WHITE PAPER|食料品 × 戦略・経営企画 食品の海外展開ルート
!
縮む国内市場を、 越境EC
食品 輸出
メーカー 商社
世界で補う。
食品の海外展開と アジア
現地
越境EC戦略。 販売店
北米
海外市場展開と
越境EC戦略の実践フレームワーク 欧州
各市場の
顧客
1.5兆円 5兆円 人口減少
2024年の 2030年の食品 2008年以降、
輸出実績 輸出額目標 国内人口が減少
農林水産物・食品の輸出額(兆円)
6
本稿の内容 5.0
5
1 人口減少が海外展開を必然にした理由
4
2 食品輸出をめぐる主な動き
3
3 規制と物流の壁を越える体制づくり
2 1.4 1.5 1.5
1.2
4 海外展開を支える4層の仕組み 1.0
1
5 セルフ診断チェックと次の一手
0
2020 2021 2022 2023 2024 2030目標
実績 直近 政府目標
1.5兆円
2024年の農林水産物・食品の輸出額
5兆円
政府が掲げる2030年の輸出額目標
人口減少
アクセンチュア株式会社
2008年をピークに国内人口は減少
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
国内だけを見ていては、食品メーカーの成長は描けない時代に入った。
日本の人口は2008年をピークに減少に転じ、国内の食品市場は長期的な縮小が避けられない。一方で、アジアを中心とする海外で
は日本の食品への関心が高く、政府も2030年に農林水産物・食品の輸出額5兆円という目標を掲げている。国内市場の縮小が避け
られない中、持続的な成長には、海外市場で新たな売上を獲得していくことが不可欠になっている。
本稿は、食品メーカーが越境ECを足がかりに海外市場を検証し、規制・物流・マーケティングの壁を越えて本格展開するための考え方と
実践的アプローチを整理する。
Why 1 人口減少が、食品メーカーの海外展開を必然にした
人口の減少と高齢化により、国内の食品の消費量は長期的に減少していく。値上げや高付加価値化で売上を維持する努力にも限りがあり、
新たな成長市場を海外に求める動きが広がっている。
ただし海外展開には、各国の食品規制、現地の嗜好、物流、ブランドの認知といった多くの壁がある。やみくもに進出するのではなく、市場を検
証しながら段階的に進める戦略が必要である。
図1 食品の海外展開のバリューチェーン
国内の商品 現地への適合 輸出・物流 現地の販路 海外の顧客
!
表示・
加工食品 輸出商社 アジア
成分の規制
! !
調味料・ 輸入許可・ 国際物流・ 現地の
北米
飲料 認証 温度管理 販路
菓子・ 現地の
通関 欧州
冷凍食品 嗜好
対応の負担が大きい 整備が必要
図1:商品を現地に届けるまでに、規制・物流・販路の壁を順に越える必要がある
1.5兆円 5兆円 人口減少
2024年の農林水産物 2030年の 国内市場の
・食品の輸出額 政府目標 長期的な縮小
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
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Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 食品の海外展開を阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
表示 ・ 成分 ・ 輸入許可 嗜好 ・ 認知 ・ 発信 小口 ・ 温度 ・ 通関
規制対応の複雑さ 現地マーケティング 物流と採算
・国ごとに表示・成分の規制が違う ・現地の嗜好や食習慣の理解不足 ・小口の国際配送は割高
・輸入許可や認証の取得に時間を要す ・ブランドの認知がゼロから ・温度管理と賞味期限の制約
・規制の変更を追い続ける必要 ・現地語での発信に弱い ・通関の手続きが煩雑
一国ごとに対応が必要 国内の強みが通用しない 物流費が採算を圧迫
図2:規制・現地マーケティング・物流の3つの壁が、海外展開の速度を左右する
Why 2 越境ECを「テスト市場」として使う
海外に本格進出するには、現地法人や販売網の構築に多くの投資が必要になる。越境ECを活用すれば、少ない投資で「どの商品が、どの国
で、どの価格帯で売れるか」を検証できる。まずデータで手応えを確かめ、売れる商品と市場が見えてから現地の販路づくりに投資する。この順
序が、海外展開の失敗リスクを大きく下げる。
図3 食品輸出をめぐる主な動き
和食がユネスコ 輸出額が 輸出額が 5兆円の
無形文化遺産に 初の1兆円超 1.5兆円に 政府目標
2020 2023 2025
1 2 3 4 5 6 7
2013 2021 2024 2030
輸出促進法 一部の国で 2兆円目標
の施行 輸入規制が強化 の年
追い風 課題・目標
図3:政策の後押しで輸出は伸びているが、目標の達成にはさらなる加速が必要
海外の需要は確かにある ―― 問われているのは、それを確実に取り込む体制を持てるかどうかだ。
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Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 規制・物流の壁を越える「体制」が速度を決める
海外展開の成否は、商品の魅力だけでは決まらない。各国の規制に対応し、現地の販路と物流を確保し、売れ筋を見極めた投資判断がで
きるかどうかが重要になる。そこには3つの課題がある。
1 課題 2 課題 3 課題
市場の選択と優先順位 現地パートナーの確保 商品の現地適合
すべての国を同時に狙う余力はない。需要・ 販路・物流・規制対応を担える現地のパー 味・量・包装・表示を現地に合わせる判断と、
規制・競合を踏まえて優先市場を絞る必要 トナーとの関係構築が、展開の速度を左右 そのための開発体制が欠かせない。
がある。 する。
図4 従来の輸出と目指すべき姿
✕ 従来の輸出 目指すべき姿
✕ 商社任せのスポット輸出 自社で市場と顧客を把握
✕ 国内の商品をそのまま輸出 現地に合わせて商品を調整
✕ 進出先は感覚で決める データで優先市場を選ぶ
✕ いきなり現地法人を設立 越境ECで検証してから投資
✕ 規制対応は都度の個別対応 規制情報を一元管理し先回り
アプローチ 越境ECで検証し、手応えのある市場から本格展開する
まず需要・規制・競合を踏まえて優先市場を選び、越境ECで商品の需要と価格の妥当性を検証する。売れ筋と市場が見えたら、現地パート
ナーとの販路づくりと物流の整備に投資する。それを支えるのが次の4層の仕組みである。
図5 食品の海外展開 4層の仕組み
Layer 4 現地での本格展開
現地提携 販売網 ブランド
現地パートナー・販売網・ブランドの構築
Layer 3 越境ECでの市場検証
越境EC 価格検証 顧客分析
売れ筋・価格・顧客の反応をデータで検証
Layer 2 規制・物流への対応
表示対応 認証取得 国際物流
表示・認証・通関・温度管理の体制づくり
Layer 1 市場の選定
需要分析 規制調査 競合分析
需要・規制・競合による優先市場の決定
図5:市場の選定と規制・物流対応を土台に、検証と本格展開を積み上げる
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実行ロードマップ / 期待する成果 5
図6 食品の海外展開・越境EC 実行ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
優先市場の選定と 越境ECでの 現地での
規制対応の準備 市場検証 本格展開
需要・規制・競合の分析 越境ECでの販売開始 現地パートナーと提携
対象商品の選定 現地での情報発信 現地物流の整備
表示・認証の準備 売れ筋と価格の検証 複数市場への展開
「どこで何を売るか」が決まる 売れる手応えが見える 海外が成長の柱になる
図6:選定・検証・本格展開の3段階で、投資のリスクを抑えながら海外を伸ばす
STEP 1 優先市場を絞り、規制に備える
需要の大きさ、規制の難易度、競合の状況を比較して優先市場を選ぶ。対象商品の表示・成分・認証の要件を洗い出し、必要な対応を
前もって進める。
STEP 2 越境ECで手応えを確かめる
越境ECで少量から販売を始め、現地のSNSなどで情報を発信する。どの商品が、どの価格で、どのような顧客に売れるかをデータで確かめる。
STEP 3 手応えのある市場で本格展開する
売れ筋と市場が見えたら、現地のパートナーと販路・物流を整え、本格的に展開する。得た知見を次の市場の選定にも活かす。
期待する成果 変革が生み出す具体的な価値
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月〜)
→ 優先市場の決定 → 越境ECでの販売 → 現地販路の構築
→ 対象商品の選定 → 売れ筋の把握 → 複数市場への展開
→ 規制対応の準備 → 現地での認知向上 → 海外売上の拡大
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セルフ診断 / 次のステップ 6
セルフ診断 あなたの会社の海外展開への備えは?
以下の項目に1つでも当てはまれば、対応の遅れによるリスクが潜んでいる可能性があります。まず現状の確認を。
図7 海外展開への備え セルフ診断チェック
☐ 海外展開の優先市場が絞り込めていない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 輸出先の表示・成分・輸入の規制を把握していない
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 越境ECで海外の反応を確かめたことがない
海外展開スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ 現地の販路や物流を担うパートナーがいない
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 現地向けに商品や包装を調整する体制がない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ 国の輸出支援制度を活用していない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまった場合
早急な着手が必要な段階です。国内市場の縮小は確実に進み、海外の需要を取り込む体制づくりには時間がかかるため、早く検証を
始めた企業ほど有利になります。
次のステップ まず「海外市場診断」から始める
海外展開において、いきなり現地法人を設立する必要はない。まず優先市場を見極め、越境ECで手応えを確かめることから始まる。アクセン
チュアでは、海外市場の診断から越境ECの立ち上げ、現地での本格展開まで、段階的に支援している。
「食品の海外展開、まずは相談してみませんか」
海外市場診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については当社の専門家にご相談ください。
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