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このカタログについて
| ドキュメント名 | 「ITアレルギー」を乗り越える!トップランナーが語るデジタルツール導入の初動と成功の鍵 |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
| ファイルサイズ | 6.2Mb |
| 取り扱い企業 | 株式会社カミナシ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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現場 D Xプラットフォーム「カミナシ」導入企業の
トップランナーとの対話から掴む DX 成功のヒント
01座談会 REPORT
THEME
「現場の ITアレルギーを乗り越える-。」
カミナシ トップランナーが語る
デジタルツール導入の初動と成功の鍵。
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INDEX
THE PURPOSE
カミナシ トップランナーズ座談会について 01
THEME.1
導入前の「合意形成」戦略
「誰」を「どう」口説く? 失敗から学んだ巻き込み力 02
THEME.2
定着を決める「最初の一歩」
「小さく産んで大きく育てる」現場選定と教育のコツ 08
THEME.3
成功体験を生む「フォローアップ」
「やらされ仕事」から「自分たちの武器」へ 12
デジタルツールを導入する
企業や担当者の方に向けて 16
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01座談会 REPORT
現場のDX化を進める上で、多くの担当者が突き当たる壁、
「現場の ITアレルギー」。
「面倒くさい」「使い方がわからない」「紙のほうが早い」
そんな現場の拒否反応を乗り越え、
いかにしてデジタルツールを定着させるか。
カミナシ シリーズを活用し、
現場主導のDXを成功させている 3社のトップランナーをお招きし、
その「初動」と「成功の鍵」を語り合っていただきました。
加藤 雅子 氏 加藤製油株式会社 代表取締役
大学卒業後、東京海上日動火災保険株式会社に入社し、営業職としてキャリアを積んだ
後、2009年に自社(加藤製油)へ戻る。取締役を経て、2025年9月に代表取締役社長に
就任。現場出身ではない立場から、客観的な視点で社内のDXを牽引。
飯嶋 愛 氏 群馬ミート株式会社 品質管理部長
品質管理歴25年。ISO14001、22000の認証取得や内部監査員の経験を活かし、製造
現場の巻き込みと社内調整を担う。法令遵守と実務のバランスを重視した現実的な品質
管理に注力し、社内のDXを推進。
K 氏 N食品株式会社 代表取締役社長
2004年親会社に入社。総務の現場を歩み、2023年にN食品株式会社の代表取締役に
就任。親会社からのトップダウン指示を契機に導入を開始したが、現場の若手を中心
としたプロジェクトチームを結成し、「小さく産んで大きく育てる」戦略を展開。現場の
主体性を引き出しながらDXを推進。
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THEME . 1
導 入 前 の「 合 意 形成 」戦 略
「 誰 」を「 ど う 」口 説 く? 失 敗 か ら 学 ん だ 巻 き 込 み 力
ツール導入を最初に誰にどのように伝えましたか?また、
Q1.
その後どのように社内に広げるよう働きかけを行いましたか?
デジタルツールの導入において、最初のボタンの掛け違いは命取りになります。3社の
アプローチは、「失敗からの学習」「根回しの巧みさ」「プロジェクトチームの組成」と三者
三様でした。
過去の苦い経験を糧にアプローチを一変させた加藤製油の加藤様は、以下のように導入
時を振り返ってくれました。
カミナシ レポートの導入時は、私が突っ走って導入を決めてしまい、
製造部長や工場長には事後報告のような形でした。現場を知らない
私が作ったひな形は使いづらく、半年ほどで『もう辞めようか』という
加藤製油 株式会社
加藤様 雰囲気になってしまったんです。
この反省から、加藤様は次の「設備保全」導入時には戦略を転換。製造部長からの提案と
いう形をとり、導入前には現場の職長を集めて説明会を実施しました。
説明会の後、職長の一人が『こんなのカミナシ レポートやってたら
普通にできるから問題ないよ』と言ってくれたんです。手順を間違え
加藤製油 株式会社 なければ、現場はこれほど頼もしいのだと実感しました。
加藤様
02
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一方、群馬ミートの飯嶋様は、決定権者へのアプローチに「ある人物」を巻き込む作戦を
とりました。
まずはガジェット好きで理解のある総務部長に相談しました。『最近は
そういうのやったほうがいいよね』と軽く話を通し、そこから社長へ。
みんなが『どういうものかよく分からない』とふわっとしている間に、
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 スッと導入してしまいました(笑)。
現場への展開も、まずは全従業員が行う「健康チェック」から開始。「飯嶋さんがもうや
るって言っているよ」という既成事実を作りつつ、誰もが日常的に使う業務から導入し、
抵抗なく自然に定着させることがポイントのようです。
親会社からのトップダウンで導入が決まったN食品のK様は、現場への浸透にあたり「人
選」を最重視しました。
ITリテラシーが高いかどうかよりも、基本的には『素直な子』を選びま
した。仕事ができても文句を言う人より、黙々と取り組む子。『この子
ならやってくれるだろう』という若手メンバーを、上長を含めたチーム
N食品
K様 に任命し、まずは若手が多い第2生産部から小さく始めました。
トップダウン、ボトムアップに関わらず、現場のキーマンや素直な若手をいかに初期
段階で巻き込めるかが、合意形成の分水嶺となるようです。
面倒くさい」「やりたくない」などの反発はありましたか?
Q2. また、反発に対しどのように
向き合ってこられたのかも教えてください。
新しいツールへの「アレルギー反応」は避けて通れません。しかし、3社ともそれを真っ
向から否定するのではなく、現場の心理に寄り添うことで乗り越えていました。
03
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加藤様の場合、ご自身への直接的な反発はなかったものの、現場には戸惑いがあったと
言います。
私への直接の不満は届きませんでしたが、現場では『面倒だ』『紙の方が
便利じゃないか』という声が製造部長には届いていたようです。
ただ、製造部長が『いや、これ必要なことだから』『使っていくうちに便利
加藤製油 株式会社
加藤様 になるから』と現場に説明してくれたので、徐々に広がっていきました。
現場と距離の近いリーダーが橋渡しとなり、ツールの必要性を説くことで、静かな抵抗を
納得へと変えていったのです。
飯嶋様は、「反発」というより「不安」を抱く年配社員に対し、徹底した「安心設計」で応え
ました。
わからなくなったら、『もう画面を触らないでください、そこで止まっ
てて!』と伝えています(笑)。
下手に触って画面が消えるとパニックになるので。そして、『すぐに
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 品管(私)を呼んで』というルールにしました。
さらに、あえて「紙とデジタルの併用期間」を設ける運用も実施。
『デジタル記録の間違いは咎めない。その代わり、紙の記録だけは
必須で残す』という交換条件を出しました。現場にとって二重記録は
面倒です。でもデジタルならタップで終わる。すると現場から
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 『もう紙やめて、カミナシだけにしてください!』と言ってくるように
なるんです。
「やらされる」のではなく、現場が自ら「楽な方(デジタル)」を選び取るように設計した
飯嶋様の戦略は、他の登壇者からも感心を得ていました。
04
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群馬ミート株式会社 飯嶋様が定めた運用ルール
1. 無理やり進めない
2. 必ず現場の記録者と相談してフォーマットを決める
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 3. 運用練習期間を設けて問題点の洗い出しや修正を行う
4. 運用期間中は、デジタル記録の間違いは咎めないが、紙との
併用は必須であることを承知してもらい運用練習をする
5. 困ったら、すぐに品管へ連絡してもらい必ず対応する
K様は、現場の反応を「やったぜ!」派と「ええ~」派の2つに分類されていました。
若手は『やったぜ!(新しいことに挑戦できる)』と喜び、ベテラン層は
『ええ~(面倒くさい)』と難色を示す。その割合は半々でした。でも、
喜んでいた人も嫌がっていた人も、1~2ヶ月経てばみんな『普通』にな
N食品
K様 ります。最初は拒否感が先行しますが、慣れてしまえばそれが当たり
前になるんです。
導入担当者が恐れる現場の「ええ~」という声も、一時的な通過儀礼に過ぎない。K様の
言葉は、これから導入する担当者の背中を強く押すメッセージとなりました。
デジタルツールを導入する以前の社内状況
Q3. (従業員の雰囲気や新しいものへの興味関心、会社の方針など)を
お教えください。
3社とも、最初からデジタル活用に積極的な土壌があったわけではありません。むしろ、
「IT不毛の地」や「トップの無理解」といった厳しい状況からのスタートでした。
加藤様は、かつての社内の「ITへの冷めた空気」を振り返ります。
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先代の社長がデジタルにあまり重きを置いていない人だったので、
20年ほど前にグループウェアを導入した際も、トップ層が『使わない』
と明言し、運用が頓挫した経験があります。2019年に私が再導入
加藤製油 株式会社
加藤様 しようとした際も『そんなの誰も使わないぞ』と反対されました。
しかし、今回のカミナシ導入で現場にタブレットが浸透し、外部からの表彰を受けたこと
で風向きが一変。
「会社の雰囲気として、“新しいことにもチャレンジしていこう”という感じになってきたな
という印象です」と、ツール導入が組織風土を変える起爆剤となったことを語られました。
飯嶋様の現場は、人間関係は良好なものの、変革への意欲は乏しい状況でした。
地方の工場なので従業員同士の仲は良いのですが、ベテランメンバーも
多く、若い人たちが主役になって進められる業務は少なかったと思い
ます。新しい情報を取りに行ったり、工夫しようという発想が生ま
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 れる雰囲気ではありませんでした。
だからこそ、導入時には若手と年配者の役割を明確に分けて、デジタル化への機運を高めて
いったと教えてくれました。
「“年配の方はプライドを捨てて若手を頼る” “若手は絶対に馬鹿にせず教える” という
文化を作りました」ツール導入をきっかけに、若手が活躍し、世代間のコミュニケー
ションが活性化するという副次効果も生まれています。
K様の現場も同様に、ハードウェア環境すら整っていない状態でした。
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以前は、スマホを貸与されているのは職長以上だけ、パソコンが
あるのは事務所だけでした。現場の方々は『そもそもパソコンなんて
触らない』という状態。今回はDX予算を組んで、まずは iPadや
N食品
K様 PCを配るところから始めました」最初は『使い方がわからん』という
声もありましたが、今はもう慣れてしまい、何事もなかったかの
ように使い始めています。
3社のエピソードからは、デジタルツールが単なる業務効率化の手段にとどまらず、社
内のコミュニケーションや風土、そして「新しいものへの向き合い方」そのものを変えて
いく力が感じられました。
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THEME . 2
定 着 を 決 め る「 最 初 の 一 歩 」
「 小 さ く 産 ん で 大 き く 育 て る 」現 場 選 定 と 教 育 の コ ツ
最初に導入した「現場(製造ラインや対象部署など)」は
Q1.
何を基準に選定されましたか?
新しいツールを導入する際、「どこから始めるか」は定着の成否を分ける極めて重要な戦
略です。3社のアプローチからは、いきなり難易度の高い場所には投入せず、「成功体験
を作りやすい場所」や「全員が関わる場所」を選定してスモールスタートを切るという共
通項が見えてきました。
まずは、過去の失敗経験を持つ加藤製油の加藤様です。「カミナシ レポート」の導入時
は、業務のシンプルさを最優先に選定しました。
カミナシ レポートを導入する際は、比較的業務が単純で、日常のイレ
ギュラーが起こりにくい『一斗缶に油を詰める部署』から始めました。
加藤製油 株式会社 作業手順が一定なので、デジタルの定着も早いと考えたからです。
加藤様
一方で、その後に導入した「カミナシ 設備保全」については、戦略をガラリと変えて「全設
備一斉スタート」に踏み切りました。その背景には現場キーマンの存在がありました。
08
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設備保全については、製造部長が『これはいい』と非常に乗り気で、彼
が熱心に推進してくれたおかげで、最初から全部署一斉にスタートす
ることができました。現場のリーダーが『やりたい』と言ってくれるな
加藤製油 株式会社
加藤様 ら、一気に広げるのも一つの手だと感じました。
群馬ミートの飯嶋様は「全員が毎日触るもの」と「効果が目に見えやすいもの」の2軸で選定
しました。
まずは全従業員が行う『健康チェック』から始めました。食品工場な
らパートさんも含め全員が毎日必ず行う業務です。『今後こういう端
末を使っていくんだよ』という意識を、業務を通じて自然と浸透さ
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 せる狙いがありました。
さらに、現場にメリットを感じてもらうための工夫も忘れません。
同時に、紙の記録で一番かさばっていた『ラベルチェック記録』の置
き換えも進めました。保管場所を取って困っていた業務をデジタル
化することで、『あ、これは楽になるんだ』という実感を早期に持っ
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 てもらいたかったんです。
N食品のK様(仮名)は、「人」と「業務の複雑さ」を見て、導入部署を戦略的に分けました。
第1生産部は年配のベテランが多く、帳票も複雑です。いきなりそこ
にカミナシ レポート(電子帳票ツール)を導入すると『嫌だ』と言われる
のが目に見えていました。そこで、比較的帳票がシンプルで、デジタ
N食品
K様 ルへの拒否反応が少ない若手が多い『第2生産部』から導入しました。
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まずは抵抗の少ない部署で成功モデルを作り、それを「ほら、第2生産部では新しいや
り方を試しているぞ~」と見せることで、難易度の高い部署(第1生産部)への展開をス
ムーズにする。K様の「急がば回れ」の戦略は、組織の抵抗を最小限に抑えるために参考
になる例でした。
操作が苦手な方に対する操作レクチャーの
Q2. 工夫された点と運用初期における
社内サポート体制について教えてください。
デジタルツール導入時、避けて通れないのが「操作がわからない」「画面がおかしくなっ
た」という現場の混乱です。3社はいずれも、分厚いマニュアルを用意するのではなく、
「困った時のSOSの出し方」を明確にすることで、現場の安心感を醸成していました。
加藤様は、ツールのU(I 使い勝手)の良さを評価しつつ、キーマンによる実機説明で乗り
切りました。
カミナシはUIが分かりやすいので、年配社員でも大きな混乱はありま
せんでした。導入初期は製造部長が実機を使って、『大体こんな感じ』と
加藤製油 株式会社 10~15分程度説明し、質問があれば都度答える形でした。
加藤様
ただし、イレギュラー対応にはフォローが必要だったようです。
スケジュールの消化は簡単ですが、突発的な『是正処置』などはひな形
から探す必要があり、そこはずっと質問が来ていました。それでも
加藤製油 株式会社 製造部長が根気強く教えてくれたおかげで定着しました。
加藤様
10
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飯嶋様は、操作に不慣れな年配社員がパニックにならないよう、前述したシンプルでわ
かりやすいルール(“わからなくなったら、画面に触れずに品管に連絡する”)を徹底しま
した。また、教え合う文化作りにも注力し、誰もが前向きにデジタル化に臨める環境づ
くりをしていきました。
『年配の方は変なプライドを捨てて若手を頼る』『若手は絶対に馬鹿に
せず教える』ということを約束事にしました。普段の業務ではベテラン
が上ですが、デジタルに関しては若手が先生になる。この逆転現象が
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 良い交流を生み、お互いに助け合う雰囲気ができました。
K様(仮名)は、そもそも「操作に迷わせない帳票設計」を重視しました。
スマホが得意な若手社員を中心に帳票を作成させたのですが、ポイン
トは『上から順番にチェックを入れていけば終わる』というシンプルな
作りにすることでした。余計な画面遷移をさせず、朝来たらこれを開
N食品
K様 いて上からポチポチ押すだけ。そこまで単純化することで、現場が
『違う画面に飛んじゃった』と悩むことを防ぎました。
また、K様はサポート体制についても「デジタルツールの使い方を全部理解できるスー
パーマンはいません。だから『わからなくなったら誰に聞けばいいか』、その導線さえ
作っておけば、組織全体で助け合って進んでいけます」と語り、特定の担当者一人に負
荷を集中させない「知識の分散」を推奨しました。
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THEME . 3
成 功 体 験 を 生 む「 フォ ロ ー アップ 」
「 や ら さ れ 仕 事 」か ら「 自 分 た ち の 武 器 」へ
「慣れてきたから」と記録の頻度が落ちてしまったり、
Q1. 運用においてつまづいてしまうようなことはありましたか?また、
それを防ぐための管理体制はどのようにつくられましたか?
デジタルツール導入後、最も恐ろしいのは「飽き」や「慣れ」による入力漏れ、そして形骸
化です。しかし、登壇された3社はそれぞれ異なるアプローチでこの課題を未然に防い
でいました。
群馬ミートの飯嶋様は、導入前の「練習期間」を徹底的に活用することで、本番運用での
つまづきを回避しました。
運用でつまづくことは、絶対にあるだろうという想定のもとで、事前
の『練習期間』を設けました。その期間中に『自分たちで決めた入力方法
だから、しっかり守ろうね』と指導しています。実際、練習期間の最初
加藤製油 株式会社
加藤様 の1週間は私が全部チェックして、なぜ漏れてしまったかを一緒に振
り返る機会を設けました。その結果、自分たちで決めたルールだから
こそ、守らなければならないという意識が芽生えてきました。
一方、加藤製油の加藤様とN食品のK様は、業務の「必須性」を構造的に組み込むことで、
記録の形骸化を防いでいます。
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うちは ISOに必要な書類をカミナシで作成できる体制を構築して
いるので、これを入力しないと ISO認証に響いてくるという意識が
従業員全員にあります。入力は『必要なもの』という認識なので、
加藤製油 株式会社
加藤様 頻度が落ちることはありません。むしろ、スケジュール機能のおかげ
で紙の頃よりも漏れがなくなりました。
食品工場なので、日々の記録は『絶対』です。1日たりとも飛ばすこと
は許されない。監査のたびに記録が必要になるため、役職者も含めて
N食品 『これは毎日やるもの』という意識が染み付いています。
K様
特に興味深かったのは、加藤様が触れた「現場の自発的な変化」です。
現場の人たちが『これ、いっぱい修理記録を入れておいたら、いろんな
データが蓄積できるね』と自分たちから言ってくるようになりました。
N食品
K様
単なる「義務」から「自分たちの資産」へと意識が変わった瞬間、管理体制がなくとも運用は
自走し始めます。
「自分たちで決めたルール」という内発的動機づけ(飯嶋様)と、「業務フローへの完全な
組み込み」という外発的動機づけ(加藤様・K 様)。この両輪が、継続的な運用の鍵と言え
そうです。
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導入後の現場からのフィードバックをどう集め、
Q2.
設定や運用に活かす取り組みにつなげましたか?
運用開始後、現場から上がる「使いにくい」「ここを変えてほしい」という声をどう拾い上げ
るか。3社とも、現場の意見を尊重しつつも、品質管理としての譲れないラインを守る
「バランス感覚」がポイントのようでした。
加藤様の場合は、導入前の「作り込み」が功を奏し、大きな修正は発生しなかったと言います。
現場に一番近い製造部長がひな形を作成し、事前に現場の業務内容を
十分に反映させていたため、導入後に大きな修正依頼はありませんで
した。現場を知り尽くした人間が作ることで、手戻りを最小限に抑え
加藤製油 株式会社
加藤様 られました。
飯嶋様は、現場の要望を受け入れる姿勢を見せつつ、プロフェッショナルとしての判断を
加えています。
本運用に切り替える際、『不具合や修正が必要になったら、すぐに
品管へ連絡してほしい』と周知メールを送っています。要望に対しては、
できるだけ現場の意見を採用するようにしました。なぜなら、そうし
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 ないと続かなくなってしまうからです。ただし、品管として『この
チェック項目だけは絶対に必要なんだ』という部分は、理由を説明して
譲りません。お互いの要望に応えるような折衷案で進めています。
K様は、改善活動を個人の要望レベルに留めず、組織的な会議体に組み込みました。
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運用における修正点については、週1回の生産本部ミーティングの議
題に上がるようになっています。『承認ルートが不便だ』とか『この
チェックを追加したほうがいい』といった意見が出れば、都度改訂を
N食品
K様 行っています。ただ、最近は運用が固まってきたので、議題に上がる
ことも少なくなりました。
また、K様は現場の「自立」も促しています。
基本的には現場の人たちのスキルアップが主眼なので、『おんぶに抱っ
こ』ではなく自分たちでやるんだよ、という姿勢を学んでもらっていま
す。もし不具合があれば、現場サイドで修正し、上長と品管に確認を
N食品
K様 とって進める形をとっています。
「言われたから直す」のではなく、「自分たちの道具だから自分たちで磨く」。3社のアプロー
チからは、デジタルツールを通じて現場の当事者意識(オーナーシップ)を育てようとする
意図が強く感じられました。
NEXT▶
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デジタルツールを
導入する企業や担当者の方に向けて
これからデジタルツール導入に挑む担当者様へ-。
導入前の「根回し」の重要性
導入を決定する前に、実際に使う部署のキーマンに納得してもらう
ことが絶対重要です。過去の失敗から、キーマンへの説明とトップの
加藤製油 株式会社
加藤様 コミット、この両輪が必要だと痛感しています。
ツール選びの前に「自社の課題」に向き合う
機能の詳細より、『自分たちが何を解決したいのか』をはっきりさせる
ことが大切です。現場の困りごとを一番知っている人が担当者になり、
群馬ミート 株式会社
飯嶋様 熱意を持って取り組めば、必ず良い結果につながります。
運用体制についての不安を払拭する
全員がすべてを理解する必要はありません。『わからなくなったら誰に
聞けばいいか』、その導線さえ作っておけば、組織全体で助け合って
N食品
K様 進んでいけます。まずは詳しい人を複数人作るところから始めて
みましょう。
機能やスペックにとらわれず、まずは
「人」と「現場」に向き合うこと。
3社の言葉は、DX成功への確かな指針となるでしょう。
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3社の対話から見えた
“ ITアレルギー”の処方箋
「ITアレルギー」は、決して治らない病気ではありません。3社の対話から見えてきたのは、
現場へのリスペクトを持ちつつ、したたかに外堀を埋め、最後は「慣れ」を信じて待つと
いう姿勢でした。 明日から使える具体的な対策をまとめます。
導
入 現場の心理的ハードルを 導
入 習慣化させる
前 下げる「準備」 後「仕組み」と「安心感」
❶ キーマンの「腹落ち」を最優先にする ❶ SOSの導線を作る
トップダウンで進める場合でも、 「わからなくなったら画面を触らず、
現場を指揮するリーダー(製造部長など)が すぐに担当者を呼ぶ」という
納得していなければ定着しない。 ルールを徹底し、パニックを防ぐ。
❷「 素直な若手」から小さく始める ❷「 紙のほうが面倒」な状況を作る
ITスキルよりも、新しい変化を あえて紙とデジタルを併用させ、
受け入れる「素直さ」を持つメンバーを デジタルの「楽さ」を現場に
選抜し、成功事例を作る。 実感させて自発的な移行を促す。
❶「 変化」を小さく見せる ❸ 業務フローに組み込む
いきなり複雑な業務ではなく、 ISO対応や監査、日報など
誰もが毎日行う「健康チェック」や 「入力しないと業務が完了しない」
単純作業から導入し、 環境を作り、強制力と習慣化を
「気付いたら使っていた」状態を作る。 両立させる。
デジタルツールは導入がゴールではなく、現場が「自分たちの武器」として使いこなしてこそ
意味があります。まずは「誰に聞けばいいか」という安心感を作るところから、第一歩を踏み
出してみてはいかがでしょうか。
今回ご登壇いただいた3社が、現場の「ITアレルギー」を乗り越え、DXを推進するために活用したのが、
カミナシ シリーズの製品です。 現場の使いやすさを追求し、ペーパーレス化から人材育成、設備保全まで NEXT
PAGE
現場変革をトータルで支援するサービスラインナップをご紹介します。
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現場の課題を
一気通貫で解決する
カミナシについて
カミナシは、「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」を
ミッションに、現場の働き方をITで変革する企業です。現場
DXプラットフォーム『カミナシ』シリーズを通じて、現場
の生産性向上を実現します。