WHITE PAPER|鉄道・バス・タクシー × 人材・組織 自動運転と遠隔監視の構図
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遠隔
監視
運転士不足でも、 自動運転
車両 通信
地域の足を守る。
運行
自動運転と 事業者
道路・
設備
遠隔監視の導入。 自治体
自動運転・遠隔監視システム 住民
導入支援の実践フレームワーク
地域の
移動
2023年 2024年 遠隔監視
レベル4の 運転士の労働 1人で複数台
運行の形と必要な人員(概念・人/台)
運行が解禁 時間の規制 を見守る
1.2
1.0 1.0
本書の内容 1.0
1 運転士不足が地域交通を脅かす理由 0.8
2 自動運転をめぐる制度の動き 0.6
0.4
3 地域の合意と安全の確保 0.3
0.2 0.1
4 自動運転導入の4層の仕組み
0.0
5 自己診断チェックと次の一手
有人運転 運転支援 遠隔監視 完全自動
現在の運行 遠隔監視 将来像
2023年
特定条件下での自動運転(レベル4)が解禁
2024年
バス運転士の労働時間規制が強化
1対多
アクセンチュア株式会社
遠隔監視で1人が複数台を見守る
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
運転士が確保できないから減便する——その悪循環を、技術で断ち切れるか。
路線バスやタクシーの運転士の不足は深刻さを増し、2024年からの労働時間の規制強化も重なって、減便や路線の廃止が各地で相
次いでいる。2023年には特定の条件下での自動運転(レベル4)が解禁され、自動運転と遠隔監視を組み合わせて地域の移動を
守る取り組みが広がりつつある。
本稿は、公共交通の事業者が自動運転・遠隔監視を段階的に導入し、運転士不足のなかでも地域の足を維持するための考え方と
実践的アプローチを整理する。
Why 1 運転士不足が、地域交通の存続を脅かしている
運転士の高齢化と若年層の担い手不足により、多くの事業者で必要な人数を確保できなくなっている。労働時間の規制強化により、一人の
運転士が担える運行は減り、減便や廃止に踏み切らざるを得ない地域が増えている。
採用や待遇の改善だけでは、人口減少の流れを覆すことは難しい。自動運転と遠隔監視によって、少ない人数でも運行を続けられる仕組み
が、地域交通を守る現実的な選択肢になりつつある。
図1 自動運転・遠隔監視による地域交通の仕組み
車両 監視・通信 運行の支え 運行事業者 地域
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自動運転 遠隔監視 道路・ 通院・
バス センター 信号の整備 買い物
自動運転 保守・ 運行
通信網 通学
タクシー 点検 事業者
既存の 車内の 非常時の
観光
車両 カメラ 対応
導入の要所
図1:車両・遠隔監視・運行の支えが一体となって、少ない人員で地域の移動を守る
2023年 2024年 1対多
レベル4の 運転士の 遠隔監視で
自動運転が解禁 労働時間規制 複数台を見守る
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
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Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 自動運転の導入を阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
許可 ・ 責任 ・ 保険 車両 ・ 通信 ・ 運営費 安全 ・ 不安 ・ 合意
制度と責任の整理 費用と採算 地域の理解
・運行の許可の取得に手間がかかる ・車両と設備の費用が高い ・安全への不安が根強い
・通信や監視の運営費がかかる ・路線の変更への反発
・事故時の責任の整理が必要
・補助金なしでは採算が厳しい ・合意の形成に時間がかかる
・保険などの仕組みが途上
制度の理解が導入の前提 補助金の活用が不可欠 最も時間を要する課題
図2:制度・費用・地域の理解の3つを同時に進めなければ、導入は進まない
Why 2 遠隔監視から始める「段階的な自動化」が現実的
完全な自動運転を一気に目指すのではなく、限られた区間や条件から始め、遠隔監視で安全を確保しながら段階的に範囲を広げることが現
実的である。1人の監視員が複数台の車両を見守る体制が整えば、運転士不足を補いながら運行を続けられる。実証で得た経験を、地域・
制度・技術の整備と並行して積み重ねることが成功の条件となる。
図3 自動運転と地域交通をめぐる主な動き
レベル3の 限定区域で 日本版 複数台の
公道走行が可能 レベル4運行 ライドシェア 遠隔監視
2023 2024 今後
1 2 3 4 5 6 7
2020 2023 2024 今後
レベル4の 運転士の 実証地域の
運行が解禁 労働時間規制 拡大
制度・技術の進展 人手不足の深刻化 次の段階
図3:制度と技術の整備が進み、限定された地域から実用化が始まっている
技術の準備は整いつつある ── 問われているのは、地域と事業者が導入の道筋を描けるかどうかだ。
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Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 地域の合意と安全を、導入計画の中心に置く
自動運転の導入で最も時間がかかるのは、技術ではなく地域の理解である。安全への不安に応え、住民・自治体・関係者と合意を形成しな
がら進める必要がある。そこには3つの課題がある。
1 課題 2 課題 3 課題
安全の見える化 担い手の役割転換 費用の分担
実証の結果や遠隔監視の仕組みを公開し 運転士が監視員・保守・案内などの新たな 車両・設備・運営の費用を、事業者・自治
、安全への不安に丁寧に応える必要がある 役割を担えるよう、育成と処遇を設計する。 体・国の補助でどう分担するかを決める。
。
図4 従来の運行と目指すべき姿
✕ 従来の運行 目指すべき姿
✕ 1台に1人の運転士が必要 遠隔監視で1人が複数台を担当
✕ 運転士不足で減便・廃止 自動運転で運行を維持
✕ 人材の確保は採用頼み 運転士の新たな役割を設計
✕ 導入は事業者単独で検討 地域・自治体と一体で計画
✕ 安全は運転士の技能に依存 監視と記録で安全を見える化
アプローチ 限定区間の実証から始め、地域と一体で広げる
まず自動運転に適した路線と区間を選び、補助制度を活用して実証を行う。安全と運行の経験を積みながら遠隔監視の体制を整え、地域と
合意して対象を広げていく。それを支えるのが次の4層の仕組みである。
図5 自動運転・遠隔監視の導入 4層の仕組み
Layer 4 地域との合意・運営
地域合意 費用分担 運営体制
住民・自治体との合意と持続的な運営
Layer 3 運行・遠隔監視
遠隔監視 非常対応 記録
監視センターと非常時の対応体制
Layer 2 車両・インフラ
車両 通信 道路整備
自動運転車両・通信・道路の整備
Layer 1 制度・安全の基盤
許可取得 責任整理 安全基準
運行の許可・責任の整理・安全の基準
図5:制度と安全の基盤を土台に、車両・運行・地域との合意・運営を積み上げる
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実行ロードマップ / 期待成果 5
図6 自動運転・遠隔監視の導入 実行ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
適用路線の診断と 実証運行と 本格運行と
実証の計画 遠隔監視の整備 対象の拡大
適した路線・区間の選定 限定区間での実証 定常運行への移行
補助制度の活用計画 監視体制の構築 複数台の遠隔監視
地域への説明の開始 安全データの公開 対象地域の拡大
「どこから始めるか」が決まる 安全と運行の手応えを得る 少人数で地域の足を守る
図6:計画・実証・本格運行の3段階で、運転士不足でも続く交通をつくる
STEP 1 適した路線から計画する
走行環境・需要・地域の受け入れ態勢を踏まえて、自動運転に適した路線と区間を選ぶ。国や自治体の補助制度の活用を計画し、地域
への説明を早い段階から始める。
STEP 2 実証で安全と運行を確かめる
限定された区間で実証運行を行い、遠隔監視の体制と非常時の対応を整える。安全に関するデータを公開し、住民の不安に丁寧に応え
る。
STEP 3 本格運行に移り、範囲を広げる
実証の結果をもとに定常的な運行へ移行し、一人で複数台を見守る体制を整える。運転士が新たな役割を担えるよう育成し、対象の地
域を広げる。
期待成果 変革が生み出す具体的な価値
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月〜)
→ 適用路線の特定 → 実証運行の完了 → 定常運行への移行
→ 補助制度の活用計画 → 遠隔監視体制の構築 → 複数台の監視
→ 地域への説明 → 安全データの公開 → 対象地域の拡大
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自己診断 / 次のステップ 6
自己診断 あなたの会社の運転士不足への備えは?
以下の項目に一つでも当てはまれば、対応の遅れによるリスクが潜在化している可能性が高い。
図7 運転士不足への備え セルフ診断チェック
☐ 数年後に必要な運転士の数と不足を試算していない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 自動運転に適した路線を検討していない
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 国・自治体の補助制度を把握していない
運行継続スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ 地域・自治体と自動運転について協議していない
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 運転士の新たな役割を検討していない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ 実証事業への参加を検討していない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまった企業へ
運転士の不足は今後さらに深刻になります。実証から定常運行までには時間がかかるため、いまから計画を始めた地域と事業者が、移
動の手段を守り続けられます。
次のステップ まず「適用路線診断」から始める
自動運転の導入は、一度にすべての路線で進める必要はない。まず自動運転に適した路線と区間を見極め、地域と話し始めることから始まる
。アクセンチュア SC&E では、適用路線の診断から補助制度の活用、実証の計画、遠隔監視の体制づくりまで、段階的に支援している。
「自動運転・遠隔監視、まず話しませんか」
適用路線診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については専門家にご相談ください。
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