1/23ページ
カタログの表紙 カタログの表紙 カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(4Mb)

OTゼロトラスト実践ガイド ITとの違いから導入方法まで

ホワイトペーパー

止められない設備、レガシー機器、外部ベンダーを前提にゼロトラストを考える

ゼロトラストの考え方を、そのまま工場へ持ち込めばよいとは限りません。OTには、常時稼働する設備、長期間使用する機器、外部ベンダーによる保守など、ITとは異なる前提があります。

本資料では、境界型セキュリティの課題からゼロトラストの基本原則を整理し、OTで実践する際に何が変わるのかを解説します。

本人確認、最小権限、ネットワーク分離、継続的な監視などの考え方に加え、OT環境へ段階的に導入するための具体的な進め方も紹介しています。

このカタログについて

ドキュメント名 OTゼロトラスト実践ガイド ITとの違いから導入方法まで
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 4Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 Secomea合同会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

Page1

ZERO TRUST FOR OT OTゼロトラストは ITと同じではない 実践ガイド 可用性・レガシー機器・外部ベンダーを前提に導 入を考える OTにおけるゼロトラストとは 2026.09 Secomea合同会社
Page2

Secomea について Secomeaは、OT環境およびサイバーフィジカルシステム(CPS)に特化 して設計されたセキュアリモートアクセス(SRA)ソリューションです。 現在、世界8,000社以上のお客様が、数千の拠点で日々活用し、産業機器のリ モートアクセス管理、サイバーセキュリティリスクの低減、ダウンタイムの防 止に役立てています。 ©Secomea 2025, Allrights reserved. 本書に記載されている内容は、一般的な情報提供を目的としてお り、法的またはその他の専門的アドバイスを意図したものではあ りません。情報の正確性と適時性には細心の注意を払っておりま すが、最新の法的または技術的な動向に基づいていない可能性がある ため、受け取った時点での正確性を保証することはできません。 Secomeaでは、本書に記載された原則を、お客様の個別の状況にどの ように適用できるかについて、アドバイスをご提供しています。詳細 については、secomea.com.をご覧ください。
Page3

目次 01 境界型セキュリティの問題点..................................................................................................4 02 ゼロトラストとは何か─そして、なぜ今OTに必要なのか............................5 03 OTにおけるゼロトラストの仕組み―IT向けモデルとの違い.................9 04 OT環境におけるゼロトラスト導入の実践ガイド...................................1..4....... 05 Secomea がOTインフラでゼロトラストを実現...........................................1..7.
Page4

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained 01 境界型セキュリティの 問題点 かつて多くの組織は、インフラやアプリケーションのセキュリティ対策 として、「境界モデル」の考え方を軸に据え、外部との境界を守ること に重点を置いていました。 境界モデルは「信頼されたサブシステム」とも呼ばれ、境界内にある もの(サブシステム)はすべて安全であるという前提に基づいていま す。 発想は単純で、城壁のように堅牢な境界を築き、その内側にあるも のはすべて信頼するという考え方でした。 なぜ境界型セキュリティでは ゼロトラストは、「暗黙の信頼」を もはや不十分なのか 排し、全ユーザー、全デバイス、全 セッションに対して継続的な検証を 問題は、一度境界を突破すると、 行うアプローチです。 攻撃者が自由に行動し、アクセス すべきでないリソースに到達でき しかし、長年にわたって境界型のシ てしまう点にあります。追加の確 ステムを築いてきた場合、その発想 認も、監視も行われません。 から脱却するのは容易ではありませ ん。 この「暗黙の信頼」は、ひとつの デバイスやユーザーが侵害される より具体的に考えてみましょう。レ だけで、ネットワーク全体への広 ガシーシステムやフラットなネット 範なアクセスを許してしまうため、 ワーク、可用性重視の運用が前提と 極めて危険です。 なっているOT環境において、ゼロ トラストをどのように導入すればよ このモデルは誤った安心感を生み出 いのでしょうか。 し、内部脅威や水平移動、検知され ない侵害に対してシステムの脆弱性 本書では、ゼロトラストの基本概念、 を見過ごしたままにしていました。 OT環境への適用方法、そして理論 そのため、巧妙化の一途をたどる近 を実践につなげるための具体的なス 年のサイバー攻撃には対応しきれな テップについて解説しています。 くなっているのが現状です。 ぜひ最後までお読みいただき、OT ゼロトラストは、境界型 環境へのゼロトラスト導入について、 セキュリティの限界点から ご不明な点やご相談がありましたら、 始まる お気軽にお問い合わせください。 こうした問題を解決するのが、ゼ ロトラストです。 secomea.com 4
Page5

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained 02 ゼロトラストとは何か ──そして、なぜ今 OTに必要なのか ゼロトラストは、境界型セキュ といった最新の技術を活用し、 リティの欠陥を補うために生ま 状況に応じてリアルタイムに安 れた戦略であり、その中核にあ 全なアクセスを実現します。 るのは「決して信頼せず、常に 検証する」という原則です。 この概念は単なるセキュリティ の一手段ではなく、現代の脅威 に対応するための包括的なアプ デバイスの場所や、ユーザーが ローチです。 既知の存在であるといった理由 だけで、信頼を前提とすること 一見すると複雑に思えるかもしれ はありません。 ませんが、適切に導入すれば、セ キュリティを強化するだけでなく、 すべてのユーザー、デバイス、シ かえってシステムをシンプルにす ステムは、毎回信頼に足ることを ることが可能です。 証明しなければなりません。 そのためゼロトラストでは、以下 ゼロトラストがなぜ重要か、 のような対策が実践されます: 銀行を舞台に見てみましょう • 強固なユーザー認証 「信頼されたサブシステム」に慣 • 移動範囲を制限するための れている私たちにとって、ゼロト ネットワーク分離 ラストとは何か、なぜ必要なのか を理解するのは難しいかもしれま • 最小権限アクセス(ユーザー せん。しかし実際には、私たちは やシステムに必要最小限の すでに現実の世界でゼロトラスト アクセス権のみを付与) の概念に親しんでいます。ドアの • アクセス権限の継続的な監視 施錠、身分証の提示、立ち入り制 と検証 限など、日常的に行われているこ うした対策こそが、その一例なの です。 ゼロトラストでは、リスクベー スの多要素認証やエンドポイン ト保護、クラウドセキュリティ ゼロトラストの概念をわかりやすく伝えるために、 サラの事例をもとに見ていきましょう。 secomea.com 5
Page6

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained そこには見慣れな いものが。 ある朝、サラは現金を引き出すために、 地元の銀行に立ち寄った。 secomea.com 6
Page7

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained もしこれが馬鹿げて見えるとした 入れば、ユーザー(あるいは攻撃 ら、それは実際に馬鹿げているか 者)が、本来アクセスすべきでな らです。とはいえ、これは「信頼 い領域にまで到達できてしまうこ されたサブシステム」で現実に起 とも少なくないのです。だからこ きていることにほかなりません。 そ、境界型モデルはもはや通用せ ひとたびネットワークの内側に ず、ゼロトラストの導入がが不可 欠となっています。 ユーザーやデバイスの所在場所だけを理由に、無条件の信頼 が与えられることはありません。アクセス要求は、ネット 明示的な 認証 ワークの内外を問わず、ユーザーの識別情報、位置情報、デ バイスの健全性など、あらゆるデータに基づいて認証・検証 され、初めて許可されます。 ユーザーやデバイスには、業務に必要な最小限のアクセス権のみ 最小権限の が付与されます。「必要なときに、必要な分だけ」のアクセス制 原則を徹底 御により、万が一アカウントが侵害された場合でも、攻撃者が ネットワーク内を水平移動できる範囲は制限されます。 ゼロトラストは、ネットワークがファイアウォールやVPNの背後に あるという理由だけで安全だと考えるのではなく、「すでに侵害さ れているか、いずれ侵害される」という前提で運用を行います。通 侵害を前提 信を暗号化すれば、たとえデータが傍受されたとしても、その内容 にする は保護されます。また、多要素認証(MFA)を導入し、ネットワー クへのアクセス時に複数の認証要素を求めることで、セキュリティ をさらに強化することが可能です。 ネットワークをより小さなゾーンに分割し、それぞれに厳格な制御 マイクロセグ を適用することで、セグメント間の水平移動を制限し、侵害時の被 メンテーショ 害を最小限に抑えることができます。たとえ一部のセグメントが侵 ンの実施 害されたとしても、他の領域の安全は確保されます。 ゼロトラストネットワークでは、アクセス要求や異常な挙動を継続 的に監視・分析し、潜在的なセキュリティ脅威をリアルタイムで検 継続的な 知します。これにより、セキュリティインシデントの早期発見と迅 監視と検証 速な対応が可能になります。 ゼロトラストの5つの基本原則に基づいて、先ほどの ストーリーを描き直してみましょう。 secomea.com 7
Page8

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained secomea.com 8
Page9

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained 03 OTにおける ゼロトラストの仕組み ―IT向けモデルとの違 い すべての従業員、委託業者、ベ では今度は、ゼロトラストに則っ ンダーが、同じ入館証で工場に た工場を想像してみてください。 出入りしている様子を想像して 出入りには同じく入館証を使いま みてください。 すが、アクセス範囲は各自の業務 領域に限定されています。たとえ 一度中に入れば、その入館証ひと ば、保守担当者は作業エリアには つで、生産ライン、制御室、サー 入れますが、制御室には立ち入れ バーラック、さらには役員室にま ません。外部の作業員は機械の点 でアクセスできてしまうのです。 検は許可されても、ネットワーク 追加の確認も、制限もありません。 への接続は認められていません。 制御室やPLCキャビネットといっ 便利ではありますが、非常にリス たリスクの高いエリアへのアクセ クの高い状態です。 スには、多要素認証や一時的なア クセス用トークン、リアルタイム 誰かが入館証を紛失したり、攻撃 での承認が必要です。 者が内部に侵入したりすれば、施 設内の自由な移動を許してしまい、 不正アクセスやセキュリティ侵害 本来アクセスすべきでない機器や のリスクを防ぐには、すべてのア システム、機密データにまで手が クセスポイントで厳格な検証を徹 届いてしまいます。これが境界型 底することが不可欠です。 セキュリティの現実です。外部と の境界こそ堅牢でも、中に入られ 内部に入ったあとも、すべての たあとは無防備なのです。 操作は監視されます。それは人 を信用していないからではなく、 見かけの正当性やアクセス元と いった要素だけを根拠に、シス テムが信頼を与えるべきではな いからです。役割を超えたアク セスが試みられた場合には、シ ステムがそれを検知し、警告を 出すか、アクセス自体を遮断し ます。 それでは次に、一般的なOTのリモートアクセスのユースケースをもとに、 両者のセキュリティモデルの違いを見ていきましょう。 secomea.com 9
Page10

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained secomea.com 10
Page11

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained secomea.com 11
Page12

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained OTとITではゼロトラスト導入のアプローチが異なる 物理環境であれデジタル環境であ は、 ITのルールをそのまま別の環 れ、産業分野においては、「内側 境に当てはめればよい、という単 にいる」という理由だけで人やデ 純な話ではないのです。 バイスを信頼することはできませ ん。 たとえ原則が同じであっても、OT へのゼロトラストの実装には、 ラーズの事例は、ゼロトラストに ネットワークや機器、ユーザーの よってリモートアクセスが、制御 実態を踏まえた、本質的に異なる 不能なリスクから、厳密に管理さ アプローチが求められます。 れ、監査可能なセッションへと進 化することを示しています。同時 その理由を理解するには、ゼロト にこの事例は、より本質的な課題 ラストが従来のIT環境とOT特有の も浮き彫りにしています。産業環 環境でどう異なるかを比較してみ 境にゼロトラストを適用すること ることが有効です。 IT 向けゼロトラスト OT 向けゼロトラスト 資産 ユーザー、アプリケーション、 PLC、HMI、センサー エンドポイント 優先事項 データの機密性 可用性、稼働時間、安全性 ユーザー 管理されたデバイスを使用する 非管理デバイスを使用する 従業員 ベンダー・委託業者 ネットワーク VLANとポリシーによる分割 多くはフラット構成、ゲートウェイ によって分割 パッチ適用 頻繁、定期的、自動的 低頻度、手動、実施できない場合や 制限があることも多い 監視 エージェントベース、SIEM中心 エージェントレス、セッション単位、 デバイス中心 Stuxnetを覚えていますか? 検知されることなく動作を改変し、核 燃料用の遠心分離機に損傷を与えまし ―ゼロトラストを無視したとき 何が起こるのか た。その結果、重要インフラに深刻な 被害をもたらし、世界の安全保障に対 Stuxnetによるマルウェア攻撃は、 する重大な脅威となったのです。 ゼロトラストの原則を軽視したとき に何が起こり得るかをあらためて印 その原因はすべて、内部システムが安 象づける出来事でした。この事例は、 易に信頼を前提とし、ほとんど検証を 史上最も巧妙なサイバー攻撃のひと 行っていなかったことにあります。 つとされていますが、実際に行われ たのは「信頼されている」という前 この事例は「信頼を前提としたセキュ 提を突くことだけでした。 リティ戦略は機能しない」という現実 を突きつけるものでした。守る対象が 銀行であれ、工場であれ、ネットワー このマルウェアは、産業ネット クであれ、ゼロトラストは脅威の深刻 ワークの従来型防御をすり抜け 化を防ぐために必要な多層的防御を実 てSCADAシステムを標的とし、 現します。 水平移動してPLCに侵入。 secomea.com 12
Page13

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained OT重視のゼロトラスト OTや産業環境におけるゼロトラストは、 目的・制約・導入方法のいずれにおいても、 vs. IT 中心のゼロトラスト 一般的なIT中心のゼロトラストとは大きく異な ります。 01 03 05 資産の種類やプロトコルが根本 ユーザーやアクセスの特性が OTではパッチ適用やアップ 的に異なる 異なる デートが常に可能とは限らない ITにおけるゼロトラストは、ユー ITにおけるゼロトラストは、主に IT領域では、更新やセキュリ ザー、クラウドアプリ、ノートPC、 従業員が会社管理のデバイスから ティパッチ、新たなツールの導 モバイルデバイス、Webアクセス クラウドサービスへアクセスする 入が頻繁に行われますが、OT機 を主な対象としています。 際のセキュリティ確保を目的とし 器は10年以上前のものやベン ています。 ダーロックされたものが多く、 一方、OTにおけるゼロトラスト 厳しい制約のある環境で稼働し は、PLC、HMI、RTU、センサー 一方OTでは、外部ベンダーや ているため、パッチの適用が困 などの産業機器を対象としており、 サービスエンジニア、委託会社の 難だったり、リスクを伴うこと 多くの場合、それらはModbus、 技術者といった第三者も産業シス も少なくありません。 OPC UA、PROFINETといった独 テムへのアクセスを必要とし、多 自仕様またはレガシーなプロトコ くの場合、管理外のデバイスや信 パッチを適用できない場合、 ルで動作しています。 頼性の不明なネットワークから接 機器そのものに対策を施すの 続してきます。 ではなく、周辺環境にセキュ そのため、OTにおけるゼロトラス リティを構築するゼロトラス トは、エージェントを導入できな そのため、特に外部関係者に対し い機器や、現代のセキュリティを トモデルが求められます。安 ては、時間ベースのアクセス制御 想定して設計されていない旧世代 全なリモートアクセスゲート の通信規格にも対応する必要があ や承認プロセスを含む、より厳格 ウェイの導入、通信の制御、 ります。 なセッション管理と、詳細な監査 操作前の強固な認証などがそ ログの整備が求められます。 の一例です。 02 04 06 OTでは、機密性よりも可用 性が優先される OTネットワークはフラット ITとOTの両方をカバーする ITにおけるゼロトラストが重視す 構造が多く、分割が難しい 可視性と監視が不可欠 るのはデータの機密性と完全性で IT環境では、VLANやファイア ITでは、エージェントやSIEMを あるのに対し、OTにおける最優 ウォール、IDベースのアクセス制 活用してユーザーの行動やエン 先事項は可用性と稼働時間の確保 御によるネットワーク分割が標準 ドポイント、クラウドサービス です。 的ですが、多くのOT環境では依然 を監視できますが、OTにゼロト として分割の少ないフラットな ラストを適用するには、エー OTにおけるゼロトラストは、リア ネットワークが使われており、機 ジェントに頼らず、ハイブリッ ルタイム制御を損なわず、また遅 器が最新の認証やアクセス制御に ドなIT/OT環境全体を対象にし 延やダウンタイムを引き起こすこ 対応していない場合も少なくあり た運用が求められます。 となくアクセスを検証できるよう、 ません。 システムに影響を与えない形で設 OTとITの監視をつなぎ、リモー 計する必要があります。 OTにおけるゼロトラストは、エン トアクセス、機器間通信、人間 ドポイントではなくネットワーク と機械のインタラクションを監 レベルで動作するツールを用いた 視し「誰が、どのPLCにアクセ マイクロセグメンテーションやア スし、何を変更したのか」など、 OTに対応したログを生成できる イソレーションから始まるのが一 ツールが必要です。 般的です。 secomea.com 13
Page14

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained 04 OT環境におけるゼロトラスト 導入の実践ガイド OT環境にゼロトラストを導入す 境界防御から ゼロトラストは、暗黙の信頼を排 るには、IT向けの戦略をそのまま ゼロトラストへ し、すべてのユーザー、デバイス、 産業システムに適用するだけで セッションに対して継続的な認証 は通用しません。 と検証を行う仕組みです。サード 従来型のセキュリティモデルは、 パーティによるアクセス、パッチ ネットワーク内、すなわち「信頼 適用が困難なシステム、常時稼働 OTネットワークには、独自の優先 されたサブシステム」にあるもの が前提の環境においては、この方 事項、レガシー機器、可用性の要 をすべて安全と見なし、脅威は外 式への転換が不可欠です。 件が存在し、現場の実態に即した 部からのみやってくるという前提 に立っています。そのため、ファ アプローチが不可欠です。 イアウォールやVPN、固定的な信 頼ゾーンに強く依存しています。 製造業や重要インフラ、石油・ ガス、輸送、エネルギーなど、 分野を問わず、ゼロトラストは しかし、リモートアクセスが普及 稼働を維持しながらシステムを し、IIoT機器が急増している現在 保護する、強靭なセキュリティ のOT環境では、こうした従来のア フレームワークを提供します。 プローチでは対応しきれません。 OT向けゼロトラスト戦略に おける主な要素 ゼロトラストモデル(ZTM) ゼロトラスト・ネットワーク・ア セキュアな本人認証 クセス(ZTNA) ユーザー、デバイス、アプリケーショ 多要素認証(MFA)、シングル ン、データ、ネットワークすべてにお ソフトウェア定義の境界(SDP)に サインオン(SSO)、ロール いて、暗黙の信頼を排除。 おける、セッションベースかつ最小 ベースのアクセス制御 権限のアクセス制御 (RBAC) エンドポイント保護 マイクロセグメンテーション 継続的なモニタリング 脆弱性管理、パッチ適用、ウイルス対策、 各デバイスのIPアドレスやポート単 ユーザーの行動、デバイスの 転送ファイルのスキャン 位でアクセス範囲を制御し、リモー 動作、ネットワークトラ ト接続および現地のI/Oポート経由の フィックをリアルタイムで監 アクセスに対応 視 secomea.com 14
Page15

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained 導入の進め方: 段階的かつ実践的なアプローチ ゼロトラストは一度で完結するプロジェクトではなく、 業務や技術、脅威の変化に応じて進化させていく継続的 な戦略です。段階的に導入することで、業務への支障を 最小限に抑えつつ、セキュリティ体制を着実に強化する ことができます。 1. ゼロトラストの基本理念とOTセキュリティの基礎を関係者に 共有する • ゼロトラストを、OT環境に即した実践的・運用的な概念として 01 分かりやすく解説 • レガシープロトコル、フラットなネットワーク、暗黙の信頼が もたらすリスクを明示 • IT部門、OT部門、経営層それぞれの立場に合わせて、セキュリティ の重要性を効果的に伝える 2. 現状を把握・評価する • 重要なOT資産、ユーザー、データの流れ、アクセス点をマッピン グし、外部からのアクセスやリモート保守といった高リスクのユー 02 スケースを優先項目として特定 • 暗黙の信頼、共有認証情報、管理されていない接続を明らかにする • リモートアクセス、ベンダーアクセス、レガシーシステムがどの ように管理されているかを評価 3. IDとアクセスの管理を強化する • 多要素認証(MFA)、シングルサインオン(SSO)、ロールベース のアクセス制御(RBAC)を適用 03 • 共有アカウントを廃止し、すべてのユーザーに一意で監査可能なID を割り当て • ITとOTの環境をまたいで、ID管理を一元化 4. 最小権限とジャストインタイムアクセスを徹底する • ユーザー、機器、サードパーティが利用できるシステムや操作を、 04 必要最小限に制限 • 契約業者やベンダーには、時間制限付き・承認ベースのセッション を適用 • リスクや運用状況に応じて、アクセス権限を動的に調整 secomea.com 15
Page16

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained 5. エンドポイントとレガシー機器のセキュリティを確保する • アクセスを許可する前に、機器の健全性をチェック 05 • ICSやIIoTに特化したエンドポイント保護および監視ツールを活用 • パッチ適用が困難な機器や旧式のデバイスには、外部からの セキュリティ対策を徹底 6. ネットワークを分割・分離する • マイクロセグメンテーションにより、脅威の拡散を抑え、 06 水平移動を制限 • ITとOTの環境を論理的・物理的に分離 • VPNでネットワーク全体を露出させるのではなく、安全な アクセスゲートウェイを導入 7. 継続的な監視と分析を実施する • アクセス要求、リモートセッション、重要なシステム操作を すべて記録 07 • 振る舞い分析や脅威検知により、異常をリアルタイムで検出 • データをSIEMなどの統合プラットフォームに集約し、可視化と コンプライアンスを強化 8. 継続的に改善し、段階的に拡張する • 監査結果、脅威インテリジェンス、NIS2やNIST CSF、IEC 62443など 08 の規制要件を踏まえ、アクセス制御ポリシーを継続的に最適化 • まずは限定的な環境で導入し、効果を検証したうえで、ゼロトラストを より多くのシステム、施設、ユーザーグループに拡張 • 業務目標や運用上の制約と整合を図る secomea.com 16
Page17

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained 05 Secomeaが OTインフラで ゼロトラストを実現 OT環境におけるゼロトラスト導入には、特有の課題が伴います。 導入上の主なハードルは以下のとおりです: • レガシーシステムの制約:旧型デバイスは最新のセキュリティプロトコル に対応していない場合がある • ダウンタイムのリスク:生産を中断することなく、セキュリティを適用する 必要がある • サードパーティのアクセス:ベンダーや委託業者の管理には、強固なガ バナンスが不可欠 • スキルギャップ:産業分野におけるサイバーセキュリティの専門人材が 不足している OTに特化したベンダーとの連携は、導入のスピードを高め、複雑さを 軽減します。 なぜOTに特化したソリューションが必要なのか ゼロトラストの枠組みでは、シ OT環境には、以下の要件に対 ステムは本来の目的以外には、 応したソリューションが求め できる限り何もできないように られます: 設計・運用する必要があります。 言い換えれば、想定された機能 • エージェントやシステムに だけを実行し、それ以上の動作 干渉するソフトウェアを使 は行わない構成が求められます。 わずに動作すること これにより、仮に攻撃者が侵入 • 稼働の継続性と安全性を損 した場合でも、被害を最小限に なわないこと 抑えることができます。 • 産業用プロトコルやシステ ムに精通していること しかし、IT向けソリューション • アクセス制御とネットワー 使ってOT環境でそれを実現す ク分離を連動させられるこ るのはほぼ不可能です。OTに と は、レガシープロトコルの使 用やダウンタイムの許容範囲 既存のインフラを大きく変えること の狭さなど、ITとは根本的に異 なくゼロトラストを実現するには、 なる制約や要件があるためで OTを踏まえたソリューションが不可 す。 欠です。 secomea.com 17
Page18

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained OTのニーズに特化したSecomeaのソリューション設計 SecomeaはOT環境に最適化されており、産業ネットワークにおけるゼロトラ ストの導入を可能にします。産業資産とネットワークのライフサイクル全体に わたり、セキュア・バイ・デザインの思想に基づいて構築されているため、既 存のインフラを大幅に変更することなく、ゼロトラストの導入を可能にします。 その裏付けとして、Secomeaは産業オートメーションおよび制御システム (IACS)におけるセキュアな製品開発の国際規格であるISA/IEC 62443-4-1につ いて、第三者機関による監査を受け、適合が確認されています。 これにより、OT環境に求められるセキュリティおよびライフサイクル要件を満 たしていることが保証されています。 IEC 62443-4-1について Secomeaは、ネットワーク、アプリケーション、データ資源の保護に取り組むとともに、 IDを軸としたアクセス制御ポリシーモデルの提供に注力しています。 この取り組みは、Security Development Lifecycle Assurance(セキュア開発ライフサイ クルの保証、SDLA)に関するISA/IEC 62443-4-1規格への適合について、第三者認証を 受けています。 この認証は、Secomeaがセキュア・バイ・デザインの設計手法、パッチ管理、製品の EOL(サポート終了)対応を含む、セキュリティ重視の開発ライフサイクルを実践して いることを証明するものです。 secomea.com 18
Page19

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained Secomeaがゼロトラスト戦略において果たす役割 Secomeaの開発指針は「本質的または暗黙的な、いかなる信頼も前提としないこ と」です。 Secomea Primeはゼロトラストアーキテクチャに基づいて設計されており、すべ てのIDとリソースを相互に分離。その結果、IDとコンテキストに応じたきめ細かな アクセス制御が可能になります。 Secomeaは、複数のレイヤーにわたるセキュリティ対策を徹底することで、多層防 御(DiD)モデルに準拠し、サイバーフィジカルシステム(CPS)におけるゼロト ラストベースのセキュアリモートアクセス(SRA)を実現します。 Secomeaは、以下のアプローチを通じてゼロトラストを実現します: • 特権アクセス管理とグループ • 承認ベースのワークフ • セッションをリアルタ 機能(ZTNA)を活用し、 ローやジャストインタ イムで監視し、すべて ロールベースで細かく制御さ イム(JIT)アクセス のユーザー操作を監査 れたアクセスを実現。アクセ の時間枠、マルウェア 証跡とセッション録画 スを許可する前に、SMSによ スキャン機能を備えた で記録。通信は、AES る多要素認証(MFA)または 安全なファイル転送に 256による暗号化と厳 シングルサインオン(Azure より、アクセスを保護 格なネットワークセグ AD、Okta)でユーザーを認 (エンドポイント保 メンテーションにより 証(IDの検証) 護) 保護 これにより、セキュリティレベルを高めつつ、ゼロトラストの導入と運用の継続 性を両立できます。 特権アクセス管理 階層ベースのユーザーロールを個別に設定、または高度なグループ 機能によるユーザー権限の一括管理 きめ細かなアクセス 細かな権限設定が可能な個別レベルのアクセス制御 コントロール MFA&SSO SMSによるMFAまたはシングルサインオン(Azure AD/Okta)による安 全なID検証後にアクセスを許可 申請と承認に基づく セッションの目的・開始時刻・利用時間を明示したユーザー申請の アクセス許可 承認を条件にアクセスを許可 ジャストインタイム(JIT) オンデマンドまたはスケジュールに応じて、特定の資産への一時的か アクセス つ時間限定のアクセスを付与 安全なファイル転送 リモートで転送されたファイルのウイルスやマルウェアをスキャンし、 ダウンロード前に安全性を評価 リアルタイムの 進行中のセッションの確認、特定イベントの通知受信、トリガーに応じ 活動監視とアラート た自動アクションの実行 通知 監査ログとセッション録画 すべての操作を記録し、「誰が・いつ・何をしたか」を明確化することで、 トラブルシューティングや監査に対応 暗号化とネットワーク AES 256で暗号化されたTLSトンネルにより資産への接続を保護 セグメンテーション アクセスはリモートまたはI/Oポート経由に限定 secomea.com 19 ゼロトラストをOTで実現するSecomeaの主な機能 監視と エンドポイン ZTNAと セグメンテーション 保護 IDの検証
Page20

Secomea Whitepaper | Zero trust for OT, explained リモートアクセスは 死角をなくし、鉄壁の防御体制へ OTにふさわしいゼロトラストを体現 最大のリスクであり 最も確実な勝機 Secomea 導入前と導入後 従来型のVPNによる Secomeaの リモートアクセス ゼロトラストアクセス アクセス範囲 ネットワーク全体で 特定の機器への 無制限 アクセスに限定 ユーザー認証 一度のログインで MFA + 継続的な確認 全アクセス許可 監査 ログなし、または セッション録画と完全なログ 簡易的なログ 水平移動の 高リスク 分離・セグメント化 リスク された環境 ファイル転送 チェックなし スキャン・記録される セッションの制 時間制限付きで、いつでも 制御なし 御 アクセス無効化が可能 secomea.com 20