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安全ガイドブック  第7版

ハンドブック

-製造現場における安全方策-

NECAの制御安全委員会が編集した、機械設計者、実際に機械を使用する作業者、さらには事業者の皆様に、これからの安全の考え方を知っていただける、安全に関する専門知識習得の入門書とすべく編集したものです。
下記の章からなっております。


はじめに ~なぜNECAは安全に注力するのか~
登場人物紹介
①安全に対する取組みの必要性
 労働災害の現状と対策
 労働災害に対する企業責任
 努力義務に対する人材育成
②機械安全とは
 安全確保の考え方
 安全な機械設計の考え方
③国際安全規格と安全構築の手順
 国際規格の体系
 ISO12100に基づく安全設計
 機械の安全化手順
 危険源の同定
 リスクの見積もり
 リスク低減の方策
 安全設計への規格の活用
④安全防護/付加保護方策に貢献する安全機器
 安全な機械の設計に使用できる安全機器
 セーフティスイッチの特徴
 セーフティドアスイッチ
 イネーブルスイッチ
 非常停止スイッチ
 セーフティライトカーテン
 セーフティレーザスキャナ
 セーフティリレー/セーフティリレーユニット
 セーフティコントローラ/セーフティPLC
 セーフティ用バルブ
⑤安全機器の適切な活用
 安全機器を活かす安全回路
 安全機器によるトータルコストの削減
⑥NECAにおける安全に関する活動
おわりに ~なぜ今、安全か!?~

なお、NECAでは、安全に関心があるものの、どうすればよいかと考えている方々に、安全について知ってもらうための道しるべとなるよう作成した“10分でわかる機械安全”も公開しております。
https://www.aperza.com/catalog/page/5570/37411/

このカタログについて

ドキュメント名 安全ガイドブック  第7版
ドキュメント種別 ハンドブック
ファイルサイズ 11.1Mb
取り扱い企業 社団法人日本電気制御機器工業会 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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社団法人日本電気制御機器工業会

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このカタログの内容

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G u i d e t o M a c h i n e r y S a f e t y 安全 7te hdition ガイドブック ─製造現場における安全方策─ 一般社団法人 日本電気制御機器工業会 制御安全委員会 著
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ライセンス © Nippon Electric Control Equipment Industries Association 著作権表示がある限り、営利・非営利目的問わず、複製・再配布を認める。 ●改変および二次利用を認めない
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目 次 はじめに ~なぜNECAは安全に注力するのか~ …………………………………… 1 登場人物紹介 ………………………………………………………………………… 2 ①安全に対する取組みの必要性  労働災害の現状と対策 …………………………………………………………… 3  労働災害に対する企業責任 ……………………………………………………… 6  努力義務に対する人材育成 ……………………………………………………… 10 ②機械安全とは  安全確保の考え方 ………………………………………………………………… 11  安全な機械設計の考え方 ………………………………………………………… 13 ③国際安全規格と安全構築の手順  国際規格の体系 …………………………………………………………………… 15  ISO12100に基づく安全設計 ……………………………………………………… 17  機械の安全化手順 ………………………………………………………………… 19  危険源の同定 ……………………………………………………………………… 21  リスクの見積もり ………………………………………………………………… 22  リスク低減の方策 ………………………………………………………………… 23  安全設計への規格の活用 ………………………………………………………… 25 ④安全防護/付加保護方策に貢献する安全機器  安全な機械の設計に使用できる安全機器 ……………………………………… 27  セーフティスイッチの特徴 ……………………………………………………… 29  セーフティドアスイッチ ………………………………………………………… 30  イネーブルスイッチ ……………………………………………………………… 32  非常停止スイッチ ………………………………………………………………… 35  セーフティライトカーテン ……………………………………………………… 37  セーフティレーザスキャナ ……………………………………………………… 40  セーフティリレー/セーフティリレーユニット ……………………………… 43  セーフティコントローラ/セーフティPLC ……………………………………… 45  セーフティ用バルブ ……………………………………………………………… 49 ⑤安全機器の適切な活用  安全機器を活かす安全回路 ……………………………………………………… 53  安全機器によるトータルコストの削減 ………………………………………… 55 ⑥NECAにおける安全に関する活動 ………………………………………………… 57 おわりに ~なぜ今、安全か!?~……………………………………………………… 61
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はじめに~なぜNECAは安全に注力するのか~  昨今、工場における爆発事故や産業事故等が多発し、新聞やTVでもその悲惨な事故内容が 報道されていますが、このような産業事故の発生は減少するどころか、むしろ増加の傾向にあ ります。従来日本では、ものづくり現場での安全構築を現場作業者への安全教育や指示徹底に 大きく依存してきましたが、現場を熟知している熟練者のリストラや高齢化・定年による退職、 それに伴う経験ノウハウが不十分な若年・派遣労働者、そして外国人労働者の増加により、こ れまでのやり方では現場での安全確保は難しい状況となってきています。  一方、国際社会に目を向けると、機械類の安全性に関するISO規格やIEC規格等の国際規格 が次々と発行され、安全構築の考え方がグローバルに統一されてきています。特に、国際安全 規格の最上位に位置づけられるISO 12100(機械類の安全性 -設計の一般原則- リスクアセ スメント及びリスク低減)では、機械類の設計者や製造者が安全性に配慮した機械の設計・製 造を行うことが要求されており、安全思想の普及は地球規模で加速的に進展しています。  このような状況の中、国内においても、2006年4月の労働安全衛生法改正以降、リスクアセ スメントの実施が定着しつつあります。2012年4月には労働安全衛生規則の改正により、機械 を使用者へ納入する際に機械の残留リスク情報の提供が義務づけられました。さらに、2014年 4月には設計技術者・生産技術管理者に対する機械安全教育実施要領が厚生労働省通達とし て出されるとともに、人材育成をも含めた機械の製造段階から使用段階に亘るより一層の安全 確保が求められ、機械安全による労働災害の防止が図られています 。  日本電気制御機器工業会(NECA)制御安全委員会は、国際規格に基づく安全技術の調査研 究、国際標準化および安全啓発等、幅広い活動を展開しています。  この安全ガイドブックは2001年の初版より改訂を重ね、この度第7版の発行に至りました。 機械設計者、実際に機械を使用する作業者のみならず事業主や経営者の方々におかれまして も、このガイドブックがグローバルに通用する安全構築の考え方をご理解いただくきっかけに なればと念願しています。  NECA制御安全委員会では、産業事故削減に貢献することを社会的責任としています。世界 中の製造業が、今まで以上に人命尊重を第一に、安全な製造現場で創造性溢れるものづくりが 実現されるよう、安全技術や製品を通して、国際社会へ貢献していく所存です。今後の活動に ご支援ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 一般社団法人 日本電気制御機器工業会 制御安全委員会 1
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登場人物紹介 機械使用者側 経営者 保全係(生産技術者) 作業者(オペレータ) どうすれば安全が確保できるの 事業主へ安全への理解を求 現場担当者として、機械が安 か悩みを抱えている。 めるべく働きかけをしている。 全化されることを切望。 機械製造者側 アドバイザ 設計技術者/安全エキスパート 設計技術者 博士 安全設計についてはバッチリ 安全設計についてはただ今 安全博士の名の通り、安全に の知識と経験を持った頼もし 勉強中、主任から日々学んで 関しては何でもアドバイスをし い主任。 いる。 てくれる。 2
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1 安全に対する取組みの必要性 労働災害の現状と対策  日本国内における労働災害による死亡者数は長期的には減少しており、2018年には 909人と過去最少となりました。一方、休業4日以上の労働災害による死傷者数は2010 年に最少の105,178人まで減少して以来、増加傾向に転じています。  このような流れを受けて厚生労働省では、2018年度~2022年度を活動期間として労 働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を「第13次 労働災害防止計画」として策定しています。  第13次労災防止計画において2022年までに達成すべき目標値として、死亡者数を 2017年比で15%以上、死傷者数を2017年比で5%以上それぞれ減少させることを掲げ ています。またこの死亡者数15%以上の目標値に対しては、取り組むべき重点業種の 一つとして製造業があげられています。 労働災害発生状況の推移 400,000 347,407 345,293 348,826 350,000 335,706 333,311 340,731 322,322 294,319 休業4日以上の死傷病者数(人) 300,000 312,844 271,884 246,891 278,623 250,000 257,240 226,318 232,953 210,108死 200,000 189,589 傷 217,964 176,047200,633 162,862 148,248 者 133,948150,000 181,900 167,316 125,918 122,804 121,378 119,291 119,576 119,535 117,910 127,329数 156,726 107,759137,316 お 100,000 133,598 125,750 120,354 121,356 114,176 118,157 116,311 120,460 よ 105,718 び 50,000 死 亡 4,500 4,330 者 死亡者数(人)4,000 数( 3,500 3,326 3,725 3,009 3,000 3,345人 3,302 2,674 2,6353,077 2,549 2,550 ) 2,500 2,912 2,318 2,354 2,301 2,363 2,588 2,572 1,992 2,000 2,342 2,419 2,489 2,414 1,889 1,658 2,245 2,078 1,620 1,472 1,500 1,2681,844 1,790 1,1951,628 1,093 1,0571,514 928 1,000 1,357 1,075 1,024 1,030 500 972 978 909 0 昭和 平成 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 出典:平成23年までは、労災保険給付データ(労災非適用事業を含む)、労働者死傷病報告、死亡災害報告より作成 平成24年からは、労働者私傷病報告、死亡災害報告より作成 労働災害発生状況に関する最新の情報は、厚生労働省ホームページの以下URLよりご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html 3
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■日本の労働安全行政の動向  2006年の改正労働安全衛生法施行により、機械の危険性及び有害性等に関する調 査が努力義務化されました。これを受けて2007年には「機械の包括的な安全基準に 関する指針」およびその解説等が改正され、機械の使用者と製造者の両者に対して、 リスクアセスメントの実施とその結果に基づいた保護方策の実施がより明確に求めら れるようになりました。  その後も社会環境の変化に応じた改定は日々行われており、労働安全衛生規則に おいては2012年に機械の製造者から使用者に対しての機械の危険性等の通知を求め る項の新設(第24条の13)、2013年には機械の運転停止義務に「調整の作業」を追加す る旨の改正(第107条)がなされました。また2014年には「設計技術者、生産技術管理者 に対する機械安全に係る教育について」の通達により、各事業者において促進すべき 機械安全教育の具体的な姿が示されました。 ■国際的な動向  国際規格であるISO/IEC規格はWTO/TBT協定により各国規格との整合が図られてお り、機械安全分野においても、国際的に共通した考え方に基づいて安全を確保するこ とが必要になっています。中でも2010年に発行されたISO 12100「機械類の安全性 - 設計の一般原則- リスクアセスメント及びリスク低減」はTBT加盟各国での国家規格 として整合されており、各々の国での機械安全の推進に活用されています。 ■国際規格と日本の規格、行政とのかかわり  自国の規格と国際規格との整合性を求める動きは日本でも例外でなく、先に述べた ISO 12100はJIS B 9700として発行されています。  労働安全行政とのかかわりにおいては、「機械の包括的な安全基準に関する指針」 の解説等において指針とJIS規格との関連性が明確にうたわれているほか、2015年に は、労働災害防止にJIS規格の活用を推奨する内容のリーフレットが厚生労働省より発 行されています。このように日本国内での労働災害防止のための措置、及び労働安全 衛生の推進においても、国際安全規格と整合性をもたせた形での実施が求められて いると言えます。 4
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事故の多発:現場の人に変化? 事故の多発:生産方式にも変化? 最近事故がすごく ここ数年、現場 生産現場での 生産方式が多様化 増えているんですけど ではベテランの人 事故がすごく増えて していることも 心当たりありますか? がかなり減った いるのはどうして 一因なんだよ。 でしょ。 なんですか? 一人で多くの機械の面倒 生産方式が 最近ではセル生産方式 を見るから負担が増え 事故に関係 が増えているけど、それに 余裕がなくなってる あるんで 対応できる作業者は減って んじゃないかしら。 すか? いるからね。    なるほど そんな要因も 機械のことがよく そうか! だから、人が間違っても あるんですね。 わからないパートの 事故にならないように技術での 人も増えている 安全方策が大事なんですね!! しね。   機械2 機械3 機械1 機械4 だから、人が間違っても事故に いかなる場合でも ならないような技術で安全を 作業者を危険にさせない 作りこむ事が大事 ように安全に取り組む なんですね!! ことが必要なんじゃ。 5
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1 安全に対する取組みの必要性 労働災害に対する企業責任 ■労働災害の企業責任  企業活動に起因する災害には、企業がその社会責任において対応しなければなら ないとされています。労働災害においても事業主たる企業は、雇用する労働者に対し て、法律上において安全配慮義務を負うことになります。  安全配慮義務とは、企業が業務遂行のために設置する場所、施設、または器具等の 管理や勤務条件等の管理に当たって、労働者の生命・身体・健康等について危険から 保護するよう管理すべき責任から生ずるものをさします。 ■労働安全衛生と安全配慮義務  企業の安全管理の中心的な法律である労働安全衛生法には、事業者において最低 限の守るべきことが定められており、罰則をもって事業者に強制されています。安全配 慮義務は労働災害発生の危険が予見される物についての企業としての防止義務であ り、違反した企業は労働者に対する民法第415条の債務不履行として損害賠償義務を 負うことになります。これは労働安全衛生法上の措置義務とは必ずしも一致するもの ではなく、より広いものです。  企業責任の観点では、その状況により、刑事責任/民事責任/災害補償責任へと発 展します。さらに労働災害は、社会にとっても経済的、文化的、社会的なマイナスを生 じます。企業は社会的な存在であり、その企業の活動は、近隣や地域社会との密接な 関係もっていることから、労働災害の防止は企業の社会に対する責任となっていま す。 災害補償責任(無過失責任) 民事責任(安全配慮義務違反) 刑事責任(労働安全衛生法違反) (要件)法令所定の危害防止措置義務違反 (要件)予見可能性と結果回避可能性 (要件)業務上災害 ▲労働災害と使用者の責任の範囲 6
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■労働安全衛生法とリスクアセスメント  労働安全衛生法は、近年の働き方の多様化や労働力不足が進む中で、安全衛生活 動の不足による重大災害の発生、長時間労働に伴う健康障害の増加など、労働者の生 命や生活に関わる問題の変化に合わせて改正されています。  製造現場における労働災害の削減に向けては、2006年の改正で「危険性・有害性等 の調査の実施」が盛り込まれたことが大きな契機となり、その取組みが進んでいます。 ■リスクアセスメントの努力義務 「危険性・有害性等の調査の実施」は、前述のとおり2006年に努力義務として明記さ れました。これは、日本の労働環境においてもリスクアセスメントの実施が法律によっ て位置づけられたことを意味します。安全管理者の選定の義務を負う事業所は、以下 に努めなければなりません。 1. 事業所内の設備や作業の危険性・有害性の特定 2. 1で特定した危険性・有害性によって生じる危険性の度合い(リスク)の見積もり 3. 見積もりに基づいた除去・低減措置の検討と実施  このため厚生労働省では、リスクアセスメントの基本的な考え方や実施事項につい て「指針」を定めています。  この背景には生産の現場において生産工程の多様化・複雑化による新たな機械設 備・化学物質の導入による労働災害の原因の多様化や、災害の規模も重大化があると 考えられます。また熟練労働者の退職によって安全に関わるノウハウが現場から失わ れつつあることなども、労働災害の防止のためのリスクアセスメント実施の重要性の 高まりにつながっています。 ■機械に関する危険情報の通知の努力義務  労働安全衛生法の内容を具体的に示した規則として定められている労働安全衛生 規則も、法律や社会の変化に応じて改正されています。2012年には、機械による労働 災害の防止策を強化するため、機械を譲渡または貸与する者に対し、「機械に関する 危険性等をその機械の譲渡または貸与を受ける相手方事業者に通知すること」を努 力義務化する改正が行われたとともに、その通知を促進するための指針「機械譲渡者 等が行う機械に関する危険性等の通知の促進に関する指針」が公表されました。この 通知は一般に、残留リスク情報の提供と呼ばれています。 7
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ユーザから安全機器は不要といわれても 事故の多発 経営者の責任!! 責任は機械メーカにある! 人が間違って事故になったら 主任、ユーザはコストアップに その機械を使っていた作業者の なるから、ライトカーテンや安全    責任なんですか? スイッチは機械にいらないと  言っています。 その機械は そうとも セーフティコンポー 言えないのよ。 ネントを使わなくて いいほど安全なの? たとえ間違っても 我々のリスクアセスメントの 怪我をするような 結果では、絶対に必要です。 機械ではだめ なのよ。 それなら、 しっかりとユーザ に説明して、 納得していた だかないとね。 じゃあ、もっと厳しく    ユーザの要求であっても、機械 作業者に教育訓練をすれば    メーカがリスクアセスメントに いいのですね? 基づき対処する責任  があるのよ。 ちがうのよ。 事業者にもリスク アセスメントを行い 安全対策をする 責任があるの。 事業者の考え方や対策次第 機械メーカとしての判断を で現場の作業者の安全 きちんと伝えなければ が確保されるって いけませんね。 ことなんですね。 ユーザで事故 が起きないよう、 残留リスク情報も きちんと作成が 必要よ。 8
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■機械の残留リスク情報等の提供の流れ  機械の設計・製造段階および使用段階において機械の安全化を図るため、機械の 設計、製造や改造、輸入、使用を行う事業者は、「機械の包括的な安全基準に関する 指針」や関連する国際規格等を用いて、全ての機械に包括的な安全方策を実施する必 要があります。また、機械の製造等に従事する事業者は、機械の製造等の段階におい てリスクアセスメントを実施し、それに基づく残留リスク情報等を、機械を労働者に使 用させる事業者に提供することが求められています。 機械の設計・製造者 機械使用事業者 リスクアセスメント ・使用上の情報の内容の確認 ・機械の制限(仕様)の指定 ・実際の使用状況での ・危険源の同定 リスクアセスメント ・リスクの見積もりと評価 リ危 ス険 ク情 可能であれば 本質的安全設計方策 情報( 報 本質的安全設計方策 保 等残 護 方 安全防護、付加保護方策 )留の 安全防護、付加保護方策 策 提供 保 使用上の情報 追加の保護方策 護 ・作業標準、マニュアルの整備 方 ・訓練、教育、監督 策 ・個人用保護具の使用 機械の使用 ■提供の方法  残留リスクに関する情報は、次の文書の提供によって通知します。  ①残留リスクマップ 機械の危険性に関する情報の全体像を示す文書です。機械の絵や図に対して残 留リスクが存在する箇所を特定し、その残留リスク情報を概要を記載します。  ②残留リスク一覧 ①の残留リスクマップに記載した情報を詳細に説明する文書です。機械を使用す る事業者が残留リスクに対して実施すべき保護方策などの情報を、一覧表などの 形式でまとめて記載します。 これらについての詳細は、厚生労働省ホームページにおいても解説されています。 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei14/130918.html 9
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1 安全に対する取組みの必要性 努力義務に対する人材育成  労働安全衛生法による危険性又は有害性等の調査を実施とその措置の実施、また、 労働安全衛生規則による、機械譲渡者等から相手方事業者への機械に関する危険性 等の通知は、それぞれ努力義務化されています。これらを実施するためには、機械安全 に対して十分な知識をもつ人材の育成が必要です。  2014年にはこの人材育成に対して、厚生労働省より「設計技術者、生産技術管理者 に対する機械安全に係る教育について」という通達とその関連文書が発出され、育成 に必要な教育の実施要項などが示されました。これらの概要は以下のとおりです。 (1)教育対象者  ①設計技術者 機械の製造者(メーカ)等の設計技術者 機械の製造者等には、エンジニアリング会社、機械の譲渡者(流通業者を含む)、機 械の使用者であって機械の設計・改造を行う事業者が含まれます。  ②生産技術管理者 機械を使用する事業者(ユーザ)に所属する生産技術管理者 (2)教育実施者  ①機械の製造者(メーカ)、使用者(ユーザ)等の事業者  ②事業者に代わって当該教育を行う安全衛生団体、事業者団体等 (3)教育に関し留意すべき事項について ①設計技術者および生産技術管理者に対する教育は、十分な研修等が行われ、十分 な知識をもつと判断できる人材に対しては、教育を省略することが可能とされてい ます。この教育の省略が可能な場合の例として、機械安全に関する資格保有者が示 されており、その対象資格として、NECAが実施しているセーフティアセッサ制度が含 まれています。セーフティアセッサ制度における「セーフティリードアセッサ」、「セー フティアセッサ」は設計技術者と生産技術管理者の両方に対して、「セーフティサブ アセッサ」は生産技術管理者に対して、それぞれに必要な機械安全に係る教育科目 のうち、各資格区分の試験範囲と共通するものについて、十分な知識をもつと認め られます。また、「セーフティベーシックアセッサ」は、機械ユーザの職長、作業主任 者、各種安全担当者の機械安全教育に有効であることも明確に示されています。 セーフティアセッサ制度については、7章「セーフティアセッサ資格認証制度化への取組み」 およびNECAホームページをご覧ください。 なお、この通達の関連して発出された教育実施要項に関する文書は、2019年3月に更新されています。 10
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2 機械安全とは 安全確保の考え方 教育や 訓練に頼る 日本では従来、作業者が危険に気付いて災害を回避する能 安全 力を強化するための教育や訓練を重視する傾向にありま した。しかし、生産形態や雇用形態の変化などにより、教育 や訓練のみでは災害の発生を防ぐことができない場面が 増えています。 作業者責任 教育訓練 指示徹底 労働環境の変化に伴って、国際規格に沿って 設計によって安全を目指す考え方が拡がっています。 技術と 設計による 欧州を中心に発展してきた「機械安全」の考え方では、機械 安全 に潜む危険をリスクアセスメントによって分析し、その分析 結果に沿って安全な機械設計を実施することで危険な災害 の発生を未然に防止します。これらの分析や設計の方法は 国際規格として制定され、日本においてもJISとして参照さ れるようになっています。 企業責任 本質安全設計 安全な機械の導入 11
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規格に沿ってリスクを分析し必要な対策を実施することで、 作業者を危険にさらさない安全な機械装置が実現できます。 運転中に誤って扉を開くと 機械が停止するまでは 機械は自動停止 扉は開けない あぶない!! STOP あれ? 動かない!? ドアが開いているので 非常停止により、 再起動がかからない 必ず動力源が停止する 扉が開いてるよ。 扉を閉めないと動かないよ 非常停止の 命令だな!! 非常停止 オン!! 動力 あれ? 停止 動かない!? 第三者が侵入しているので 安全機器が故障しても 再起動がかからない 機械は安全に停止する あぶない!! STOP まだ危険領域に 人間がいるよ 再起動 できない?! 12
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2 機械安全とは 安全な機械設計の考え方 「人は間違える」「機械は壊れる」という考え方を基本にすることで、安全な機械装置 を設計することができます。 作業経験にかかわらず安全確保 人は、 間違 あ!!える 間違えた!! イタタ 災害発生!! 現場調整/保守時も安全確保 機械は、 事故発生!!  機械が変だな? 壊 あぶない!!れる  このような安全な機械装置を設計するためのリスクアセスメントとリスク低減の手法が、国際規 格であるISO 12100に定められています。またこの国際規格と同じ内容を規定したJIS規格としてJIS B 9700が発行されています。 ・ISO 12100:2010  Safety of machinery - General principles for design - Risk assessment and risk reduction ・JIS B 9700:2013  機械類の安全性 ─設計のための一般原則─ リスクアセスメント及びリスク低減 13
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慣れた作業ほど危険が… 機械が暴走… 十手 調手し分 はい、 整順 て注順 を通 了解 く 書 わかりました。意 だ と そんなの簡単 すり しました!! し さてお ですよ! るに り よ現い作に う場。業 に いつもの ! 今度は ことだ。 慎重に…注意!注意! 簡単!楽勝!・・・ 機械が事故発生!! 変だな? あぶない!!  1. ワークを乗せて   →2. ボタンを押す  1. ワークを乗せて   →2. ボタンを押す  2. ボタンを押す →1. ワークを乗せて? 手順書に 手順書とおり作業して あ! 従わないからだ いましたが機械が 間違えた!! 不注意だ!! 暴走して… イタタ 災害発生!! 機械が壊れたのに… 確設こ「 の安し災作 使設こ「 な機安雇 保計れ人は じ全ま害業 う計れ 機 械 ら械全用でしを間 ゃとうがを 必さをは なでが者きて前 。は機発間 要れ前 い作不は るこ提違 壊 のそにえ 言械生違 がた提 ん業十、 る えでしえ あ機に れ じさ分 じ安機 なはてる る械安る ゃせな ゃ全械」 い と のを全」 。て 。がを じ に は ゃ 。 14
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3 国際安全規格と安全構築の手順 国際規格の体系 国際規格(ISO/IEC)  機械安全に関する国際規格は、主に電気/電子技術分野の国際標準化を実施する IEC(国際電気標準会議)、電気/電子以外の分野(機械、管理など)を含めた国際標 準化を実施するISO(国際標準化機構)において作成されています。ISO/IECガイド51 は、それぞれの機関から発行される安全規格に共通する概念を示すものとして発行さ れています。 国際規格はそれぞれの機関に所属するメンバー国の代表者による審議を経て制定さ れます。特に欧州の規格審議委員会はISO/IECと協定を結んでいることから、規格の開 発において中心的な役割を果たしています。 ISO/IECガイド51 ISO:機械系 IEC:電気系 ●機械類の安全性 ・機械類の安全性 -設計の一般原則-  リスクアセスメント及びリスク低減  (ISO12100) 基本安全規格 A規格 ●統合生産システム(ISO11161) ●電気設備安全(IEC60204シリーズ) ●ガードインタロック(ISO14119) ●人体検知用センサ(IEC61496シリーズ) ●ガードの設計、設置(ISO14120) ●人体検知機器使用基準(IEC62046) ●安全制御システム(ISO13849シリーズ) グループ安全規格 ●機能安全(IEC61508シリーズ) ●非常停止機能(ISO13850) B規格 ●スイッチ類(IEC60947シリーズ) ●上肢、下肢の安全距離(ISO13857) ●EMC(IEC61000-4シリーズ) ●検知機器使用時の安全距離(ISO 13855) B1規格(安全の側面関連) ●防爆安全(IEC60079シリーズ) ●突然の起動防止(ISO14118) B2規格(安全関連装置) ●両手操作制御装置規格(ISO13851) ●マットセンサ類(ISO13856シリーズ) ●階段等の接近手段(ISO14122シリーズ) ●工作機械 ●産業用ロボット 個別機械安全規格 ●鍛圧機械 ●無人搬送車 C規格 ●化学プラント (個別の機械の安全規格) ●輸送機械 15
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国際規格って、何? 安全国際規格の階層化体系 国際規格って難しそうで、何のこと 安全規格のピラミッド だかよくわからないんです… みたいなのって 何ですか? 機械は世界中 に輸出され、逆に 安全規格の 色々な機械やシス 位置づけを階層 テムが輸入されて 的にまとめて いるでしょ。 いるのよ。 国産の機械と海外の このA、B、Cって分かれている 機械の仕様が全く違うと 階層のことですか? 使い方やメンテナンス がたいへんよね。 そうなの。 C規格とは個別の  そういえば、 機械規格で、工作 当社では外国製 機械やロボットなど の機械も使って に特化した規格の  いますね。 ことなの。 それらの機械に使う安全技術を そんな時、 共通化した規格がB規格 ある程度のことを なんですね。 ルール化すれば 良いと思わない? そのとおりよ そしてA規格は上位 の基本的な考え方 うんうん としてリスクアセスメント そうですね。 や安全方策の進め方 を示しているの。 だから、そのために まずはA規格に沿って ISOやIEC規格という リスクアセスメントを ルールがあると 行ってから、具体的な 思えば良いのよ。 安全方策を実施する ためにB規格やC規格 を参照するのが そういう 基本じゃよ。 理解でいいのか! 16
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3 国際安全規格と安全構築の手順 ISO12100に基づく安全設計 リスクアセスメントは、機械設計/設計変更において、適切な安全措置を選択するた めの危険度を評価する手順です。見つけたリスクが許容可能な程度に下がるまでリス ク低減を繰り返すことで十分な安全方策を実現します。この手順はISO12100に定めら れており、同じ内容がJISB9700にも明記されています。 ◆リスクアセスメントとリスク低減の手順 開 始 リスクアセスメント 機械類の制限の決定 危険源の同定 リスクの見積もり リスク分析 はい リスクの評価 いいえ 他の危険源を 生じるか? リスクは適切に はい 低減されたか? 文書化 終了 いいえ 危険源は はい 除去できるか? STEP1 いいえ 本質的安全設計方策 意図したリスクの はい 低減は達成したか? リスクは はい 本質的安全設計で いいえ 低減できるか? いいえ STEP2 リスクは はい はい ガード、保護装置で 安全防護によるリスク低減 意図したリスクの 低減できるか? 付加保護方策の実施 低減は達成したか? いいえ いいえ STEP2 はい 制限の再指定は いいえ 使用上の情報による 意図したリスクの はい 可能か? リスク低減 低減は達成したか? いいえ 17