WHITE PAPER|鉄道・バス・タクシー × 財務・コスト管理 地域公共交通のネットワーク
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路線
バス
乗客が減っても、 鉄道 タクシー
路線は守れる。
需要
需要予測と データ
乗り継ぎ
拠点
運賃・路線の最適化。 自治体
需要予測・ダイナミックプライシング・ 住民
路線最適化の実践フレームワーク
持続的
な交通
人口減少 データ 最適化
利用者の 乗降データで 運賃・ダイヤ
時間帯別の乗車率のイメージ(概念・%)
長期的な減少 需要を把握 ・路線の見直し
95
100
本書の内容 85
80
1 人口減少が公共交通の採算を揺るがす理由
60
2 地域公共交通をめぐる主な動き 45
40
35
40 30
3 路線の再設計と地域の合意 25
15
20
4 需要予測と最適化の4層の仕組み
0
5 自己診断チェックと次の一手
6時 8時 10時 12時 14時 17時 19時 21時
混雑 中程度 空席が多い
人口減少
地方を中心に利用者の減少が続く
2023年
地域公共交通の再構築を促す法改正
時間帯差
アクセンチュア株式会社
混雑と空席が同じ路線に併存する
Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
2026年 外部公開版
エグゼクティブサマリー / Why 1 2
EXECUTIVE SUMMARY
赤字の路線でも、時間帯と区間を分けて見れば、守り方は見えてくる。
人口減少と自動車の普及により、地方を中心に鉄道・バスの利用者は減り続け、多くの路線で採算が悪化している。一律の減便や運
賃の値上げは、さらなる利用者離れを招きかねない。一方で、同じ路線の中にも、混雑する時間帯と空席の目立つ時間帯が併存して
いる。
本稿は、乗降データに基づく需要予測を起点に、運賃・ダイヤ・路線を最適化し、地域の交通を持続させるための考え方と実践的アプロ
ーチを整理する。
Why 1 人口減少が、公共交通の採算構造を揺るがしている
地方の鉄道・バスでは、通勤・通学の利用者の減少により、多くの路線が赤字となっている。運転士の不足や燃料費の上昇も重なり、従来の
運行を維持することが難しくなった。
しかし、路線全体の数字だけを見ていては、打ち手を誤る。時間帯・区間・曜日ごとに需要を細かく見れば、守るべき運行と、見直すべき運行
、新たな需要を生み出せる運行が見えてくる。
図1 需要データを起点にした公共交通の最適化
データ 需要の把握 打ち手 交通事業者 成果
!
ICカード 時間帯別 運賃の 収支の
の乗降 の需要 見直し 改善
人流 区間別の ダイヤの 交通 利便性の
データ 需要 見直し 事業者 維持
!
イベント・ 将来の 路線の 地域交通
天候 需要予測 再編 の持続
分析が手薄な領域
図1:乗降データから需要を細かく把握し、運賃・ダイヤ・路線の打ち手につなげる
人口減少 時間帯差 2023年
利用者の 混雑と空席が 地域公共交通の
長期的な減少 同じ路線に併存 再構築の法改正
※数値は公表情報・業界調査に基づく推計値・目安を含む
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Why 1(続き)/ Why 2 3
図2 公共交通の採算改善を阻む3つの構造的な壁
第1の壁 第2の壁 第3の壁
路線単位 ・ 粗い集計 ・ 根拠 公共性 ・ 説明 ・ 改修 人材 ・ システム ・ 投資
需要把握の粗さ 運賃見直しの難しさ 分析体制の不足
・路線全体の数字でしか見ていない ・公共性の観点から反発がある ・データ分析の人材が社内にいない
・利用者への丁寧な説明が必要
・時間帯・区間別の採算が不明 ・システムが分かれて連携しない
・運賃システムの改修負担
・見直しの根拠となる数字がない ・デジタル投資の優先度が低い
打ち手を誤りやすい 変動運賃に踏み切れない データが活かされない
図2:需要把握・運賃・分析体制の三つの壁が、採算改善の打ち手を遅らせている
Why 2 運賃とダイヤを「需要に合わせて」動かす
航空やホテルで定着した、需要に応じて価格を変える考え方は、公共交通でも導入が始まっている。混雑する時間帯と空いている時間帯で運
賃に差をつけたり、閑散時間帯の割引で利用を促したりすることで、混雑の緩和と収入の確保を両立できる。ダイヤや車両の大きさを需要に合
わせて見直せば、空席を運ぶ運行も減らせる。
図3 地域公共交通をめぐる主な動き
地域公共交通 再構築を促す 運転士の 地域交通の
の法律が成立 法改正 労働時間規制 再編が加速
2020 2023 2024
1 2 3 4 5 6 7
2007 2023 2024 今後
感染症で 時間帯別の 日本版
利用者が急減 定期券が登場 ライドシェア
制度・新たな取り組み 環境の悪化
図3:環境は厳しさを増す一方、運賃や運行の柔軟化を後押しする制度も整いつつある
一律の減便と値上げは、利用者離れの悪循環を招く ── 需要の細かな把握が、守り方を変える。
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Why 3 / アプローチの方向性 4
Why 3 地域と合意しながら、路線を再設計する
路線の見直しは、事業者だけでは決められない。自治体・住民・他の交通事業者と、データに基づいて合意を形成することが欠かせない。そこ
には3つの課題がある。
1 課題 2 課題 3 課題
データに基づく説明 交通手段の組み合わせ 利用者の受け止め
なぜ見直すのかを乗降データで示さなければ 鉄道・バス・タクシー・乗合交通を組み合わ 運賃の変更は利用者の負担感に直結する
、住民や自治体の理解は得られない。 せ、地域全体で移動を守る設計が要る。 。割引の設計や丁寧な周知が必要となる。
図4 従来の運営と目指すべき姿
✕ 従来の運営 目指すべき姿
✕ 採算は路線全体で判断 時間帯・区間別に採算を把握
✕ 需要は経験と勘で見積もる データで需要を予測
✕ 運賃は一律で固定 需要に応じて運賃に差をつける
✕ ダイヤは前年を踏襲 需要に合わせて運行を見直す
✕ 路線は事業者単独で判断 地域と合意して交通を再設計
アプローチ 需要の見える化から始め、運賃・ダイヤ・路線を順に最適化する
まず乗降データから時間帯・区間別の需要と採算を把握し、将来の需要を予測する。そのうえで、混雑と空席の差を活かした運賃の工夫、需
要に合わせたダイヤの見直し、地域と合意した路線の再編へと進める。それを支えるのが次の4層の仕組みである。
図5 公共交通の需要予測と最適化 4層の仕組み
Layer 4 地域交通の再設計
路線再編 地域合意 交通連携
自治体・住民との合意による路線の再編
Layer 3 運賃・ダイヤの最適化
変動運賃 割引設計 ダイヤ
時間帯別運賃・割引・運行本数の見直し
Layer 2 需要予測
需要予測 採算分析 将来推計
時間帯・区間別の需要と将来の予測
Layer 1 データ収集
乗降データ 人流 外部情報
ICカード・人流・天候・イベントの情報
図5:データと需要予測を土台に、運賃・ダイヤの最適化と地域交通の再設計を積み上げる
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実行ロードマップ / 期待成果 5
図6 公共交通の需要予測と最適化 実行ロードマップ
STEP 1 STEP 2 STEP 3
0〜6ヶ月 6〜18ヶ月 18ヶ月〜
需要と採算の 運賃・ダイヤの 路線の再設計
見える化 試行 と展開
時間帯・区間別の分析 需要予測モデル構築 地域との合意形成
採算の見える化 時間帯別運賃の試行 交通手段の組み合わせ
重点路線の特定 ダイヤの見直し 全路線への展開
「どこを守るか」が見える 収支改善の手応えが出る 地域の交通が持続する
図6:見える化・試行・再設計の3段階で、地域の交通を持続させる
STEP 1 時間帯と区間で需要を見る
ICカードなどの乗降データから、時間帯・区間・曜日ごとの需要と採算を把握する。重点的に改善すべき路線と、守るべき運行を特定する。
STEP 2 運賃とダイヤを需要に合わせる
需要予測モデルを構築し、時間帯による運賃の差や閑散時間帯の割引を試行する。需要に合わせて運行本数や車両の大きさを見直し、
効果を確かめる。
STEP 3 地域と合意して路線を再設計する
乗降データを示しながら自治体・住民と合意を形成し、鉄道・バス・タクシー・乗合交通を組み合わせて地域全体の移動を守る。効果のあっ
た取り組みを他の路線にも広げる。
期待成果 変革が生み出す具体的な価値
短期(0〜6ヶ月) 中期(6〜18ヶ月) 長期(18ヶ月〜)
→ 需要の見える化 → 需要予測の構築 → 路線の再設計
→ 採算の把握 → 運賃の工夫の試行 → 交通手段の連携
→ 重点路線の特定 → ダイヤの最適化 → 収支の継続改善
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自己診断 / 次のステップ 6
自己診断 あなたの会社の路線運営はデータに基づいているか?
以下の項目に一つでも当てはまれば、対応の遅れによるリスクが潜在化している可能性が高い。
図7 公共交通の需要把握 セルフ診断チェック
☐ 時間帯・区間別の採算を把握していない
警告
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 需要の予測を経験と勘に頼っている
危険 安全
→ 早急な対応が必要な可能性があります
☐ 時間帯による運賃の工夫を検討していない
需要把握スコア → 早急な対応が必要な可能性があります
要対応レベル ☐ ダイヤを前年踏襲で決めている
当てはまる項目が多いほど → 早急な対応が必要な可能性があります
針は「危険」側に振れる
☐ 乗降データを分析できる人材がいない
→ 早期の見直しを推奨します
☐ 自治体とデータに基づく協議をしていない
→ 早期の見直しを推奨します
図7:赤は早急な対応が必要な項目、黄は早期見直しの推奨項目
3つ以上当てはまった企業へ
利用者の減少は今後も続きます。需要を細かく捉え、運賃・ダイヤ・路線を柔軟に見直せる事業者だけが、地域の移動を守り続けるこ
とができます。
次のステップ まず「路線採算診断」から始める
採算の改善は、大規模なシステム投資から始める必要はない。まず手元の乗降データから、時間帯・区間別の需要と採算を把握することから
始まる。アクセンチュア SC&E では、路線採算の診断から需要予測、運賃・ダイヤの最適化、地域との合意形成まで、段階的に支援している
。
「公共交通の採算改善、まず話しませんか」
路線採算診断(無償)を受け付けています。
アクセンチュア株式会社 Supply Chain & Engineering(SC&E)
SupplyChain_Engineering@accenture.com
本資料のデータは公表情報・統計資料に基づく推計値・目安を含みます。個別の投資・経営判断については専門家にご相談ください。
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