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このカタログについて
ドキュメント名 | 役職別のKPIピラミッドから見る設備保全・設備管理の重要指標まとめ |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 4.1Mb |
取り扱い企業 | 株式会社カミナシ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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役職別のKPIピラミッドから⾒る
設備管理・設備保全
重要指標まとめ
製造現場における設備管理‧設備保全活動の成否は、
適切な指標(KPI)の設定と運⽤にかかっています。
本資料では、経営層から現場作業者まで、各階層で重
要となるKPIをピラミッド構造で整理します。
設備保全の実践的なガイドとしてご活⽤ください。
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はじめに
製造現場の競争⼒を⾼める上で、設備管理‧設備保全活動の重要性は増し
ています。その成否を左右するのが、具体的な⽬標値の設定と運⽤です。
しかし、多くの企業では部⾨や役職によって重視するKPIが異なり、それら
をバラバラに運⽤しているため、情報共有が難しく、⼯場全体の最適化が
進まないという課題を抱えています。
そこで本資料では、「KPIピラミッド(階層構造)」という考え⽅を⽤いて、
経営層から現場作業者まで、各階層のKPIを効果的に連携させる⽅法を解説
します。この階層的なアプローチにより、組織全体で⼀貫性のある設備管
理‧保全活動を実現し、⽣産性向上を加速させることができます。
KPIピラミッドは、トップ層、ミドル層、ボトム層の3つで構成していま
す。製造現場における設備保全は、これらの層で、適切なKPIの設定と運
⽤、連携によって、⾶躍的な改善を遂げることが可能です。
本資料で解説するKPIピラミッドの考え⽅を活⽤し、カミナシのツールを導
⼊することで、設備保全業務を効率化‧⾼度化し、企業の競争⼒強化に繋
げましょう。
設備管理‧保全に関する重要指標
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⽬次
はじめに 01
ピラミッド各層の具体的KPI 03
OTIF (On Time In Full) 05
ROI (Return On Investment) 06
OEE (Overall Equipment Effectiveness) 08
稼働率 09
保全コスト 10
不良率‧歩留まり 11
MTBF (Mean Time Between Failures) 13
MTTR (Mean Time To Repair) 14
チョコ停回数 15
点検実施率 16
カミナシが解決する設備保全の課題 18
おわりに 27
設備管理‧保全に関する重要指標
02
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ピラミッド各層の具体的KPI
対象 経営者、⽣産管理、⼯場⻑など
【トップ層】
戦略指標
主要KPI OEE、TEEP、OTIF、ROI
⽬的 全社や⼯場全体の⽣産効率や競争⼒、
収益性を俯瞰し⽅向性を⽰す
対象 部⾨⻑、プロジェクト責任者、
【ミドル層】 ライン管理者など
戦術指標
主要KPI 稼働率、ラインバランス率、
保全コスト
中期的・プロジェクトレベルでの
⽬的 ⽬標を管理し、戦術的な改善施策
を推進する
【ボトム層】 対象 保全担当、オペレーター、
作業リーダーなど
現場
オペレーション指標 主要KPI MTBF、MTTR、チョコ停回数、
点検実施率
現場レベルでの具体的な改善
⽬的 ⾏動の指針となり、設備
トラブルやロスを最⼩化する
設備管理‧保全に関する重要指標
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トップ層(戦略指標)
経営層が注⽬すべき設備管理‧設備保全のKPIは、全社的な⽣産性や収益性に
直結する指標です。
⼯場⻑や⽣産管理部⾨の責任者は、これらの指標を⽬標として設備投資の意思
決定や中⻑期的な改善計画の⽴案を⾏います。
トップ層の指標は、ミドル層の戦術指標と密接に連携しており、現場での具体
的な改善活動の⽅向性を定める役割も果たします。
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OTIF (On Time In Full)
OTIF(On Time In Full)とは、顧客が求めるタイミングで、必要な数量‧品
質をすべて満たした完全な状態の製品を納品できた割合を⽰す指標です。「納
期遵守率」と「完納率」の2つの要素を組み合わせたもので、真の顧客満⾜度
を測る上で重要な指標となります。
計算⽅法
完全な形の
OTIF 総注
納品数 ⽂数 100%
活⽤シーン
サプライチェーン全体の効率性と顧客満⾜度の測定
受注増やリードタイム短縮に伴うリスク管理
OTIFを構成する要素(納期遵守率、完納率)を分析し、プロセス改善
OTIFを共通指標として活⽤することで、部⾨横断的な協⼒体制を構築
OTIF向上のための施策例
需要予測の精度向上 物流プロセスの効率化
在庫管理の最適化 社内システムの連携強化
⽣産計画の柔軟性向上 顧客とのコミュニケーション強化
設備管理‧保全に関する重要指標
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ROI (Return On Investment)
ROI(Return On Investment:投資収益率)とは、投資によって得られる利益
と投資額の⽐率を表す指標です。設備更新やDX投資など、投資の意思決定に
⽤いられます。ROIが⾼いほど投資効率が良いことを⽰します。
計算⽅法
ROI 投資
利益 投資額 投資額 100%
活⽤シーン
投資がどれだけの利益を⽣み出すかを定量的に評価
複数の投資案を⽐較検討し、最も効果的な投資先を選択
設備更新や新規導⼊の費⽤対効果を検証し、投資の妥当性を判断
コスト削減効果や⽣産性向上効果を数値化し、投資対効果を検証
保全活動の効果をROIで評価することで、最適な保全戦略を策定
ROI向上のための施策例
売り上げ増加 コスト削減
効率化による利益向上 投資計画の⾒直し
DXの推進 投資に関連するリスクの特定と評価
設備管理‧保全に関する重要指標
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ミドル層(戦術指標)
ミドル層は、経営層が定めた戦略指標を達成するための戦術を⽴案‧実⾏する
役割を担います。現場の状況を把握しながら、経営⽬標との整合性を取りつ
つ、現実的で効果的な改善活動を進めることが求められます。
そのため、ミドル層が注⽬すべきKPIは、現場レベルの活動と経営レベルの⽬
標を繋ぐ役割を果たす戦術指標です。
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OEE (Overall Equipment Effectiveness)
OEE(Overall Equipment Effectiveness:総合設備効率)とは、設備が持つ本
来の能⼒を最⼤限に発揮できているかを⽰す指標です。稼働率、性能、品質
の3要素を掛け合わせて算出されます。
計算⽅法
OEE 稼働率 性能 品質
活⽤シーン
経営レベルの改善⽬標として利⽤
3要素(稼働率、性能、品質)を分析し、⽣産性低下の原因を特定
⽣産低下のボトルネックの改善策を⽴案
設備更新や新規導⼊の費⽤対効果を検証し、投資の妥当性を判断
個々の設備のOEEを監視し、異常の早期発⾒や予防保全に繋げる
OEE向上のための施策例
予防保全の実施 必要な部品の在庫管理
部品の劣化状況の把握 段取り作業の標準化
保全担当者のスキル向上 SMEDの活⽤ ※
※ SMED(Single Minute Exchange of Die)とは
プロセスにおける段取り替えや変更を10分未満で短縮する⽣産改善⼿法
設備管理‧保全に関する重要指標
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稼働率
稼働率とは、設備や機械などが計画された時間の中で実際に稼働した時間の
割合を⽰す指標です。稼働率の低下は、⽣産性の低下、納期遅延、コスト増
加に直結するため、常に監視し、改善に努める必要があります。
計算⽅法
計画 計画
稼働率 停⽌
稼働 時間 稼働 100%
時間 時間
活⽤シーン
⼯程別‧設備別の稼働率を⽐較し、ボトルネック⼯程を特定
投資対効果のシミュレーションの基礎データとして活⽤
稼働率の推移を分析し、計画的なメンテナンスを実施
稼働率の予測に基づいて必要な⼈員数を算出し、⼈員配置を実施
:稼働率を考慮した現実的な⽣産計画を⽴案し、顧客満⾜度を向上
稼働率向上のための施策例
予防保全や予知保全の導⼊ 設備の定期点検の実施
段取り替え時間を短縮する 最適な運転条件の設定
品質管理の徹底 作業⼿順の標準化
設備管理‧保全に関する重要指標
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保全コスト
保全コストとは、保全活動全体にかかる費⽤の総額です。設備の維持管理、
修理、点検、予防保全、改良⼯事など、設備の性能と機能を維持するために
必要なすべてのコストが含まれます。直接費と間接費で構成されます。
計算⽅法
保全
コスト 直接費 間接費
※ 直接費 = ⼈件費 + 部品費 + 修理費 + 契約費⽤ + その他
※ 間接費 = ダウンタイムによる損失 + 品質低下による損失 + その他
活⽤シーン
保全戦略の効果をコスト⾯から評価し、最適な保全戦略を策定
ライフサイクルコストを考慮した投資判断を⾏う
予算と実績を⽐較し、コスト管理の効率化を図る
保全コストの内訳を分析し、コスト削減策の検討を⾏う
保全コスト削減のための施策例
点検作業の効率化 過去の故障履歴を分析
部品交換の最適化 適切な⼈員配置とスキルアップ
エネルギー効率の改善 データに基づいた保全計画
設備管理‧保全に関する重要指標
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不良率‧歩留まり
不良率‧歩留まりとは、製品の品質を定量化した指標です。不良品が発⽣し
た割合のことを指します。歩留まりは、投⼊量に対する良品数の割合です。
不良率を下げる、つまり歩留まりを向上させることは、資源の有効活⽤、コ
スト削減、顧客満⾜度向上に繋がります。
計算⽅法
不良率 不良 総⽣
品数 産数 100%
歩留
まり 良品数 総⽣
産数 100%
活⽤シーン
製造⼯程における品質問題の発⾒と改善に使⽤
不良率の⾼い⼯程を特定して改善策を講じ、全体的な品質を向上
不良品発⽣による損失を削減し、⽣産コストを最適化
部⾨⽬標や⼯場全体の品質⽬標を設定する際に活⽤
不良率・歩留まりのための施策例
予防保全の徹底 保全担当者のスキルアップ
適切な部品管理 外注費⽤の最適化
修理時間の短縮 設備のライフサイクルマネジメント
設備管理‧保全に関する重要指標
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ボトム層(現場‧オペレーション指標)
ボトム層は、⽇々の設備の運⽤や保全作業に直接関わる層であり、現場で発⽣
する問題に迅速に対応することが求められます。
そのため、ボトム層が注⽬すべきKPIは、現場レベルの活動に直結するオペレ
ーション指標です。これらの指標は、設備の異常や故障の兆候を早期に捉え、
適切な対応策を講じることで、設備トラブルによるダウンタイムや⽣産ロスを
最⼩限に抑えるために活⽤されます。
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MTBF (Mean Time Between Failures)
MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)とは、ある機器やシス
テムが故障してから次に故障するまでの平均時間のことです。システムの信頼
性を測る指標として使われ、MTBFが⻑いほど信頼性が⾼いことを⽰します。
計算⽅法
稼働
MTBF 時間 故障
合計 回数
活⽤シーン
MTBFを把握し、予防保全の最適なタイミングを決定
異なる設備のMTBFを⽐較し、それぞれの設備の信頼性を評価
MTBFデータに基づいて、効率的な保全計画を策定
新規設備導⼊の際に、MTBFを考慮し、信頼性の⾼い設備を選択
MTBFの変化を測定し、改善活動の効果を定量的に評価
MTBF向上のための施策例
予防保全の徹底 オペレーター教育の強化
運転条件の最適化 設備異常への早期発⾒‧早期対応
環境要因の改善 設計‧製造段階での改善
設備管理‧保全に関する重要指標
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MTTR (Mean Time To Repair)
MTTR(Mean Time To Repair:平均修理時間)とは、故障が発⽣してから復
旧までに要する平均時間のことです。システムの保守性や信頼性を評価する
重要な指標の⼀つです。MTTRが短いほど、復旧が迅速に⾏われ、システム停
⽌による損失が最⼩限に抑えられます。
計算⽅法
故障
MTTR 時間の 故障
合計 回数
活⽤シーン
システムの保守性や修理プロセスの効率性を評価する指標
MTTRを分析し、システムの弱点や改善点を特定
サービスの復旧時間を保証するために、MTTRを⽬標値として設定
予防保全の効果を測定する指標としてMTTRを使⽤
システム停⽌による損失の測定の指標
MTTR短縮のための施策例
予備部品の在庫管理最適化 専⾨業者との連携強化
修理⼿順の標準化と明確化 遠隔診断‧修理⽀援システムの導⼊
保全担当者のスキルアップ 故障予知‧予防保全の強化
設備管理‧保全に関する重要指標
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チョコ停回数
チョコ停回数とは、⽇本語では平均修理時間と⾔います。故障が発⽣してか
ら復旧までに要する平均時間のことです。システムの保守性や信頼性を評価
する重要な指標の⼀つです。MTTRが短いほど、復旧が迅速に⾏われ、システ
ム停⽌による損失が最⼩限に抑えられます。
計算⽅法
チョコ ⼀定期間(1⽇、1週間、1ヶ⽉など)
におけるチョコ停の発⽣回数を
停回数 単純にカウント
活⽤シーン
チョコ停回数をモニタリングし、全体の発⽣状況や傾向を把握
発⽣回数と1回あたりの平均停⽌時間から、全体の⽣産ロスを算出
⼯程ごとにチョコ停をカウントし、ボトルネック⼯程を特定
改善活動前後のチョコ停回数を⽐較し、効果を定量的に評価
チョコ停の原因特定(原因分析)に活⽤
チョコ停回数低減のための施策例
センサーの感度調整‧交換 制御プログラムの最適化
作業⼿順の標準化‧教育 設備の定期点検‧メンテナンス
交換部品の在庫管理 故障予知‧予防保全の強化
設備管理‧保全に関する重要指標
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点検実施率
点検実施率とは、計画された点検や部品交換が、スケジュール通りに実施さ
れている割合を⽰す指標です。点検漏れや遅延は、設備故障のリスクを⾼め
るだけでなく、安全性にも影響を及ぼす可能性があります。点検実施率を⾼
く維持することで、設備の安定稼働と安全性を確保し、計画保全の効果を最
⼤化することが重要です。
計算⽅法
点検 実施 計画
点検 点検交
実施率 100%
交換数 換数
活⽤シーン
計画に対する進捗状況を確認し、保全活動の進捗管理に活⽤
予防保全の有効性評価基準として活⽤
保全担当者のパフォーマンス評価基準として活⽤
点検実施率が低い原因を分析し、保全業務の問題点を特定‧改善
点検実施率と保全コストを⽐較し、予算配分やコスト削減策を検討
点検実施率向上のための施策例
点検作業のデジタル化 点検⼿順の標準化
担当者への⾃動リマインド 点検担当者の教育訓練
点検データの分析 適切な点検頻度の設定
設備管理‧保全に関する重要指標
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カミナシが解決する設備保全の課題
製造現場における設備保全は、企業の収益性と事業継続性に直結する重要な業
務です。
しかし、多くの企業では、属⼈化やアナログな管理に起因する様々な課題を抱
えています。カミナシは、これらの課題を解決し、設備保全業務を効率化‧⾼
度化するためのプラットフォームです。
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カミナシが解決する設備保全の課題
課題
担当者の異動や退職に伴い設備保全のノウハウが失われてしまう
紙ベースの点検記録や設備情報管理は、検索性や分析性が低い
設備の不具合情報や点検結果がリアルタイムに共有されない
設備の状態把握が不⼗分で、適切な予防保全が実施できない
法令で義務付けられている点検記録の保存や管理が適切に⾏われない
担当者以外が業務内容を把握しにくく、業務がブラックボックス化
カミナシの活⽤で解決
点検⼿順や設備情報をデジタル化しノウハウの蓄積と標準化を実現
設備情報をデジタル化することで、検索性や分析性が向上
写真や動画、⾳声⼊⼒にも対応し、現場作業の負担を軽減
情報をリアルタイムに共有し、ダウンタイムの短縮に貢献
蓄積された点検データや設備稼働データを分析し、予防保全を実施
データに基づいた保全計画を⽴案し、無駄なコストを削減
デジタルデータで点検記録を保存‧管理し、法規制対応を強化
保全業務の進捗状況や実績を可視化し、保全業務を⾒える化
サービス 導⼊ プロセス
継続率 業界数 製造業
98 シ
ェ
% 30突
破 ア1位
設備管理‧保全に関する重要指標
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現場DXプラットフォーム「カミナシ」について
カミナシは現場で働いた経験から誕⽣しました。
創業者⾃⾝が実際に⾷品⼯場、清掃業、航空産業の現場で働き「紙」であ
るが故に起こる⾮効率な業務課題を実際に体験してきました。「退屈で憂鬱
な仕事はカミナシに任せて、⼈が本来やるべき仕事に集中できる世界」
我々はこれを実現してまいります。
創業者の 実際に使わ
諸岡 れていた紙
の帳票
設備管理‧保全に関する重要指標
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