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【マツダ株式会社様】エンジニアリングVDI導入事例

事例紹介

電動化時代に対応するエンジニアリングVDIでCAD/CAEなど数百種のアプリ、OSの運用工数を低減

「Be a driver.」のキャッチコピーを掲げる自動車メーカー・マツダ。同社は2030年に向けた経営方針で電動化対応を中心として、3つのフェーズごとに方針を掲げている。PHASE1:電動化時代に向けた開発強化、PHASE2:電動化へのトランジション(電池調達、バッテリー技術開発強化、BEV の先行導入)、PHASE3:電動化時代への転換、電池生産への投資である。
100年に一度の変革期を迎える自動車業界にあって、飽くなき挑戦を続ける同社のものづくり。それを支えるMDI&IT 本部エンジニアリングシステム部では、開発・生産技術の業務用 PC の管理に大変な手間がかかっていた。
配備台数 5,000 台に及ぶ業務用 PC の運用保守工数を低減させるための工夫も限界を迎え、NVIDIA 仮想 GPU(NVIDIA vGPU)搭載のVDIを導入した。OSやアプリケーションのアップグレードや、業務用PCの調達に係る工数の大幅な削減を実現。また、物理的な制約から解放されたことで、開発から販売に至る幅広い部門の従業員が一堂に集まり、新たなものづくりを生み出す組織づくりにも貢献している。

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ドキュメント名 【マツダ株式会社様】エンジニアリングVDI導入事例
ドキュメント種別 事例紹介
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株式会社アルゴグラフィックス

このカタログの内容

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アルゴグラフィックス導入事例 電動化時代に対応するエンジニアリングVDIで CAD/CAEなど数百種のアプリ、OSの運用工数を低減 「Be a driver.」のキャッチコピーを掲げる自動車メーカー・マツダ。同社は2030年に向けた経営方針で電動化対応を中心 として、3つのフェーズごとに方針を掲げている。PHASE1:電動化時代に向けた開発強化、PHASE2:電動化へのトランジション (電池調達、バッテリー技術開発強化、BEVの先行導入)、PHASE3:電動化時代への転換、電池生産への投資である。 100年に一度の変革期を迎える自動車業界にあって、飽くなき挑戦を続ける同社のものづくり。 それを支えるMDI&IT本部エンジニアリングシステム部では、開発・生産技術の業務用PCの管理に大変な手間がかかっ ていた。配備台数5,000台に及ぶ業務用PCの運用保守工数を低減させるための工夫も限界を迎え、NVIDIA仮想GPU (NVIDIA vGPU)搭載のVDIを導入した。OSやアプリケーションのアップグレードや、業務用PCの調達に係る工数の大幅 な削減を実現。また、物理的な制約から解放されたことで、開発から販売に至る幅広い部門の従業員が一堂に集まり、新た なものづくりを生み出す組織づくりにも貢献している。 連結従業員数48,000人、年間販売台数 道具ではなく、もっとこだわるべきモノと考える人に向けた商品を開 約124万台(2024年3月31日時点)を誇 発・販売するマツダ。 りながら、自らを“業界のスモールプレイ ヤー”と捉え、自動車を運転することが好きな人や、自動車を単なる 同社では、1965年にCADを自社開発し、その後も2000年前後 にかけてフル3次元CAD/CAMを内製するなど、自動車開発のIT化 部には新たな役割も求められるという。 において高い技術力を誇る。それを牽引したのがMDI(マツダ・デ 「従来の自動車の開発ではハードウェア主体の開発を行ってきまし ジタル・イノベーション)プロジェクトである。同プロジェクトを部署名 た。基本的に設計・実装された部品は変化することが少ないので”静 にしたMDI&IT本部エンジニアリングシステム部では、自動車の開発 的”なものとして取り扱うことができます。一方、電動車の開発では、 を支援することが主たる業務となっている。エンジニアリングシステ 販売後もソフトウェアによる付加価値向上を図る動きが増え、”動的” ム部主幹の鐡本雄一氏が、部の役割について説明する。 な品質の担保や性能保証が重要になります」(鐡本氏) 「エンジニアリングシステム部ではモデル開発、モデル管理の2つ の機能視点でシステム化戦略の立案、企画、運用保守を担っています。 変化する開発環境にあって、従来のシステムには少なからぬ課題 今回のVDIに関わるシステム化はモデル開発環境を支援する狙いで を抱えていたという。これまでは開発、生産技術の業務用に物理ワー 実施した施策となります」 クステーションを配備していた。同社では、このマシンをMDI-PCと 呼んでいる。MDI-PCの利用登録ユーザ数は5,000名、配備台数は 同社では、中期経営計画のアップデートと2030年に向けた経営 5,000台に上り、多大な運用保守工数が課題となっていた。そこで、 方針で、大きな転換期を迎える自動車産業において電動化対応を中 かねてより評価を続けてきたエンジニアリングVDIの本格展開に突 心とした戦略を掲げている。その中では、エンジニアリングシステム 破口を見出すこととなった。
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連結従業員数48,000人、年間販売台数 道具ではなく、もっとこだわるべきモノと考える人に向けた商品を開 約124万台(2024年3月31日時点)を誇 発・販売するマツダ。 りながら、自らを“業界のスモールプレイ ヤー”と捉え、自動車を運転することが好きな人や、自動車を単なる 同社では、1965年にCADを自社開発し、その後も2000年前後 アルゴグラフィックス 導入事例 マツダ株式会社 にかけてフル3次元CAD/CAMを内製するなど、自動車開発のIT化 部には新たな役割も求められるという。 において高い技術力を誇る。それを牽引したのがMDI(マツダ・デ 「従来の自動車の開発ではハードウェア主体の開発を行ってきまし ジタル・イノベーション)プロジェクトである。同プロジェクトを部署名 た。基本的に設計・実装された部品は変化することが少ないので”静 にしたMDI&IT本部エンジニアリングシステム部では、自動車の開発 的”なものとして取り扱うことができます。一方、電動車の開発では、 を支援することが主たる業務となっている。エンジニアリングシステ 販売後もソフトウェアによる付加価値向上を図る動きが増え、”動的” ム部主幹の鐡本雄一氏が、部の役割について説明する。 な品質の担保や性能保証が重要になります」(鐡本氏) 「エンジニアリングシステム部ではモデル開発、モデル管理の2つ の機能視点でシステム化戦略の立案、企画、運用保守を担っています。 変化する開発環境にあって、従来のシステムには少なからぬ課題 今回のVDIに関わるシステム化はモデル開発環境を支援する狙いで を抱えていたという。これまでは開発、生産技術の業務用に物理ワー 実施した施策となります」 クステーションを配備していた。同社では、このマシンをMDI-PCと 呼んでいる。MDI-PCの利用登録ユーザ数は5,000名、配備台数は 同社では、中期経営計画のアップデートと2030年に向けた経営 5,000台に上り、多大な運用保守工数が課題となっていた。そこで、 方針で、大きな転換期を迎える自動車産業において電動化対応を中 かねてより評価を続けてきたエンジニアリングVDIの本格展開に突 心とした戦略を掲げている。その中では、エンジニアリングシステム 破口を見出すこととなった。 MDI-PCの運用保守を長らく担ってきたエ 業務停止しないよう作業はいつでも連休での実施です」(大石氏) ンジニアリングシステム部シニアスペシャリス トの大石啓造氏が、その苦労をこう語る。 その他、組織変更などによる人員の異動にも柔軟に対応しなけれ 「最近はWindowsも年に1度程度のアップデートがかかります。何 ばならない。人員に応じた台数のマシンを期日内に用意するのは簡 よりOSのメジャーアップデートには、一大プロジェクトと言えるほど多 単なことではない。「アプリ配布やPCリストアなどの効率化を進める くの人手と手間が必要です。ユーザに迷惑をかけないよう作業を進め など、いろいろと工夫をしながら運用保守工数の低減を図ってきまし ますが、5,000台ですからWindows 7から10のアップグレードには たが、もはや限界にきていました」と大石氏。そこで、以前から評価を 完了までに2年はかかりました」 続けていたVDIの本格展開に突破口を求めたのである。 自動車の開発、生産技術においては使用するソフトウェアの数も多 くなる。 「ソフトウェアもリモートで遠隔配信しますが、当初はCADだけでし た。その後、CAE、制御系と扱うソフトウェアはどんどん増えて、管理対 象のものだけでも300種類近くに上ります。CAEだけで200種類はあ ります。そこにアップグレードが加わりますから、作業が追いつくのが やっとです。その間にサーバのアップデートもしなければなりません。
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連結従業員数48,000人、年間販売台数 道具ではなく、もっとこだわるべきモノと考える人に向けた商品を開 約124万台(2024年3月31日時点)を誇 発・販売するマツダ。 りながら、自らを“業界のスモールプレイ ヤー”と捉え、自動車を運転することが好きな人や、自動車を単なる 同社では、1965年にCADを自社開発し、その後も2000年前後 VDIには早くから着目していたと大石氏。 アップデートされるアプリはマスターで更新可能になり、大幅な運用 「VDIはこれからの時代で主流になるだろう 工数の削減につながる。実際の運用環境を見据えた提案について、 と考えており、2016年にNVIDIAのvGPU 大石氏がこう評価する。 がリリースされてすぐに飛びつきました。K2カードで8台の仮想PC 「複数の提案のうち、実際の運用の流れを経験されているのはアル を稼働させたオールインワンのサーバでVDIの評価を行ったのです。 ゴグラフィックスだけでした。運用後のサポートについても、限界を CADユーザメインでの使用で好評でしたが、当時はコスト面で物理 提示されることもあり、Horizonのサポートが前提になっていたこと PCに分があったため、本格的な展開には至りませんでした」 もあります。その点、アルゴグラフィックスは稼働後のユーザからの 要望まで想定され、それに応えるための最適な設計まで提案書に組 その後、2019年に運用保守による業務負荷が見過ごせない状況 み込まれていました。App Volumesの設計では重要になってくる運 となり、再びVDIでの解決を検討することになったという。その際、 用面も考慮されていたので、安心感があるとともに、アルゴグラフィッ 複数のベンダーからの提案を受けたが、自動車メーカーの製造開発 クスではないと実現できないとも思ったほどです」 の支援において、Omnissa Horizon(以下Horizon)のリンクク ローンとOmnissa App Volumes(以下App Volumes)でのシ 構築にあたり検討したのは、5,000台あるMDI-PCのうち、実際 ステム構築に実績があったアルゴグラフィックスをパートナーとして に同時使用されているマシンの数だった。VDIのサーバサイジングを 選んだ。大石氏が選定の理由をこう話す。 する上で、この数を把握する必要があったが、エンジニアリングシス 「ユーザの誰がどのVDIを利用しても、好きなアプリを使える環境 テム部でも「長らくの謎だった」と大石氏は話す。 を考えると、技術的には HorizonのインスタントクローンとApp 「部の若手のアイデアで、サーバに残っているソフトウェアの使用ロ にかけてフル3次元CAD/CAMを内製するなど、自動車開発のIT化 部には新たな役割も求められるという。 Volumesでの構築しか考えられませんでした。特に決め手となった グを時系列に見て、その使用量を調べれば1日の最大接続数が判明 において高い技術力を誇る。それを牽引したのがMDI(マツダ・デ 「従来の自動車の開発ではハードウェア主体の開発を行ってきまし のは、当社の標準CADであるNXを、vGPUを使ったVDIで利用評 するのではということで、1ヶ月かけて集計しました。結果、ある月で ジタル・イノベーション)プロジェクトである。同プロジェクトを部署名 た。基本的に設計・実装された部品は変化することが少ないので”静 価を行ってきた経緯があります。複数のベンダーからの提案を受けま 最も使われたソフトウェアの同時使用、つまりアクティブユーザ数は にしたMDI&IT本部エンジニアリングシステム部では、自動車の開発 的”なものとして取り扱うことができます。一方、電動車の開発では、 したが、アルゴグラフィックスからのVDIの提案は、 Horizonのイン 1,300ということがわかったのです。この数字であれば、VDI構築の を支援することが主たる業務となっている。エンジニアリングシステ 販売後もソフトウェアによる付加価値向上を図る動きが増え、”動的” スタントクローンとApp Volumesのシステム構成において、他ベン コストも現実的だと判断しました」 ム部主幹の鐡本雄一氏が、部の役割について説明する。 な品質の担保や性能保証が重要になります」(鐡本氏) ダーを大きく凌駕していました」 結果的に、MDI-PCの既存スペックを参考にして、VDIの内蔵メモ 「エンジニアリングシステム部ではモデル開発、モデル管理の2つ リは32GB/64GB、GPUメモリ2GB/4GBとした。このスペックで、 の機能視点でシステム化戦略の立案、企画、運用保守を担っています。 変化する開発環境にあって、従来のシステムには少なからぬ課題 App Volumesは便利な機能ではあるが、設計が複雑になりがち 総ユーザ数5,000人、仮想PC台数を1,500台、最大同時ログイン 今回のVDIに関わるシステム化はモデル開発環境を支援する狙いで を抱えていたという。これまでは開発、生産技術の業務用に物理ワー で全体像を把握しながらの運用設計が求められる。例えば、共通アプ 数1,500台というサイジングでの提案となった。このプロジェクトを 実施した施策となります」 クステーションを配備していた。同社では、このマシンをMDI-PCと リケーションをマスターとして作成し、特定のアプリケーションを配布 「初物要素が多く、かなりチャレンジングな取り組み」と鐡本氏は認識 呼んでいる。MDI-PCの利用登録ユーザ数は5,000名、配備台数は することでマスターを統一することができる。そうすることで していたが、プロジェクトは順調に進み、無事にサービスインとなった。 同社では、中期経営計画のアップデートと2030年に向けた経営 5,000台に上り、多大な運用保守工数が課題となっていた。そこで、 Microsoft OfficeなどのWindows Updateや頻繁にオンラインで 方針で、大きな転換期を迎える自動車産業において電動化対応を中 かねてより評価を続けてきたエンジニアリングVDIの本格展開に突 心とした戦略を掲げている。その中では、エンジニアリングシステム 破口を見出すこととなった。 vCPU vCPU vCPU vCPU vGPU vGPU vGPU vGPU vCPU vCPU vCPU vCPU vGPU vGPU vGPU vGPU
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MDI-PCに変わるMDI-VDIは、2023年9 VDI環境がもたらすメリットについて、これからの自動車づくりに 月に稼働を開始した。現在は、日々500~ も大きく影響を及ぼすような変化がユーザ側に生まれてきている。鐡 600 台 が 稼 働しているという。「App 本氏がこう話す。「VDIというとリモートワークをイメージしがちですが、 Volumesでアプリのパッケージを作成したらユーザにアナウンスし 当社では全く新しい組織の実現にVDIが寄与しています。電動化事 て、そのアプリで仕事ができる人からVDIに移行してもらうようにし 業本部では、ある種のスモールマツダのような形で、開発部門から販 ています。考え方として、5,000台すべてをVDIにするのではなく、 売やマーケティング部門に至るまでが同じ場所に集まって議論する環 作業によっては一部のMDI-PCを残して併用する予定です。それでも、 境づくりを大切にしています」 直近のユーザアンケートで、2,000台はMDI-PCからVDIに移行で きそうです」 従来であれば、物理的な環境を整えることに多大なコストがかか るため、部門を超えて膝を付き合わせた議論はできなかったという。 その効果について、運用保守の観点から大石氏がこう話す。 VDIにより“場所”の制約から解放されたことで組織づくりにも新た 「2,000台ですから、その運用保守に関わる人員と工数はかなり大き な視点が加わったことになる。「この組織自体、初めての試みですが、 く、工数ロスの大幅な削減が期待できます。実際に2025年10月の ユーザからは良い手段を提供してくれたと感謝の声も出ています。 Windows 10のサポート期限までに11へのアップデートを終わせ VDIがなければ実現できなかったことです。これからさらにVDIを る計画ですが、VDIに関しては“楽勝”です。すでにイメージはできて 使った業務は増えてくると思います。本格的な効果の刈り取りはこれ いますので、変えようと思えばすぐに実行できます」 からです」(鐡本氏) さらに人員の異動による、MDI-PCの調達に関わる業務も大きく 今回のプロジェクト全体を通して、大石氏がこう振り返る。「提案は 変わると大石氏は話す。「仮に10人分のMDI-PCを用意する際、PC もちろん、プロジェクトの遂行も見事でした。計画の遅れも全くなく のストックがない場合には、長く電源が入っていないマシンを探し出 サービスインができたのは、アルゴグラフィックスによるものだと思 すことからはじめます。期限に間に合わせようと、必死でかき集めた います。インスタントクローンもApp Volumesも私にとっては未経 こともありました。マシンを仕立てるにも、エンジニア1人で数日か 験のものばかりです。実際の運用面でのサポートについても、改善要 かります。VDIであれば、こうした作業はほぼゼロです。ユーザ側も 望やトラブルにも迅速に対応していただいており、信頼できるパート 申請さえすれば、すぐにアプリが使えます」 ナーだと認識しています」 これまで人員の異動によるMDI-PCの準備には、ユーザ側も運用 最後に鐡本氏が、今後の展開も含めてこう話す。「今後もユーザ数 側もフラストレーションをためることがあったという。「VDIによって の拡大に伴い、また自動車づくりが電動化へシフトしていく流れのな 相互のストレス要因を排除することで、”楽しく働く”ことにシフトして かで、これまでにマツダが経験していないことも起こると思います。 いけるのではないかと思います。このような働き方を目指すことが 一方、製品開発においてはソフトウェアの占める割合も大きくなり、 DXの目的の1つだと思っている」と鐡本氏。 エンジニアリングシステム部が果たす役割も変わってきます。アルゴ グラフィックスの支援を受けながら、その役割をしっかりと果たしてい きたいと思います」 マツダ株式会社 https://www.mazda.com/ja/ 本 部 所 在 地 〒730-8670 広島県安芸郡府中町新地3番1号 創   立 1920年1月30日 資 本 金 2,840億円 従 業 員 数 連結 48,685人  単独 23,433人 連結子会社数 70社 事 業 内 容 乗用車の製造、乗用車・トラックの販売など (2024年3月31日現在) 連結従業員数48,000人、年間販売台数 道具ではなく、もっとこだわるべきモノと考える人に向けた商品を開 約124万台(2024年3月31日時点)を誇 発・販売するマツダ。 株式会社アルゴグラフィックス りながら、自らを“業界のスモールプレイ 商品詳細・価格などにつきましては、下記までお問い合わせください。 ヤー”と捉え、自動車を運転することが好きな人や、自動車を単なる 同社では、1965年にCADを自社開発し、その後も2000年前後 各種ご相談窓口 03-5641-2007 www.argo-graph.co.jp e-mail marketing@argo-graph.co.jp 202411 にかけてフル3次元CAD/CAMを内製するなど、自動車開発のIT化 部には新たな役割も求められるという。 において高い技術力を誇る。それを牽引したのがMDI(マツダ・デ 「従来の自動車の開発ではハードウェア主体の開発を行ってきまし ジタル・イノベーション)プロジェクトである。同プロジェクトを部署名 た。基本的に設計・実装された部品は変化することが少ないので”静 にしたMDI&IT本部エンジニアリングシステム部では、自動車の開発 的”なものとして取り扱うことができます。一方、電動車の開発では、 を支援することが主たる業務となっている。エンジニアリングシステ 販売後もソフトウェアによる付加価値向上を図る動きが増え、”動的” ム部主幹の鐡本雄一氏が、部の役割について説明する。 な品質の担保や性能保証が重要になります」(鐡本氏) 「エンジニアリングシステム部ではモデル開発、モデル管理の2つ の機能視点でシステム化戦略の立案、企画、運用保守を担っています。 変化する開発環境にあって、従来のシステムには少なからぬ課題 今回のVDIに関わるシステム化はモデル開発環境を支援する狙いで を抱えていたという。これまでは開発、生産技術の業務用に物理ワー 実施した施策となります」 クステーションを配備していた。同社では、このマシンをMDI-PCと 呼んでいる。MDI-PCの利用登録ユーザ数は5,000名、配備台数は 同社では、中期経営計画のアップデートと2030年に向けた経営 5,000台に上り、多大な運用保守工数が課題となっていた。そこで、 方針で、大きな転換期を迎える自動車産業において電動化対応を中 かねてより評価を続けてきたエンジニアリングVDIの本格展開に突 心とした戦略を掲げている。その中では、エンジニアリングシステム 破口を見出すこととなった。