WHITE PAPER|トラック輸送・宅配 × サステナビリティ 配送の電動化の構図
!
物流
会社
配送の脱炭素が、 荷主 EV
トラック
取引の条件になる。 !
!
充電
EV・FCV配送車両と ! 設備
FCV
トラック
充電インフラの整備。 水素
供給
EV・FCV配送車両の導入と 電力・
再エネ
充電インフラ整備の実践フレームワーク
脱炭素
の配送
Scope3 EV・FCV 段階導入
荷主が求める 走行時の 路線に合わせ
路線の特性と電動化の適合度(概念)
排出の削減 CO₂ゼロ て電動化
100
90
90
80
本書の内容 80
70
1 物流の脱炭素が「取引条件」になった理由
60 55
2 商用車の電動化をめぐる主な動き 50
40
3 車両・充電・エネルギーの一体計画 30 25
20
4 電動化を支える4層の仕組み 10
0
5 自己診断チェックと次の一手
近距離定期 都市内配送 中距離 長距離幹線
EVに適する 条件付き FCV等を検討
Scope3
荷主が物流事業者に排出削減を求め始めている
走行時ゼロ
EV・FCVは走行時にCO₂を排出しない
路線別
アクセンチュア株式会社
路線の特性に合わせて電動化を進める
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
「配送のCO₂を減らせない会社とは、取引を続けられない」——そう言われる日が近づいている。
荷主企業が自社のサプライチェーン全体の排出量(Scope3)の削減に取り組むなかで、物流事業者にも排出量の削減と報告が求
められ始めている。商用のEVトラックや燃料電池車(FCV)の車種が増え、国の補助制度も整いつつあり、配送の電動化は現実の選
択肢になった。
本稿は、路線の特性に合わせてEV・FCVの配送車両を段階的に導入し、充電インフラを整備するための考え方と実践的アプローチを
整理する。
Why 1 物流の脱炭素が「取引の条件」になりつつある
多くの荷主企業は、自社の工場だけでなく、原材料の調達から製品の配送までを含めた排出量の削減目標を掲げている。物流はその重要な
一部であり、物流事業者には排出量の把握と削減の取り組みが求められる。
脱炭素への対応が遅れた物流事業者は、荷主の選定から外れるおそれがある。一方で、いち早く電動化を進めた事業者は、荷主にとっての「
選ばれる理由」を手にすることができる。
図1 配送の電動化を支える仕組み
エネルギー 供給設備 車両 物流会社 成果
!
電力・ 拠点の 小型EV CO₂の
再エネ 充電設備 トラック 削減
!
公共の 中型EV 物流 荷主の
水素
充電設備 トラック 会社 評価
! !
水素の FCV 燃料費の
蓄電池
供給拠点 トラック 安定
整備の負担が大きい 整備の途上
図1:車両だけでなく、充電・水素の供給設備とエネルギーを一体で整える必要がある
Scope3 走行時ゼロ 路線別
荷主が求める EV・FCVの 特性に合わせた
物流の排出削減 走行時のCO₂ 段階的な導入
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
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Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 配送の電動化を阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
設備投資 ・ 電力契約 ・ 用地 航続距離 ・ 積載 ・ 充電時間 車両価格 ・ 補助金 ・ 回収
充電インフラの負担 運用の制約 費用と回収
・拠点に充電設備を整える費用 ・長距離では航続距離が課題 ・車両価格が従来車より高い
・電力の契約容量の見直し ・充電時間が運行計画に影響 ・補助金の申請が煩雑
・設置の用地と工事の手間 ・冷凍・冷蔵車の電動化 ・回収に年数がかかる
車両より設備が難所 全路線に向くとは限らない 投資判断が難しい
図2:設備・運用・費用の三つの壁を、路線ごとに見極めることが求められる
Why 2 路線の特性に合わせて「段階的に」電動化する
すべての車両を一度に電動化する必要はない。走行距離が短く、毎日決まった拠点に戻る近距離・都市内の配送は、EVと相性がよい。まず
こうした路線から導入し、運用と充電のノウハウを蓄えながら対象を広げる。長距離の幹線輸送では、FCVなど他の選択肢も含めて、技術とイ
ンフラの進展を見ながら判断するのが現実的です。
図3 商用車の電動化をめぐる主な動き
政府が脱炭素 小型EVトラック 充電設備の カーボン
を宣言 の導入が拡大 整備支援が拡大 ニュートラル
2021 2023 2030
1 2 3 4 5 6 7
2020 2022 2024 2050
商用車の電動化 荷主の排出削減 小型商用車の
目標を策定 目標が広がる 電動化目標年
政策・技術の進展 求められる対応
図3:政策の目標と荷主の要請の両面から、配送の電動化が求められている
目標年に間に合わせるには、今から始める必要がある ── 充電設備の整備には時間がかかる。
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Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 車両・充電・エネルギーを「一体」で計画する
電動化の成否は、車両の選定だけでは決まらない。充電設備の整備、電力の調達、運行計画の見直しを一体で計画する必要がある。そこに
は3つの課題がある。
1 課題 2 課題 3 課題
拠点ごとの充電計画 運行計画の見直し 排出量の見える化
車両の台数と運行に合わせて、拠点ごとの 充電時間を組み込んだ運行計画と、路線の 削減の効果を荷主に示すため、車両ごとの
充電設備と電力の容量を計画する必要が 割り当ての見直しが必要となる。 排出量を把握・報告する仕組みが必要とな
ある。 る。
図4 従来の配送と目指すべき姿
✕ 従来の配送 目指すべき姿
✕ すべてディーゼル車 路線に合わせてEV・FCVを導入
✕ 車両の更新は価格で判断 総費用と排出量で判断
✕ 排出量は把握していない 車両ごとの排出量を見える化
✕ 充電・燃料は個別に手配 拠点ごとに充電設備を計画
✕ 脱炭素は求められて対応 先回りして荷主に提案
アプローチ 近距離の路線から始め、充電と運行を一体で整える
まず自社の車両の排出量と路線の特性を把握し、EVに適した近距離・都市内の路線から導入を始める。拠点ごとの充電設備と電力を計画
し、運行計画を見直しながら対象を広げる。それを支えるのが次の4層の仕組みです。
図5 配送車両の電動化 4層の仕組み
Layer 4 荷主への価値提供
排出報告 荷主提案 差別化
排出削減の報告と脱炭素配送の提案
Layer 3 運行の最適化
運行計画 路線配分 充電管理
充電を組み込んだ運行計画と路線の割り当て
Layer 2 車両と充電設備
EV FCV 充電設備
EV・FCVの導入と水素供給設備の整備
Layer 1 排出と路線の把握
排出量 走行距離 路線特性
車両ごとの排出量と路線の特性の把握
図5:排出と路線の把握を土台に、車両・運行・荷主への提案を積み上げる
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実行ロードマップ / 期待成果 5
図6 配送車両の電動化 実行ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
排出量と 近距離路線への 対象の拡大と
路線特性の把握 導入 荷主への提案
車両ごとの排出量算定 EVトラックの導入 電動化路線の拡大
路線の電動化適合度 拠点の充電設備整備 長距離でのFCV検討
補助制度の活用計画 運行計画の見直し 荷主への排出報告
「どこから始めるか」が決まる 運用のノウハウの蓄積 脱炭素が選ばれる理由に
図6:把握・導入・拡大の3段階で、配送の脱炭素を競争力に変える
STEP 1 排出量と路線の特性を把握する
車両ごとの排出量を算定し、各路線の走行距離・拠点への帰着・積載などの特性から、電動化への適合度を評価する。補助制度の活用
を含めて費用を試算する。
STEP 2 近距離の路線から導入する
EVに適した近距離・都市内の路線からEVトラックを導入し、拠点の充電設備と電力の契約を整える。充電を組み込んだ運行計画をつくり、
運用の経験を積む。
STEP 3 対象を広げ、荷主に価値を示す
電動化する路線を広げ、長距離の路線ではFCVなどの選択肢も検討する。排出削減の効果を荷主に報告し、脱炭素の配送を提案して
選ばれる理由をつくる。
期待する成果 変革が生み出す具体的な価値
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月以降)
→ 排出量の把握 → EVトラックの導入 → 電動化路線の拡大
→ 路線の適合度評価 → 充電設備の整備 → 荷主への排出報告
→ 補助制度の活用計画 → 運行計画の見直し → 脱炭素での差別化
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自己診断 / 次のステップ 6
自己診断 あなたの会社の配送の脱炭素への備えは?
以下の項目に1つでも当てはまれば、対応の遅れによるリスクが潜在化している可能性が高い。
図7 配送の脱炭素への備え セルフ診断チェック
☐ 車両ごとの排出量を把握していない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 路線ごとの電動化の適合度を評価していない
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 商用車の電動化の補助制度を把握していない
脱炭素配送スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ 荷主からの排出削減の要請に応えられない
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 拠点の充電設備の計画がない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ EVトラックを試したことがない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまった場合
荷主からの脱炭素の要請は、年々強まっています。充電設備の整備には時間がかかるため、早く導入を始めた事業者ほど、荷主から
選ばれる立場を築けます。
次のステップ まず「排出量・路線診断」から始める
配送の電動化は、すべての車両を一度に入れ替える必要はない。まず車両ごとの排出量と路線の特性を把握し、電動化に適した路線を見極
めることから始まる。アクセンチュアでは、排出量・路線の診断から車両と充電設備の導入計画、荷主への提案まで、段階的に支援している。
「配送の脱炭素、まずは相談しませんか」
排出量・路線診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については専門家にご相談ください。
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