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ロボット導入・自動化お役立ち情報 ロボット導入準備編

ハンドブック

ロボット導入の検討段階で役に立つ情報をまとめました。

⑴ロボット導入時の事前検証とは
 ①ロボット導入時の事前検証で確かめられるポイント
 ②ロボット導入時の事前検証の種類
 ③ロボット導入時の事前検証を行うメリット
 ④ロボット導入時の事前検証を行うデメリット
⑵製造現場に自動化を導入
 ①製造現場を自動化する事で得られるメリット
 ②自動化を進める上での段階について
 ③自動化を導入する際の検討ポイントについて
 ④【補足】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
 ⑤まとめ
⑶産業機械をOEMで製造するケースとは?
 ①産業機械とは
 ②産業機械を発注する方法
 ③OEMとは
 ④産業機械のOEM先を選ぶポイント
 ⑤製造品によってはEMSという選択を
 ⑥まとめ
⑷産業用装置を導入・設置する際の注意点
 ①産業用装置とは
 ②産業用装置を導入・設置する際の注意点
 ③産業用装置の安全上の改善点
 ④産業用装置の生産性の改善点
 ⑤導入事例
 ⑥まとめ
⑸工場の稼働率の計算方法とは?
 ①工場の稼働率とは
 ②稼働率が低下する要因
 ③工場の稼働率を改善するポイント
 ④まとめ

このカタログについて

ドキュメント名 ロボット導入・自動化お役立ち情報 ロボット導入準備編
ドキュメント種別 ハンドブック
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取り扱い企業 株式会社JRC(ALFIS) (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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20260316技術コラム⑬表紙

ロボット導入 自動化 06-6543-8180 〒 550-0011 大阪市西区阿波座2丁目1番1号 CAMCO西本町ビル5階
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20260311お役立ちコラム⑬-1_ロボット導入時の事前検証とは_1-3

株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ ロボット導入時の事前検証とは 確認ポイントやテストの種類を解説 ロボットを使った自動化装置を導入する際には大きな費用がかかります。装置が高額であるこ とに加え、設置する際には生産ラインを一度止めて数日間設置作業を行うことになるため、ソ フトウェアのようにまずはお試しで使ってみるようなこともできません。その代わりに、自動 化装置全体ではなく部分的に検証を行い、課題がクリアできるか、SIer が提案した効果が本当 に実現できるのかといった重要な点を確かめることがあります。 本記事では、ロボット導入時に行う事前検証について解説します。 1 ロボット導入時の事前検証で かどうか事前に確かめておきたいと考えてい 確かめられるポイント る方が多く、よく行われる検証内容の 1つで す。例えば、前述の特異点回避のためにロボッ 事前検証ではどういった点を確かめること トの動きを変更すると、ロボットの姿勢変更 が一般的なのでしょうか。よく行われる事前 にかかる時間が伸びてサイクルタイムが伸び 検証の内容を、いくつかご紹介します。 てしまうことがあります。こういったリスク ロボットのレイアウト・動作 低減のためにも、サイクルタイム検証は重要 です。 設計したロボットシステムを工場・倉庫な どの現場に導入した際に、予定している動作 ワーク認識テスト が可能かどうかを確かめます。選定したロ 画像センサや 3Dビジョンセンサでワーク ボットの大きさ等は適切か、既存設備とぶつ の位置・姿勢を認識してピック&プレイスす からないかなどを確かめておくことで、設 るような場合には、そのワークが正しく認識 置・試験運転時に思わぬエラーが発生する可 できるのかどうかを事前にチェックします。 能性を減らすことにつながります。 表面に光沢がある材質や、ガラス容器のよ エラーの一例として、ロボットが「特異点」 うな無色透明の材質、色柄のせいで重なって という姿勢になり停止してしまうことがあり いるときに輪郭が分かりにくいワークなど、 ます。特異点とはロボットの制御ができなく 認識しづらい条件は様々あり、カメラ選定や なる姿勢のことで、特異点になってしまうこ 認識時の条件設定などに影響を及ぼします。 とが事前にわかっていれば、回避するプログ 動作の設計などの前に、まずは安定して認識 ラムを準備しておくことが可能です。 できるかどうかのテストを行います。 サイクルタイム ワークのピック&プレイステスト 設備を導入する際に非常に重要なサイクル 複雑な形状のワークや、食品など柔らかく タイムについては、本当に試算通りになるの て変形するワークの場合には、正しくピック 1
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ &プレイスできるかを事前にテストすること シミュレーションソフトを使った検証 があります。市販のロボットハンドでピック ロボットメーカーや作成した専用のシミュ することが難しい場合には、オリジナルで設 レーションソフトや、いくつかのメーカーの 計したり、ロボットの動作をゆっくり丁寧に ロボットデータが入った設計シミュレーショ 行うことで解決できることもあります。 ンソフトを使うことで、ロボットの実機がな その他の特別なテスト くても動作を検証することが可能です。 特殊なワークや特殊な動作を必要とする場 ロボットシステムのレイアウト検証や、サ 合には、専用のテストを実施することがありま イクルタイムの検証はシミュレーションで行 す。弊社の場合は粉体のハンドリングをロボッ うことができます。実機を動かすにはテスト ト化するようなご相談が多く、これまでに以下 機が必要なだけでなく、テスト用ワークの準 のようなテストを行ったことがあります。 備やロボットを動かす人手もかかるため、パ ソコン 1つでできるシミュレーションの方が 例1:震動フィーダを使った粉体切り出し精 素早く検証が終わるというメリットがありま 度テスト す。 試薬の混合をロボット化したいというご相 実機を使った検証・ワークテスト 談で、粉体を測って取り分ける作業を高精度 テスト用のロボットと実際のワーク(ある に行えるかどうか、事前に検証しました。粉 いは同じ条件のサンプルワーク)を使うこと 末 1 粒 1 粒は非常に小さく軽く、静電気な で、シミュレーションでは行えない検証も実 ど様々な要因で正確に測りとれないことがあ 施可能です。例えば前述のワークのピック& ります。微量の粉体を秤量する必要がある場 プレイステストなどは実機で行う必要があり 合には、その都度事前検証を行っています。 ます。 また、ロボットがどのように動くかはシ 例2:粉末状の食品にスプーンを差し込む ミュレーションできても、それによってワー 粉ミルクやプロテインなど、粉末状の食品 クが破損するリスクなどは実際に動かしてみ で中に計量スプーンが同梱されているものを誰 ないと気づくことができません。より確実な でも一度は目にしたことがあるかと思います。 検証結果が欲しい場合や、ワークが傷つきや ご相談の食品の場合は、スプーンを粉の上 すい材質でできている場合は、実機での検証 にポンと載せると蓋が締まらないため、ぐっ を行うことをおすすめします。 と押し込み埋め込む必要がありました。この 作業をロボットで行うことができるか、動作 の検証を行いました。 2 ロボット導入時の事前検証の種類 事前検証には、ロボットの実機や実際の ワークを使った検証と、専用ソフトを使った シミュレーションの 2種類があります。それ ぞれの特長について説明します。 2
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 3 ロボット導入時の事前検証を 4 ロボット導入時の事前検証を 行うメリット 行うデメリット ロボットの導入の検討時に事前検証を行う ロボットの導入の検討時に事前検証を行うデメ メリットとしては、以下のような点があります。 リットとしては、以下のような点があります。 具体的な導入効果を測る 費用がかかる ロボットシステムは導入に数百万円から数 実機やワークを動かしたり、ハンドツールの 億円の費用がかかります。 仮設計などを行うと、工数・材料代が発生しま また、ロボットを高精度に動かすためには すので、有償テストとなる場合があります。テ しっかりとした土台が必要で、床にアンカー ストの結果導入を見送る可能性が高い場合は、 ボルトで固定することも珍しくありません。 無駄な費用の発生となってしまいます。 投資金額が大きいことに加え、簡単に撤去 時間がかかる できるような設備ではないため、事前に実現 可能性や効果を確かめておくことが重要です。 テストの実施は、テスト用の設計やプログ ラム作成、試作部品製作、テスト実施、報告 リスクの洗い出し 書作成、といった流れで行います。内容によっ 製造・設置などの段階で問題が見つかる ては数週間時間をいただくことになります。 と、追加の費用がかかってしまったり、予定 ただし、検証時の設計図面やプログラムを していたスペースに入らなくなったりとさま 流用することで、受注後の設計期間が短縮さ ざまな問題が発生します。 れる可能性もあります。 事前に見つけておけば、後から見つかった 時よりも取れる対策の選択肢が多いことがメ リットです。 導入スケジュール遅延の防止 ロボットシステム導入時には生産をストッ プして設置し、現場で試験動作をしてから再 度生産が可能になります。課題が後から見つ かったことでロボットシステムの納期が延び 導入スケジュールが変更になった場合は、生 産計画を調製することになるため大きな影響 が出てしまいます。 事前に検証を行っておくことで、スムーズ に導入できる可能性が上がります。 3
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20260311お役立ちコラム⑬-2_製造現場の自動化を導入の段階や検討の流れについて解説4-6

株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 製造現場に自動化を導入 導入の段階や検討の流れについて解説 製造業では少子高齢化による人手不足や技術継承など様々な問題が発生してきています。 そんな中、今まで手作業で行って来た工程をロボットなどの導入で自動化する事が注目を集め ています。今後も少子高齢化が進む日本の製造業にとって工程の自動化は避けて通れないもの になってきています。 しかし自動化といってもまず何から始めればいいかという迷われるかと思います。 そんな方に向けて導入の段階や検討ポイントをご紹介させていただきます。 1 製造現場を自動化する事で 危険な作業から従業員を守れる 得られるメリット 危険な工程を自動化する事が出来れば、労 働災害のリスクを大きく削減することが出来 改めて製造工程の自動化によって得られる ます。 メリットについて説明させていただきます。 省人化によって人手不足を解消する 2 自動化を進める上での 人材不足が深刻な製造業にとって自動化に 段階について より省人化は最大のメリットと考えられます。 製造現場の自動化を進めるには 5つの段階 また作業者の高齢化によって技術継承でき があります。 ていない工程も自動化する事が出来れば、ス 工場やラインによっては現時点の段階が異 キルを持たない作業者でも今までと同じ製造 なりますので、ご自身の現場が今どの段階な 作業が可能となります。 のか?次はどこを目指す必要があるのかを見 さらに自動化が進めば、作業者が現場にい 極める必要があります。 なくても対応できる業務が増えるため、リ 1. 作業支援を行う道具の導入 モートワークといった様々な働き方に対応す ることが出来ます。 最初の段階として考えられるのは作業支援 を行える道具の導入です。 生産効率の向上が期待できる 例えばドライバーを使って人の手でネジを 上記の省人化によって浮いた人的リソース 締めている工程に、電動ドライバーなどを導 を、より付加価値の高い業務に割り当てるこ 入することで作業時間の短縮・作業負担の軽 とができます。またロボットやシステムは必 減・品質の安定などが期待できます。道具の 要なメンテナンスを行えば、長時間稼働が可 導入のみですので、比較的安価で簡単に実施 能といった面でも生産効率の向上が期待でき することが出来ます。 ます。 4
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 2. 特定作業の自動化 決手段を自動化に限定せず、幅広く課題を抽出 次に求められるのは人の手が無くても作業 することがより有効な自動化に繋がります。 を遂行できる装置の導入です。 2. 自動化の対象と手段の選定 先ほどのネジ締め作業であれば、素材を設 上記でピックアップした課題の優先順位を 置するだけでネジ締めを行ってくれる装置が 決め、自動化によって解決するものなのかを検 当てはまります。 討する必要があります。自動化の手段を検討す 3. 生産工程の条件付き自動化 る際も、はじめから導入するシステムを決め打 特定作業を自動化する装置を増やすことで ちするのではなく、幅広い選択肢の中から最善 生産ラインの自動化を進めることが出来ます。 の手段を検討する必要があります。 先ほどのネジ締め作業以外にも部品の組立 3. まずは対象の一部を自動化し効果検証 て作業や検品作業を自動化する事によって作 自動化する工程や手段が確定した場合も一 業員の負担を軽減していきます。 部だけの自動化(スモールスタート)から始 4. 作業全体の自動化 めてみましょう。もし自動化に失敗した場合 様々な作業を自動化する事によって工程全 や効果が得られない場合もリスクを少なくす てを自動化する事が出来れば、作業員の仕事 ることが出来ます。上手くいった場合も導入 は装置やシステムの管理とメンテナンスのみ 前に想定した効果通りかの検証を行います。 になります。 4. 改善点の反映と効果確認 5. 製造現場の完全自動化 一部自動化での効果検証を元に再度課題の 工場で行う工程全てを自動化する事が出来 抽出を行います。改善点がある場合は、改善 れば、次は近年話題の AI を使用して他拠点 を行い再度検証することで、最終的に改善点 との連動や市場状況を反映した管理などの自 がなくなるようにブラッシュアップをしてい 動化も目指します。最終的に製造現場の完全 く必要があります。改善点がなくなれば、よ 自動化が出来れば、わずかな人員での工場運 うやく自動化を全体に広げていきます。 営が可能になります。 5. 自動化規模の拡大を検討 3 自動化を導入する際の 一つの課題を自動化によって解決出来たら、 検討ポイントについて 優先順位に沿って次の課題の解決に着手します。 その手順を繰り返すことで、最終的には製 先ほどは大まかな段階を紹介しましたが、 造現場の完全自動化を目指します。 ここでは実際に導入検討時に考えるべきポイ ントについてご紹介いたします。 1.製造現場の自動化で解決したい問題を ピックアップ まずは「人員が掛かり過ぎている」や「工 程に時間がかかり過ぎている」現場で現状困っ ている課題をピックアップします。ここでは解 5
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 4 【補足】DX(デジタルトランス フォーメーション)とは DX(デジタルトランスフォーメーション) とは、簡単に説明するとデジタル技術によっ て、ビジネスや社会、生活の形・スタイルを 変えることを言います。 2018 年に経済産業省から「DX推進ガイド ライン」が発表されるなど企業に対しても推 進が求められています。 装置や設備を導入する事で環境の改善を進 めていた自動化に対して、DX 化ではデータ およびデジタル技術を活用しビジネスモデル や企業文化などを根本から変革していくこと が求められています。 経済産業省が出したレポートの中でも日本 企業が DX 化に取り組まなければ、他の国と の競争上の優位性を失い、2025 年から 2030 年にかけて年間 12 兆円もの経済的損失を被 ると予測されています。 5 まとめ 以上が製造現場の自動化における段階や検 討の流れの紹介でした。 一見メリットばかりの自動化ですが、これ までその業務を担っていた従業員の仕事内容 を大幅に変えてしまうことになります。人員 の配置変更をする場合は、装置導入前に業務 を担っていた作業員に対し、配慮が不可欠で す。これまで培った能力を別部署でも生かし てもらえるように調整する必要があります。 どこまでを自動化し、どこからを人の手作業 にするかは、個々の現場で最適解を導く必要 があります。 6
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20260311お役立ちコラム⑬-3_産業機械をOEMで製造するケースとは?生産ラインを設計する前に知っておくべきこと7-9

株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 産業機械をOEMで製造するケースとは? 生産ラインを設計する前に知っておくべきこと 「産業機械」とは、分かりやすくいえば工場の生産ラインで使用される機械の総称です。一般の 生活で目にすることはほぼありませんが、さまざまな商品の生産に欠かせない存在であり、そ の意味では私たちの日々の生活に深く関わっているといえます。 では、その産業機械の発注・購入はどのように行われているのでしょうか。生産ラインの設計・ 運用に携わる方向けに解説いたします。 1 産業機械とは 産業機械の種類 最初に述べたように、産業機械とは大まか 産業機械は、その働きによっていくつかの にいうと産業の分野で使われる機械のことで 分野に分けられます。 す。プレス機や圧縮機、産業用ロボットから ここでは、産業機械の種類とその働きや代 発電機・ポンプ・タービンからコンベアに至 表例を表にまとめます。 るまでを含む非常に幅広い概念であり、明確 対象 説明 な定義は困難です。 工場で製品の製造に関わる機械。 一般社団法人日本産業機械工業会が 70 周 製造機器 プレス機や半導体製造装置に加え、産業 年記念で発行した小冊子では、「さまざまな 用ロボットも製造機器の 1 種とされる。 産業や社会の現場において、人の作業を補助、 工作機械 金属やプラスチック、樹脂などを目的に 合わせた形状に加工する機械のこと。 代行し、人にとって苦痛、困難、不可能な作 業や環境を克服するもの」とされています。 ボイラーは燃料を燃やして水を加熱し、 ボイラーや 温水や蒸気を発生させる機械。原動機と 原動機 は、自然界のエネルギーを機械的エネル 工作機械との違い ギーに変換する装置のこと。エンジンや モーター、タービンなどが原動機の例。 産業機械と混同されやすい単語として、「工 製品の品質や、規格をクリアしているか 作機械」があります。 検査機器 などを検査するための装置のこと。カメ 工作機械も生産に関わる機械ですが、機械 ラやセンサーなどが組み込まれている。 の一部や組み立てに必要な部品を加工するた 移載・運搬 製品や部品を、ある場所から別の場所へ めの機械を指す用語です。金属やプラスチッ 装置 移動させるための機械。ベルトコンベア や昇降機などがこれにあたる。 クから機械や商品の生産に不可欠な部品を加 工します。工作機械の例としては、旋盤やボー これらの機械の組み合わせで、生産ライン ル盤などが挙げられます。 は構成されています。 産業機械の分野にはさまざまな機械が含ま れるため、広い意味で捉えるならば工作機械 も産業機械の 1 種といってよいでしょう。 7
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 2 産業機械を発注する方法 3 OEM とは 産業機械には、工場で広く利用される汎用 OEM とは Original Equipment Manufacturing のものと工場やラインに合わせて専用に製造 の略で、他社ブランドの製品を製造すること、 されるものがあります。汎用のものであって また製造を請け負う企業のことを指します。 も、購入してそのまま設置するのではなくラ インや生産物に合わせて改造するのは、ごく 産業機械のように、頻繁に製造するわけで 一般的です。 はない機械を OEM にすることで生産コストの 汎用の産業機械 削減や経営リスクの削減が期待できます。生産 ラインの拡充により新たな産業機械が必要にな メーカーが一般的な製品として扱っている る場合でも、経験豊かな OEM 企業を選ぶこと 汎用機は、メーカーのカタログや Web サイ で迅速で柔軟な対応が可能です。 トの情報を元に購入が可能です。工作機械や ボイラー・原動機などは、生産ラインの設計 ODM との違い に合ったものを選べば、そのまま使用できる OEM とよく似た用語として、ODM があり でしょう。 ます。ODM と OEM の違いを、以下の表に示 します。 一方で市販品であっても、製造する商品や 生産ラインによっては改造が必要なケースが 用語 特長 あります。元々の設計に完全に合致した製品 OEM 他社ブランドの製造を請け負う企業のこと がなかったり、生産ラインの変更で使用条件 が変化したりするケースなどです。 ODM 製造だけではなく企画・開発・デザイン まで一括して提案を行い、請け負う体制 改造は購入したメーカーに依頼することも あれば、別のメーカーが製造した生産機械の 4 産業機械のOEM先を選ぶポイント 改造サービスを担当しているメーカーもあり ます。 産業機械には高額なものが多く、OEM 先の 選択に失敗すると企業の経営に大きな影響を 専用の産業機械 与えかねません。これから挙げるポイントを 汎用の産業機械では対応できない作業につ 確実に押さえて、生産に最適な産業機械を製 いては、産業機械のメーカーに製造を依頼する 造できる OEM 先を選びましょう。 ことが一般的です。依頼通りの産業機械を製造 希望する産業機械の製造経験があるか してもらうためには、用途やスペックを明確に したうえで製造を委託するメーカーとの綿密な 産業機械を作るメーカーは数多くあります 打ち合わせが必要です。 が、何度も述べたように産業機械はその種類 が広いため、それぞれのメーカーごとに得意 産業機械の製造を依頼する場合、依頼する 分野があります。工作機械やボイラー・原動 範囲によって生産形態の呼び方が異なります。 機などの汎用機を得意とするメーカーもあれ 機械の設計を委託側で行った場合は OEM、設 ば、専用の産業機械の製造を得意とするメー 計から依頼した場合は ODM と呼ばれます。 カーもあります。製造を委託する産業機械が 8
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 得意なメーカーを選択しましょう。 5 製造品によっては EMS という 希望する産業機械の製造経験が豊富であれ ば、組み立てに必須な工具を揃え、高いスキ 選択肢を ルを備えた技術者の所属が期待できます。 製造を委託する品目によっては、OEM や メーカーの Web サイトを確認する、営業担 ODM とは別に電子製品の製造に特化した EMS 当に尋ねるなどの方法で過去の実績を把握し という選択肢があります。EMS とは、電子 ましょう。 製品の企画・設計および製造から配送までを 最新技術に対応しているか 一貫して担うサービスのことです。OEM や ODM は自社製品の生産と同時に他社製品の生 現在、産業機械の製造は AI を含む IoT や 産を受託しますが、EMS は自社ブランドを持 3D プリンターなどの最新技術の導入により、 たず、他社から委託された電子製品の製造の 大きな変革を迎えています。 みを行う特徴があります。 これらの最新技術により、生産プロセスの 効率化や最適化に加え、生産物の品質や精度 委託側は OE M同様に生産コストを削減で の向上が実現しています。また、生産管理や きるメリットがあり、受託側は大量生産によっ 予知保全の分野においても重要な役割を果た て効率的で低コストな生産が実現できます。 しており、最新技術への対応は不可欠です。 6 まとめ 産業機械の OEM 先選定は、技術革新への対 この記事では、産業機械に関する基礎的な 応はもちろん、より効率的で生産性が向上す 概念から製造を委託する形式までを解説しま る提案をしてもらえるかがポイントです。 した。 アフターサービスが充実しているか 産業機械は一定期間連続して動作するもの 産業機械は、生産ラインの設営に欠かせな があり、さらに多くのケースで長い期間にわ い長期間にわたって利用する機械です。汎用 たって使用されます。したがって、定期的な 品や製造の委託先は慎重に選ぶ必要がありま メンテナンスとアフターサービスが欠かせま す。ファクトリーオートメーションの流れに せん。緊急時だけではなく、日々の点検保守 乗り遅れないために、最新技術への対応が可 が産業機械を長く使い続けるカギであるため 能な OEM 先を見極めましょう。 です。 株式会社 JRC ロボット SI カンパニーは、工 産業機械の OEM 先を選ぶ際は、定期的なメ 場に設置するロボットのパッケージをはじめ ンテナンスとトラブル時の対応がどのような 自動機の OEM や EMS に対応しています。産 ものかが重要です。また、消耗部品の交換頻 業機械に関してお困りのことがありましたら、 度やサポートの電話やメールの受付時間など お問い合わせください。 も確認しましょう。 9
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20260311お役立ちコラム⑬-4_産業用装置を導入・設置する際の注意点や使用上の改善点について解説10-15

株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 産業用装置を導入・設置する際の注意点 注意点や使用上の改善点について解説 産業用装置を導入する際には、設置環境や安全対策、システムトラブルへの対応やオペレーター の確保など、注意すべきことが数多くあります。また、導入後に安全かつ生産性の高い運用を するために、改善を図る必要があるでしょう。 この記事では、産業用装置の導入・改善のために考慮すべきことを解説します。 1 産業用装置とは 産業用装置とは、特定の目的のために個別の機械・機器を組み合わせて稼働させるシステム、 または個々の機器の総称です。類似した言葉に「産業用機械(産業機械)」「産業用機器(産業機器)」 などがありますが、これらの用語は個別の機器のみを指すことが一般的です。 生産工程のなかではさまざまな機器が使用されていますが、それらを統合的に管理して安全性 や生産性を向上させるためには、機器の最適な組み合わせやシステム化がポイントとなります。 産業用装置の種類 産業用装置の範疇に入るものは、多岐にわたります。おおまかなくくりとして、以下の分類が 可能です。 種類 機械 目的 工作機械 NC 旋盤、フライス盤、研削盤、切断機など 金属や樹脂、石材などの硬い素材を加工するため。削る・ 穴をあける・成形するなどの加工を目的とする。 製品の品質検査を行うため。カメラシステムなどを活用 検査機器 外観検査、寸法検査、X 線検査装置 し、品質のチェックや不適合品の早期発見などで品質の 安定を目指す。 主に従業員不足への対応に加え、単純作業や危険な作業 ロボット 産業用ロボット、協働ロボット の代替、アシスタントとして一緒に作業を行うことで、 人の負担軽減を目指す。 分析装置 成分分析、精密測定器、計測器 物質に含まれる成分を調べるのに活用。 運搬機械 クレーン、昇降機、ベルトコンベア、 製品の品質検査を行うため。工場や倉庫などの場所から フォークリフト 他の場所へ移動させるための機械。生産を効率的に行う ために活用。 10
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 2 産業用装置を導入・設置する 一般的に高温多湿は、機器類にとって避け 際の注意点 るべき環境です。さらに温度や湿度の変化が少 ないことが求められます。機器の動作精度は温 ここでは、産業用装置の導入・設置を行う 度や湿度の影響を受けるため、誤差を少なくす 際に注意すべき点をまとめます。 るには環境の変化を最小限に留める必要がある よい設置環境を準備することは、装置の安 でしょう。 定的な運用に欠かせません。安全対策やシス テムトラブルへの対応も、リスクマネジメン また、空気中のほこりを巻き込むことによ トの観点で重要です。 る故障や、生産物への影響、可燃性のガスに電 設置環境の確認 気系統の火花が引火するなどの危険性がある場 所で利用する場合は、装置側に防塵・防爆処理 産業用装置の設置環境は、十分な検討が事 が必要です。 前に必要です。主に以下の点が、検討課題とな ります。 必要な電源 基礎や地盤の状態 装置で必要とする電源を確保します。 機器ごとに異なる電圧・電流への考慮が必 装置を設置する基礎や地盤は、加工の精度 要であることはもちろん、電圧の変動も確認し を確保して安定稼働させるために極めて重要 ましょう。電圧が安定しない電源には、定電圧 です。地盤の状態を見極めるには、以下のポ 装置を設置して安定化させます。 イントに着目します。 また、エアを使用する装置には、エア源が 必要です。水分や不純物による不具合を避ける ・地耐力がある ため、乾燥したきれいな圧縮エアを供給します。 ・水平である さらに供給側だけでなく、装置からの排気や ・凹凸がない 排水を適切に処理する手段の確保が必要です。 地耐力を確保するためには、地盤沈下のお 周囲の振動による影響 それのない頑丈な地盤を選びます。十分に頑丈 部品を加工する機械では、振動が加工物の であれば設置のための基礎工事は必要ありませ 寸法や表面状態に影響します。振動が発生する んが、地盤が柔らかい場合や装置の特性上必要 環境では、加工機や検査装置の使用は避けるべ な場合は基礎工事が必要です。 きです。 コンクリートの厚さや化学物質による影響 プレス機や鍛造機などは、大きな振動源です。 など、装置のメーカーが推奨する設置条件を満 トラックやフォークリフトなどの運搬車両が通 たす施工を実施しましょう。 る場所の近くも、振動の影響があります。重い 稼働に適した温度・湿度 荷物を運ぶベルトコンベアの周辺も、振動の有 無を確認する必要があります。 設置の前に、装置を稼働させるのに適した 生産ラインでの装置の配置を検討する際に 温度・湿度が保てるかを確認します。 は、振動の影響を必ず考慮しましょう。 11
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 法律・省令に基づく安全対策 故障・システムトラブルへの対応 産業用装置の安全上、遵守すべき法律に「労 産業用装置は機器単体の故障だけでなく、 働安全衛生法(安衛法)」があります。労働災 システムトラブルの可能性も考慮しなければ 害を防止し、労働者の安全と健康の確保が目 なりません。たとえば、システムのバージョ 的の法律です。 ンアップや保守作業のミスで発生するトラブ ルがあります。対応策や手順、代替手段をあ 第四十条 らかじめ決めておくことが必要です。 前条第一項又は第二項の検査証(以下「検査 証」という。)を受けていない特定機械等 また、日常的に発生する「チョコ停」の原 (第三十八条第三項の規定により部分の変更 因を分析し、装置の改善に務めることも生産 又は再使用に係る検査を受けなければならな 性の向上につながります。たとえば部品のピッ い特定機械等で、前条第三項の裏書を受けて クに失敗する原因に画像センサーの不具合が いないものを含む。)は、使用してはならな あった場合、センサーの交換・見直しによっ い。 てチョコ停を減らせます。 引用元:労働安全衛生法 | e-Gov 法令検索 運用にあたる技術者の確保 このほか、厚生労働省が定める省令として 産業用装置を導入するにあたっては、運用 「労働安全衛生規則(安衛則)」が存在します。 にあたるオペレーターや保守担当などの技術 安衛則は、安衛法を実施するために必要な安 者の確保が必要です。保守は機器メーカーの 全衛生管理体制、危険物・有害物に対する規 サービスに依頼する方法もありますが、日常 制・安全衛生教育・就業制限などを定める規 的なメンテナンスは社内で対応するほうが生 則です。安衛則には産業用ロボットに関する 産性を上げられるでしょう。 条文があり、ティーチングに関する規定のほ か、運転中の危険防止や検査・点検に関する ロボットの場合は、ティーチングやプログ 規定などが盛り込まれています。 ラミングへの対応ができる人材が必要です。 導入にロボット Sier を利用している場合はほ 第二十七条 ぼすべての対応を任せられますが、基本的な 事業者は、法別表第二に掲げる機械等及び令 対応は社内でも可能な人材を育成しておくこ 第十三条第三項各号に掲げる機械等について とがおすすめです。 は、法第四十二条の厚生労働大臣が定める規 機械とソフトウェアの両方に通じる人材は 格又は安全装置を具備したものでなければ、 限られるため、社内で独自に教育体制を作る 使用してはならない。 ことも検討の余地があります。 引用元:労働安全衛生法 | e-Gov 法令検索 なお、労働安全衛生法・労働安全衛生規則 には上記以外にも機械に関する記述がありま すので、利用の前には一度目を通しておきま しょう。 12
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ メンテナンス性の確認 ・新規導入に関わる費用 ・耐用年数から算出した減価償却分 装置の日常的なメンテナンスの内容は、以 ・オペレーターの人件費 下のとおりです。 ・ メンテナンス費用(保守費用・交換部品や 消耗品の費用) 清掃:装置に付着した汚れの物理的・科学的除去 ・安全対策費用 点検:目視や測定機を用いた動作チェック これらを想定される利益と比較して、コス 調整:装置のパフォーマンスを維持する調整 トパフォーマンスを評価します。 整備:不具合の修正・修理・部品交換 3 産業用装置の安全上の改善点 産業用装置を導入する際に、これらのメン テナンス作業が容易にできるかを確認しておく ここでは、産業用装置を導入した後の運用 と、生産性を損なわずに運用できるでしょう。 時に実施する安全の取り組み、改善点につい メンテナンス項目を可視化し、作業負荷の軽 て解説します。具体的には、人間による誤操 減方法を検討して標準化することが必要です。 作や機械の誤作動、および人間と機械の接触 事故を防止する取り組みについてです。 サポート対応の確認 誤操作の防止(プルーフルーフ) 産業用装置のメーカーやシステムインテグ レーター(SIer)などが、必要なサポートや フールプルーフ(fool proof)とは、いわゆる「ポ アフターフォローを提供しているかを確認し カよけ」のことを指します。誤操作があったと ます。異なる機器を組み合わせたシステムで きでも危険な状態にならない、または誤操作自 導入する場合、Sler によるサポートが中心と 体ができないような設計をすることです。 なるでしょう。 たとえば扉を開いて可動部にアクセスできる 個々の装置の寿命や更新時期、サポート期 構造の場合に、扉が閉まった状態でなければ機 間などは導入前にデータを取得し、自社の運 械のスイッチが入らないような設計はフールプ 用上の問題がないかを確認します。また、災 ルーフに相当します。うっかりスイッチに触れ 害に見舞われた際の安全確保や復旧対応につ ても機械が作動しないように、2 つのボタンを いて、どのようなサービスを用意しているか 同時に押せば動くようにする設計も同様です。 も確認するとよいでしょう。 誤作動の防止(フェイルセーフ) コストパフォーマンスの想定 フェイルセーフ(fail safe)とは、なんらか 装置の導入に必要な費用と、結果として の異常が発生した場合に装置が安全な状態に 想定される利益とを比較することでコストパ 移行するように設計することです。 フォーマンスを評価します。 よくあるフェイルセーフには、危険な状態 生産性向上が想定される場合は新たに得ら を検出するセンサーが故障している場合は機 れる利益、人員削減を予定する場合は削減可 械を動かせないようにする設計があります。 能な人件費などが成果として計上可能です。 停電時、自動的にバックアップ電源から電力 対するコストとしては、以下のような項目 を供給させて、システム停止を避けることも が挙げられます。 フェイルセーフの考え方です。 13
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 接触事故の防止 見直した作業をマニュアル化して運用し、 機械への接触事故としては、以下のような 作業者による違いをなくせば生産の安定化に ケースが想定されます。 つながります。 ・挟まれる・巻き込まれる 自動化・無人化 ・感電する 一部の作業を人間が行っているために生産 ・化学物質に触れる 性が上がらない問題や、作業者に負担を強い これらの事故が起きないように、以下のよ る問題があります。 うな対策を実施します。 ロボットの導入によって無人化をしたり、 ・ 手足や体が入り込むすきま、開口部を作 一部の作業を代替して作業者の負担を減らす らない ことが可能です。協働ロボットであれば、従 ・作業服や保護具、作業手順を整備する 来の作業スペースにそのまま導入可能で、作 ・非常停止ボタンやセンサーを配置する 業者との連携もできます。ロボットの利点は、 ・電気設備の絶縁不良をなくす 長時間稼働が可能なことや、作業ミスの軽減、 ・化学物質の正しい取り扱いを徹底する 検査工程における精度の向上などです。 ・注意喚起や安全教育を行う 装置の構造・機能などのハード面、標準化 AI の導入 や教育などのソフト面、両方の対策が求めら A Iの導入によって、産業用装置のパフォーマ れます。 ンスを飛躍的に改善できる可能性があります。 IoT を活用して機器の動作を数値で記録し、 4 産業用装置の生産性の改善点 モニタリングが可能です。得られたデータは ここでは、産業用装置の生産性を向上させ インターネットを介して遠隔地のオフィスで るための取り組みについて解説します。 も参照できるため、製造物の欠陥などの問題 装置やシステムの改善とともに工程・ワー が発生した場合の原因究明を容易にします。 クフローの見直しを行い、装置の性能を最大 さらに過去のデータを A Iに学習させ、今後 限に活かす工夫が必要です。 発生する問題を未然に防ぐことも可能です。 また、画像認識にA Iを導入し、従来は人間 ボトルネックの改善 が目視判定していた作業を代替可能です。選 生産性が上がらない原因の一つとして、ボ 別や検査の精度向上とともに、品質の安定化 トルネック工程の存在があります。ボトルネッ につなげられます。 ク工程とは他の工程と比べて時間がかかり、 効率の悪化した工程です。ボトルネック工程 5 導入事例 が解消されない限り、全体の生産性は向上し パン粉製造の大手メーカーである、フライス ません。 ター株式会社様での導入事例をご紹介します。 自動化の可能な工程であれば、早期にロボッ トを導入するなどの対応を行います。手作業 パン粉の梱包工程で、袋や段ボールに印字 が必要な工程については、作業者と管理者が された品名や日付のチェックを、画像検査によ 協力して作業の見直しに取り組む必要がある り自動化。 でしょう。 14
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 箱詰め前に袋の印字をチェックし、箱詰め・ 封函後の段ボールの印字もチェックすること で、入れ間違いなどさまざまなトラブルを防止 しています。 カメラセンサが撮像した文字の判定には、AI 技術が活用されています。 これによって平らな面に書かれた文字だけ ではなく、袋に印字されて歪んで見える文字で も、何が書かれているかを認識することができ るのです。 6 まとめ 産業用装置の導入にあたっては、設置環境 の選定・整備、安全対策・システムトラブル への対応など、検討すべきことは数多くあり ます。 導入後も安全確保に努めるとともに、生産 性を向上させる取り組みが必要です。 JRC はメーカーから始まり、各種の産業 用装置を連携して活用するシステムインテグ レーターとして、製造業の生産性向上に貢献 しています。 生産ラインのさまざまな課題に対し、協働 ロボットによる自動化を中心とした解決策を ご提案します。 15
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20260311お役立ちコラム⑬-5_ 工場の稼働率の計算方法とは?可動率との違いや改善のポイントについて_16-19

株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 工場の稼働率の計算方法とは? 可動率との違いや改善のポイントについて 近年、製造業では労働力の不足や原材料・エネルギー価格の高騰などのさまざまな課題に直面 しています。安定した生産体制を維持して収益性を高めるには、工場の「稼働率」について着 目することが重要です。 製造現場の管理者のなかには「工場の稼働率はどれくらいが目安なのか」「具体的にどのような 改善策があるのか」など疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。 この記事では、工場における稼働率の目安や計算方法、稼働率が低下する要因、改善を図るポ イントについて解説します。 1 工場の稼働率とは ▼可動率の計算式 工場の稼働率とは、設備の生産能力に対す 可動率(%)=実可動時間÷総運転時間×100 る実際の生産量の割合を指します。製造現場 稼働率と可動率は、それぞれ測定の目的や の生産効率や設備の稼働状況などを測るため 評価の対象が異なります。 の指標として用いられています。 稼働率が高いほど「同じ設備でより多くの ▼稼働率と可動率の違い 製品を生産できている」ことになるため、生 稼働率 可動率 産効率が高いと判断されます。 評価対象 受注量に対する生産 設備の運転効率やロ 効率 スの状況 ただし、稼働率の評価には市場の需要によ 変動要因 内部要因・外部要因 内部要因のみ る影響も含まれることから、設備の稼働状況 だけでなく受注量によっても数値が変動しま 稼働率は「実際にどれだけ生産できたか」 す。例えば、繁忙期の特別体制で生産した場 を表すのに対して、可動率は「設備がどれだ 合は、稼働率が理論上 100%を超えることも け正常に稼働できたか」といった設備自体の あります。 運転時間を評価します。 可動率との違い また、可動率の評価では、稼働率のように 需要の変化(外部要因)による受注数の影響 稼働率と混同されやすい指標に「可動率(べ は考慮しません。設備の運転時間のみを基準 きどうりつ)」があります。 として、故障・段取り替え・メンテナンスな 可動率は、生産設備の運転時間に対して設 どによる停止時間を除いて算出されることが 備が正常に稼働できる時間の割合を指します。 特徴です。 設備の信頼性や運転効率を評価する指標とし て用いられます。 16
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 稼働率の計算方法 2 稼働率が低下する要因 稼働率の計算には、「生産量」と「稼働時間」 稼働率が低下する背景には、さまざまな要 を基準とする2通りの方法があります。いず 因が関係しています。生産現場で起きている れも「設備が持つ本来の生産能力に対してど 問題とその影響度を把握することが、改善の れだけ生産が行われたか」を測定できます。 第一歩となります。 ▼稼働率の計算方法 設備の故障トラブル 基準 計算式 設備の突発的な故障は、稼働率を大幅に低 生産量 稼働率(%)=実際の生産数÷生産能力× 100 下させる要因となります。 復旧作業による生産停止時間が長くなるほ 稼働時間 稼働率(%)=実際の稼働時間÷本来稼働すべき 時間× 100 ど、本来生産できるはずだった製造数が減少 例えば、生産量をベースに稼働率を算出す して生産目標を達成できなくなります。 る場合を考えます。 これにより、その後の生産計画や納期にも 生産能力が1万個の設備で実際に生産した 影響を及ぼす可能性があります。 個数が9,000個になった場合の稼働率は、 チョコ停・手待ちの発生 [9,000 個 ÷ 10,000 個 × 100 = 90 %] 「チョコ停」と呼ばれる数秒から数分単位 となります。 の小さな設備トラブルは、1回当たりの停止 工場における稼働率の目安 時間が短くても、頻発して積み重なることで 工場の理想的な稼働率は、一般的に 85~ 大きな製造ロスを生みます。 100%が目安とされています。 また、作業の指示待ちや前工程の遅延、生 100%に近いほど、受注量に対して生産能 産ラインの速度変動などによって、オペレー 力が最大限に発揮されており、効率的な生産 ターの手待ち時間が発生することも、稼働率 体制を維持できていると判断されます。85~ の低下を招く要因となります。 100%の基準から大きく外れる場合には、以下 段取り替え の問題が発生している可能性があります。 生産ラインの品種を切り替える「段取り替 え」では、金型や治工具の交換、各種の設定 ▼稼働率が低い場合 変更などの作業を行うために生産を停止させ  ・生産能力に対して生産量や受注量が少な る必要があります。 く、十分な収益を上げられていない この作業中は生産活動が一時的にストップ  ・オペレーターの数に対して作業量が少な することから、回数が増えるほど稼働率の低 く、人件費のムダが生じている 下に影響を及ぼします。特に多品種少量生産 ▼稼働率が高い(100%を超える)場合 を行う工場では、頻繁な段取り替えによる生  ・設備の稼働負荷によって故障リスクや業 産ロスが大きくなりやすいといえます。 務負担が生じ、品質が低下している  ・需要予測の誤りによって過剰在庫や廃棄 ロスが発生している 17
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 生産速度の低下 ▼予防保全・予知保全の概要 設備が停止していなくても、本来の生産ス 保全方式 概要 ピードよりも速度が落ちていると稼働率が低 予防保全 各設備に設定した稼働期間や稼働回数に沿って、 下してしまいます。 定期的に部品交換やメンテナンスを行う 生産速度が低下する原因には、設備の劣化 センサーや装置で設備の稼働状況をリアルタイム 予知保全 で監視して、異常の兆候を検知した際に部品交換 による性能低下のほか、オペレーターによる や修理を行う 技術のばらつき、疲労や集中力の低下による 作業効率の低下などが考えられます。 予防保全では、設備に異常が見られなくて 稼働率の評価では、設備の稼働状況だけで もメンテナンスを行うため、部品の寿命や劣 なく「生産ラインのスピードを維持できてい 化のスピードを考慮した基準・サイクルを設 るか」といった視点も必要です。 定して、コストの最適化を図ることが必要で す。 不良品の発生 一方の予知保全は、故障や劣化の兆候が見 生産工程で不良品が発生すると、良品とし られた時点でメンテナンスを行うため、不要 て出荷できる生産量が減少するほか、手戻り な部品交換やメンテナンスにかかるコストを や修正によって工数が増加するため、稼働率 抑えられます。 の低下につながります。 ② オペレーターの作業を標準化する 不良品が発生する原因には、設備のトラブ ルのほかにオペレーターのスキル不足や作業 オペレーターが担当する作業では、スキル 手順のばらつき、ヒューマンエラーなどが挙 や習熟度のばらつきが生じることから、不良 げられます。 品の発生や作業の速度低下を招きやすくなり ます。 3 工場の稼働率を改善するポイント 稼働率の向上を図るには、どのオペレーター でも同じ品質・速さで作業を行えるように標 工場の稼働率を改善するには、設備の停止 準化に取り組むことがポイントです。 や手待ち時間の削減、不良品の発生防止など に取り組むことが重要です。ここからは、具 ▼作業を標準化するための取り組み例 体的なポイントを5つ紹介します。  ・組立・加工や治具の交換などの手順書を ① 予防保全・予知保全に取り組む 整備する 設備の故障やチョコ停を防ぎ、安定的に稼  ・各オペレーターのスキルマップを作成し 働させることがポイントです。 て教育・研修を実施する 故障や不具合が発生してから修理を行う「事 ③ 仕掛品のバッファを設ける 後保全」だけでなく、壊れる前に対処する「予 生産ラインをスムーズに進行するために、 防保全」と「予知保全」に取り組むことが重 工程間に仕掛品を一時的に置いておくバッ 要となります。 ファを設けることがポイントです。 仕掛品のバッファを設けることで、前工程 での故障や遅れ、作業速度の低下などが起き た場合でも、後工程を停止することなく生産 18
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株式会社 JRC ロボットSI カンパニー ロボット導入・自動化お役立ち情報⑬ 活動を継続できます。これにより、手待ち発 ⑤ FMS( フ レ キ シ ブ ル 生 産 シ ス テ ム ) を 生を防いでライン全体での稼働率の安定化を 導入する 図れます。 多品種少量の製造を行う工場では、FMS ただし、バッファが多すぎると在庫保管の (FlexibleManufacturingSystem:フレキシブ コスト負担やリードタイムの長期化につなが ル生産システム)を導入することも一つの方 るため、ボトルネック工程(※)の前後で最 法です。 適な量を設定することが重要です。 FMSとは、1つの生産ラインで多品種少量 仕掛品のバッファの最適化には「自動倉庫」 の製造に対応できる生産システムです。従来 の導入が効果的です。 の固定的な生産ラインで生じていた段取り替 ※生産ライン全体のなかでもっとも生産能力や えのロスを最小限に抑えられるため、生産ス 処理速度が低く、生産量に影響を与える工程 ピードの向上と品質の安定化を図れます。 ④ 生産ラインを自動化する ▼FMSでできること オペレーターに依存する作業は、スピード  ・材料の投入・加工・組立・搬送といった や品質にばらつきが生じやすく、稼働率が安 一連の工程の自動化 定しにくくなります。  ・品種変更に伴う段取り替えの自動化 自動化設備に置き換えて生産ラインを自動  ・生産ラインの統合管理・制御 化することにより、安定した品質とスピード で生産活動を維持できるようになります。 4 まとめ これにより、スキルの差やヒューマンエラー に起因する不良品の発生や、疲労による作業 工場の稼働率は、生産ラインの生産効率を 速度の低下などを防ぐことができ、稼働率の 測るための重要な指標の一つです。理想的な 向上につながります。 稼働率は85~ 100%となっており、下回る場 合には生産体制の見直しが求められます。 ▼自動化設備の例 自動化設備 概要 工場の稼働率を高めるには、予防保全・予 無人搬送車 材料や仕掛品、パレットなどを倉庫や 知保全の導入や作業の標準化に取り組むとと (AGV/ AMR) 生産ラインへ自動で搬送するロボット もに、生産ラインの自動化・省人化を図るた 自動 工作機械に多関節ロボットやローダー めのシステム・ロボットの活用が有効です。 工作機械 が備わっており、ワーク・工具・パレッ トなどの交換を自動で行える機械 産業用 組立・加工・溶接・パレタイジングな ロボット どの作業を自動で行えるロボット カメラで検査対象を捉え、画像処理や 自動検査装置 AI 画像認識の技術によって外観検査を 自動で行える装置 19