W H I T E P A P E R
社内サーバー‧共有の保管機がいっぱい
増設や全⾯移⾏の前に、できることがあります 棚卸し‧⼿順‧
検証の実務
古いデータだけを、 ツールつき
安全に逃がす。
ファイルサーバー・NASの古いデータ 退避実行ガイド
配信技術で、デジタルを動かす。 ©2026 Necfru Inc. 0 1
⽬ 次
この資料の内容
01 退避の全体像:5段で進める P.03
02 退避対象の棚卸しシート P.07
03 実⾏⼿順チェックリスト(5段) P.11
04 失敗パターンと退避後の運⽤ルール P.18
05 necfru drive での実⾏ P.23
06 よくある質問と、使えるひな形 P.27
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01
S E C T I O N 0 1
退避の全体像:
5段で進める
社内のファイルサーバーや共有ファイル保管機(NAS)の空きが⾜りない。古いデータだけを逃がす段取りは、棚卸し → 吸い上げ →
検証 → 元データを消す → ルール化 の5段です。まずは全体像と、各段の「完了条件」を押さえます。
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全 体 像
退避の5段と、各段の「完了条件」
段 やること この段が終わったと⾔える条件
①準備 退避する対象と、絶対に触らない対象を決める。戻し 対象⼀覧と除外リストが承認され、関係者に周知できて
⽅‧依頼先‧担当も先に決める いる
②吸い上げ 指定したフォルダから保管先へコピーする。⼩分けに、 対象範囲のコピーが完了し、失敗した項⽬が残っていな
少しずつ進める い
③検証 元と先で、容量‧ファイル数‧フォルダ数を突き合わせ 3つの数がそろい、抜き取り確認でも問題なく開けてい
る。中⾝も抜き取りで開く る
④元データを消す 読み取り専⽤で猶予期間 → 承認 → 削除 → 空き容量を 承認の記録が残り、空き容量が想定どおり増えている
確認する
⑤ルール化 ⽇々の作業場所と⻑期保管の線引き、次回の担当‧頻度 運⽤ルールが⽂書になり、次の棚卸し⽇が決まっている
を決める
①〜③のあいだ、共有の保管機の空き容量は増えません。容量が空くのは④だけです。ここを混同すると「作業したのに空かない」となります。
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最 初 に 押 さ える こ と
コピーしても、容量は空きません。
空くのは 「元データを消した」瞬間 だけ。
だから退避の⼭場は、コピーそのものではなく「消していいと⾔える状態をつくる検証」です。本資
料は、その検証と承認の段取りにいちばん紙数を割いています。
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進 め ⽅ の 原 則
⼀度に全部を動かさない
退避の失敗は、ほとんどが「まとめて⼀気にやろうとしたこと」から始まります。転送に よ く あ るつ ま ず き
時間がかかり、終わらないまま翌営業⽇を迎え、検証も承認も⾶ばしてしまう——この流 ⼩さいファイルが⼤量にあると、試したときより本番
れを断つことが最⼤の原則です。 の転送が⼤幅に遅くなることがあります。「テストは速
かったのに終わらない」は定番です。件数の多いフォ
⼩さく試し、古いフォルダから⼩分けに。これだけで事故の⼤半は避けられます。
ルダは、容量ではなく件数で分割の単位を決めてくだ
1部署‧1案件で試す:⼿順‧所要時間‧周知の型を、⼩さな範囲で確かめてから広げます。 さい。
分割の単位を決める:サブフォルダ単位に区切ると、検証もやり直しも現実的な時間で回り
ます。
進⾏中は対象に⼊れない:編集中の版が⼆重になる‧参照が切れる事故を、⼊⼝で防ぎます。
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02
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退避対象の
棚卸しシート
「どのフォルダを、どこまで逃がすか」を紙の上で決めるための記⼊シートです。列の意味‧記⼊例‧そして絶対に触らない除外リ
ストまで、そのまま写して使えます。
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ワ ー ク シ ー ト
棚卸しシートの列と、書き⽅
列 何を書くか 書き⽅のヒント
フォルダ名‧場所 対象フォルダ名と、置いてある場所 上位のフォルダ単位で書く
⽤途‧所管部⾨ 何のデータで、どの部⾨のものか 持ち主不明の⾏は、可否を決められない
容量‧ファイル数 容量と、⼊っているファイルの数 検証で突き合わせる数字。必ず記録する
最終更新⽇ 中のファイルが最後に更新された⽇ 古い順に並べると、候補はほぼ絞れる
状態(進⾏中∕終了) 進⾏中か、完了‧検収済みか 進⾏中は退避しない(除外リストへ)
保存年限‧退避可否 何年残す決まりか。退避してよいか 年限が不明な⾏は、判断者を書いて保留
使い⽅:容量の⼤きいフォルダの上位20件から書き始めると、少ない⼿数で効果が出ます。1⾏1フォルダ、迷った⾏は保留にして先に進めるのがコツです。
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記 ⼊ 例
棚卸しシートの記⼊例
フォルダ(⽤途) 所管 容量∕件数 最終更新 状態 退避の可否‧優先度
完了案件の設計図‧図⾯ 設計部 約1.2TB∕9万件 3年前 完了 退避する(優先1)
⼀式
過去の現場写真‧検査映 ⼯事部 約800GB∕4万件 2年前 完了 退避する(優先2)
像
旧年度の帳票‧スキャン 管理部 約300GB∕12万件 1年半前 完了 退避する(優先3)
書類
進⾏中案件の図⾯‧打合 設計部 約90GB∕8千件 本⽇ 進⾏中 退避しない(除外)
せ資料
共通の書式‧テンプレー 総務部 約5GB∕600件 先週 常⽤ 退避しない
ト
記⼊例です。「終わっている‧更新が⽌まっている‧⼤きい‧でも捨てられない」に寄る⾏から着⼿します。容量と件数は後の検証で必ず突き合わせるので、この時点の数字を残しておいてください。
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除 外 リ ス ト
退避しないものを、先に決める
除外する対象 なぜ触らないか 事前の確認⽅法
進⾏中の案件フォルダ 編集中の版が⼆重になり、最新が分からなくなる 担当者に、案件が完了しているか確認
業務システムが読む場所 決まった場所を直接読む仕組みは、動かすと⽌まる 保守先に、参照先の場所を確認
外部と共有中のフォルダ 共有リンクや参照が切れ、取引先に影響が出る 共有中の⼀覧と、期限を確認
バックアップの保存先 取得の仕組みごと壊れる恐れがある 取得設定の対象を確認してから触る
書式‧テンプレート類 毎⽇使うため、場所が変わると現場が⽌まる 利⽤部⾨に、使⽤頻度を確認
持ち主が不明なフォルダ 消してよいと⾔える⼈がいないまま進んでしまう 所管部⾨が分かるまで保留にする
除外リストは退避対象の⼀覧と同時に作り、同じ承認を受けるのが安全です。「触らない」と決めた記録が残っていれば、後から対象に紛れ込むことを防げます。
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03
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実⾏⼿順
チェックリスト(5段)
各段の「やること」と「安全確認の観点」を順に並べたチェックリストです。上から順に潰していけば、検証を⾶ばして元データを
消す——という最悪の事故を避けられます。
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チ ェ ッ ク リ ス ト ① 準 備
逃がす前に「戻し⽅」を決める
✓ 対象フォルダと除外リストを確定し、承認を得た
棚卸しシートと除外リストを、所管部⾨と決裁者に確認してもらいます。
✓ 「必要になったら、どう戻すか」を先に決めた
戻す⼿順‧依頼先‧担当を明⽂化します。ここが空⽩だと、現場が不安がって退避が⽌まります。
✓ 退避後に誰が⾒られる状態を保つかを整理した
⾒えるべき⼈‧⾒えてはいけない⼈を⼀覧にします。移した後の確認項⽬にもなります。
✓ 業務システムが参照する場所を洗い出した
決まった場所を直接読む仕組みがないか、システムの担当‧保守先に確認します。
✓ 作業の時間帯と、分割の単位を決めた
サブフォルダ単位に区切り、業務への影響が⼩さい時間帯を選びます。
✓ 関係者に、いつ‧何をするかを周知した
案内⽂の型は本資料の付録Aにあります。周知なしの退避は騒ぎの原因になります。
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チ ェ ッ ク リ ス ト ② 吸 い 上 げ
⼩分けに、少しずつコピーする
✓ 1部署または1案件で、⼩さく試した
⼿順‧所要時間‧周知の型を、⼩さな範囲で確かめてから広げます。
✓ コピー元とコピー先の指定を、⼆⼈で確認した
指定違いは、気づくのが遅れるほど⼿戻りが⼤きくなります。
✓ 進⾏中フォルダが対象に⼊っていないと確認した
除外リストと、実際の指定内容を突き合わせます。
✓ 機器やネットワークへの負荷を確認した
業務に影響が出ていないか、開始直後に様⼦を⾒ます。
✓ 途中で⽌まったときの進め⽅を決めた
誰が気づき、どこから続けるか。担当と連絡先を決めておきます。
✓ コピーが終わっても、元データは消さないと決めた
この段階では容量は空きません。消すのは検証と承認を終えた後です。
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チ ェ ッ ク リ ス ト ③ 検 証
ここを⾶ばすと、事故になる
✓ 容量‧ファイル数‧フォルダ数の3つを突き合わせた
元と先の上位フォルダで3つの数字を⽐べ、違いがあれば原因を追います。
✓ 失敗した項⽬が0件であることを確認した
コピーの記録の最後を⾒て、失敗‧スキップが残っていないか確かめます。
✓ サブフォルダ単位に分けて確認した
量が多いと数字の集計⾃体に時間がかかります。区切るのが現実的です。
✓ 抜き取りで、実際に開いて中⾝を確認した
各フォルダから数件を開いて確かめます。⼤きいファイルは特に注意。
✓ ⻑い場所名や記号を含む名前を取りこぼしていない
深い階層や記号を含む名前は落ちやすい代表例です。件数の差で気づけます。
✓ 検証の結果を記録に残した
「誰が‧いつ‧何を確認したか」が、削除の承認の根拠になります。
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検 証 ツ ー ル
突き合わせる数字と、OKの条件
確認すること 突き合わせるもの OKと⾔える条件
容量 元フォルダと保管先の、合計容量 差が説明できる範囲に収まっている
ファイル数 元と先の、ファイルの総数 ⼀致している
フォルダ数 元と先の、フォルダの総数 ⼀致している
失敗‧スキップ コピーの記録の末尾 失敗0件。スキップは理由が⾔える
中⾝ 抜き取った数件を、実際に開く 全件開ける。表⽰が壊れていない
名前の取りこぼし 深い階層‧記号を含む名前の件数 件数の差がない、または理由が判明
保存の仕組みが違えば、容量が完全に⼀致しないことはあります。ファイル数とフォルダ数は⼀致させ、容量の差は理由を説明できる状態にしてから④へ進んでください。
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チ ェ ッ ク リ ス ト ④ 元 デ ー タ を 消 す
ここで初めて、容量が空く
✓ 検証がすべて終わり、記録が残っている
数字の突合と、失敗0件の確認が済んでいることが前提です。
✓ 対象フォルダを読み取り専⽤にし、猶予期間を置いた
すぐ消さず⼀定期間そのまま置いて、「困る⼈」が出ないかを⾒ます。
✓ 猶予期間中の問い合わせ窓⼝を決めた
「あのファイルはどこへ?」の受け先を、案内⽂に明記します。
✓ 所管部⾨の責任者から、削除の承認を得た
誰が‧何をもって承認したかを記録します。項⽬⽴ては付録Bにあります。
✓ 削除後、空き容量が想定どおり増えたと確認した
増え⽅が想定と違う場合は、対象範囲や重複を⾒直します。
✓ 現場に「⻑期保管へ移した」ことを案内した
消したのではなく移したこと、探し⽅と依頼先を伝えます。
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チ ェ ッ ク リ ス ト ⑤ ル ー ル 化
次から、同じことが起きないように
✓ ⽇々の作業場所と、⻑期保管の線引きを決めた
新しく作るデータをどこに置き、完了したデータをどこへ回すかを決めます。
✓ 退避の対象‧頻度‧担当を決めた
「案件が完了したら」「年1回の棚卸しで」など、きっかけと担当を紐づけます。
✓ 次回の棚卸し⽇を、予定に⼊れた
⽇付が⼊っていないルールは、実⾏されないまま忘れられます。
✓ 戻すときの⼿順を、現場に周知した
取り出しの依頼先と⼿順が共有されていれば、退避への抵抗が減ります。
✓ 除外リストの⾒直し時期を決めた
進⾏中だった案件もいつか完了し、次の退避候補になります。
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失敗パターンと、
退避後の運⽤ルール
実際に起きている失敗を「何が起きるか∕代わりにどうするか」で並べます。そのうえで、退避前と退避後で運⽤がどう変わるか
を、担当と頻度つきの表にまとめました。
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失 敗 パ タ ーン 1 / 2
やってはいけない5つ
やってしまうこと 何が起きるか 代わりにどうするか
検証しないまま、元データを消す コピー漏れに気づけず、データが失われる。取り返しが 数字の突合と失敗0件を確認し、記録を残してから消す
つかない
全部を⼀度に動かす 転送が終わらず翌営業⽇に間に合わない。検証も承認も 1部署‧1案件で試し、古いフォルダから⼩分けに進め
⾶ぶ る
進⾏中のデータまで動かす 編集中の版が⼆重になる。参照が切れて業務が⽌まる 除外リストを先に作り、実際の指定内容と突き合わせる
戻し⽅を決めずに退避する 現場が不安がり、退避そのものが⽌まる。承認も下りな 戻す⼿順‧依頼先‧担当を、準備の段で決めて周知する
い
権限の引き継ぎを決めていない ⾒えるべき⼈に⾒えない∕⾒えてはいけない⼈に⾒える 退避後に誰が⾒られる状態を保つかを、事前に⼀覧化す
る
共通しているのは「順番を⾶ばした」ことです。準備‧検証‧承認のどれかを省くと、必ずどこかで跳ね返ってきます。
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失 敗 パ タ ーン 2 / 2
⾒落とされがちな4つ
やってしまうこと 何が起きるか 代わりにどうするか
担当1⼈の夜間作業に頼る 終わらなければ翌⽇に間に合わない。属⼈化して再現で ⾃動で少しずつ吸い上げる仕組みにし、進み具合を共有
きない する
業務システムが読む場所を動かす 決まった場所を読む仕組みが、動かした瞬間に⽌まる 参照先の場所を保守先に確認し、除外リストへ⼊れる
周知せずに消す 「ファイルが消えた」と騒ぎになり、次の退避が通らな 移した旨‧探し⽅‧依頼先を、案内⽂で先に伝える
くなる
逃がした先で探せない状態にする 数年後にどこにあるか分からず、退避ではなく死蔵にな 中⾝を確認でき、名前以外の⼿がかりで探せる保管先を
る 選ぶ
最後の1点が、退避の成否を分けます。「安く置ける」だけでは⾜りません。置いた後に中⾝を確認し、探して取り出せるかまでを、置き場所の選定条件に⼊れてください。
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