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粉が流れにくくて困っていませんか?粉体を扱う上で重要な、流動性を左右する要因についてまとめました。
粉体を投入するのに使用しているホッパーが詰まってしまったり、うまく次の工程に排出できない場合に「粉の流動性が悪い」と言ったりします。
しかしその「流動性」が具体的にどんな要因から決まっているのか知っていますか。
ここでは粉体の流動性を左右する要因について、簡単に解説します。
日東金属工業では、ステンレスホッパーをオーダーメイドで製作しています。
ホッパーに関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
<目次>
1.改めて、流動性ってなに?
2.流動性を左右する要因とは
3.流動性を改善するにはどうすればいいか
このカタログについて
ドキュメント名 | 粉体ホッパーを扱うなら知っておきたい 「流動性」ってなに? |
---|---|
ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 994.4Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | MONOVATE(旧日東金属工業)株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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粉が流れにくくて困っていませんか?
粉体を扱う上で重要な、流動性を左右する
要因についてまとめました。
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粉体を投入するのに使用しているホッパーが詰まってしまったり、うまく次の工程に排出
できない場合に「粉の流動性が悪い」と言ったりします。
しかしその「流動性」が具体的にどんな要因から決まっているのか知っていますか。
ここでは粉体の流動性を左右する要因について、簡単に解説します。
1 改めて、流動性ってなに?
流動性とは、ざっくり言うと「粉体の流れ
やすさ」のことです。
弊社ではわかりやすく「すべり性」と言っ
たりもします。
たとえば砂時計の中身の砂は、サラサラと
留まることなく流れます。
このような粉体を「流動性がいい」、逆にスムーズに流れないものを「流動性が悪い」の
ように評価します。流動性が悪い粉体はホッパー内で詰まったり、内容物の投入・排出を
妨げることがあります。
※ブリッジ・ファネルフローなどといったホッパーの詰まり方については、こちらのコラ
ムをご覧ください。
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2 流動性を左右する要因とは
流動性を左右する要因には様々なものがあり、いくつか例をご紹介します。
安息角(あんそくかく)
水平な地面に粉体が積みあがっている時に、粉体と地面が作る角度
安息角には様々な測定方法がありますが、注入法が一般的
です。(注入法:ホッパー形状の容器から自然に落下さ
せ、堆積した粉体と地面が作る角度を測定する方法)
この角度が大きい(広がらずに、その場で高く堆積する)
粉体は流動性が悪く、ホッパー内でブリッジなどを起こし
やすくなります。
ひとつの指標として、安息角が41°より大きい粉体はブリッジが発生しやすく、流動性に関
して何らかの対策が必要になります。
凝集度(ぎょうしゅうど)
振動によるダマのできやすさを数値化したもの
粉体をふるいにのせて、種類ごとに適した一定の条件(振
動時間や振幅など)で振動を与えます。その際にダマに
なってふるいから落ちなかった粉体を計量・計算し求める
ことができます。
凝集性が高い(ダマになりやすい)粉体ほど流動性が悪い
とされています。
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噴流性(ふんりゅうせい)
飛散の起こりやすさ
数値で示す場合、分散度ともいいます。
上から粉を落とし、下に設置した受け皿にどのくらいの割
合で残っているかを計量し、飛散した割合を算出します。
噴流性が低い(飛散が起こりにくい)粉体ほど流動性が悪
く、詰まりやすいとされています。
流動性を左右する3つの要因を例としてご紹介しました。
これらの例に挙げたような要因が「流動性が悪い」と示せば示すほど、対策が必要になり
ます。
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3 流動性を改善するにはどうすればいいか
弊社でホッパーを製作する際にご提案できる流動性の改善方法をご紹介します。
方法その1:ホッパーの角度を変更する
基本的にはホッパー角度をきつくすればするほど、中の粉体は流れやすくなります。
しかし角度をきつくしすぎてしまうと、粉体が出口に向かおうとする力が極端に強くな
り、出口付近で固まってしまうことがあります。
またホッパーの角度を決定するにあたり、安息角を考慮することもあります。
ホッパーの水平面からの角度を安息角よりも大きくしないと、ホッパー内部の粉体は完全
には排出できません。
このように様々な要因を考えながら、ホッパーの角度を決定していきます。
日東金属工業で製作するホッパーは、ご要望に合わせて角度の変更が可能です。
※弊社ではホッパー角度=ホッパー内部の角度ですが、メーカーにより地面からの角度を示すことも
ございます。ご注文やお問い合わせの際にはイラストを用いるなど、どの角度を示しているかを明確
にすることをお勧めします。
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方法その2:ホッパーに表面処理を施す
ホッパーの表面処理を変更することで、表面への付着を軽減し、流動性を改善できること
があります。
表面処理例:gemini処理®
ホッパーの表面を細かく荒らすブラスト加工をすることで、粉体とホッパーの接触面積を
減らし付着を軽減できます。
金属表面を直接加工するので、コーティングのように剥離する心配はありません。
弊社サイトの下記製品のページにて、通常のバフ研磨と粉体の付着を比較した動画を公開
しています。ぜひご覧ください。
粉体付着抑止投入ホッパー【THT-G】
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まとめ
・流動性とは、粉体の流れやすさのこと。
・流動性は安息角、凝集度、噴流性ほか、様々な粉体の性質で決まる。
・流動性はホッパーの角度や表面処理を変更することで改善が可能。
実際に粉体を流してホッパーの角度・表面処理を実験できます。
流動性を左右する粉体の性質は様々なものがあり、ホッパーの仕様を決定するのに考慮す
べきことは多岐にわたります。悩んだ際には、下記のような簡単な実験装置を使用して手
軽にホッパー角度や表面処理を検討することも可能です。
すべり性実験台
■傾斜部分に原材料を流し、ホッパーの状況を再現します。
■傾斜部分に使用する板は7種類。表面処理の比較検討が可能です。
■角度は30~85度の任意の角度に設定できます。
7種類の表面処理
①BA素材 ②バフ研磨 ③電解研磨
④ハードクロムメッキ(硬化クロムメッキ)
⑤ジェミニ(gemini)処理 ®
⑥フッ素樹脂コーティング
貸し出しを行っております。
⑦アドロン®コーティング
詳細はお問い合わせください。
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お問い合わせ先
ステンレス製品部 営業課
〒 340-0811 埼玉県八潮市二丁目358
TEL 048-996-4221
FAX 048-996-8781
URL https://www.nitto-kinzoku.jp/
E-mail sales@nitto-kinzoku.co.jp
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ステンレス容器総合カタログ ステンレス容器ユニットカタログ
(白色×青色) (白色×オレンジ色)
編者 企画開発課 企画G
2019年10月 発行