WHITE PAPER|自動車部品 × 戦略・経営企画 EV化で変わる部品の需要構造
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その部品は、 変速機
部品
エンジン 燃料系
部品 部品
10年後も売れるか
EV化時代の 電動
部品
共通
ポートフォリオ転換。 部品
熱管理
部品
既存部品の需要消失リスクと
製品ポートフォリオ転換の実践フレームワーク 電子
制御
新規
顧客
約3万点 約1/3 3〜5年
ガソリン車の EV化で不要に 新製品の開発〜 部品別の需要見通し(概念図・現在=100)
部品点数の目安 なる部品の割合 量産の期間
250
220
本書の内容 200 180
1 「需要消失」は想定より早くやってくる
150 130
2 EV化が部品メーカーに及ぼす影響の時間軸 95
100
3 転換を阻む「決断」の難しさ
45
35 40
50 30
4 ポートフォリオ転換の4層フレームワーク
0
5 自己診断チェックと次の一手 エンジン 変速機 燃料 排気 車体 熱管理 電動 電子
需要縮小 横ばい 需要拡大
約1/3
EV化で不要になる部品の割合(目安)
2030年代
主要国が掲げる内燃機関車の販売規制の目標
3〜5年
アクセンチュア株式会社
新製品の開発から量産までに要する期間
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
「当面は売れる」部品に頼り続けることが、最大のリスクになる。
EV化の進展により、エンジン・変速機・燃料系などの部品需要は長期的に縮小していく。一方で、電動系・熱管理・電子制御の部品
市場は拡大が見込まれる。開発から量産まで数年を要することを考えれば、転換の判断はいま下さなければ間に合わない。
本稿は、既存部品の需要消失リスクを定量的に捉え、EV・電動部品への製品ポートフォリオ転換を進めるための考え方と実践的アプロ
ーチを整理する。
Why 1 「需要消失」は想定より早く、段階的にやってくる
内燃機関車の販売規制は2030年代を目標とする国・地域が多いが、部品メーカーへの影響はそれより早く現れる。新車に占めるEVの比率
が高まるにつれ、完成車メーカーは内燃機関向け部品の新規開発・発注を絞り込むからだ。
問題は、多くの部品メーカーが自社製品ごとの需要消失の時期を定量的に把握しておらず、転換の判断が先送りされていることである。
図1 EV化による部品需要の変化と転換の方向
縮小する部品 共通部品 拡大する部品 部品メーカー 新たな顧客
!
エンジン モーター・ 既存OEMの
ブレーキ
部品 インバーター EV向け
!
変速機 車体・ 熱管理 部品 新興EV
部品 シャシー 部品 メーカー メーカー
!
燃料・ 電子制御 自動車以外
内外装
排気系 部品 の産業
需要消失リスク高 需要縮小リスク
図1:縮小する部品で培った技術を、拡大する部品と新たな顧客へ振り向ける
約1/3 3〜5年 2030年代
EV化で不要になる 新製品の開発から 主要国の内燃機関車
部品の割合(目安) 量産までの期間 販売規制の目標
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
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Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 ポートフォリオ転換が進まない3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
品目別 ・ 時期 ・ 規模 技術差 ・ 設備 ・ 認証 既存顧客 ・ 既存事業 ・ 社内
需要消失の不可視化 技術転換の難しさ 既存事業への依存
・品目ごとの需要減少時期が見えない ・材料・工法・品質基準が既存と違う ・売上の多くを既存部品が占める
・既存事業部門の抵抗が強い
・顧客の電動化計画を把握できない ・既存設備を転用できない場合が多い
・新規顧客の開拓力が不足
・投資判断の根拠となる数字がない ・顧客認証の取得に時間がかかる
判断材料がなく先送り 開発〜量産に3〜5年 縮小の判断が最も難しい
図2:情報・技術・組織の三つの壁が、転換の判断を遅らせている
Why 2 「撤退する事業」と「集中する事業」を数字で決める
EV転換に成功している部品メーカーに共通するのは、全製品を一度に転換しようとせず、撤退・維持・投資の判断を明確にしていることだ。品
目ごとの需要見通しと自社技術の転用可能性を定量的に評価すれば、感覚論ではなく数字に基づいて資源配分を決められる。既存事業は
「縮小しながら稼ぐ」役割を担い、その収益を成長事業へ振り向ける。
図3 EV化が部品メーカーに及ぼす影響の時間軸(概念)
EV比率の上昇 電動部品の 内燃機関車の 電動部品が
内燃系の開発抑制 調達先選定が進む 販売規制 事業の柱に
数年内 2030年頃 2030年代
1 2 3 4 5 6 7
現在 数年内 2030年代 その先
内燃系の 内燃系部品の 内燃系は
新規発注が減少 価格競争が激化 補修需要が中心に
新たな機会 既存事業への影響
図3:影響は規制の年よりも早く、発注の変化として現れる(時期は概念)
規制の年を待つ必要はない ── 需要の変化は、顧客の発注計画としてすでに始まっている。
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Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 転換を阻むのは技術ではなく「決断」の難しさ
転換に必要な技術や市場の情報は、ある程度は手に入る。それでも転換が進まない背景には、経営判断と組織にかかわる3つの障壁がある。
1 障壁 2 障壁 3 障壁
既存事業への執着 EV普及の不確実性 社内の抵抗と資源の分散
いま売上を生んでいる事業の縮小を決める EVの普及速度は地域によって異なり、投資 縮小する部門の発言力が強く、成長分野に
のは難しい。中長期の収益見通しに基づく 判断が揺らぐ。複数のシナリオで備えることが 人材・資金が集まらない。経営主導の配分
判断の枠組みが要る。 重要になる。 が欠かせない。
図4 従来の事業運営と目指すべき姿
✕ 従来の事業運営 目指すべき姿
✕ 既存製品の延長で事業計画を策定 品目別の需要消失を織り込んだ計画
✕ 全製品を均等に維持・改善 撤退・維持・投資を明確に区別
✕ 既存OEMからの受注を待つ 新興EVや他産業へ自ら提案
✕ 図面ベースの開発プロセス デジタル設計で開発期間を短縮
✕ 転換の判断は先送り シナリオに基づき早期に意思決定
アプローチ 需要消失の予測から始め、集中投資の分野を絞り込む
EV転換の第一歩は、感覚論を排した需要予測である。品目別・顧客別の需要消失シナリオを数値化し、自社の強みが活きる電動部品の領
域へ資源を集中する。それを支えるのが次の4層の意思決定フレームワークだ。
図5 製品ポートフォリオ転換 4層フレームワーク
Layer 4 経営の資源配分
資源配分 撤退計画 投資判断
撤退・維持・投資の判断と人材・資金の再配分
Layer 3 成長分野の選定
技術転用 市場性 競合分析
技術の転用可能性と市場性で注力分野を決定
Layer 2 品目別の需要シナリオ
需要予測 顧客計画 シナリオ
顧客の電動化計画を織り込んだ需要予測
Layer 1 データ収集
受注実績 生産計画 市場予測
受注実績・顧客の生産計画・市場予測
図5:需要の見通しを土台に、成長分野の選定と資源配分の判断を積み上げる
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実行ロードマップ / 期待成果 5
図6 EV・電動部品へのポートフォリオ転換 ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
需要消失の予測と 重点分野の開発と 量産化と
ポートフォリオ診断 顧客開拓 事業構造の転換
品目別のEV影響の分析 電動部品の設計・試作 量産・顧客認証の取得
技術の転用可能性の評価 新規顧客への提案 新規顧客からの受注
撤退・維持・投資の区分 デジタル設計への移行 既存事業の段階的縮小
「何に集中するか」が決まる 試作品と提案先がそろう 電動部品が事業の柱に
図6:分析・開発・量産の3段階で、事業の重心を電動部品へ移していく
STEP 1 まず「需要消失マップ」をつくる
品目ごとにEV化の影響を数値化し、数年後の需要変化をシナリオ別に試算する。そのうえで撤退・維持・投資の3区分に分類する。客観
的な分析が転換の出発点となる。
STEP 2 自社の強みが活きる電動領域に集中する
精密加工・熱制御・振動制御など、既存部品で培った技術が電動部品のどこに転用できるかを評価し、競争が激しすぎず自社の強みが活
きる分野を選ぶ。
STEP 3 新たな顧客との関係を早期に築く
既存の完成車メーカーへの依存から脱し、新興EVメーカーや自動車以外の産業へも提案を広げる。認証取得の期間を考えれば、提案活
動は早いほどよい。
期待成果 変革が生み出す具体的な価値
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月以降)
→ 需要消失マップの完成 → 電動部品の試作 → 量産・認証の取得
→ 撤退・投資の区分 → 新規顧客への提案 → 新規顧客からの受注
→ 重点分野の決定 → 開発期間の短縮 → 事業構成の転換
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自己診断 / 次のステップ 6
自己診断 あなたの会社のEV転換への備えは?
以下の項目に一つでも当てはまれば、対応の遅れによるリスクが潜在化している可能性が高い。
図7 EV転換への備え セルフ診断チェック
☐ 製品ごとのEV化による需要減少時期を試算していない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 主要顧客の電動化計画を製品別に把握していない
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 撤退・維持・投資の判断基準が定まっていない
転換準備スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ 電動部品の開発に着手していない
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 新興EVメーカーや他産業への提案を行っていない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ 転換に必要な投資資金の計画がない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまった企業へ
EV転換は「いつか取り組む」課題ではありません。開発から量産までの期間を逆算すれば、判断の猶予はすでに限られています。
次のステップ まず「需要消失シナリオ分析」から始める
ポートフォリオ転換の第一歩は、自社製品の需要消失を客観的に見通すことだ。アクセンチュア SC&E では、自動車部品メーカーのポートフォ
リオ診断から、電動部品の事業戦略、新規顧客の開拓まで、段階的に支援している。
「自社のEV転換戦略、まず話しませんか」
ポートフォリオ診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については専門家にご相談ください。
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