WHITE PAPER|倉庫・運輸関連業 × 物流・SCM 国際物流のネットワーク(例)
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航路が止まっても、 紅海・
スエズ
アジア パナマ
の港 運河
荷物を止めない。
!
グローバル物流の 北米
の港
欧州
リスク管理。 の港
航空
輸送
グローバル物流リスク管理と
代替ルート最適化の実践フレームワーク 物流
拠点
顧客
常態化 迂回 事前設計
国際物流の 航路の変更で 代替ルートを
混乱が続く 日数とコスト増 事前に用意
航路変更による輸送日数(概念・日)
50
本書の内容 45 42
40
1 国際物流の混乱が「常態」になった理由
35
30
2 近年の国際物流の主な混乱 30
25
3 見えないリスクを見えるようにする 20
15
4 物流リスク管理の4層の仕組み
10
5
5 自己診断チェックと次の一手
0
通常の航路 迂回航路
通常の航路 迂回航路
2021年
スエズ運河で大型コンテナ船が座礁
2023年
パナマ運河の渇水で通航を制限
2023年末〜
アクセンチュア株式会社
紅海情勢で喜望峰回りへの迂回が拡大
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
航路の混乱は「数年に一度の出来事」ではなく、毎年のように起きている。
感染症によるコンテナの不足、スエズ運河での座礁事故、パナマ運河の渇水、紅海情勢による迂回、主要な港湾でのストライキ—国際
物流の混乱は相次いで起きている。混乱のたびに輸送日数が延び、運賃は上がり、在庫の不足が生産や販売に影響を及ぼしてきた。
本稿は国際物流のリスクを常に起こりうるものとして管理し、代替ルートの事前の設計と物流の可視化によって混乱に強い体制を築くた
めの考え方と実践的アプローチを整理する。
Why 1 国際物流の混乱は「特殊な事例」から「常態」になった
この数年国際物流は毎年のように大きな混乱に見舞われてきた。主要な航路や運河、港湾のいずれかが止まると、迂回による輸送日数の延
長、運賃の上昇、コンテナや船腹の不足が連鎖的に起きる。
こうした混乱が起きるたびに対応していては、遅延とコストの増加は避けられない。混乱が起きる前提で、代替ルートと在庫の備えを平時に設
計し、予兆を捉える仕組みを持つことが求められている。
図1 国際物流のネットワークと混乱が起きやすい要所
出荷地 海上の要所 到着港 物流拠点 顧客
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紅海・
中国の港 欧州の港 工場
スエズ運河
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東南アジア 物流
パナマ運河 北米の港 販売店
の港 拠点
!
マラッカ
日本の港 航空貨物 個人顧客
海峡
混乱が起きた要所 混雑・ストのリスク
図1:海上の要所や港湾の一か所が止まるだけで、世界の物流に影響が連鎖する
常態化 迂回 事前設計
国際物流の 航路の変更で 代替ルートを
混乱が毎年発生 日数とコストが増加 平時に用意
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
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Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 国際物流の混乱への備えを阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
位置不明 ・ 混雑情報 ・ 予測 代替航路 ・ 航空 ・ 取引先 安全在庫 ・ 拠点 ・ 基準
輸送の可視性の欠如 代替ルートの未整備 在庫の備えの不足
・貨物の現在位置を把握しにくい ・代替の航路を事前に検討していない ・安全在庫の基準が平時の想定
・港湾の混雑情報が遅れて届く ・仕入先の在庫が見えない
・航空便の費用を把握していない
・遅延の影響を予測できない ・欠品時の対応が遅れる
・物流の取引先が限られている
混乱を起きてから知る 混乱時に慌てて手配 在庫切れが生産を止める
図2:可視性・代替ルート・在庫の3つの備えが欠けると、混乱の影響が拡大する
Why 2 代替ルートを「平時に」設計しておく
混乱が起きてから代替のルートを探し始めると、空いている船腹や航空便を他社と奪い合うことになり、遅延とコストの増加は避けられない。主
要な航路ごとに、迂回航路・別の港・航空輸送・陸路などの代替手段と費用を平時に設計し、複数の物流事業者と関係を築いておけば、混
乱の発生から短期間で切り替えられる。
図3 近年の国際物流の主な混乱
感染症で 米国の港湾で 紅海情勢で 混乱を前提に
コンテナが不足 滞船が深刻化 迂回が拡大 した備え
2021 2023 2024
1 2 3 4 5 6 7
2020〜 2021〜 2023末〜 今後
スエズ運河で パナマ運河の 米国東部の
大型船が座礁 渇水で通航制限 港湾でスト
国際物流の混乱 求められる備え
図3:国際物流の混乱は、毎年のように異なる要所で起きている
次の混乱がどこで起きるかは予測できない ── だからこそ、どこで起きても対応できる備えが必要。
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Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 見えないリスクを「見える」ようにする
貨物の位置、港湾の混雑、気象、地政学の情報を組み合わせれば、混乱の予兆を早い段階で捉えられる。ただし、その実現には3つの課題
がある。
1 課題 2 課題 3 課題
輸送情報の集約 外部情報の活用 判断のルール化
複数の船会社・物流事業者の情報をまとめ 港湾の混雑・気象・地政学の情報を、自社 予兆を捉えたときに、代替ルートへの切り替
て把握する仕組みが必要である。 の輸送と結び付けて評価する必要がある。 えや在庫の積み増しを判断する基準を定め
ておく。
図4 従来の物流管理と目指すべき姿
✕ 従来の物流管理 目指すべき姿
✕ 混乱が起きてから対応を検討 平時に代替ルートを設計
✕ 貨物の位置は問い合わせて確認 輸送状況を常時把握
✕ 物流は1社に任せる 複数の物流事業者と関係を築く
✕ 安全在庫は平時を前提に想定 混乱を織り込んだ在庫基準
✕ 混乱時の判断は担当者の経験に依存 予兆と基準で判断
アプローチ リスクを評価し、代替ルートと在庫の備えを平時に整える
まず自社の主要な輸送ルートごとに混乱が起きたときの影響を評価する。そのうえで代替ルートと費用を設計し、複数の物流事業者との関係と
在庫の基準を整え、輸送の可視化で予兆を捉える体制を築く。それを支えるのが次の4層の仕組みである。
図5 グローバル物流リスク管理 4層の仕組み
Layer 4 判断と切り替え
判断基準 切り替え 訓練
予兆に基づく代替ルートへの切り替え判断
Layer 3 代替ルートと在庫
代替航路 航空輸送 在庫基準
代替航路・航空・陸路と在庫基準の設計
Layer 2 輸送の可視化
位置把握 港湾混雑 遅延予測
貨物の位置・港湾の混雑・遅延の予測
Layer 1 リスク情報の収集
輸送情報 気象 地政学
船会社・物流事業者・外部のリスク情報
図5:情報の収集と輸送の可視化を土台に、代替ルートと切り替えの判断を積み上げる
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実行ロードマップ / 期待する成果 5
図6 グローバル物流リスク管理 実行ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
輸送ルートの 可視化と 予兆検知と
リスク評価 在庫の備え 継続的な改善
主要ルートの影響評価 輸送可視化の導入 予兆の検知と警報
代替ルートと費用の事前設計 在庫基準の見直し 判断基準の運用
物流事業者との協議 切り替えの訓練 定期的な見直し
「代わりの道」が決まる 混乱にすぐ対応できる 混乱に強い物流網へ
図6:評価・備え・予兆検知の3段階で、国際物流の混乱に強い体制をつくる
STEP 1 ルートごとの影響を評価する
主要な輸送ルートごとに航路や港湾が止まったときの輸送日数・費用・在庫への影響を評価する。代替の航路・港・航空輸送・陸路とその
費用を事前に設計し、物流事業者と協議しておく。
STEP 2 輸送を見える化し、在庫で備える
貨物の位置と港湾の混雑を常に把握できるようにし、混乱を織り込んだ在庫基準に見直す。代替ルートへの切り替えを訓練し、実際に動け
る体制をつくる。
STEP 3 予兆を捉え、判断を仕組みにする
気象や地政学などの外部情報と輸送の状況を組み合わせて予兆を捉え、基準に沿って切り替えや在庫の積み増しを判断する。混乱の経
験を踏まえて定期的に見直す。
期待成果 段階的な変革の実現
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月〜)
→ ルート別の影響評価 → 輸送の可視化 → 予兆検知の定着
→ 代替ルートの設計 → 在庫基準の見直し → 判断基準の運用
→ 物流事業者との協議 → 切り替えの訓練 → 混乱に強い物流網
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自己診断 / 次のステップ 6
自己診断 あなたの会社の国際物流の備えは?
以下の項目に一つでも当てはまれば対応の遅れによるリスクが潜在化している可能性が高い。
図7 国際物流リスクへの備え セルフ診断チェック
☐ 主要航路が止まった場合の代替ルートを決めていない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 貨物の位置を常時把握できていない
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 混乱を織り込んだ安全在庫の基準がない
物流強靭性スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ 物流事業者が1社に限られている
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 港湾の混雑や地政学の情報を把握していない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ 切り替えの訓練をしたことがない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまる場合
国際物流の混乱はこれからも形を変えて起き続けます。平時に備えた企業と、起きてから動く企業の差は、混乱のたびに広がっていきま
す。
次のステップ まず「物流リスク診断」から始める
物流リスク管理の強化は大規模なシステム投資から始める必要はない。まず主要な輸送ルートごとの影響を評価し、代替の手段を設計するこ
とから始まる。アクセンチュア SC&E では物流リスクの診断から代替ルートの設計、輸送の可視化、在庫の備えまで、段階的に支援している。
「国際物流のリスク管理、まず話しませんか」
物流リスク診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については専門家にご相談ください。
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