WHITE PAPER|計測機器・光学機器 × 戦略・経営企画 クラウド計測サービスの構図
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IoT
接続
売って終わり、の 計測 クラウド
機器 基盤
時代は終わった。
AI
計測データを 診断
データ
分析
サービスに変える。 顧客
現場
SaaS型サービスモデルへの転換と 保守
サービス
クラウド計測基盤構築の実践フレームワーク
継続
収益
継続収益 データ LTV
売り切りから 計測データが 顧客生涯価値
収益構成の転換イメージ(サービス収益比率・%)
サブスクへ 価値の源泉 の最大化
40
35
本稿の内容 30%
30
26%
1 競争の軸が「データの活用」へ移った理由
25
20%
2 SaaS型サービスへの移行のステップ 20
14%
15
3 データ基盤を自ら持つべき理由と課題
10 8%
5%
4 クラウド計測プラットフォームの4層構造 5
0
5 セルフ診断チェックと次の一手
現在 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
サービス収益比率 目標水準(例)
継続収益
景気に左右されにくい収益構造へ
データ起点
計測データを保守・改善の提案に活かす
段階移行
アクセンチュア株式会社
既存顧客を無理なく移行させる設計
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
計測機器の価値は、本体ではなく「計測データ」に移りつつある。
計測機器の市場では、ハードウェアの性能差が縮まり、価格競争に陥りやすくなっている。一方で、計測データをクラウドで集めて分析し、
予防保全や品質改善に活かすサービスへの需要は高まっている。勝敗を分けるのは、計測データを価値あるサービスに変える力である。
本稿は、売り切り型からSaaS型のサービスモデルへ転換し、クラウド計測プラットフォームを構築するための考え方と実践的アプローチを整
理する。
Why 1 競争の軸が「機器の性能」から「データの活用」へ移った
計測機器の精度や機能は年々向上してきたが、競合との差は縮まりつつある。顧客の関心は、機器そのものよりも、計測データを使ってどれだ
け生産性や品質を高められるかに移っている。
売り切り型のビジネスでは、販売後に顧客がどのようにデータを使っているかが見えず、継続的な関係も築きにくい。データを起点にしたサービスモ
デルへの転換が求められている。
図1 クラウド計測プラットフォームにおける価値の流れ
計測の現場 データ収集 分析・サービス クラウド基盤 顧客価値
!
生産 IoT 異常 稼働率
ライン 接続 検知 の向上
研究 エッジ 予防 クラウド 品質の
開発 処理 保全 計測基盤 安定
!
品質 データ 校正・ 保守費用
検査 蓄積 遠隔支援 の削減
新たに構築が必要な基盤
図1:計測データを集め、分析し、サービスとして顧客の成果に結び付ける
継続収益 データ LTV向上
景気に左右され 計測データが 顧客との
にくい収益基盤 新たな価値の源泉 長期的な関係の構築
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
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Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 SaaS型への転換を阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
ソフト人材 ・ 開発手法 ・ 運用 売上減 ・ 営業の反発 ・ 評価 既存顧客 ・ 移行負担 ・ データ
ソフトウェア能力 収益モデル転換に伴う痛み 顧客基盤の移行
・ハード中心でソフト人材が少ない ・移行期に一時的に売上が落ちる ・長年の顧客ほど変化を嫌う
・短い周期で改善する開発に不慣れ ・販売台数で評価される営業からの反発 ・データの外部保存に懸念がある
・クラウド運用の経験が乏しい ・経営指標が売り切り前提のまま ・移行を支える体制が不足
サービスを内製できない 短期の数字目標が転換を阻む 無理な移行は顧客離れに
図2:能力・収益・顧客の3つの壁を同時に乗り越える設計が必要である
Why 2 「売り切り」から「継続課金」へ、収益構造を組み替える
ハードウェアの売り切りは、景気や設備投資の波に収益が左右されやすい。計測データの活用サービスを継続的に提供すれば、収益の安定化
とともに、顧客の利用状況から次の提案や製品改良のヒントを得られる。ただし、移行期の売上減少を見込んだ経営指標と、営業の評価制
度の見直しを同時に進めることが欠かせない。
図3 SaaS型サービスへの移行の典型的なステップ(概念)
機器の 遠隔監視・ 分析サービス 顧客の成果に
ネット接続 保守 の収益化 連動した料金体系
段階2 段階4 段階6
1 2 3 4 5 6 7
段階1 段階3 段階5 到達点
データの 異常検知・ 他社機器も
見える化 予防保全 含めた基盤化
機能の拡張 収益モデルの転換
図3:接続と見える化から始め、段階的に継続サービスによる収益化につなげる
SaaS転換は一度に完成させる必要はない ―― 小さく始め、顧客の反応を見ながら機能と収益化を進める。
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Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 データ基盤を自ら持つことが、必須条件になる
計測データは、顧客の製造プロセスや研究開発の中核にかかわる情報である。そのデータを扱う基盤を自社で持たなければ、顧客との接点を
他社に握られかねない。ただし、基盤の構築には3つの課題がある。
1 課題 2 課題 3 課題
セキュリティと信頼 他社機器との接続 価格設計の難しさ
顧客は重要データの外部保存に慎重である。 顧客の現場には他社の機器も混在する。自 サービス内容や顧客の成果と結び付けた価
セキュリティと利用範囲の透明性が前提とな 社機器だけの基盤では価値が限られる。 格設計が求められる。
る。
図4 売り切り型とSaaS型の比較
✕ 売り切り型 SaaS型
✕ 機器の販売で収益を得る データ活用サービスで継続収益を得る
✕ 販売後の利用状況は見えない 利用データから次の提案を導く
✕ 保守は故障後の対応 異常の予兆を検知して予防保全
✕ 営業は販売台数で評価 継続率・顧客の成果で評価
✕ 製品改良は数年ごと 利用データで継続的に改善
アプローチ 小さく始め、データとサービスを段階的に広げる
まず自社製品のSaaS化の可能性と収益への影響を試算し、価値の高いサービスから最小限の機能で提供を始める。顧客の反応を見ながら
機能・対象顧客・収益化を広げ、組織と経営指標を合わせて変えていく。それを支えるのが次の4層のプラットフォームである。
図5 クラウド計測プラットフォームの4層構造
Layer 4 サービス・収益化
契約管理 継続収益 顧客支援
継続サービスの契約管理と顧客の成功支援
Layer 3 分析・アプリケーション
異常検知 予防保全 品質分析
異常検知・予防保全・品質分析のサービス
Layer 2 データ基盤
データ蓄積 統合 セキュリティ
計測データの蓄積・統合・セキュリティ管理
Layer 1 機器接続
IoT接続 エッジ 他社機器
自社・他社機器の接続とエッジ処理
図5:機器接続とデータ基盤を土台に、分析サービスと継続した収益を積み上げる
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実行ロードマップ / 期待する成果 5
図6 SaaS型サービスモデル転換 実行ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
SaaS化可能性診断 最小限のサービスで 本格展開と
と収益の試算 実証 組織の転換
対象製品・顧客の選定 プラットフォームの試作 サービスの本格提供
収益モデルの試算 パイロット顧客で実証 機能・対象顧客の拡大
顧客ニーズの調査 既存顧客の移行設計 評価制度の見直し
「何を売るか」が決まる 顧客が価値を実感する 継続収益が事業の柱に
図6:診断・実証・本格展開の3段階で、継続収益の事業をつくる
STEP 1 SaaS化の可能性と収益を試算する
自社製品のどのデータが顧客の成果に結び付くかを見極め、対象製品と顧客を選ぶ。移行期の売上減少も含めて収益モデルを試算し、経
営として転換の道筋を描く。
STEP 2 最小限のサービスで価値を確かめる
遠隔監視や異常検知など価値の高い機能に絞ってサービスを試作し、少数の顧客で実証する。既存顧客には段階的な移行の選択肢を
用意する。
STEP 3 組織と経営指標を合わせて変える
サービスを本格展開し、機能と対象顧客を広げる。営業の評価を販売台数から継続率・顧客の成果へ移し、ソフトウェア人材の確保を進め
る。
期待する成果 変革が生み出す具体的な価値
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月〜)
→ 対象製品の選定 → プラットフォーム試作 → サービスの本格提供
→ 収益モデルの試算 → パイロット実証 → 継続収益の拡大
→ 顧客ニーズの把握 → 移行プランの提示 → 評価制度の転換
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セルフ診断 / 次のステップ 6
セルフ診断 あなたの会社のSaaS転換への備えは?
以下の項目に1つでも当てはまれば、対応の遅れによるリスクが潜んでいる可能性があります。まず現状の確認を。
図7 SaaS転換への備え セルフ診断チェック
☐ 計測データを活用したサービスを提供していない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 売り切り型からの収益モデル転換を試算していない
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ ソフトウェア・クラウドを担える人材が少ない
SaaS転換スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ 営業の評価が販売台数のみで決まっている
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 既存顧客の移行プランを描いていない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ 他社機器も含めたデータ連携を検討していない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまった場合
早急な着手が必要な段階です。ハードウェアの性能差だけで勝ち続けることは難しく、計測データを価値に変える基盤を先に築いた企
業が、顧客との長期的な関係を手にします。
次のステップ まず「SaaS化可能性診断」から始める
SaaS型への転換は、大規模なシステム投資から始める必要はない。まず自社製品のどこにサービス化の可能性があるかを見極めることから始
まる。アクセンチュアでは、可能性の診断から収益モデルの設計、プラットフォームの構築、組織の転換まで、段階的に支援している。
「SaaS型サービスへの転換、まずは相談してみませんか」
SaaS化可能性診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については当社の専門家にご相談ください。
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