W H I T E P A P E R
引き渡した物件の図⾯が、どこにあるか分からない
最新版がどれか、開いてみないと分からない
図⾯‧CAD‧竣⼯書類 実務シート6種を
収録
⻑期保管とAI引き当て
設計ガイド
配信技術で、デジタルを動かす。 ©2026 Necfru Inc. 0 1
⽬ 次
この資料の内容と、収録している実務ツール
01 なぜ図⾯は「持っているのに引けない」のか P.03
02 棚卸し──持っている図⾯を書き出す P.06
03 引き当ての設計──探される場⾯と5つの軸 P.10
04 最新版‧確定版の扱いルール P.15
05 置き場の設計と、進め⽅ P.19
06 necfru drive での実現とよくある質問 P.23
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01
S E C T I O N 0 1
なぜ図⾯は
「持っているのに引けない」のか
図⾯‧設計データ(CAD)‧竣⼯書類は、無くしているわけではありません。社内のどこかには必ずある。それでも出てこない——こ
の章では、⼀般的なファイルの探しにくさとは別に、図⾯資産だけに起きる5つの構造を整理します。
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困 り ご と
図⾯が「引けなくなる」5つの構造
01 02 03
専⽤ソフトがないと開けない 最新版がどれか分からない 引き渡し後に何度も引かれる
設計データは専⽤のソフトで開くのが前提。 同じ物件の図⾯が名前違いで並ぶ。どれが確 多くのファイルは時間とともに参照が減りま
設計部⾨以外は、ファイル名から中⾝を推測 定版かは、開いてみないと判断できません。 すが、図⾯と竣⼯書類は引き渡しからが本番
するしかありません。 です。
04 05
協⼒会社の図⾯が混ざる ⼤判で重く、開くのが億劫
命名も形式もばらばらのまま届きます。⾃社 開くのに時間がかかるため、5つ開いて確か
のルールが及ばない分が、必ず⼀定量まざり める作業が苦痛になり、探すこと⾃体が敬遠
ます。 されます。
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こ の 資 料 の 出 発 点
探せない原因は、整理の下⼿さではない。
中⾝を⾒られる⼈が、少なすぎる。
図⾯が眠るのは、名前の付け⽅が悪いからだけではありません。開ける⼈が設計部⾨に限られている
ために、ほかの誰も中⾝を確かめられない——ここが起点です。だから先に⽤意するのは、元データ
を開かずに中⾝を確認できる軽い確認⽤データ(軽いプレビュー)と、物件‧年度で引ける意味づ
け。置き場を決めるのは、そのあとで間に合います。
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02
S E C T I O N 0 2
棚卸し──
持っている図⾯を書き出す
設計を始める前に、いま何を、どれだけ、どこに持っているのかを1枚に書き出します。全部を⼀度に洗う必要はありません。最初の
1物件、あるいは直近3年ぶんから始めれば⼗分です。ここでは、そのまま使える棚卸しシートの列と記⼊例を載せます。
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棚 卸 し シ ー ト 1 / 2
棚卸しシートの列と、書き⽅(前半)
列 何を書くか 決めるときのヒント
物件名 発注者や社内で実際に呼んでいる名前。正式名称と略称 探すときに⼝に出す名前を主にする。正式名称だけでは
が違う場合は両⽅書く 引けない
年度 竣⼯年度‧引き渡し年度など、基準にする年を1つ決め 着⼯‧竣⼯‧引き渡しのどれを使うかを先に決め、全社
て書く でそろえる
図⾯種別 意匠‧構造‧設備‧施⼯図など、⾃社が実際に使い分け 種別は10前後に収める。細かすぎると⼈によって値が変
ている区分 わる
版 いま⼿元にあるものが何版で、確定版かどうか 「確定版が⾒当たらない」も情報。空欄にせず、そう書
く
この4列は、あとから探すときの⼊⼝になります。埋まらない欄があること⾃体が、いまの状態を⽰す情報です。空欄のままにせず、分かる範囲で書き切ってください。
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棚 卸 し シ ー ト 2 / 2
棚卸しシートの列と、書き⽅(後半)
列 何を書くか 決めるときのヒント
保存年限 いつまで持つ必要があるか。根拠(契約‧社内規程‧法 根拠が分からないものは、調べる担当を先に決めておく
令)も⼀緒に書く
今の置き場 社内サーバー‧共有クラウド‧担当者のPC‧紙など、 「たぶんここ」も書く。散らばっている実態が⾒えるこ
実際にある場所 とが⽬的
⻑期保管に回すか ⽇常で参照するか、めったに参照しないが捨てられない 迷ったら回す。⽇常で開くかどうかだけで決めて構わな
かで判断 い
備考 協⼒会社からの受領分、紙の原本の有無、客先⽀給の図 後から効くのはこの欄。誰かが困った点を1⾏だけ残し
⾯など ておく
保存年限の代表例として、建設業法施⾏規則第26条では、完成図‧発注者との打合せ記録‧施⼯体系図といった「営業に関する図書」を、⽬的物を引き渡したときから10年間保存することとされています(発注
者から直接請け負った元請業者が対象∕平成20年11⽉28⽇以降に引き渡した⼯事に適⽤)。これはあくまで代表例‧⽬安です。求められる年限は業種‧契約内容‧発注者の要求によって変わるため、⾃社に該当す
る条件は個別にご確認ください。
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棚 卸 し シ ー ト 記 ⼊ 例
3つの分野での記⼊例(そのまま真似できます)
列 記⼊例①建築‧改修 記⼊例②設備‧プラント 記⼊例③製造‧受託加⼯
物件名 ◯◯ビル 改修⼯事 ◯◯⼯場 受変電更新 A社向け 搬送治具
年度 2014(竣⼯年度) 2019(引き渡し年度) 2021(受注年度)
図⾯種別 意匠図 単線結線図 加⼯図
版 第3版(確定) 第2版(確定) 初版(客先承認済)
保存年限 引き渡しから10年 社内規程による 客先要求による
今の置き場 社内サーバー 担当者のPC 共有クラウド
⻑期保管に回すか 回す 回す まだ回さない
備考 協⼒会社の受領分あり 紙の原本あり 客先⽀給の図⾯あり
最初から全物件を埋めようとしないこと。直近3年ぶん、または問い合わせの多い1物件から始めて、書き⽅が固まってから広げると続きます。
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03
S E C T I O N 0 3
引き当ての設計──
探される場⾯と、5つの軸
「あとで探せるようにする」は、そのままでは作業になりません。いつ‧誰が‧何のために探すのかを先に書き出し、そこから逆算
して「何をキーに引けるようにするか」を決めます。この章では、場⾯の⼀覧表と、5つの軸の設計シートを載せます。
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場 ⾯ か ら 逆 算 す る
「あとで探される場⾯」別に、探し⽅を先に決める
場⾯ 主に探す⼈ 何をキーに探すか どこまで遡るか
改修‧増築 設計‧営業 物件名 → 竣⼯年度 → 図⾯種別 10年以上前まで
定期点検‧保守 保守‧アフター 物件名 → 設備‧機器の単位 竣⼯時まで
クレーム‧不具合対応 品質保証‧⼯事 部位‧⼯種 → 該当時期の版 施⼯時点まで(急ぎ)
監査‧⾏政対応 総務‧管理部⾨ 書類の種類 → 年度 保存年限の全期間
引き渡し後の問い合わせ 営業‧アフター 物件名 → 渡した記録 引き渡し時点
5つ並べると、探すキーが「物件名」だけでは⾜りないことがはっきりします。⾃社で実際に起きる場⾯から軸を決めるのが、いちばん外しません。
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軸 の 決 め ⽅
⼈が決める軸と、AIが⾜す⼿がかり
図⾯資産で実務に使われる軸は、おおむね5つに収まります。物件∕⼯種∕図⾯種別∕年度 先 に 決 め る の は 粒 度
∕版。この5つは、業務を知っている⼈が決める軸です。⼯種をどこまで細かく分けるか、 軸の名前より、どこまで細かく分けるかでつまずきま
年度は着⼯か竣⼯か——ここを曖昧にしたまま始めると、⼈によって違う値が⼊り、結局 す。細かすぎると⼈によって値が変わり、粗すぎると
引けません。 絞り込めません。迷ったら、1つの軸の値を10前後に
収めるところから始めてください。
そのうえで、AIは軸を置き換えるものではなく、⼿がかりを⾜すものとして使うのが現実
的です。ファイルの中⾝から概要(要約)を⾃動で作り、案件名やキーワードといった⼿
がかりを⽬印(タグ)として⾃動で付ける。名前を思い出せないときの⼊⼝が増えます。
⼈が決めるもの:5つの軸の値と粒度。⾃社の⾔葉で、10前後に収める。
⾃動で⾜されるもの:中⾝の概要と、案件名‧キーワードなどの⽬印。
組み合わせて引く:軸で棚を絞り、概要と⽬印で候補をさらに絞る。
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タ グ 設 計 ( 5 軸 ) 1 / 2
5つの軸──値の例と、粒度の決め⽅
軸 値の例 粒度の決め⽅(迷ったときの基準)
物件 建物名‧⼯場名‧案件名(発注者の呼び⽅に合わせる) 略称と正式名称が違うなら両⽅を⽬印にする
⼯種 建築∕電気∕空調∕衛⽣∕⼟⽊∕機械 など ⾒積‧原価で使っている区分に合わせると迷わない
図⾯種別 意匠図∕構造図∕設備図∕施⼯図∕竣⼯図∕機器図 10前後に収める。増やしたくなったら備考で吸収する
年度 2014(竣⼯年度)∕2019(引き渡し年度) 着⼯‧竣⼯‧引き渡しのどれを使うかを1つに決める
版 第3版(確定)∕検討中∕客先承認済 「確定かどうか」が⼀⽬で分かる値を必ず⼊れる
この5つがそろっていれば、前ページの5場⾯はほとんどカバーできます。軸を増やすより、値の粒度をそろえるほうが効きます。
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タ グ 設 計 ( 5 軸 ) 2 / 2
5軸の記⼊例(分野別)
軸 記⼊例①建築‧改修 記⼊例②設備‧プラント 記⼊例③製造‧受託加⼯
物件 ◯◯ビル(本館) ◯◯⼯場 受変電設備 A社 搬送治具
⼯種 建築∕空調 電気 機械加⼯
図⾯種別 意匠図∕竣⼯図 単線結線図 加⼯図∕検査記録
年度 2014(竣⼯年度) 2019(引き渡し年度) 2021(受注年度)
版 第3版(確定) 第2版(確定) 初版(客先承認済)
値は⾃社の⾔葉で構いません。⼤事なのは、同じものを、いつも同じ⾔葉で書くこと。表記のゆれをなくすだけで、引ける率は⼤きく変わります。
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04
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最新版‧確定版の
扱いルール
版が分からないことの実害は、探す時間ではありません。旧版で作業してしまうことです。⼿戻り、現場での作り直し、納めた後の不
具合。この章は、そのまま社内規程のたたき台にできる6つのルールです。◯◯の部分を⾃社の名前‧部署に置き換えてお使いくださ
い。
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版 の ル ー ル 1 / 2
最新版‧確定版‧旧版の決めごと
決めること 書きぶりの例(⽳埋め式) 決め⽅のヒント
最新版の⾒分け⽅ 「図⾯の版は、名称の末尾に『第◯版』を付けて表す。 ⽇付は、作図⽇か承認⽇か送付⽇かが⼈によって違うた
⽇付だけの表記は⽤いない」 め⼿がかりにならない
確定版を誰がいつ決めるか 「◯◯が承認した時点の版を確定版とし、確定版である 宣⾔する⼈とタイミングが決まっていないと、すべてが
旨を付帯情報に記録する」 「たぶん最新」になる
旧版の残し⽅ 「旧版は削除せず、確定版と同じ物件のもとに『旧版』 消すのが怖くて同じ場所に置くから紛らわしくなる。残
として分けて残す」 す場所を分ける
書きぶりはそのまま写して構いません。「原則」と「例外」を対で書くのがこのひな形の型です。
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版 の ル ー ル 2 / 2
同名‧枝分かれ‧社外から届いた図⾯
決めること 書きぶりの例(⽳埋め式) 決め⽅のヒント
同名ファイルの扱い 「同⼀名称のものが複数ある場合は、確定版のみを残 名称の末尾で世代を表す運⽤は、枝分かれした瞬間に破
し、他は旧版として扱う」 綻する
枝分かれした版の扱い 「検討のために分かれた版は、確定版に統合するか、検 「検討中」と分かるようにするだけで、誤⽤はかなり減
討中である旨を明記して残す」 る
協⼒会社から届いた図⾯ 「社外から受領した図⾯は◯◯(受け⼊れ先)に置き、 個⼈宛に届いたまま個⼈のフォルダに⼊るのを⽌める
受領⽇‧送り主‧案件を記録する」
例外をゼロにしようとすると運⽤が⽌まります。例外は⾒える形にして、管理下に置く——これが続く運⽤の条件です。
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版 ル ー ル の 効 か せ ⽅
「旧版で作業した」を、仕組みで⽌める
版のルールは、書いて配って終わりにすると必ず形骸化します。効かせるコツは、迷った よ く あ るつ ま ず き
ときの⾏き先を1つに決めておくことです。現場が「どれが最新か」を各⾃で判断している ルールを増やしすぎることです。決めるのは6つで⾜
限り、事故はなくなりません。 ります。最新版の⾒分け⽅‧確定版の決め⽅‧旧版の
残し⽅‧同名の扱い‧枝分かれの扱い‧受け⼊れ⼝。
また、「間違えるのが怖いから全部残す」という⾃衛が始まると、さらに引けなくなりま
これ以上は、運⽤しきれずに形だけになります。
す。旧版を残すこと⾃体は正しい判断です。問題は、確定版と同じ場所に並べてしまうこ
とです。
確定版の置き場を、物件ごとに1か所に決める:迷ったらそこを⾒る、という状態をつくる。
旧版は消さずに、別の扱いにして残す:証跡としては残し、⽇常の⽬には触れさせない。
受け⼊れ⼝を決める:社外から届いた図⾯は、必ず同じ場所で受け取り、記録する。
⾒直しの頻度を決める:物件の完了時にひと通り確認する、と決めておく。
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S E C T I O N 0 5
置き場の設計と、
進め⽅
軸と版が決まったら、置き場です。ここは複雑に考える必要はありません。⽇常で参照するか、めったに参照しないが捨てられないか
——この2つに分けるだけです。⼤事なのは、分けたあとも引けること。最後に、全体の進め⽅を4段で⽰します。
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置 き 場 の 考 え ⽅
使う頻度で分ける。分けても、引けるようにする
⻑期保管の置き場は、2つに分ければ⾜ります。進⾏中の物件や頻繁に引かれる竣⼯書類 2 つ に 分 け る
は、すぐ開ける速い保管へ。引き渡しから年数の経った物件や、保存年限のために持って ⽇々の作業場所を乗り換える必要はありません。社内
いる書類は、使わないデータ向けの安い保管へ。 サーバーや今のクラウドは作業場として使い続け、確
定した図⾯と竣⼯書類だけを保全側にそろえます。
分けること⾃体は、多くの会社がすでに考えています。問題は分けたあとです。安いほう
へ移した瞬間に⾒えなくなるのでは、結局引けません。移したあとも中⾝の確認と検索が ⽇常で参照する = 速い保管
できること。これが図⾯資産では外せない条件です。 めったに参照しない = 安い保管
原本そのものを取り出すときは、置き場によっては原本を戻す処理が必要になる場合がありま
す。
ただし「どれを取り出すべきか」を決めるところまでは、移したあともそのままできる状態を
⽬指します。
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