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「1枚で選べる」表面処理の比較早見表と、体系的にわかる技術ノートのセット。ステンレス専門約70年のメーカーが、バフ研磨・電解研磨・フッ素樹脂コーティングをSEM画像で徹底比較。
「ステンレスってなに?」「電解研磨ってなに?」「フッ素樹脂コーティングってなに?」
ステンレス容器の表面処理の選定、最初の一歩に。
本資料は、「表面処理 比較早見表」と「ステンレス鋼と表面処理の技術ノート」の2点セットです。
① 表面処理 比較早見表
バフ研磨・電解研磨・フッ素樹脂コーティングなど計6種類の表面処理を、SEM画像とともに一覧で比較。
選定の"最初の1枚"としてお使いいただけます。
② ステンレス鋼と表面処理の技術ノート
ステンレス鋼・電解研磨・フッ素樹脂コーティングそれぞれの基礎知識をまとめた資料です。
解説資料:
・ステンレス鋼
・電解研磨
・フッ素樹脂コーティング
その他:
・Q&A
・用語集
【このような方におすすめです】
・医薬・化粧品・食品・化学向けに、容器の材質/表面処理を選定中の方
・バフ研磨と電解研磨の違いや、フッ素樹脂コーティングについて知りたい方
・新人研修や社内勉強用のリファレンスをお探しの方
このカタログについて
| ドキュメント名 | 【2点セット】ステンレス表面処理 比較早見表+技術ノート |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ハンドブック |
| ファイルサイズ | 22.3Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | MONOVATE(旧日東金属工業)株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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深い傷なし・平滑 一定方向の傷+研磨剤残留 凹凸なく平滑 研磨跡は薄く残るが
平滑・残留物は除去 樹脂被膜・傷つきやすい 微細な凹凸
鏡面・写り込みあり 光沢あり 非常にきれいな鏡面 光沢あり 樹脂色 マット
傷・残留物を増やさない 加工跡の除去・外観 脱脂・洗浄性・耐食性 加工跡除去+洗浄性 非粘着・すべり性・耐食性 粉の付着抑止
○ △ ◎ ◎ ○ ○
¡ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○
(コーティング仕様による) (母材の耐食○性による)
¢£¤¥¦§ ミルシート バフ研磨証明書 電解研磨証明書 電解研磨証明書 コーティング施工証明書 gemini処理®証明書
¨© 一般工程 加工跡の目立つ製品 医薬・化粧品・GMP 医薬・化粧品・GMP 高粘度・腐食性薬品など 粉体
◎ 特に優れる ○ 標準的 △ やや劣る SEM画像:倍率 1000倍 /撮影 埼玉県産業技術総合センター /一般的な洗浄後に撮影 gemini 処理 ®は株式会社不二製作所の商標です。
•本表は表面処理を施した「面」の状態を比較したものです。実際の容器では、バフ研磨の範囲は形状や
取り付ける部品によって決まります。当社は必要最小限にとどめる方針で、溶接部のみの研磨が標準です。
一般には内面全面をバフ研磨したうえで電解研磨する仕様が多く見られます。
•表面処理は容器の製作時に施工します。納品済み・他社製容器への後施工は承っておりません。 https://www.monovate.co.jp/
•バフ研磨は標準対応、電解研磨・PFAコーティング・gemini 処理 ®は特注対応です。
•費用は形状・寸法・施工範囲により変動します。概算は個別にご案内します。
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ステンレス鋼
電解研磨
フッ素樹脂
コーティング
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本資料では、当社のステンレス容器に使用されるステンレス鋼や医薬品業界で多く使われている表面処理
の電解研磨、薬品に対する耐食性や非粘着性などの優れた特性を有しているフッ素樹脂コーティングにつ
いて解説いたします。ステンレス容器を選定する際の参考になれば幸いです。
目次
解説資料 ステンレス鋼 p.3
電解研磨 p.13
フッ素樹脂コーティング p.23
その他 Q&A p.35
用語集 p.40
• 本資料では、ステンレス鋼や電解研磨、フッ素樹脂の歴史や工学、化学などの専門的な内容には触れておりません。
• 本資料の内容は、当社の経験および表面処理加工会社様、ステンレス鋼製造メーカー様からの情報などをもとに作
成しています。
• 本資料は2009年の初版発行以来、改訂を重ねています。記載の規格・データ・製品情報は改訂時点のものであり、そ
の後の規格改正などにより内容が異なる場合があります。最新の情報については当社までお問い合わせください。
• ステンレス鋼の呼び方はJIS記号に統一しています。
• 電解研磨のデータや写真は、当社で電解研磨をおこなったものです。
• フッ素樹脂の呼び方は化学名称の頭文字をとっています。例:PTFE:Poly Tetra Fluoro Ethylene(4フッ化エチレン)
• 当社は2024年4月に日東金属工業株式会社からMONOVATE株式会社へ社名変更しました。
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ステンレス鋼
ステンレス鋼のステンレス(Stainless)とは、
ステイン(Stain:汚れ)とレス(Less:より少ない)を組み合わせた造語です。
ステンレス鋼は錆びにくく、多くの優れた性質を持ちあわせた
金属として様々な分野に使用されています。
このため板材(薄板/厚板)・線材・棒材・パイプ(管)、
形鋼など多くの種類があります。
鋼種もJIS規格のものから、メーカー独自に開発したものが数多くあります。
また、加えられている成分や量により、様々な特性を示します。
ここでは、当社で使用しているステンレス鋼の材料についてご紹介します。
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目次
1. ステンレス鋼とは
2. ステンレス鋼の選び方
3. ステンレス鋼の耐食性
4. その他
1. ステンレス鋼とは
ステンレス鋼とは、主成分の鉄に10.5%以上のクロムを含ませた鉄の合金です。
このクロムの含有により金属表面にクロム酸化皮膜(不動態皮膜)が形成され、錆びにくい耐食性を
有することになります。
さらに他の元素を加えることで、より強固な耐食性などの特性を持つことができます。
重量は鋼材の種類により違いますが、体積1cm3の時に約7.9gです。板厚1mm(0.1cm)×幅
100cm×長さ200cmの板は0.1×100×200=2000cm3×7.9=15800g=15.8kgとなります。
ステンレス鋼ができるまで
ステンレス鋼板ができるまでに約2ヶ月かかるといわれています。
①原料の溶解:世界中から集めた原料(鉄鉱石、クロム、ニッケル)を高炉や電気炉で溶かす。
②ステンレスの塊の製造:溶けたステンレスからスラブと言う塊を作る。
③ステンレス鋼板の製造:スラブを圧延機で薄くのばす。
④表面処理:薄くのばしたステンレス鋼板の表面を酸で洗い綺麗にする。(No.1と呼ばれる仕上げ材)
⑤様々な表面処理:酸で洗ったステンレス鋼板に、用途に合わせた表面処理を施します。
表面仕上げ 2B:一般的に流通している鋼板
BA:鏡のような光沢を持った鋼板
400番:2Bをバフ研磨した、BAのような光沢を持った鋼板
HL:ヘアーラインと呼ばれる細かいキズを付けた鋼板
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ステンレス鋼の種類と分類
ステンレス鋼は、金属成分と金属組織の違いにより大きく3つに分類されます。
分類 オーステナイト系 マルテンサイト系 フェライト系
クロム量18%
金属成分 クロム量13% クロム量18%
ニッケル量8%~14%
主な鋼種 SUS304/SUS316/SUS316L SUS410 SUS430
医薬向け容器
主な使用例 マフラー・ボルト 厨房用品
建材・化学プラント
ステンレス鋼の特性
錆びにくい
ステンレス鋼の表面にできたクロム酸化物による不動態皮膜が錆の発生を防ぎます。水分を扱う厨
房設備、化学薬品用の機器、風雨に耐える屋外の施設などに使用されています。ただし、強酸や塩化
物に弱く使用上の注意が必要です。
加工性がよい
硬くて引っ張りに強いのでプレスや絞り加工、曲げたり丸めたりと複雑な加工が可能です。当社の容
器や業務用冷蔵庫の外板、調理器具、車両などに利用されています。
溶接性がよい
当社としてはステンレス鋼の中でも、もっとも溶接性の良いオーステナイト系を使用しています。特別
な溶接設備が必要なく溶接後の状態も良く、仕上げると溶接部分が目立たなくなります。溶接方法は
主にTIG溶接を行っています。
熱伝導性が悪い
容器に入れた熱が逃げにくく、お風呂やポットなどの保温性が必要な断熱容器に向いています。ステ
ンレス製のヤカンやフライパンでは底に銅など熱伝導性の良い他の素材を使用しています。
表面性
用途によってサニタリー性や装飾用の表面など様々な表面処理加工が可能です。鏡面研磨を施せば
鏡のような金属面にすることができます。
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その他のステンレス鋼材
ステンレス鋼には板の他に条鋼と呼ばれる形鋼などがあります。
鋳物のステンレス鋼は、SCS13(SUS304と同等)などがあります。
パイプ類
配管パイプ 角パイプ エルボパイプ
棒類
フラットバー 丸棒 角棒
形鋼類
アングル チャンネル H形鋼
その他
パンチングメタル
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2. ステンレス鋼の選び方
ステンレス製容器の材料を選定するときには内容物や使用目的、表面処理、費用などで最適なステ
ンレス鋼を選択します。
当社では、主にSUS304で容器を製造しています。耐食性がよく、延性に富み、深絞り、曲げ加工など
冷間加工性・溶接性が良好と言う特性があります。また、表面仕上げは、BAを選択し、素材本来の特
徴を生かした製品作りをしています。
ここでは当社で使用しているステンレス鋼(オーステナイト系)のSUS304/SUS316/SUS316Lでの
解説をいたします。
当社が使用しているステンレス鋼
SUS304(オーステナイト系ステンレス)
成分:18%クロム/8%ニッケル
成分を表す18-8(ジュウハチ-ハチ)ステンレスともいわれます。ステンレス鋼の中で最も一般的な鋼
種といわれています。食品設備や一般科学設備、建材材料、製紙工業、車両工業、厨房器具などで使
用されています。
SUS316(オーステナイト系ステンレス)
成分:18%クロム/12%ニッケル/2.5%モリブデン
SUS304にモリブデンを加えることで、さらに耐食性と耐孔食性が向上します。鋼種の違いは外観
上、SUS304と変わらないためモリブデンの有無(計測器を使用)で判断しています。石油化学、染
色工業、繊維工業、食品工業などで使用されています。
SUS316L(オーステナイト系ステンレス)
成分:18%クロム/12%ニッケル/2.5%モリブデン/ローカーボン
SUS316をさらに低炭素化し、耐粒界腐食性を向上させます。主に注射剤などの製薬メーカー、半導
体向けに使用されています。特に製薬メーカーなどでは溶接部分の錆対策として、この材料の使用が
増えてきています。
ステンレス鋼板の板厚
当社で在庫を持ち、使用しているステンレス鋼の板厚です。SUS316は在庫せず都度購入です。
SUS304:板厚0.6 / 0.7 / 0.8 / 0.9 / 1.0 / 1.2 / 1.5 / 2.0(mm)
SUS316L:板厚0.8 / 1.0 / 1.2 / 1.5 / 2.0(mm)
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ステンレス鋼板の表面仕上げ
ステンレス鋼製造メーカーがステンレス鋼板を製造するときに施す表面処理です。
一般的には、この表面仕上げ処理されたステンレス鋼板が購入できます。
表面の出来栄えは、製造環境やメーカーにより異なる場合もあります。
名称 表面の状態
No.1 銀白色の少し粗い仕上がり
(ナンバー・ワン) 条鋼材や配管や配管継手の表面など
2B 銀白色をもった表面で、すべすべしていて顔の写り込みはない
(ツー・ビー) 一般的に流通(使用)されている材料 当社でも使用しています
鏡のような光沢をもったツルツルの表面で顔が写り込む
BA
溶接部以外バフ研磨せずにすみ、バフ粉などの汚れが少ない
(ビー・エー)
当社で主に使用しているものです
BAに近い光沢をもった表面
400番
2B材を400番バフ研磨仕上げしたもの
連続した細い線状の筋を持った表面
HL 2BまたはBA材に研磨ベルトで長い研磨目を付けます
(ヘアーライン) つや消しのような意味合いと、すりキズ程度なら目立たない表面処理
主に手すりなどの建材で使用されています
当社のステンレス容器では主にBA材を使用しています
研磨をすると、研磨後の表面に研磨剤に含まれる油分が残留し、錆の原因になることがあります。
BA材は素材の状態で鏡のような光沢と平滑さをもつステンレス材のため、それ以上磨く必要があ
りません。キズの発生を極力抑えて製作することで、最小限のバフ研磨のみで最終製品に仕上げ
ることができます。
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ステンレス鋼の選択
ステンレス容器に適したステンレス鋼板の選定検討項目です。
使用目的:化学薬品、食品、化粧品、製薬などで材質や表面処理方法が違ってきます。
内容物:内容物によってはステンレスを侵す溶剤などがあります。特に塩分はステンレス鋼を錆びさ
せます。ステンレスの耐食性については当社にご相談ください。
表面処理:表面処理には酸洗、機械研磨、バフ研磨、電解研磨などがあります。当社では酸洗、バフ
研磨、電解研磨を行っています。
費用:ステンレス鋼の材料費と加工費の価格差です。SUS304の価格を1とするとSUS316、
SUS316Lは約2.5倍です。表面処理は容器の構造、サイズなどで大きく費用の差が出ます。
酸洗、バフ研磨 < 一般の電解研磨 < 高グレードな電解研磨
選択組合せ例
ステンレス容器の仕様一例を挙げてみました。これ以外にも用途に合わせて様々な組合せがありま
す。詳しくは当社へご相談ください。
業界 内容物 材料 素材表面 表面処理 構造 費用
高グレード
医薬 注射剤 SUS316L BA サニタリー 非常に高価
電解研磨
化粧品 薬品 SUS316L BA バフ研磨 サニタリー 高価
フッ素樹脂
化学 薬品 SUS304 2B 一般構造 高価
コーティング
食品 食品 SUS304 BA バフ研磨 一般構造 安い
主な分野と用途
ステンレス鋼板が使用されている主な分野と用途例です。
分野 用途例(製品名)
産業機器 食品加工機器(製麺機・製パン機他)・化学プラント・原子力発電・熱交換機など
厨房 食器・スプーン・流し台・浴槽など
輸送機器 鉄道車両・自動車部品・ケミカルタンカー・コンテナー・ドラム缶など
建築 屋根・ドアノブ・モニュメント・配管など
家電 洗濯機・冷蔵庫・炊飯器などの部品
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ステンレス鋼の注意点
ステンレス鋼板を選定する時に、特に注意する点です。
• ステンレス鋼は塩素や強酸、温度の高い強アルカリの環境では腐食が発生します。
• 溶接の熱影響を受けたところが、腐食割れや粒界腐食をおこすことがあります。
• これらの対策として溶接部分を仕上げ加工することや、SUS316Lのような耐食性とローカーボンの
耐粒界腐食性の良い材料を選定します。
• 耐熱温度は、低温は-273℃から高温は700~800℃が目安です。ステンレス鋼は300℃以上にな
ると薄い黄土色に表面が変色(酸化)します。これをテンパーカラーと呼びます。今までに錆が発生
したという報告はありませんので一般的な使用上での問題は特にありません。
• 熱膨張率が大きく、加熱すると蓋などが歪みますので、製作時に熱歪みを抑える加工方法の工夫が
必要です。
3. ステンレス鋼の耐食性
ステンレス鋼は表面にできた不動態皮膜により、錆びにくい性質があります。
ステンレス鋼の不動態皮膜
ステンレス鋼の主成分は鉄ですので絶対に錆びないということは有りませんが、錆びにくいその秘密
は「不動態皮膜」です。
普通鋼に十分なクロム(Cr)を添加しますと(約10.5%以上)、その表面に酸化物を形成します。
この膜は、無色透明でとても薄いので肉眼では識別できません。そして鉄にとって腐食性のある様々
な薬品の中で、金属表面を保護します。この酸化皮膜は鉄に10.5%以上のクロム(Cr)を含ませると、
鉄が酸化するよりも先にクロム(Cr)が酸化し、表面全体に酸化クロムの膜を形成します。
しかも、この膜は化学的に安定で(化学変化しにくい)とても強固で、構造が緻密で酸素を通さない
ため錆の発生を防ぎます。この酸化クロム膜は加工・切断などでキズついても、クロム(Cr)が適量
(10.5%以上)あれば空気中の酸素と結合してすぐ再生します。
ニッケル(Ni)はこの不動態皮膜をもっと形成しやすくする働きをします。このようにクロム(Cr)、ニッケ
ル(Ni)の量が多いほど錆びにくくなるのです。
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ステンレス鋼の腐食
ステンレス鋼の錆の種類と原因です。
全面腐食 全面一様の腐食
現象:錆が表面全体にわたり一様に発生していきます。
原因:塩酸・強酸・高温強アルカリなどでおこります。
対策:フッ素樹脂コーティングによる金属表面の保護。
粒界腐食 粒界に沿って腐食
現象:溶接部付近の結晶粒界のみに錆が進行していきます。
原因:熱影響により、クロム量が欠乏する為におこります。
対策:SUS304LやSUS316Lが有効です。
応力腐食割れ 残留応力に沿って割れていく
現象:局部的に腐食割れしていく。
原因:材料に負荷されている引張り応力と化学的な腐食の力の作用
によります。
対策:残留応力を残さない溶接と機械加工ですが、できれば焼き鈍
しなどの応力除去の加工をすると良いです。
孔食 局部的に腐食する
現象:局部的に不動態皮膜が壊れ穴状に腐食していきます。
原因:海水などの塩素イオンの溶液中でおこります。
対策:SUS316やSUS316Lが有効です。
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4. その他
取扱上の注意
もらい錆に注意します
ステンレス容器内に鉄や他の金属が触れていると錆びることがあります。また、水道水などに含まれ
る鉄さびにより錆びることがありますので、なるべく他の金属との接触を避け、綺麗な水での洗浄が
良いです。
洗浄には柔らかいスポンジと中性洗剤を使用し、洗浄後は速やかに乾燥させ保管してください。表面
に傷が付いても乾燥していれば直ぐに不動態皮膜が形成されます。
書類
ステンレス鋼には鋼材検査証明書があります。ミルシートとも呼びます。
鋼材検査証明書は、JIS規格の検査に則った証明書です。材料(鋼材)検査証明書で、内容は検査書
発行番号、品名・規格・鋼種・表面仕上げ・ヒートNO.化学成分(%)・引っ張り試験数値などが記載
されています。材料製造メーカーが発行するもので、書式や項目が異なる場合もあります。
ステンレス鋼を購入するときに「ミルシート付き」とお願いしないと発行してもらえません。
ステンレス鋼のリサイクル
ステンレス鋼は100%リサイクルできる資源です。従って、環境にも優しい材料です。最近はファイバー
ドラムからステンレス容器への移行も増えてきています。
当社ではリサイクル資源として、業者に依頼して引き取っていただいています。
なお、ステンレス鋼の原料の約30~40%がリサイクルスクラップ材を使用しています。
ステンレス鋼板の表面保護
ステンレス容器の製作時に傷が付かないようにしています。
表面保護材は、加工キズや取扱・運搬中のキズ防止の為に使用しています。
当社にて使用している表面 名称 材質 厚み 色
保護材を2点紹介します。 エス ピー エッチ (SPH) ポリ塩化ビニル系 0.06 mm 青
エス ピー ブイ (SPV) ポリエチレン系 0.12 mm 白
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電解研磨
電解研磨(Electro polishing)とは電解液中で電気を流すことによって
金属の表面を溶かし研磨する技術です。
電解研磨を行うことにより耐食性や洗浄性の向上など
様々な優れた特性を示します。
ここでは、当社で使用しているステンレス鋼(SUS304、SUS316L)の
電解研磨を行う場合の方法や、電解研磨を行うことにより示す特性などを
ご紹介いたします。
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目次
1. 電解研磨とは
2. 電解研磨の特性
3. 電解研磨のグレード
4. 他の表面処理との違い
5. 材料の選定
1. 電解研磨とは
電解研磨とは、電解液中で金属表面より金属イオンを溶出させることによる、表面の平滑化を目的と
した研磨方法です。
非常にきれいな鏡面仕上げとなり、バフ研磨ができない部品類などの研磨にも使用します。
電解研磨の加工方法
アノード(ステンレス鋼)に直流電流の(+)、カソード(銅などの金属板)に(-)を接続し、電解液中
で直流電流(+)を流すと、ステンレスの表面が溶出していきます。
陰極 陽極
(カソード) + (アノード)
金
属
板 製
品
溶出
電 解 液
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電解研磨の理論
電流を流して2,3秒位で10μm程度の初
期酸化物層が形成します。(凸部には薄
く、凹部には厚く)
凸部は凹部に比べ電流が流れやすいの
で、凸部が早く溶出していきます。
時間が経つにつれ、だんだんと平滑化して
いきます。
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2. 電解研磨の特性
電解研磨は、耐食性、脱脂、洗浄性、発塵量の低下などの多くの優れた特性をもっています。
この特性を理解することで、容器を使用する上での参考になります。
耐食性
通常、ステンレス鋼(SUS304、SUS316L)はクロム(Cr)が18%、鉄(Fe)が約70%です。
CrとFeの比は0.26です。
電解研磨をすると、クロムに比べ鉄の方が溶出しやすいので、クロムが濃縮された不動態皮膜となり
ます。
この不動態皮膜を測定すると、Cr/Feの比は1.5になっており、耐食性が向上していることがわかりま
す。
脱脂
ステンレス鋼の加工には圧延やプレス、研磨などで油が使用されています。
この油は僅かですが内部まで押し込まれており、表面からの洗浄剤による脱脂では取り除くことは不
可能です。
電解研磨は表面の20~30μmを溶解するので、油も一緒に取り除き完全な脱脂が可能です。
洗浄性
電解研磨を行うと、表面が滑らかになり異物や汚れが付着しづらくなる、という特性があります。
これにより、汚れや不純物の除去が容易になり、洗浄の時間と回数を減少させることができます。
発塵性の低下
発塵の原因はそのほとんどがバフ研磨時のバフ粉であると考えられています。
十分な電解研磨を行うと、先述の脱脂と同様にバフ粉も溶出するので、完全に除去することができ
ます。
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3. 電解研磨のグレード
こんなことで困った経験はありませんか?
電解研磨品を購入したが
• 何度も洗浄を繰り返さないと使用できない
• 白い錠剤に汚れが付着した(黒くなった)
• 赤錆が発生した
これらは全て不十分な電解研磨が原因です。
一般的な電解研磨
下図のような電解槽浸漬方式では、効果的に内面を研磨することはできません。
最初に電解液の入った電解槽の両サイドに電極板(カソード)を入れ、カソードとカ
ソードの間に電解研磨をする製品を入れます。
次に製品(アノード)に直流電流の(+)を、カソードに(-)を接続します。
電解液を通じて電流が主に外面に流れ、内面には微弱な電流しか流れないので、効
果的な電解研磨はできません。
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高グレードの電解研磨
高グレードの電解研磨には容器の形状に合わせた専用のカソードが必要です。
最初に容器の形状に合わせ製作した専用カソードを容器内に入れます。
この時、専用カソードと容器が接触しない様にセットします。
次にポンプで電解液を容器の中へ送り、常にオーバーフローさせながら電流を流
し、電解研磨を行います。
これにより、容器内部の全てに均一な電解研磨がかかります。
画像中央:内面電解研磨を施した容器
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電解研磨データ
表面粗さ
試験材料:SUS316L-BA
表面処理:医薬向け電解研磨
SEMATECH による試験方法 平均粗さ(Ra) 0.0463μm
平均CrO/FeO比
試験材料:SUS316L-BA Cr/Fe 1.88
分析方法:X線光電子分光法(XPS/ESCA)
SEMATECH による試験方法 CrO/FeO 2.48
金属イオンの溶出
試験材料:SUS304、SUS316L
表面処理:内面バフ研磨後、高グレード電解研磨
溶出条件:純水にて95℃、30分加熱後、室温(20℃)にて溶出量測定
イオン溶出量
金属イオン SUS304 SUS316L
クロム 0.001 mg/L未満 0.001 mg/L未満
鉄 0.054 mg/L 0.048 mg/L
ニッケル 0.003 mg/L 0.004 mg/L
モリブデン 0.001 mg/L未満 0.002 mg/L未満
マンガン 0.002 mg/L 0.002 mg/L
アルミニウム 0.001 mg/L未満 0.001 mg/L未満
全リン 0.005 mg/L未満 0.005 mg/L未満
硫化物 0.05 mg/L未満 0.05 mg/L未満
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