WHITE PAPER|自動車 × サステナビリティ 自動車ライフサイクルとCO₂排出
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CO₂が見えないと 素材
加工
原材料 電池
採掘 製造
クルマが売れない時代に
CFP管理とLCAの 物流
部品
デジタル化が急務だ。 メーカー
組立
工場
カーボンフットプリント管理と
LCAデジタル化の実践フレームワーク 使用
段階
廃棄・
再資源化
Scope3 製品単位 2026年
排出の大半は CFPの算定と EU CBAMの
自社の外に 開示の要請 本格適用
EVのライフサイクル別CO₂排出構成(概念図・%)
50
本書の内容 45
38%
40
1 規制対応が「競争条件」になった理由
35
2 カーボン規制・開示をめぐる工程表 30
25 22%
3 CFP削減を阻むサプライチェーンの障壁 18%
20
15
10%
4 CFP管理・LCAデジタル基盤の4層構造
10
5%
3% 4%
5
5 自己診断チェックと次の一手
0
素材 電池 部品 組立 物流 使用 廃棄
排出の大きい段階 中程度 小さい段階
Scope3
自動車メーカーの排出の大半を占める領域
2026年
EU炭素国境調整措置(CBAM)の本格適用
製品単位
アクセンチュア株式会社
取引先から求められ始めたCFPの開示
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
「この部品のCO₂は何kgか」と問われて、すぐに答えられるだろうか。
欧州の電池規則やCBAM、サステナビリティ情報開示の制度化など、カーボンに関する要請は製品単位・サプライチェーン単位へと急速
に広がっている。完成車メーカーは取引先にCFPデータの提出を求め始めており、対応できない企業は取引上の不利を被りかねない。
本稿は、CFP管理とLCAのデジタル化を「報告のための作業」から「競争力の源泉」へ転換するための考え方と実践的アプローチを整理
する。
Why 1 規制対応は「コスト」ではなく「競争条件」になった
カーボンフットプリント(CFP)の算定・開示は、かつてCSRの文脈で語られていた。今は違う。EU電池規則ではEV用電池のCFP申告が段階
的に義務化され、CBAMは輸入品に炭素コストを課す。開示基準の整備により、サプライヤーの排出量まで把握・報告することが求められてい
る。
問題は、多くの企業でCFPの算定が年に一度の手作業にとどまり、製品設計や調達の意思決定に使われていないことだ。
図1 自動車ライフサイクルとCO₂排出のホットスポット
原材料調達 素材・部品 部品・電池 完成車メーカー 使用・廃棄
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鉄鉱石・ 鉄鋼・ 電池セル・ 走行
ボーキサイト アルミ パック (電力)
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リチウム・ 正極材・ 電装・ 完成車 保守・
ニッケル 負極材 モーター メーカー 部品交換
原油・ 樹脂・ 内外装
リサイクル
樹脂原料 ゴム 部品
排出のホットスポット 中程度の排出
図1:CO₂排出の多くは自社工場の外、素材と電池の段階に集中している
大半 年1回 製品単位
自動車メーカーの排出に 多くの企業の 取引先が求める
占めるScope3 CFP算定の頻度 開示の粒度
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
Copyright © 2026 Accenture. All rights reserved. Supply Chain & Engineering(SC&E)|SupplyChain_Engineering@accenture.com
Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 CFP対応を阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
Scope3 ・ 上流 ・ 推計値 手作業 ・ 外部委託 ・ 年次 EU ・ 日本 ・ 取引先
排出量の可視化 LCAの属人化 要求の多様化
・自社以外の排出量は推計に頼りがち ・算定はExcelと専門家に依存 ・制度ごとに算定ルールが違う
・製品変更のたびに再計算が必要 ・取引先ごとに異なる様式で回答
・サプライヤーの一次データが少ない
・結果が設計・調達に使われない ・対応工数が年々膨らんでいる
・算定の前提が企業ごとに異なる
一次データの不足 算定が判断に届かない 個別対応で工数が膨張
図2:データ・算定方法・要求の三つの壁が、CFPを経営判断から遠ざけている
Why 2 LCAのデジタル化で「算定」を「経営判断」に変える
従来のLCAは、専門家による手作業の集計と数ヶ月のリードタイムを前提としてきた。製品データ・調達データ・エネルギーデータをつなぐデジタル
基盤を整えれば、設計変更や調達先の切り替えがCFPに与える影響を、その場で比較できるようになる。CFPは「報告書の数字」から「意思決
定の指標」へと変わる。
図3 自動車のカーボン規制・開示をめぐる主な動き
EU電池規則が CSRDの CBAMの 各社の削減
成立 適用開始 本格適用 目標年
2023 2025 2027〜
1 2 3 4 5 6 7
2023 2024 2026 2030
CBAMの SSBJ基準の 国内で開示の
移行期間開始 公表 義務化が始まる
制度の整備 対応の期限
図3:制度の整備から本格適用まで、準備に使える時間は限られている
規制の工程表は見えている ── 問われているのは、それまでにデータを揃えられるかどうかだ。
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Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 CFP削減は「サプライヤーとの協働」なしに実現しない
自動車のCFPの多くは、素材・部品・電池といったサプライチェーンの上流で発生する。自社工場の省エネだけでは削減目標に届かない。上流
を巻き込む仕組みづくりが不可欠だが、そこには3つの障壁がある。
1 障壁 2 障壁 3 障壁
サプライヤーの算定能力の格差 データ形式の不統一 コストと便益の偏り
企業ごとに算定方法・様式が異なり、集計 削減の便益は完成車メーカーに、コストはサ
中小のサプライヤーには算定の人材・仕組み や比較ができない。共通のルールと連携の仕 プライヤーに偏りがち。共同投資と便益配分
がなく、依頼しても一次データが返ってこない 組みが要る。 の設計が必要。
。
図4 従来のCFP対応と目指すべき姿
✕ 従来のCFP対応 目指すべき姿
✕ CFPは年1回の手作業で算定 製品データと連動して自動算定
✕ Scope3は業界平均値で推計 主要サプライヤーの一次データを活用
✕ 取引先ごとに個別様式で回答 共通基盤からデータを一括提供
✕ 算定はサステナ部門の仕事 設計・調達の判断にCFPを活用
✕ 規制が出てから対応を検討 規制の工程表から逆算して準備
アプローチ CFPを「見える化」し、削減を意思決定に組み込む
まず製品単位のCFPを算定できる状態をつくり、排出の大きい工程・部品を特定する。次にサプライヤーと一次データを共有する仕組みを整え
、最終的には設計・調達の判断にCFPを組み込む。それを支えるのが次の4層の基盤である。
図5 CFP管理・LCAデジタル基盤の4層構造
Layer 4 経営・開示ダッシュボード
製品別CFP・削減進捗・開示対応を一元管理 製品別CFP 削減進捗 開示対応
Layer 3 LCA算定・シミュレーション
設計変更・調達先変更の排出影響を試算 自動算定 設計比較 調達比較
Layer 2 データ統合基盤
部品表×調達×エネルギー×排出係数を統合 部品表連携 排出係数 一次データ
Layer 1 データ収集
社内システム・サプライヤー回答・外部データ 社内システム サプライヤー 外部DB
図5:部品表と排出係数をつなぐことで、設計・調達の段階でCFPを比較できる
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実行ロードマップ / 期待成果 5
図6 CFP管理・LCAデジタル化 実行ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
CFPの見える化と サプライヤー連携と 削減の打ち手を
排出源の特定 算定の自動化 経営に組み込む
現状の算定方法の診断 一次データ収集の仕組み 設計段階でのCFP比較
主要製品のCFP算定 算定ルールの標準化 低炭素材の調達戦略
排出の多い工程の特定 LCA算定の自動化 削減KPIの経営管理
「どこで出ているか」が見える 開示要求に即応できる体制 CFPが競争力に変わる
図6:見える化・連携・経営への組み込みの3段階でCFPを競争力に変える
STEP 1 まず主要製品のCFPを「数字」にする
散在するエネルギー・物流・材料のデータを集め、主要製品のCFPを算定する。最初から精度を追う必要はない。数字にすることで、排出の
大きい工程と部品が見えてくる。
STEP 2 サプライヤーと一次データをつなぐ
排出の大きいサプライヤーから一次データの共有を始める。算定ルールと提出様式を揃え、共通の基盤で収集・集計することで、開示要求
への対応工数を大きく減らせる。
STEP 3 設計・調達の判断にCFPを組み込む
材料選定や調達先の比較の場面で、コスト・品質と並べてCFPを評価できるようにする。CFPが設計・調達のKPIになったとき、削減は継続
的な取り組みになる。
期待成果 変革が生み出す具体的な価値
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月以降)
→ 主要製品のCFP算定 → 一次データの収集開始 → 設計でのCFP比較
→ 排出源の特定 → 算定ルールの標準化 → 低炭素調達の拡大
→ 規制対応の工程表 → 開示対応の効率化 → 削減目標の達成
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自己診断 / 次のステップ 6
自己診断 あなたの会社のCFP対応力は?
以下の項目に一つでも当てはまれば、対応の遅れによるリスクが潜在化している可能性が高い。
図7 CFP対応力 セルフ診断チェック
☐ 製品単位のCFPを算定できていない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ Scope3を業界平均値でしか把握していない
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ EU電池規則・CBAMへの対応計画が未策定
CFP対応力スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ 取引先ごとのCFP回答を個別に手作業で行っている
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 主要サプライヤーの一次データを集める仕組みがない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ 設計・調達の判断にCFPを使っていない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまった企業へ
CFP対応の遅れは、欧州をはじめとする取引機会の喪失に直結しかねません。規制の工程表から逆算すると、データ基盤の整備に使
える時間は決して長くありません。
次のステップ まず「CFP現状診断」から始める
CFP管理の変革は、大規模なシステム投資から始める必要はない。まず主要製品のCFPを正しく把握することから始まる。アクセンチュア
SC&E では、CFPの現状診断からLCAのデジタル化、サプライヤー連携の仕組みづくりまで、段階的に支援している。
「自社のCFP対応、まず話しませんか」
CFP現状診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については専門家にご相談ください。
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