W H I T E P A P E R
取引先から「パスワード付きZIPは受け取れません」
⼤容量の図⾯‧動画が、メールで送れない 社内ルール‧
添付をやめて、 案内⽂のひな形
つき
リンクで渡す。
脱PPAP 移行実務ガイド──社内ルール・取引先案内・受け取り方まで
配信技術で、デジタルを動かす。 ©2026 Necfru Inc. 0 1
⽬ 次
脱PPAP 移⾏実務ガイド──この資料の内容
01 なぜ、いま切り替えるのか P.03
02 移⾏の全体像:6段で進める P.08
03 社内ルールのひな形 P.11
04 取引先への案内⽂ひな形 P.14
05 受け取る側の設計 P.18
06 necfru drive での実現‧FAQ P.22
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01
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なぜ、いま
切り替えるのか
パスワード付きZIPをメールで送り、別便でパスワードを送る⽅式(PPAP)。⻑く続いてきた慣習ですが、安全性の⾯でも、受け取る
相⼿の⼿間の⾯でも⾒合わないことが分かってきました。まず「何が問題か」を短く押さえます。
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困 り ご と
パスワード付きZIPの受け渡し、4つの弱点
01 02 03
受け取る側の検査を、すり抜け 同じ経路で鍵を送るなら、意味 誤送信しても、取り消せない
やすい が薄い 送ったメールは相⼿の⼿元から引き上げられ
中⾝に鍵がかかっていると、受け取る側のウ ZIPとパスワードを同じメール経路で送れ ません。やり直しがきかない渡し⽅です。
イルス検査も中⾝を⾒られません。危険なフ ば、メールを⾒られた時点で両⽅⾒られま
ァイルほど届いてしまいます。 す。
04
⼤容量が送れず、記録も残らな
い
添付には上限があり、図⾯や動画はすぐ超え
ます。誰がいつ開いたかも分かりません。
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流 れ は 決 まって い る
相⼿を守るはずの鍵が、
相⼿の守りを外している。
IPA(独⽴⾏政法⼈ 情報処理推進機構)は2020年9⽉、暗号化された添付は配送経路上の検知‧検疫を
すり抜けやすいと注意喚起しました。同年11⽉には内閣府‧内閣官房でこの⽅式の廃⽌が⽰されたと
報じられ、以降、取引先の側から「受け取れません」と⾔われる場⾯が増えています。相⼿が先に変
える前に、⾃社の都合で順序⽴てて変えるほうが負担は⼩さくなります。
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代 わ り の 渡 し ⽅
代替案は、4つの型で考える
特定のサービス名から⼊ると議論が散らかります。まず「型」で整理し、観点を決めてか 順 番 を 間 違 え な い
ら選ぶのが近道です。 「まずツールを選ぶ」から⼊ると定着しません。時間
A. 無料の⼤容量転送サービスを都度使う:すぐ使えて⼤容量も通りますが、誰が何をどこ がかかるのは、社内の全員が同じやり⽅をできる状態
にすることと、取引先に納得してもらうこと。だから
へ送ったかを会社として把握できません。B. ⾃社に受け渡しの仕組みを置く:⾃社管理の
社内ルール→周知→取引先案内→運⽤の順で進めます
安⼼感の⼀⽅、構築‧運⽤‧脆弱性への対応が続きます。2023年10⽉にはIPAがファイル (SECTION 02)。
受け渡し製品の脆弱性を悪⽤した攻撃への対策を呼びかけています。C. メール側で対策す
る(暗号化‧無害化など):メール運⽤を変えずに済みますが、⼤容量そのものは解決しま
せん。D. 会社として渡し⽅を1本に決める(ダウンロード⽤のリンクで渡し、記録を残
す):⼤容量に強く、⾒せる範囲と記録を会社が管理できます。成否はルールと案内をやり
きるかで決まります。
選ぶ観点は6つ:中⾝の検査が働くか∕⼤容量が通るか∕渡した後の記録が残るか∕相⼿の⼿
間∕会社として統制できるか∕運⽤の負担。
この6観点で突き合わせると、⾃社が取るべき型はほぼ⼀つに絞れます(次ページの⼀覧
表)。
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⽐ 較 表
送付⽅法の⽐較(型で⾒る‧サービス名は挙げません)
観点 ZIP+別便の現状維持 無料の転送サービス ⾃社に仕組みを置く メール側の対策 リンクで渡す
中⾝の検査 × すり抜けやすい △ 仕組み次第 △ ⾃社対応次第 ○ 対策できる ◎ 検査を妨げない
⼤容量 × 上限がある ◎ 通る △ 設計次第 × 解決しない ◎ 上限に縛られない
渡した後の記録 × 残らない △ 個⼈任せ △ 作り込み次第 × 別問題として残る ◎ 記録を残せる
相⼿の⼿間 × 解凍‧別便探し ○ 少ない △ 仕組み次第 △ 相⼿の環境に依存 ○ リンクを開くだけ
会社の統制 × ⼈ごとにバラける × 把握できない ○ できる △ 部分的 ◎ 1本にそろえられる
運⽤の負担 △ 慣習のまま続く ○ ⼿軽 × 構築‧維持が重い △ 導⼊‧維持あり ○ ルール整備が中⼼
◎○△×は⼀般的な傾向の整理です(特定のサービスの評価ではありません)。⾃社の相⼿先‧ファイルの種類‧体制に当てはめて確かめてください。
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02
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移⾏の全体像:
6段で進める
渡し⽅を替える作業の⼭場は、ツールではなく「社内が同じやり⽅をできる状態」と「取引先の納得」です。現状把握から定着ま
で、6段それぞれの完了条件を先に決めておくと、途中で崩れません。
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全 体 像
移⾏の6段と、各段の「完了条件」
段 やること この段が終わったと⾔える条件
①現状把握 誰が‧何を‧どの⼿段で送受信しているかを棚卸し(部 送受信の型が⼀覧化され、⼤容量が発⽣する業務が特定
署別‧相⼿先別‧⼤きさ) できている
②⽅針決定 渡し⽅‧受け取り⽅を1本に決める。例外の条件も同時 「原則こう渡す∕こう受け取る」が⽂章になっている
に決める
③社内ルール化 ひな形(SECTION 03)に沿って明⽂化。窓⼝‧承認‧ 規程‧⼿順書として配布できる状態になっている
記録の扱いを決める
④社内周知‧教育 画⾯つきの1枚⼿順∕短い説明会∕切替⽇前後のリマイ 対象部署の全員が同じ⼿順を再現できる
ンド
⑤取引先案内 案内⽂(SECTION 04)を送付。移⾏期間を明⽰し、断 主要取引先の回答が揃い、例外先が⼀覧化されている
られた場合の代替を⽤意
⑥運⽤開始‧定着 例外対応‧問い合わせ窓⼝‧⾒直しサイクルを回す 記録を⽉次で確認する担当と頻度が決まっている
急がば回れです。⑤の案内は、④までが終わってから。社内が定まらないまま案内を出すと、取引先ごとに違う答えをすることになります。
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進 め ⽅ の 原 則
例外を先に決め、代替を⽤意してから案内する
移⾏が⽌まる原因は、たいてい「例外」と「断られたとき」の準備不⾜です。例外の条件 よ く あ るつ ま ず き
を決めずに始めると、現場は毎回⾃分で判断することになり、結局元のやり⽅に戻りま 規程を配って終わり、になることです。⽬標は「読め
す。 ば分かる」ではなく「対象部署の全員が同じ⼿順を再
現できる」。画⾯つきの1枚⼿順と、切替⽇前後のリマ
取引先への案内も同じです。相⼿の規程や環境で受け取れないことは必ず起きます。断ら
インドまでが周知です。
れたときにどうするかを先に⽤意しておくことが、案内を出す前提条件です。
例外の条件と申請先を、原則と同時に決める:「例外かどうか」を現場に判断させない。
断られたときの代替を先に⽤意する:期間を区切った併⾛‧例外先の⼀覧化(⽂例は
SECTION 04)。
記録は「⾒る担当と頻度」までセットで決める:⾒る⼈が決まっていない記録は、事故のとき
に使えません。
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社内ルールの
ひな形
そのまま流⽤できる書きぶりの例を、決め⽅のヒントつきで載せます。◯◯の部分を⾃社の名前‧部署に置き換えれば、規程のたた
き台になります。
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ひ な 形 1 / 2
社内ルールのひな形──渡し⽅を決める
項⽬ 書きぶりの例(⽳埋め式) 決め⽅のヒント
対象範囲 「社外へ渡す業務ファイル、および社外から受け取るフ 社内だけの受け渡しは対象外にしてよい
ァイルを対象とする」
原則の渡し⽅ 「ファイルはメールに添付せず、会社が定めた保管先に 原則は1本にする。⼆択にしない
置き、ダウンロード⽤のリンクで渡す」
禁⽌する渡し⽅ 「パスワード付きZIPの添付、および個⼈判断での無料 禁⽌を明記しないと、元のやり⽅に戻る
転送サービスの利⽤を禁⽌する」
パスワードの扱い 「パスワードを同じメール経路で送らない。⽤いる場合 「かけない」も選択肢。決めておくことが⼤事
の伝え⽅は◯◯の⽅法による」
書きぶりはそのまま写して構いません。「原則」と「禁⽌」を対で書くのがこのひな形の型です。
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ひ な 形 2 / 2
社内ルールのひな形──記録と例外を決める
項⽬ 書きぶりの例(⽳埋め式) 決め⽅のヒント
⾒せる範囲と期間 「共有は必要な相⼿‧必要な範囲に限る。範囲と期間は 誰に‧どの範囲‧いつまで、を運⽤として決めておく
案件ごとに◯◯が定める」
記録 「渡した記録(誰がいつ⾒た‧ダウンロードした‧共有 確認の担当と頻度が空欄のままだと機能しない
したか)を残し、◯◯部が⽉次で確認する」
例外 「相⼿の環境で受け取れない場合は、◯◯へ申請し、承 例外の条件と申請先を先に決める
認を得たうえで代替⼿段を⽤いる」
事故時の連絡 「誤送信‧誤共有に気づいた者は、直ちに◯◯へ連絡す 曖昧にしない。夜間‧休⽇の連絡先まで書けると強い
る」
誤送信対応の負担を決めるのは、渡し⽅より記録の有無です。「何が、どこまで出たのか」を説明できる状態を先に作ります。
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取引先への
案内⽂ひな形
移⾏でいちばんつまずくのが、取引先への案内です。「こちらから送る場合」「送ってもらう場合」の2種の⽂例と、断られたときの代
替、NG⽂例までを載せます。社外に出す⽂⾯のため、送付前に社内の確認を通してください。
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⽂ 例 ( a )
こちらから送る場合の案内⽂
いつもお世話になっております。当社では情報セキュリティ強化の取り組みとして、◯⽉ 案 内 に ⼊ れ る 4 要 素
◯⽇より、ファイルのお渡し⽅法を変更いたします。 ①何が変わるのか ②相⼿の操作はどうなるのか ③い
今後は、メールへの添付に代えて、ダウンロード⽤のリンクをご案内する⽅法でお送りい つから変わるのか ④受け取れない場合はどこへ連絡す
るか。この4つが揃っていれば、案内としては⼗分で
たします。お⼿元では、届いたリンクからファイルをダウンロードしていただく形となり
す。⻑くしないこと。
ます。
ご不明な点や、貴社の規程によりこの⽅法でのお受け取りが難しい場合は、下記の窓⼝ま
でお知らせください。個別に対応いたします。(窓⼝:◯◯部 ◯◯∕連絡先)
⽂例はそのまま使えますが、切替⽇‧窓⼝‧連絡先は必ず⾃社のものに置き換えてください。
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⽂ 例 ( b )
こちらへ送ってもらう場合の依頼⽂
お⼿数をおかけしますが、当社宛てにファイルをお送りいただく際は、メールへの添付に 丁 寧 に 伝 える コ ツ
代えて、当社よりご案内する受け取り先をご利⽤いただけますと幸いです。 ①理由をひとこと添える ②代替(受け取り先)を同時
なお、パスワード付きZIPファイルの添付は、当社の受信時の確認(ウイルス検査)が働 に⽰す ③期限は「◯⽇以降お願いします」ではなく
「◯⽇を⽬途に、難しければご相談ください」と相談
きにくいため、ご遠慮いただいております。ご理解のほどお願いいたします。
ベースにする。この3点で、⾓が⽴ちません。
ご利⽤⽅法は別紙(または担当者)よりご案内いたします。ご不便な点がございました
ら、遠慮なくお知らせください。
断る理由を「相⼿のセキュリティのため」ではなく「確認が働きにくいため」と、事実で短く
添えるのがコツです。
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断 ら れ た と き
断られたときの代替と、NG⽂例
相⼿の規程や環境で「その⽅法は使えない」と⾔われることは必ず起きます。移⾏の失敗 例 外 は 「 な く す 」 も の で は な い
は、断られたことではなく、断られたときの扱いを決めていなかったことから始まりま 例外をゼロにしようとすると移⾏が⽌まります。⽬標
す。 は例外を「⾒える化」して管理下に置くこと。例外先
の⼀覧と⾒直しの頻度が決まっていれば、運⽤として
代替の基本形:期間を区切って今のやり⽅と併⾛する∕その相⼿だけ例外として⼀覧に登
健全です。
録し、承認のうえで相⼿の指定する⽅法に合わせる。いずれの場合も「例外である」こと
を記録に残します。
NG「◯⽉◯⽇以降、ZIP添付は⼀切受け付けません」→ 改善「◯⽉◯⽇を⽬途に切り替えを
お願いしております。難しい場合はご相談ください」
NG「セキュリティ上危険なため」(理由が伝わらない)→ 改善「受信時の確認(ウイルス検
査)が働きにくいため」(相⼿にも利益がある説明)
NG ⼀⽅的な締切だけの通知 → 改善 窓⼝と連絡先を明記し、個別対応の余地を残す
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受け取る側の
設計
代替案の議論は「送る」話に偏りがちですが、実務で困るのは、取引先が思い思いの⽅法で送ってくる「受け取り」のほうです。導線
を1本に決め、パスワード付きZIPが届いたときの扱いまで決めておきます。
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受 け 取 り の 導 線
受け取り⽅を1本に決める
担当者ごとに違う⽅法で受け取っている状態は、会社として「何を受け取ったか」を把握 取 引 先 へ の 伝 え ⽅
できていない状態と同じです。⾃社が送り⽅を変えても、受け取り⽅が野放しならリスク 受け取りの導線は、SECTION 04 の⽂例(b)で案内し
は半分しか減りません。 ます。「こう送ってください」だけでなく「こう受け取
ります」まで⽰すと、相⼿も迷いません。
決めることは3つだけです。
窓⼝:どの案件のファイルは、誰宛て‧どこ宛てに送ってもらうかを決めて案内する。
置き場:受け取ったファイルの置き場を案件ごとに1か所に決める。「どこに置いたか分から
ない」は、同じファイルをもう⼀度送ってもらう事態につながります。
名前の付け⽅:「案件名_⽇付_内容」など、後から探せる形をあらかじめ決めておく。
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判 断 の 型
パスワード付きZIPが届いたときの判断
✓ 開ける前に、送信元を別の⼿段で確かめる
メールの返信ではなく、電話や普段の連絡経路で「送りましたか」を確認します。差出⼈の偽装は珍しくありません。
✓ ⼼当たりのない添付は、開かずに窓⼝へ
判断を現場に任せず、迷ったら開かずに相談する、を原則にします。
✓ 正当な業務ファイルと確認できたときの扱いを決めておく
受け取ってよい条件と⼿順をルールに書いておきます。その場の判断にしないことがポイントです。
✓ 次回からの送り⽅を、⽂例(b)で案内する
受け取るたびに案内を添えれば、例外は⾃然に減っていきます。
✓ 例外として受け取った記録を残す
「いつ‧どこから‧何を‧なぜ例外で受け取ったか」を⼀覧にしておくと、⾒直しのときに効きます。
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