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【ホワイトペーパー】COM-HPC キャリアボードの設計~万全の準備が最も重要

ホワイトペーパー

COM-HPCのキャリアボードを設計する際の留意点について解説しています。

【ホワイトペーパー】COM-HPC キャリアボードの設計~万全の準備が最も重要

このホワイトペーパーは、COM-HPCのキャリアボードを設計する際の留意点について解説しています。

COM-HPC は、モジュラー型のハイエンド エッジサーバの新しい規格です。 COM Express よりもはるかに高速で、ほぼ 2倍の数のインタフェースを提供します。 その結果、キャリアボードの設計要件は指数関数的に増加しています。 開発者は新しい課題にどのように備えたらよいのでしょうか?

キーワード:PICMG, COM-HPC, Server, Client, COM Express, キャリアボード, シグナルインテグリティ, コンプライアンステスト

このカタログについて

ドキュメント名 【ホワイトペーパー】COM-HPC キャリアボードの設計~万全の準備が最も重要
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 2.2Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 コンガテックジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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ホワイトペーパー 万全の準備が最も重要 COM-HPC キャリアボードの設計
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1 COM-HPC キャリアボードの設計 万全の準備が最も重要 COM-HPC は、モジュラー型のハイエンド エッジサーバの新しい規格です。 COM Express よりも はるかに高速で、ほぼ 2倍の数のインタフェースを提供します。 その結果、キャリアボードの設計要 件は指数関数的に増加しています。 開発者は新しい課題にどのように備えたらよいのでしょうか? 2019年末、PICMG COM-HPC サブコミッティは、新しいハイパフォーマンス コンピュータ・オン・モジュ ール規格のピン配置を承認しました。 まもなく、 規格が正式に承認され、 最初のモジュールが利用可 能になります。 システム開発者はすでに最初に設計するキャリアボードを決めていて、 独自ソリューシ ョンのリリース(理想的には、インテルや AMD の次の組込みサーバプロセッサのリリースと並行して) に備えて最初の PCB をレイアウトする準備を整えています。 しかし、コネクタの高密度で高速なインタ フェースは、特に信号コンプライアンスに関して、前例のない課題をキャリアボード開発者にもたらし ます。 最新のインタフェース パフォーマンスを向上させるために、 2つの 400ピン コネクタは、 最大 25 Gb/s の非常に高いクロック レートのインタフェースと PCIe Gen 4 および 5 を提供し、 新しい世代の PCIe は転送レートがそれぞ れ 2倍になっています。 PCIe Gen 3.0 は毎秒 8ギガ転送 (8 GT/秒) ですが、 PCIe Gen 4 では 2倍の 16 GT/秒、PCIe Gen 5 ではさらに 2倍の 32 GT/秒になります。 最近公開された PCIe Gen 6 の暫定的な 詳細では、 クロック周波数の変更は示されていません。 しかし、 その仕様では、 4ステップのパルス振 幅変調 (PAM4) を使用して、 1クロックあたり 1ビットではなく 2ビットを送信するようになっています。 COM-HPC では、 56 Gbps PAM4 向けに最適化されたコネクタを使用するため、 おそらくこの新しい PCIe Gen 6 テクノロジーもサポートすることができるでしょう。 主な課題 統計的に言えば、 開発者は、 将来に対応しなければならない技術の 12.5% (COM-HPC の最大帯域 幅の 1/8) しか準備できていません。 これは、 PCIe だけで考えると膨大な学習が必要になります。 確 かに、 PCIe Gen 6 はまだ遠い先の概念であり、最初の量産製品が市場に出回るまでには何年もかか るでしょう。 しかし、現時点で次世代への飛躍的な移行はすでにかなり困難です。 PCIe 3 から 4 への 移行で +100%、USB 3.2 Gen 2 (以前の USB 3.1 Gen 2 または SuperSpeed+) から USB 4.0 (40 Gb/s) への移行で + 400%、 10 GbE から 25 GbE への移行では +150% パフォーマンスが向上します。 したがって、 開発者が準備をしなければならないことは明白です。 ここで重要な要素は、最終的なソリ ューションが試験中だけでなく、フィールドでも問題なく機能することを確認するための初期のコンプ ライアンス テストです。 なぜならば、 たとえ設計が実証済みの RF回路、寸法であって、 最適な信号品 質のためのレイアウト ルールに従っている場合でも、 アプリケーションの重大な問題点を明らかにで きるのは、 包括的なコンプライアンス テストだけだからです。 統計的に分散した散発的なエラー コンプライアンスの範囲外のぎりぎりで動作しているシステムは、予期しない異常が発生することがあ ります。 このようなシステムはほとんどの場合で正常に動作しますが、 実際には外部コンポーネント との組み合わせにおいてエラーが発生する可能性があります。 このような散発的なエラーは、 解析が 非常に困難です。 同時に、 それらは非常に重要であり、そのエラーがもたらす結果が高くつくことは経 験的にわかっています。 既定の電波放射レベルを超えないことを保証する EMC コンプライアンス テス トに加えて、 高速通信インタフェースのトランスミッタとレシーバも規定された信号品質基準を満たす 必要があります。
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2 COM-HPC キャリアボードの設計 コンプライアンスの証明 例として、 PCIe インタフェースを見てみましょう。 ここで、 PCIe 規格への準拠は、マザーボードとペリ フェラルの両方が規格に準拠している場合、その間での正常な通信を保証します。 規定された値の範 囲外であったとしても、規定値に近い場合には、ボードとデバイス間の通信は機能するでしょう。 しか し、実際の運用では、 送信エラーが発生するかもしれません。 また、通信エラーが検出されて、データ パケットの再送信がおこなわれると、データ転送速度は低下します。 実験室での通信テストに合格し たからといって、コンプライアンスを証明するものではありません。 コンプライアンスを証明するため には、 正確な測定に基づいて、詳細に設計特性を確かめる必要があります。 この目的のために、コン ガテックなどのコンピュータ・オン・モジュールのスペシャリストは、高価な高精度のテスト機器を備え た自社のテスト ラボを構築しています。 社内にラボがある利点は明らかです。 自社でじっくりと作業す ればするほど、長期的に信頼性と機能性が向上します。 正確な安全マージンについての知識は、 品質 保証と品質改善につながります。 最初のステップは、シミュレーションツールを使用して製品を最適化 することです。 しかし、 最適化を検証するためには、 レシーバ(RX)とトランスミッタ(TX) の詳細なコン プライアンス測定が必要になります。 COM-HPC が提供するような高速インタフェースを将来にわたっ て保証できるようにする ために、コンガテックは すでに2018 年に、 PCIe Gen 5.0、USB 4.0 など、 次 世代のトランスミッタとレシーバの特性評価のための、 新しいテスト ステーションを設置しています。 さらに、 実績のあるシグナル インテグリティのエキ スパートによる包括的なサービスを、 カスタマに 提供することも可能です。 より多くの熱放散 組込み設計のコンプライアンスを保証するため に、 熱の問題がもう 1つの懸念事項になりつつ あります。 なぜならば、 熱的特性と電気的特性 が相互に作用するためです。 従来の組込みコン ピューティングで一般的だった低消費電力製品 の場合には、 ほとんど影響のなかった物理的な 因果関係が、 重要になってきています。 なぜなら ば COM HPC Server と COM-HPC Client モジュ ールのコネクタが、それぞれトランスミッタとレシ ーバの特性評価のための、 新しいテスト ステー ションを設置しています。 さらに、実績のあるシ グナル インテグリティのエキスパートによる包括 COM-HPC Server モジュールの大きな課題は、非常に多くの高速インタフェースについてコンプラ イアンスを保証するということです。 的なサービスを、カスタマに提供することも可能 です。 最大 300ワット と 200ワットと規定されているためです。 これにより、規格に準拠したモジュール やアプリケーション固有のキャリアボードの設計がさらに複雑になります。 CPUの他にも、すべての半 導体と電源部品の熱放散も最適化する必要があります。 通常、良好な熱的接続は、信号線の干渉に 関して良好な電気的接続をも意味しています。 最適化には 2種類の熱シミュレーションが推奨されて います。 一つは、 コンポーネントの熱放散のみに焦点を当てた純粋な熱アプローチです。 もう一つは 電熱シミュレーションです。 回路基板の電流、特に電源の電流についても考慮します。 そして、 ビアが グランド(GND)プレーンの大きな銅表面に熱を放散します。 したがって、設計においてはこれらのビア の配置とその影響も考慮する必要があります。 しかし、 回路基板からの熱は、 隣接する信号ラインの 抵抗にも影響を与え、このインピーダンスの変化が信号品質に影響を与えます。 これが、信号のイン テグリティの問題となり、 その影響は冷却コンセプトの最適化にまで波及します。
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3 COM-HPC キャリアボードの設計 ビアの数や配置だけでなく、銅の厚さもすべて温度に影響します。 シミュレーションの例では、7回の反復で温度は 約12% 低下しています。 実証済みのコンプライアンス 最終的な目標は、カスタマが望むコンプライアンスを達成できるという証拠を提供し、これを測定によ って証明することです。 コンプライアンスを証明するためには、コンピュータ・オン・モジュールと対応 するキャリアボードで構成されるユニットの全体でテストをすることが理想的です。 カスタマが後から おこなう独自のコンプライアンス テストでパスするようにするために、コンガテックは技術的な可能性 をすべて詳細に検証します。 この目的のために、COM-HPC モジュールとコンガテックのリファレンス キャリアで構成される機能ユニットは、 まず、 自社の専用テストラボで実施されるコンプライアンスの 予備テストに合格する必要があります。 製品リリースの基準として送信と受信のコンプライアンス予 備テストをおこなっているということは、コンピュータ・オン・モジュールのスペシャリストとして高い品 質基準を持っている証です。 コンガテックは、COM-HPC ベースのキャリアボード/モジュールの組み合 わせに 対しても、 同じコンプライアンステストを提供しています。 これにより、カスタマは自社または外 部のテストラボに投資する必要がなくなると同時に、コンピュータ・オン・モジュールのグローバル マ ーケット リーダーの専門知識を活用することができます。 また、キャリアボードの不具合が発生した場 合に、問題の解決を支援してくれるエキスパートを容易に見つけることもできます。 著者: ゼリコ・ロンカリック(Zeljko Loncaric)、コン ガテック マーケティングエンジニア
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コンガテック(congatec)について コンガテック(congatec)は、 組込みコンピューティング製品にフォーカスする、 急速に成長しているテクノロジー企業です。 ハ イパフォーマンス コンピュータモジュールは、 産業オートメーション、 医療技術、 輸送、 テレコミュニケーション、 その他の多く の分野の幅広いアプリケーションやデバイスで使用されています。 当社は、 成長する産業ビジネスにフォーカスする、 ドイツの ミッドマーケットファンドである株主のDBAG Fund VIIIに支えられており、 これらの拡大する市場機会を活用するための資金調 達とM&Aの実績があります。 また、 コンピュータ・オン・モジュールの分野では、 世界的なマーケットリーダーであり、 新興企業 から国際的な優良企業まで優れた顧客基盤を持っています。 コンガテックは、 ドイツのデッゲンドルフに本社を置き、 現在、 米 国、 台湾、 中国、 日本、 オーストラリア、 英国、 フランス、 チェコ共和国に事業拠点を置いています。 詳細については、 当社の Web サイト www.congatec.com/jp、 または LinkedIn、 Twitter、 YouTube をご覧ください。 本社 congatec GmbH Auwiesenstraße 5 94469 Deggendorf Germany Phone +49 (991) 2700-0 info@congatec.com www.congatec.com 子会社 congatec Asia Ltd. congatec, Inc. コンガテックジャパン株式会社 congatec China Technology Ltd. 2F., No.186, Sec. 3, 6262 Ferris Square 〒105-0013 東京都 港区 浜松町1-2-7 Sunyoung Center, 901 Building B, Chengde Rd. San Diego 浜松町一丁目ビル301 No. 28 Xuanhua Road, Changning District, 10366 Taipei, Taiwan CA 92121 USA Phone +81 (3) 6435-9250 Shanghai 200050, China Phone +886 (2) 2597-8577 Phone +1 (858) 457-2600 sales-jp@congatec.com Phone +86 (21) 6025-5862 sales-asia@congatec.com sales-us@congatec.com www.congatec.jp sales-asia@congatec.com www.congatec.tw www.congatec.us www.congatec.cn congatec Australia Pty Ltd. congatec Korea Ltd. Real-Time Systems GmbH Unit 2, 62 Township Drive Mr. Yoonsun Kim Gartenstrasse 33 West Burleigh (Yatap-Dong), #707, 88212 Ravensburg Queensland 4219, Australia 42, Jangmi-ro, Bundang-gu, Germany Phone +61 (7) 5520-0841 Seongnam-si, Gyeonggi-do, Phone +49 (751) 359558-0 sales-au@congatec.com South Korea info@real-time-systems.com www.congatec.com Phone: +82 (10) 2715-6418 www.real-time-systems.com yoonsun.kim@congatec.com セールスオフィス Southern Europe / Benelux United Kingdom / Ireland Nordics & Baltics Mr. Stéphane Mailleau Mr. Darren Larter Mr. Timo Poikonen Phone: +33 6 32 99 12 12 Phone: +44 784 581 4792 Phone: +358 40 8268 003 stephane.mailleau@congatec.com darren.larter@congatec.com timo.poikonen@congatec.com