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インタビュー「以前よりも2~3倍は効率的に作業をしています」FES社

事例紹介

バーチャル・テスト・ドライビングでESCの仮想的な検証をお手伝いするソリューション

AUDI AG社との合弁会社であるElektronische Fahrwerksysteme GmbH社(EFS)は、ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール:横滑り防止装置)システムを仮想的に検証し、より効率的な開発プロセスを可能にするソリューションを模索していました。Christoph Kossira氏とPaul Spannaus教授に、オープンインテグレーションを基にしてテストプラットフォームCarMakerを利用することで実現が可能になった新しいツールチェーンへの切り替えを成功させた事例について話を聞きました。

このカタログについて

ドキュメント名 インタビュー「以前よりも2~3倍は効率的に作業をしています」FES社
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 284.2Kb
取り扱い企業 IPG Automotive株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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“以前よりも2~3倍は効率的に作業しています” 近年、車両システムのネットワーク化はますます広範囲に及んでおり、その傾向は当分変わりそうにありません。 AUDI AG社との合弁会社であるElektronische Fahrwerksysteme GmbH社(EFS)は、ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コ ントロール:横滑り防止装置)システムを仮想的に検証し、より効率的な開発プロセスを可能にするソリューションを模索していま した。Christoph Kossira氏とPaul Spannaus教授に、オープンインテグレーションを基にしてテストプラットフォームCarMakerを 利用することで実現が可能になった新しいツールチェーンへの切り替えを成功させた事例について話を聞きました。 1 | Interview Interview
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2016年のApply & Innovateでは、シミュレー グを前のツールから新しいツールに移行して、 両の現状の情報交換に関しては特にです。 ションソリューションのベンチマークに関するプレ ツールの利用性を検証しました。基準の分析 ゼンテーションを行われましたよね。もう一度そ と再定義の作業を完全に過小評価していま Spannaus氏: 私たちの将来的な目標は、 れを簡単に説明していただけませんか? した。 インゴルシュタットにあるtier1も我々のトータル ソリューションにアクセスできるような、外部でも Kossira氏: 3年前にアウディ社からESCシス Spannaus氏: しかし、自動化されたプロセ 使用可能なソリューションを使うことです。特定 テムのバーチャル検証を委託されたため、プレ スで事前に古いツールからできるだけ多くのも のサプライヤに、利用可能なテストの全体を実 ゼンテーションでは新しいツールチェーンの構築 のを移すことにより、この状況を改善することが 行する許可を与えるのか、あるいは特定のテ について発表しました。当時存在していたツー できました。 ストのみを実行する許可を与えるのか、もちろ ルチェーンは古かったので、今回のプロジェクト ん、機密を守ってもらう条件での話になります のためには何らかの変更が必要でした。 プレゼンテーションでは、ESC機能を検証する が、定義をする必要があります。 ためのマヌーバカタログの実装について報告さ Spannaus氏: テスト範囲の例を含むサンプ れていましたよね。それはしばらく前のことです それはむしろあなたが開発している試験場の ルプロジェクトを使用して自分たちの思い通り が- それ以来どんなことがありましたか? 一種のように聞こえますが、そうですか? のテスト環境を開発し、その後、ツールを活用 してこれらの多様なシミュレーションの環境でテ Kossira氏: 現在は、特殊な機能を備えた Spannaus氏: ツールチェーンの利用がどの ストを実行するという考え方でした。 電動パワートレイン用のシステムなど、異なる ように発展するかを見ていきたいと考えていま 動作をする新しいESCシステムにも取り組ん す。しかし、テスト対象のすべてのシステムが既 キックオフ以降はどのようにプロジェクトを進めら でいます。 に織り込まれている車両へのアクセスを望む、 れたのですか? サプライヤからの要求、というものは存在しま 現在、減衰制御システムなどの機能をテスト す。 Kossira氏: 最初の評価の後、テスト自動 できる電動シャーシプラットフォーム環境の構 化機能を備えたプロフェッショナルなソフトウェア 築を進めています。 このようなバーチャル車両を作成するパラメータ ソリューションが必要であることは明らかになり 化のプロセスとはどのようなものですか? ました。その結果、AUDIグループ内で利用し Spannaus氏: さらに、第2または第3の制御 ていた既存のツールを考慮した新しいツールチ ユニットを統合することを可能にする、接続統 Spannaus氏: 2つの方法を活用していま ェーンが作成され、それぞれのインターフェイス 合機能についても進めています。 す。1つ目の方法は、開発の初期段階で入に適応することが可能となりました。 手可能なすべての情報を利用して、完全にバ ーチャルで車両をモデル化することです。その 我々は多様な評価基準に基づいて つのツー 個々のテストからバーチャル承認まで色々とあ3 ルベンダを比較しました: ツールはどのくらい速 りますが、バーチャル・テスト・ドライビングを使う 基礎として車両のマルチボディシミュレーション いのか?使用方法はどのくらい簡単に学べるの ことでどこまで達成することができましたか? が役立ち、今では高品質なバーチャルモデル が利用可能となっています。 か?どの程度安定しているのか?サポート体制 はどの程度良いのか? Kossira氏: 私たちは、もはや実車で行われ 2つ目のアプローチには、実車両からもより多なくなった工程を担当しています。我々の明 くのデータを使います。ここでは、タイヤ、ダンパ 貴社にとって重要顧客のアウディ社は、仕様 確な目標は、以前は実世界の道路テストをし 要素、エンジンマウントなどの個々のコンポー や既存のツールを考慮する際にどの程度の寄 ていたマヌーバをより多くバーチャル・テスト・ドラ ネントの専門知識とさまざまな部署からのデー 与をされましたか? イビングで実行することです。 タを利用します。全体的なパラメータ化のため これには、バーチャル・テストによる承認の申請 にこれらの情報を収集し、バーチャルプロトタ Kossira氏: もちろん、OEMからはある程度 書類の作成も含まれます。ここで重要な点が イプを作成します。最後に、仮想車両は実世 の詳細について同意をもらう必要があります あるのですが、停止およびブレーキ制御の分 界の車両と完全に対応している必要がありま し”これが現在計画しているものです“と報告も 野では、実際の道路テストでは車両の応答を す。 しなくてはなりません。HILシステムや測定方 20ミリ秒まで正確に制御できないため、仮想 法など、既存のソリューションを使用するよう指 世界でのみ実現可能なテストがあります。 ADASの領域においては、それをどのように評 定されたものもあります。その利点は、与えら 価するのですか?この領域で検証がなされたバ れたまま、特定の必要条件はそのままを受け Spannaus氏: いずれにせよ、バーチャル・テ ーチャルプロトタイプは絶対に必要ですか? ればよい点です。欠点は、すべてを満たす即 ストは再現性のあるすべてのシナリオをテストで 利用可能なソリューションはないことです。しか きる唯一の方法であるため、検証用のバーチ Kossira氏: 何をしたいかによります。標準的 し、OEMが我々に多くの自由裁量を与えてく ャル・テストは必要です。当然のことながら、多 なACCのためには絶対に必要というわけでは れたので、最新のツールチェーンを開発すること くのことがいまだに実際のテストドライバーで行 ありません。しかし、緊急ブレーキや衝突回避 が可能になりました。 われています。ただ、彼らは、各テストで全く同 などの機能に関しては、ビークル・ダイナミクスを じように運転マヌーバを実行するために必要な 適切にモデル化する必要があります。これは、 このプロジェクト、特にサンプルテストにはどのく スキルを持っている必要があります。 開発者にターンキーモデル、つまり必要な詳細 らいの時間を計画しましたか? 度を持つバーチャルプロトタイプを提供すること OEMとサプライヤのコラボレーションをどのように でもあります。モデルをやりたいことに合わせら Kossira氏: ツールチェーンの開発全体に対 考えていますか? れる必要があります。 しては2人で1年以上の評価フェーズがありまし たが、かなり苦労しました。さらに、テストカタロ Kossira氏: 必ずしも簡単とはいえません。車 ESCの分野で沢山の経験を積まれたと思うの Interview | 2
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ですが、今後はどのような分野での利用性が の未解決の問題があります。フォーカスすべき ツールチェーン変更のプロセス中、何か特定の あると思いますか? 重要な問題は何だと思いますか? 課題に直面されましたか? Spannaus氏: トレーラの安定化については Kossira氏: 自動運転の分野は非常に広 Spannaus氏: プロセス全体を自動化する 素晴らしいシミュレーションの題材になるのが 分かっています。ロールオーバのマヌーバをテス 範囲にわたります。この分野全体を検証でき ことで発生するエラー処理は、最大の課題で トすることも容易に想像できます。 る人が勝者になると思います。しかし、現時点 した。最終的には、CarMakerをスタンドアロ では、誰も完全に検証することはできていませ ンで使用することはほとんどなかったので、他の プロジェクトというのは顧客と契約を結ぶことか ん。 ツールとのやり取りに関する多様な調整をする ら発生するのですか?それとも自分自身で始 必要が生じました。 められることもあるのですか? 誰もが無限にある多種多様な事象の存在に Spannaus氏: バーチャルの耐久性テスト ついては知っています。しかし、重要な事象を 御社のお客様であるアウディ社は、シミュレー は、自分で始めたプロジェクトの一例です。ス 定義するのは誰なのでしょうか?何があったとし ション全体をどのように見ていますか? ウェーデンでは、気象条件に関係なくこのよう ても、重要であるかないかの区分けする作業 なテストを8月に実行できるように、ルートと摩 から人が手作業でするということを切り離すこ Kossira氏: アウディ社は、当然のことなが 擦データを記録しました。我々の共通目標 とが必要で、それは自動化によってますます必 ら、サプライヤがもはやプロトタイプ品質の制御 は、アウディ社のための戦略的に重要なプロジ ユニットを何千個も提供できなくなったことを問 ェクトに対応することですが、さらにこのようなプ 要になります。このような運転機能を検証する 能力は、我々自動運転に関わるもの全員に 題視して対処しようとしていました。実際のプロジェクトも同様に目標です。だからこそ、何 度でも自分たちを再構築するつもりなのです。 とって本当に大きなチャレンジとなります。 ロトタイプを利用した検証にはコストも時間も 非常にかかり、システムの限界に達してしまい 競合他社との関係についてはどうですか? この課題は、どのように発展し続けると思いま ます。これは広く認識されつつあり、シミュレー すか? ションソリューション利用の増加に繋がっていま Kossira氏: 弊社の理念として、最初のステ す。 ップは他社よりも良くすることであり、第二の Kossira氏: それは毎日ますます重要な役 ステップはより良くするということがあります。当 割を果たしています。多様な調査により、特 ということは、シミュレーションがますます認めら然のことながら、これは他社には何ができるの か、現在何をしているのかを知ることが必要で 定の要件が生じるため、フォーカスが狭まって れてきているとお考えですか? す。もちろん、これらを正確に知ることは不可 きます。一律な完全自動運転は、ただちに実 能ですが、業界紙のような発行物やApply& 現可能になるわけではありません。3車線から Kossira氏: 認知度は益々上がっています。 Innovateのようなイベントは、他社の立ち位 5車線に突然なるヨーロッパの道路を想像して 追加で言わせてもらうと、シミュレーションが以 置とどこに難しさを感じているかを探るのに役 みてください。他の国の道路交通は全く異なる 前と比べると良くなりました。専門家でなくては立ちます。直接人と話しをする機会はいつも 方法で管理されているでしょう。例えばアジア 利用が出来ない、ということはなくなりました。有益だと思っています。 地域の発展スピードを考えると、自律走行車 素人でさえ、けっこう速く使い方を学習するこ それでは、次回のApply&Innovateのイベント とができます。出てくる結果は理解可能で、良専用の車線が建設されるかもしれないと想像 でまたお会いできますか? いもので、比較が可能です。できたりもします。 Spannaus氏: もちろんです。参加者は皆、 振り返ってみると、今回のプロジェクトは完全に 同じ課題に取り組んでいることが分かり、弊社 このような広範なプロジェクト中、IPGのカスタ 成功したと言えますか? の考え方が一新されました。 マーサポートからどの程度のサポートを受けまし たか? Spannaus氏: はい。よく考えてみると、同じ ということは、今、メソッド、ツール、専門的なノ ウハウのプロバイダとして御社自身を見ていると 人数で作業をしているのにもかかわらず、以前Kossira氏: 当然のことながら、質問が発生 いうことですか? よりも2~3倍は効率的になっています。した場合、最初は社内での問い合わせをしま Kossira氏: 本質的に弊社を説明している すが、IPG Automotiveのカスタマーサポート Kossira氏: 同意します。社内の皆の考え方 のは、いつも「解決策を見つける」と言うことで にも問い合わせます。たいていは返事がすぐに の浸透についても上手くいきました。皆が先を す。例えば、他のサプライヤとの検証ワークシ 来ましたが、CarMakerのよりディープな機能 見据えることを目標としています。弊社は、こ ョップをしたとき、最初は多くの懐疑的事項が を使いこなしていくことにより、明らかに質問も れまで以上に新しい技術を活用しようとしてい あったにもかかわらず、モデル品質に自信を持 より複雑になり、回答に時間がかかることがあ つことに成功しました。そして、その自信のおか ます。振り返ってみると、今は去年よりずっと多 げで、次のステップへ進む準備が万端になりま りました。しかし、サポートに問い合わせた際の くの能力を持っていると断言できます。 す。 一番最初の回答が1日以上かかるようになる と、自分たちが到達したレベルについて自慢に 今回は、率直でわくわくするインタビューの機 特に自動運転の分野では、まだ比較的多く 思っていました。 会をいただき、ありがとうございました。 3 | Interview Interview