し、ブランドの再構築と新カテゴリーの開発を進めるための考え方と実践的アプローチ
を整理する。
Why 1 「酒離れ」の本質は、飲む理由の喪失にある
酒類の需要の減少は、単なる嗜好の変化ではない。職場の飲み会の減少、健康への配慮、娯楽の多様化によって、酒を飲む場面と理由が
少なくなっている。
これからのブランドに求められるのは、酔いそのものよりも、体験・つながり・自分らしさといった「飲む理由」を提供することである。そのためには、顧
客を1つの塊ではなく、価値観の異なるセグメントとして捉え直す必要がある。
図1 顧客セグメント別の「飲む理由」とブランドの再設計
顧客の層 飲む理由 提供する価値 ブランド 成果
仲間との 体験型の 新規顧客
若年層
体験 イベント の獲得
!
健康 体に 低アルコール・ ブランド 飲用機会
志向層 やさしい ノンアルコール の再構築 の拡大
クラフト 作り手の 限定品・ 単価の
志向層 物語 産地の訴求 向上
成長の余地が大きい層
図1:層ごとに異なる「飲む理由」に合わせて、提供価値とブランドを設計する
▲25% 低アルコール 多様化
成人1人当たり 低アルコール・ノンアルコール 飲み方や
消費量(ピーク比) 市場の拡大 価値観の変化
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
Copyright © 2026 Accenture. All rights reserved. Supply Chain & Engineering(SC&E)|SupplyChain_Engineering@accenture.com
Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 ブランド再構築を阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
画一的 ・ 中高年 ・ 固定化 主力依存 ・ 新市場 ・ 遅れ マス広告 ・ 一方向 ・ 測れない
ブランドの老化 品ぞろえの硬直 顧客理解の不足
・ブランド像が中高年向けに固定 ・主力商品への依存が大きい ・テレビ広告が中心の発信
・若年層にブランドが認知されていない ・低アルコール・ノンアルコールの展開が遅い ・顧客の声を直接集めていない
・全世代向けの訴求で印象が薄い ・新しい飲み方の提案が弱い ・施策の効果を測れない
若年層に選ばれない 新たな需要を取り逃す 顧客の変化が見えない
図2:ブランド・品ぞろえ・顧客理解の3つの硬直が、需要の変化への対応を遅らせている
Why 2 セグメントごとに「飲む理由」を再設計する
1つのブランドで全世代に訴求するアプローチは、もはや通用しにくい。若年層、健康志向層、クラフト志向層など、価値観の異なるセグメントご
とに飲む理由を設計し、それぞれに合った商品・体験・伝え方を用意する必要がある。既存ブランドの強みを活かしながら、新しい顧客に向けた
新カテゴリーを並行して育てる2段構えが有効である。
図3 酒類市場をめぐる主な変化
1人当たり チューハイ・ 低アルコール・ ビール系酒税
消費量がピーク ハイボール拡大 ノンアルコールが広がる の一本化
2000年代 2020 2024
1 2 3 4 5 6 7
1990年代 2010年代 2020年代 2026
飲み方の 外食での 伝統的酒造りが
多様化が進む 飲酒が急減 無形文化遺産に
新たな需要・追い風 需要減少・環境変化
図3:需要が減る一方で、新しい飲み方と価値への需要が生まれ続けている
需要は消えたのではなく、形を変えている ―― その変化を捉えたブランドが次の成長を手にする。
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Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 新カテゴリーを育てる「組織」をつくる
新しいカテゴリーの商品は、既存の主力商品と同じ物差しで評価すると育たない。小さく試し、顧客の反応を見ながら育てる仕組みが必要であ
る。そこには3つの課題がある。
1 課題 2 課題 3 課題
既存事業と同じ評価軸 顧客の声を集める仕組みの不足 ブランドの役割分担
新カテゴリーを短期の売上規模で評価すると、 顧客と直接つながる経路がなく、反応を見な 既存ブランドと新ブランドの役割を整理しない
育つ前に撤退を余儀なくされる。 がら改良することができない。 と、互いの価値を損ないかねない。
図4 従来のブランド戦略と目指すべき姿
✕ 従来のブランド戦略 目指すべき姿
✕ 全世代に同じブランドを訴求 層ごとに価値を設計
✕ 主力商品の改良が中心 新カテゴリーを並行して育成
✕ テレビ広告で認知を拡大 体験とSNSで共感を広げる
✕ 顧客像は推測に頼る 顧客の声とデータで需要を理解
✕ 新商品は売上規模で評価 育成段階に応じた評価軸
アプローチ 顧客分析に基づき、既存顧客/新規顧客の2段構えでブランドを育てる
まず顧客をセグメントに分け、それぞれの「飲む理由」と、ブランドに対する現在の評価を明らかにする。そのうえで、既存ブランドの再構築と新カ
テゴリーの開発を並行して進める。それを支えるのが次の4層のフレームワークである。
図5 酒類ブランド再構築 4層フレームワーク
Layer 4 ブランドポートフォリオ
役割整理 投資配分 育成評価
既存ブランドと新ブランドの役割と投資配分
Layer 3 商品・カテゴリー開発
低アルコール ノンアルコール 限定品
低アルコール・ノンアルコール・限定品などの新カテゴリー
Layer 2 体験・コミュニケーション
体験 SNS 店頭
体験型イベント・SNS・店頭での伝え方
Layer 1 顧客セグメント分析
価値観 飲用シーン 評価調査
価値観・飲用シーン・ブランド評価の把握
図5:顧客の理解を土台に、伝え方・商品・ブランドの配分を積み上げる
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実行ロードマップ / 期待する成果 5
図6 酒類ブランド再構築 実行ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
顧客の層と 再構築と ポートフォリオ
ブランドの診断 新カテゴリーの試行 の確立
顧客セグメントの分析 既存ブランドの刷新 成功商品の本格展開
ブランド評価の調査 新カテゴリーの試験販売 ブランドの役割整理
狙う層と価値の決定 体験型施策の実施 継続的な顧客理解
「誰に何を届けるか」が決まる 新たな顧客の反応が見える 次の成長の柱が育つ
図6:診断・試行・確立の3段階で、既存と新規のブランドを両輪で育てる
STEP 1 顧客を価値観で捉え直す
年齢だけでなく、価値観や飲用シーンで顧客をセグメントに分け、それぞれのブランド評価と飲む理由を調べる。狙う層と、その層に届ける価
値を明確にする。
STEP 2 既存の刷新と新カテゴリーを並行して試す
既存ブランドの伝え方を見直すと同時に、低アルコールや限定品などの新カテゴリーを小さく試験販売する。体験型の施策で顧客の反応を
直接確かめる。
STEP 3 成功を広げ、ブランドの役割を整理する
手応えのあった商品を本格展開し、既存ブランドと新ブランドの役割と投資配分を整理する。顧客の理解を継続的に更新し、次の打ち手に
つなげる。
期待する成果 変革が生み出す具体的な価値
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月〜)
→ 顧客の層の把握 → 既存ブランドの刷新 → 成功商品の本格展開
→ ブランド評価の把握 → 新カテゴリーの試行 → ブランドの役割整理
→ 狙う層の決定 → 若年層の反応把握 → 新たな顧客層の獲得
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セルフ診断 / 次のステップ 6
セルフ診断 あなたの会社のブランドは時代に合っているか?
以下の項目に1つでも当てはまれば、対応の遅れによるリスクが潜んでいる可能性があります。まず現状の確認を。
図7 酒類ブランドの適合度 セルフ診断チェック
☐ 自社ブランドの若年層での評価を把握していない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 低アルコール・ノンアルコールの品ぞろえが不十分
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 顧客を価値観や飲用シーンで分けて分析していない
ブランド適合スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ 新カテゴリーを育てる評価の仕組みがない
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 顧客の声を直接集める経路がない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ 体験型の施策を実施していない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまった場合
早急な着手が必要な段階です。飲む理由の変化は一時的な流行ではなく、変化に合わせてブランドを再設計した企業が、縮む市場
の中でも次の成長を手にします。
次のステップ まず「ブランド診断」から始める
ブランドの再構築は、大規模な広告投資から始める必要はない。まず顧客をセグメントに分け、自社ブランドの現在の評価を正しく知ることから
始まる。アクセンチュアでは、ブランド診断から新カテゴリーの開発、ポートフォリオの設計まで、段階的に支援している。
「酒類ブランドの再構築、まずは相談してみませんか」
ブランド診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については当社の専門家にご相談ください。
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