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「キャッチクリップ式とレバーバンド式どちらが密閉性に優れていますか?」ステンレス密閉容器の密閉度を比較してみました。
当社はステンレス容器で60年以上の実績と、衛生管理の厳しい
医薬品メーカー様への納入実績が豊富なステンレス容器・装置メーカーです。
日東金属工業株式会社にはステンレス容器に蓋の種類がいくつかあります。
開放タイプが1種類(ST)と密閉タイプが2種類(CTH/CTL)です。
お客様から頂くお問合せの中で、密閉容器に関する質問として「CTH型とCTL型、どちらの蓋の方が密閉度が高いのか」という質問を頂きます。
前提として、日東金属工業株式会社の密閉容器は「中に保存している液体や粉が外にこぼれない程度の密閉」を基準に設計されています。
容器内の気体が漏れない完全密閉を目的とした構造ではありません。
この資料では実際に容器の密閉度を比較する実験を行った結果をまとめています。
このカタログについて
ドキュメント名 | 【解説資料】ステンレス容器の密閉度比べてみました |
---|---|
ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 1.5Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | MONOVATE(旧日東金属工業)株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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ステンレス容器の
密閉度
比べてみました
「キャッチクリップ式とレバーバンド式
どちらが密閉性に優れていますか?」
お客様のご要望にお応えして、
密閉容器の密閉度を比較してみました。
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日東金属工業株式会社にはステンレス容器に蓋の種類がいくつかあります。
開放タイプが1種類と密閉タイプが2種類です。
1 ここで改めて密閉容器2種類を紹介します
キャッチクリップ(CTH型)…取り扱いが簡単なクリップタイプ
片手で締めることができます。
標準モデルのパッキンは容器の本体側に装着します。
容器の大きさに合わせて3~6個のクリップで蓋を固定します。
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レバーバンド(CTL型)…着脱が簡単なレバーバンドタイプ
両手で扱う必要がありますが、着脱が素早く行えます。
パッキンは蓋側に装着します。
容器の大きさに関わらず、1本のバンドで蓋を固定します。
2 よくある質問「どちらの蓋が密閉に優れているの?」
お客様から頂くお問合せの中で、密閉容器に関する質問として「CTH型とCTL型、どちら
の蓋の方が密閉度が高いのか」という質問を頂きます。
前提として、日東金属工業株式会社の密閉容器は「中に保存している液体や粉が外にこぼ
れない程度の密閉」を基準に設計されています。
容器内の気体が漏れない完全密閉を目的とした構造ではありません。
例えばガスを発生する液体を保管する場合は、容器が傾いた際に中身の液体が漏れること
はありませんが、保管中に容器内で発生したガスが漏れるということは十分にあり得ま
す。気体までしっかりと閉じ込めたい場合は圧力容器をご紹介しております。
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実際に容器の密閉度を比較する実験を行いました
実験概要は以下の通りです。
・湿度と温度が管理された部屋に容器を設置
・容器の中に、乾燥剤などにも使われている無水塩化カルシウムを入れておく
・一定日数放置した後に容器の重量を計測する
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密閉容器とはいえど湿度管理された部屋に設置すると、空気中の水分が、蓋とパッキンの
わずかなすき間を通して容器内に入り込みます。
そして容器内に入り込んだ湿気を、無水塩化カルシウムが吸収し、その吸収した分だけ重
量が増えます。
密閉度が低い容器ほどたくさん湿気が入り込み、容器重量が大きく変化します。
このような方法を通して、容器の重量を測定することで、密閉度の比較ができることにな
ります。
実験内容
使用した容器
・クリップタイプ密閉容器(20Lタイプ)
・レバーバンドタイプ密閉容器(20Lタイプ)
両方の容器に無水塩化カルシウムを1000g設置、温度20℃、湿度50%に管理された恒温恒
湿室内に容器を静置し、所定時間ごとに質量を測定しました。(期間は60日間)
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実験結果
オレンジの線がクリップタイプのCTH-30、グレーの線がレバーバンドタイプのCTL-30で
す。重量はレバーバンド式容器の方がより変化が小さい事がグラフから読み取れます。
つまり、クリップタイプとレバーバンドタイプを比べると、レバーバンドタイプの方が密
閉度が高いということがこの実験から判明しました。
二つの密閉容器を比べると、密閉度の性能はおよそ2倍の差があるようです。
考えられる原因
気密を保つためのパッキンの素材は両容器共にシリコン素材を使用していたため条件は同
じです。
おそらく、このパッキンを4個のクリップで押さえつけるか、蓋の円周全体をバンドで押さ
えつけるかという、封止性能の差がこのような結果を生んだと考えられるでしょう。
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3 追加実験 PTFEパッキン
日東金属工業株式会社の容器にはこのようなものも存在します。
耐薬品性の高いPTFE素材のパッキンを使用した、
PTFEパッキン付保存容器【CTH-PTFE】です。
PTFEパッキン付き保存容器の特長
PTFE素材はほとんどの薬品に侵されません。
危険な毒物として知られるフッ化水素酸ですら溶かすことはできないため、安心して薬品
を保存することができます。
この容器は強い化学薬品を扱う際に最適なのですが、購入される方には「樹脂パッキンな
のでゴム製のパッキンに比べ密閉性は劣ります。」という注意喚起をさせていただいてお
ります。
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どのくらい密閉性が劣るのか実験してみました
先ほどのシリコンパッキンを装着した密閉容器と同じ条件で、PTFE付き保存容器の密閉度
も調査してみました。
実験結果
クリップタイプ、レバーバンドタイプに比べて大きく密閉性が劣ることが明確になりまし
た。クリップタイプと比べると4倍以上、レバーバンドタイプと比べるとなんと9倍ほど密
閉度に差があります。
素材だけで比較を行うと水蒸気透過性では、PTFE素材はシリコン素材の680倍湿気を通さ
ないと言われています。(レインコートなどに使用されるゴアテックスという素材でも
PTFEは使用されています。)
この数値だけを比べると、PTFE素材の方が密閉度が高くなる結果が出そうですが、実際の
密閉性の傾向では逆転しました。
おそらく結果の差は、パッキンの固さにあると考えられます。
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考えられる原因
シリコンパッキンはゴムのように伸縮性を持っているのに対して、PTFEパッキンは固く、
伸縮性がありません。
固いパッキンは、伸縮性のあるパッキンに比べて蓋との密着性に劣ってしまいます。
素材自体は水蒸気透過性が低いため、パッキン自体を湿気が透過したという事は考えづら
く、固い蓋と固いパッキンの接地面を透過したと考えられるでしょう。
4 まとめ
結論として密閉度の高さにはこのような優劣があることが分かりました。
レバーバンドタイプ>クリップタイプ>>PTFEパッキン付保存容器
今回は湿気を利用しての実験なので、酸素やほかの気体に関しては別途実験が必要である
と考えられます。
また、前提として密閉容器は液体や粉体がこぼれないように設計されております。
2種類の密閉容器を比較すると性能に2倍の差はありましたが、容器の重量が30日間で1g程
度しか変化しなかったという実験結果であるとも言えます。
気密性を重視した使用方法でなければ十分、保管・保存に適している容器であるといえま
す。
あくまでも参考数値程度にお考え下さい。
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お問い合わせ先
ステンレス製品部 営業課
〒 340-0811 埼玉県八潮市二丁目358
TEL 048-996-4221
FAX 048-996-8781
URL https://www.nitto-kinzoku.jp/
E-mail sales@nitto-kinzoku.co.jp
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編者 企画開発課 企画G
2019年6月 発行