WHITE PAPER|計測機器・光学機器 × 戦略・経営企画 技術優位を支える関係の網
!
!
特許網
世界シェア首位を、 自社 国際
技術 標準
守り続けるために。 !
!
新興国
知財戦略と メーカー
競合
企業
技術競争力の再設計。 顧客
企業
グローバルニッチトップを維持する 大学・
研究機関
知財戦略と技術競争力の実践フレームワーク
市場
シェア
知財 標準化 R&D
模倣を防ぐ 市場のルール 投資の選択
技術優位が続く期間の変化(概念図・年)
権利の網 を自ら設計 と集中
12
10
本稿の内容 10
1 ニッチトップ企業を脅かす「追い上げ」と「模倣」 8 7
2 新興国メーカーによる追い上げの経過 6 5
4
3 R&D投資の優先順位が5年後を決める 3
2
4 グローバル技術競争力の4層の運用体制
0
5 セルフ診断チェックと次の一手
以前 5年前 現在 今後
長期の優位 短縮傾向 短期化
短期化
技術の優位が続く期間は短くなっている
標準化
国際標準への関与が市場のルールを決める
選択と集中
アクセンチュア株式会社
限られたR&D資源の配分が5年後を決める
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
技術で勝っていても、知財と標準で負ければ、市場は奪われる。
計測機器・光学機器の分野には、特定の領域で世界シェアの上位を占めるグローバルニッチトップ企業が多い。しかし、新興国メーカー
の技術的な追い上げ、模倣品の流通、標準化をめぐる国際競争により、その地位は以前ほど安泰ではなくなっている。
本稿は、グローバルニッチトップの地位を持続させるために、知財戦略・標準化・R&D投資を一体で設計する考え方と実践的アプローチ
を整理する。
Why 1 ニッチトップ企業を脅かす「追い上げ」と「模倣」
高い技術力によって築いたシェアも、競合の技術的なキャッチアップによって次第に揺らぐ。特に新興国メーカーは、量産力と価格競争力を武器
に中価格帯から市場に参入し、やがて上位の領域へ進出してくる。
技術的な差を守り続けるには、技術開発そのものに加えて、特許による権利の網、国際標準への関与、R&D投資の優先順位付けを一体で
設計する必要がある。
図1 グローバルニッチトップを支える競争優位の構造
技術の源泉 守りの仕組み 市場のルール 自社の地位 顧客・市場
! !
コア 特許ポート 国際標準
研究機関
技術 フォリオ (ISO/IEC)
製造 営業秘密 世界シェア 製造業
業界規格
ノウハウ の管理 上位の地位 の顧客
顧客との ブランド・ 認証・ 新興国
共同開発 商標 校正体系 市場
関与が手薄になりがち 強化の余地が大きい
図1:技術そのものに加え、権利・標準・顧客との関係が重なって優位が持続する
短期化 標準化 選択と集中
技術優位が 国際的な R&D資源の
続く期間 ルールづくりの競争 配分
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
Copyright © 2026 Accenture. All rights reserved. Supply Chain & Engineering(SC&E)|SupplyChain_Engineering@accenture.com
Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 ニッチトップの地位を揺るがす3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
個人任せ ・ 狭い権利 ・ 国内中心 人材 ・ 交渉力 ・ 長期戦 延長線 ・ 技術者主導 ・ 分散
知財戦略の不在 標準化への関与不足 R&D配分の偏り
・特許出願が技術者個人の判断に依存 ・国際標準化活動に人を出せない ・既存技術の延長に投資が偏る
・権利範囲が狭く回避されやすい ・交渉・調整の経験が乏しい ・市場や競合の動きと結び付かない
・海外での出願が不十分 ・成果が見えにくく後回しになる ・資源が多くのテーマに分散
模倣を防ぎきれない ルールを他社に決められる 次の優位が生まれない
図2:権利・ルール・投資配分の三つの弱さが、技術の優位を短命にする
Why 2 標準化への関与が「参入障壁」をつくる
技術的に優れていても、国際標準や業界規格に自社の技術が反映されなければ、市場での地位は不安定になる。逆に、標準化の議論に早
くから関与し、自社技術の特長が活きる形でルールをつくることができれば、競合が追いつきにくい構造的な参入障壁となる。特許で守る領域と
標準で広げる領域を組み合わせる「オープン・クローズ戦略」の設計が鍵を握る。
図3 新興国メーカーによる追い上げの典型的な経過(概念)
低価格帯で 量産で 国際標準に 知財・標準・
市場に参入 コストを低減 関与し始める R&Dの一体運用
第2段階 第4段階 第6段階
1 2 3 4 5 6 7
第1段階 第3段階 第5段階 対抗策
模倣品・類似品 中価格帯へ 上位領域で
が流通 進出 競合が顕在化
競合の追い上げ 自社の対抗策
図3:追い上げは低価格帯から始まり、気づいたときには上位領域に及んでいる
追い上げの兆しは、低価格帯の市場と、特許・標準の動きに先に現れる。
Copyright © 2026 Accenture. All rights reserved. Supply Chain & Engineering(SC&E)|SupplyChain_Engineering@accenture.com
Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 R&D投資の優先順位が「5年後の競争力」を決める
限られたR&D資源を、どの技術領域に集中させるか。その判断が5〜10年後の競争上の地位を左右する。顧客ニーズ・技術トレンド・競合の
特許動向を統合して投資を決める仕組みが必要だが、そこには3つの課題がある。
1 課題 2 課題 3 課題
技術者主導のテーマ選定 競合動向の把握不足 知財とR&Dの分断
研究テーマが技術者の関心や既存技術の 競合の特許出願や標準化の動きを体系的 知財部門とR&D部門が別々に動き、出願
延長で決まり、市場ニーズとのずれが生じや に分析しておらず、投資判断に活かされてい と研究開発の戦略が一貫していない。
すい。 ない。
図4 従来の取り組みと目指すべき姿
✕ 従来の取り組み 目指すべき姿
✕ 特許出願は技術者任せ 事業戦略に沿って権利の網を設計
✕ 海外出願は主要国のみ 市場と競合を踏まえて出願国を選定
✕ 標準化活動は手が回らない 重要領域の国際標準化に関与
✕ 研究テーマは技術者が決める 市場・競合の分析に基づく優先順位付け
✕ 知財とR&Dが別々に動く 知財・標準・R&Dを一体で運用
アプローチ 知財・標準化・R&Dを一体で運用する
まず自社の特許ポートフォリオと競合の動向を分析し、守るべき技術と攻めるべき領域を明らかにする。そのうえで、権利の網、標準化への関与
、R&D投資の優先順位を一体で設計する。それを支えるのが次の4層の運用体制である。
図5 グローバル技術競争力 4層の運用体制
Layer 4 経営の技術戦略
技術戦略 投資配分 事業連携
守る技術・攻める領域と投資配分の決定
Layer 3 オープン・クローズ戦略
権利化 標準化 秘匿化
特許で守る領域と標準化で広げる領域の設計
Layer 2 知財・標準の分析
特許分析 競合動向 標準化動向
自社と競合する特許・標準化の動向を分析
Layer 1 情報基盤
特許情報 論文 市場情報
特許・論文・標準・市場の情報を一元管理
図5:情報と分析を土台に、オープン・クローズ戦略と経営判断を積み上げる
Copyright © 2026 Accenture. All rights reserved. Supply Chain & Engineering(SC&E)|SupplyChain_Engineering@accenture.com
実行ロードマップ / 期待する成果 5
図6 グローバル技術競争力の強化 実行ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
知財ポートフォリオ 戦略的な出願と 一体運用の
と競合の分析 標準化への参画 定着
自社特許の棚卸し 重要技術の出願強化 知財・R&Dの共同計画
競合の出願動向の分析 国際標準化への参加 標準化での主導権確保
標準化の機会の把握 R&D優先順位の見直し 定期的な戦略見直し
「守りの穴」が見える 権利と標準の布石が打てる 持続する技術優位
図6:分析・布石・一体運用の3段階で、技術の優位を持続させる
STEP 1 守りの穴を見つける
自社の特許ポートフォリオを棚卸しし、競合の出願動向と比較する。権利の手薄な領域、模倣のリスクが高い製品、関与すべき標準化の機
会を明らかにする。
STEP 2 権利と標準の布石を打つ
重要技術の出願を強化し、出願国を市場と競合の動きに合わせて選ぶ。重要領域の国際標準化活動に参加し、R&Dテーマの優先順位
を見直す。
STEP 3 知財・標準・R&Dを一体で回す
知財部門とR&D部門が共同で計画を立て、標準化の議論と研究開発を連動させる。定期的に戦略を見直し、競争環境の変化に追随す
る。
期待する成果 変革が生み出す具体的な価値
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月〜)
→ 特許の棚卸し完了 → 重要技術の出願強化 → 一体運用の定着
→ 競合動向の把握 → 国際標準化への参加 → 標準での主導権
→ 標準化機会の特定 → R&D配分の見直し → 持続する技術優位
Copyright © 2026 Accenture. All rights reserved. Supply Chain & Engineering(SC&E)|SupplyChain_Engineering@accenture.com
自己診断 / 次のステップ 6
自己診断 あなたの会社の技術競争力の守りは?
以下の項目に一つでも当てはまれば、まず現状の確認を。リスクが潜んでいる可能性がある。
図7 技術競争力の守り セルフ診断チェック
☐ 自社特許が手薄な領域を競合と比較して把握していない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 重要技術の海外出願が主要市場をカバーしていない
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 国際標準化活動に参加していない
競争力維持スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ R&Dの優先順位を市場・競合分析で決めていない
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 知財部門とR&D部門の計画が連動していない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ 5年後の技術競争力の見通しを描いていない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまった場合
3つ以上なら、すぐに着手すべき段階です。技術の優位が続く期間は短くなっています。追い上げが表面化してからでは、権利の網や標
準での主導権を取り戻すのは困難です。
次のステップ まず「知財・競合技術診断」から始める
技術競争力の強化は、大規模な投資から始める必要はない。まず自社の知財と競合の動向を正しく把握することから始まる。アクセンチュアで
は、知財・競合技術の診断から、標準化戦略、R&D投資の優先順位付けまで、段階的に支援している。
「技術競争力の強化、まずは相談してみませんか」
知財・競合技術診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については当社の専門家にご相談ください。
Copyright © 2026 Accenture. All rights reserved. Supply Chain & Engineering(SC&E)|SupplyChain_Engineering@accenture.com