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動的粘弾性測定装置 DMA/SDTA 1+

製品カタログ

材料の機械的特性と粘弾性特性の測定を0.001~1000Hzの幅広い周波数で実現!

DMAは、熱可逆性物質、熱硬化性樹脂、エラストマー、セラミック、金属などの材料の機械的/粘弾性特性を測定するために使用される重要な技術であり、サンプルはさまざまな変形モード(曲げ、引っ張り、せん断、圧縮)の1つで周期的な応力を受けます。
時間または温度の関数として弾性率が測定され、相転移の情報が提供されます。

DMA技術は、最大限の精度が要求され、材料を広範な剛性または周波数にわたって特性評価する必要がある場合に最適なソリューションです。
また、DMA技術は非常に汎用性が高いので、DMAは溶媒中であっても特定の相対湿度レベルでも特性評価できます。

DMA/SDTA 1+によって可能な特性評価:
• 粘弾性挙動
• 緩和挙動
• ガラス転移
• 機械的係数
• 減衰挙動
• 軟化
• 粘性材料の流れ
• 晶析と融解
• ゲル化
• 相転移
• 混合の組成
• 硬化反応と重合反応
• 材料欠陥
• 充填剤による影響

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このカタログについて

ドキュメント名 動的粘弾性測定装置 DMA/SDTA 1+
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 1.8Mb
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取り扱い企業 メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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DMA/SDTA 1+ STAReシステム 革新的な技術 多目的対応モジュールシステム スイスの高品質 動的粘弾性測定 新しい基準の設定 Thermal Analysis Excellence
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高精度の測定技術 最高の性能を実現 動的粘弾性測定(DMA)は、周期的振動応力を受ける材料の機械的/粘弾 性特性を、温度、時間、周波数の関数として測定するために使用されます。 メトラー・トレドのDMA/SDTA 1+の機能と利点は次のとおり です。 • 変位と力の両方を独特な方法で測定することにより、弾性 率を非常に正確に求めることができます。 • 1mN~40Nと力の範囲が広いため、非常に柔らかいサン プルから非常に硬いサンプルまで測定が可能です。 • 0.001~1000Hzという広い周波数範囲なので、実際の条 件下、またはより高い周波数でより高速に測定を実行でき ます。 • DMA実験ウィザードが最良の結果を得るための完璧な実 験を設定します。 • 特 許取得済みのSDTA技術により、サンプルの温度を校正 し、熱的事象を正確に測定します。 • 非常に広い剛性範囲は、1度の実行でサンプルをガラス状 態から液体状態まで測定できることを意味します。 • 人間工学的な設計とタッチスクリーンコントロールが、迅速 な設定と実験の最適化を保証します。 2 DMA/SDTA 1+
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革新的な技術により、DMA/SDTA 1+はかつてない性能を発揮し、外部サ ンプルクランプの時間を節約します。 3
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比類ない測定結果 革新的なソリューション DMA/SDTA 1+の測定原理は、変位と力の両方を測定するので、高い精度 を保証します。 これにより、とても正確な弾性率値が得られます。この機器は 現実の条件に適合するように、高い周波数で材料の挙動を測定する設計に なっています。これは使用される測定周波数(最大1000Hz)をはるかに上回 る、約1500Hzの固有共振周波数をもたらす非常に頑丈なスタンドによって 可能となります。 圧電性結晶を使った力の測定 さらに高精度の変位測定 0.001~1000Hzの広い 周波数範囲 力は圧電性結晶により直接測 耐熱性の特殊なLVDTにより、ナ 周波数範囲は、DMA機器で初め 定され、従来のDMA機器のよう ノメートルの分解能で、幅広い て、kHzの領域まで拡張されま に力-電流グラフを使って設定 測定範囲にわたって測定を実 した。せん断モードでは60倍が されません。測定される力は、 施できます。サンプルの変形の 利用可能です。1Hzを越える領 実際にサンプルに加えられる みが測定されるように、LVDTは 域では、測定時間を最小限に抑 力です。摩擦損失、膜力、慣性に サンプルの近くに配置します。こ えられるため、特に興味深いで 対する補償はもう必要ありませ れによりスタンドの変形による す。 ん。 影響が排除され、位相シフトの 測定の精度が向上します。変位 測定の再現性は、LVDTセンサの 温度を測定し、偏差を補正する ことによって向上します。 4 DMA/SDTA 1+
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剛性範囲は力と変位の範囲によって得られます。 DMA/SDTA 1+を使用 すると、60倍以上が可能です。 これは、1度の実験で、サンプル形態や変 形モードを変更することなく、ガラス状態から粘弾性状態までサンプル を測定できるようになったことを意味します。 5
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シンプルな操作 賢いサンプルホルダ設計 サンプル調製とサンプルのクランプは正確なDMA測定のために重要なス テップです。サンプルがとても小さく薄いことが多いせん断と引っ張りの場合 は、特に重要です。したがって、サンプルホルダシステムがもたらすメリットは 大きなものです。 簡素化されたサンプルホルダ タッチクスリーンターミナル – 自動切り替えモード システム 変位と力の校正 メトラー・トレドのサンプルホ DMA/SDTA 1+のタッチセンサ 力の測定でも、従来のDMAでは ルダシステムは、貴重な機器操 式のカラーターミナルは、正確 不可能だった方法で操作でき 作時間を節約するために役立 な情報をくっきり表示し、離れ ます。 この機器では、力または つ、まったく新しい設計です。調 た場所からでも読み取りやすい 変位の制御下で操作することが 製したサンプルは、サンプルホ です。 でき、インテリジェントな自動ス ルダに外側から装着します。こ • すべての力と長さの校正 イッチモードも利用可能です。 れは機器にすばやく取り付ける ルーチンは、ターミナルから ことができます。このコンセプト 制御します。これにより、これ では、1つの変形モードから別 らの操作が簡単かつ確実に のモードに、調整を実行するこ 実行されます。 となく変更できます。たとえば、 • 4軸アライメント調整もター 引っ張りモードの測定が進行し ミナルを介して行われ、結果 ている間に、曲げ実験の準備が の値はSTAReソフトウェアに できます。 転送されます。.これにより転 送エラーの可能性が排除さ れます。 6 DMA/SDTA 1+
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シンプルな操作 賢いサンプルホルダ設計 熱電素子をサンプルの近くに配置して、熱事象を測定することができます。 7
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校正と調整 最高の精度を実現 校正は、測定機器の性能を決定します。 標準のDMA/SDTA 1+校正/調 整手順により、ユーザーはコンプライアンスを達成し、不正確な測定がも たらす潜在的なコストを回避することができます。 個々の量(力、長さ、温 度)の校正について説明された、標準運用手順が用意されています。 参照基準を使った調整 サンプルの温度測定と DMA実験ウィザード 校正/調整 • 力、変位、温度の調整は規定 温度の校正 /調整は特に重要 専門知識が組み込まれたDMA の参照基準に基づいて行わ です。サンプルの近くに追加の 実験ウィザードは、正確な結果 れます。 温度センサを置きます。このセ を達成するために必要な、最適 • 力は認証済みバネを使って、 ンサは、SDTA(シングルDTA)に なサンプル寸法をユーザーが 変位はゲージブロックを使っ よって熱的事象を同時に測定す 設定できるように設計されてい て調整されます。 ることも可能にします。 ます。このソフトウェアでは、理 • サンプルの近くで行われる 想的な力と変位の振幅を決定 温度測定は、純粋な物質の することもできます。 融点を使用して校正できま す。 8 Options and Accessories
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適切なアクセサリ クランプ組立部品やサンプルホルダの装着、校正の実施の ために、校正(温度および機械的)に必要なすべての材料 が入ったアクセサリボックスを用意しています。オプション で、サンプルの取り付け用アクセサリもあります。これによ り、正確な測定結果を迅速に得ることができます。 小型クランプ組立部品 変形モード クランプ 寸法 引っ張り 小型引っ張りクランプ9mm 長さ:9mm 小型せん断クランプ せん断 直径小型せん断クランプ(液体用) :≤14mm 厚さ:≤6.5mm 小型せん断クランプ(表面構造なし) 大型クランプ組立部品 変形モード クランプ 寸法 曲げクランプ(3点曲げ用) 自由長:30~90mm、最大長:100mm 曲げ シングルカンチレバー曲げクランプ 自由長:10~40mm、最大長:100mm デュアルカンチレバー曲げクランプ 自由長:20~80mm、最大長:100mm 引っ張りクランプ5.5mm 長さ:5.5mm 引っ張り 引っ張りクランプ10.5mm 長さ:10.5mm 引っ張りクランプ19.5mm 長さ:19.5mm 圧縮 大型圧縮クランプ 直径:≤14mm、厚さ:≤6.5mm 9
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サンプルホルダ シンプル、独創的、時間節約 3点曲げ シングルカンチレバー曲げ デュアルカンチレバー曲げ この曲げモードは、特にガラス この曲げモードは、測定中に縦 デュアルカンチレバーは、強いプ 転移温度以下の、複合材料や熱 方向に伸縮するサンプルに適 レテンション下では曲がり過ぎ 硬化性樹脂など、非常に硬いサ しています。 これは主に熱可 てしまうサンプルに最適なモー ンプルの測定に最適です。 塑性サンプルに適用されます。 ドです。このようなサンプルは、 通常、熱可塑性物質または熱硬 化性樹脂です。 3点曲げモードでは、サンプルの シングルカンチレバーモード デュアルカンチレバーモードで 両端を2つのナイフエッジに置 は、デュアルカンチレバーモー は、サンプルの両端が固定さ き、ナイフエッジの動きによって ドに似ていますが、サンプルの れ、中央部分が振動力を提供す サンプルの中央に振動力が加え 一方の端だけが固定され、もう る可動部にクランプされます。 られます。 一方は接続されるところが異な ります。 10 Options and Accessories
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引っ張り 圧縮 せん断 引っ張りは、フィルム、繊維、薄い このタイプの測定は弾性率の絶 せん断モードの大きな利点は、 バーやロッドに最も適したモー 対値を求めるためにはあまり適 粘性サンプルから非常に硬いサ ドです。これのメリットは、サン していません。しかしながら、エ ンプルまで測定できることです。 プルのクランプが変形にほとん ラストマー、ペースト、フォーム したがってこのモードはエラス ど影響を与えないことです。 などの柔らかい材料と比較する トマー、熱可塑性物質、熱硬化 ことで貴重な相対情報を得るこ 性樹脂に最適です。 とができます。 引っ張りモードでは、サンプル 圧縮モードでは、サンプルは せん断モードでは、2つの同一 の一方の端が固定され、もう一 固定部と振動力を提供する可 のサンプルが、外側の2つの固 方は振動力を受けます。振動 動部の間にクランプされます。 定部と中央の可動部の間に対 運動中にサンプルが座屈する サンプルは静的に圧縮され、交 称的にクランプされます。せん のを防ぐため、サンプルにプレ 互に負荷が加えられます。 断クランプが、均質な温度分布 ストレスをかける必要がありま を保証します。 す。 11
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DMA理論 力、変位、位相角 生データ、すなわち、測定された力および変位、FaとLa、および位相シフトδから 異なる係数を計算することができます。 • 複素弾性係数M*、曲げ、引っ • 損失弾性率M(" 不可逆で、熱 性の材料は90°の位相シフト 張り、圧縮、弾性係数E*、せん に変換されたエネルギーに比 を示します。粘弾性材料の損 断変形のせん断係数G*。 例します)。 失係数は0と無限大の間です • 貯蔵弾性率M(' 可逆で、弾性 • 損失係数tanδ(タンデルタ)。 (δ = 90°)。 的に貯蔵されたエネルギーに 完全に弾性的な材料は位相 比例します)。 シフトδを示さず、純粋に粘 ク大Foラきrcフさe トin N 力(単位: N) 1.4 変位(単位: μm) 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 ∆ 0.2 0 – 0.2 – 0.4 – 0.6 – 0.8 –1.0 Time時 in間 s 1Hzの周波数fにおける力と変位。 –1.2 時間シフト∆は位相シフトδをもたらす: 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 δ = 2πf∆。 Force in N Displacement in µm tanδの値はM"とM'の比率に対 ここでgは、サンプルの寸法から は、サンプルの形状の変化の影 応します。弾性率は、測定された 計算された形状係数です。Sはサ 響を受ける可能性があります。 剛性から以下の式に従って算出 ンプルの剛性です(実際の測定 されます。 量)。このようにサンプルの剛性 M' = |M*| cos δ M" = |M*| sin δ F F |M*| = S * g = aLa g S = a La tanδ = M" M' F:静的力 ∆L: 変形F 厚いサンプルは薄いサンプルより硬いで す。 12 Theory
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1 2 3 4 5 6 7 8 1. 4軸アライメント(x/y、α/b) 5.サンプル 2.力センサ 6.加熱炉 3.LVDT(変位センサ) 7.ドライブシャフト 4.クランプ 8.リニアモータ 13
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材料の特性評価 幅広いアプリケーションに対応 幅広い剛性または周波数範囲にわたって最大の精度が必要とされる場 合、DMA/SDTA 1+は最適なソリューションです。広範な動的力および変位 と多様なサンプルのサイズと形状により、DMA/SDTA 1+は、実質的にすべ ての固体材料と、中~高粘度の液体の分析に使用できます。 材料は実用的な使用において、広範囲のさまざまな応力を受けます。最も重要な要因 は、応力の頻度と強度、温度、負荷または応力が加えられる環境です。 DMA/SDTA 1+によって特性評価できる効果およびプロパティ: • 粘弾性挙動 • 晶析と融解 • 緩和挙動 • ゲル化 • ガラス転移 • 相転移 • 機械的係数 • 混合の組成 • 減衰挙動 • 硬化反応と重合反応 • 軟化 • 材料欠陥 • 粘性材料の流れ • 充填剤による影響 アプリケーション分野 DMAで試験される材料 安定性試験、損傷 /故障評価、 熱可塑性物質、熱硬化性樹脂、 ユーザビリティ試験、材料の特 エラストマー、粘着性物質、金 性評価。 属、合成物、塗料、フィルムと繊 維、建設資材、医薬品、食料品。 14 Wide Variety of Applications
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今日の複合材料は伝統的な材料に比べて安価な場合が多く、高い強度 重量比が最も重要な、多くのさまざまな業界で強く求められています。 DMAは広範な係数を持つ複合材料の特性評価に最適です。 15
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DSC/DMAによるPTFEの相転移 PTFEのDSC曲線は、およそ–100℃で可動非晶質画分のガラス転移(γ)を示し、30℃で2つの結晶-結晶転移 (b)を示します。結晶子は330℃で融解します。これらの転移はDMAによっても測定できます。 この技術はさ らに、130℃で剛性非晶質画分のガラス転移(α)を示します。ガラス転移は、DSCよりDMAの方が検出が容易 です。 ポアソン比から、原則としてE'は常にG'より大きいです。 エチレン酢酸ビニル(EVA)の加硫 EVAの加硫はせん断モードで調べました。図は、2回の連続した加熱操作の貯蔵弾性率を示しています。最 初の加熱操作では約–30℃でガラス転移を示し、続いて約50℃を超えたところで結晶性エチレンセグメン トの溶融を示します。120℃以降の弾性率の増加は、加硫または硬化反応の結果です。2回目の加熱操作 では、完全に加硫されたEVAのガラス転移と溶融を示します。 16 Wide Variety of Applications
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ポリエチレンテレフタレート(PET)の特性評価 非晶質PET(ポリエチレンテレフタレート)を、1Hzの周波数のせん断モードを使い、–130~260℃の範囲 で調べました。タンデルタ曲線の–60℃での広いピークは、二次緩和(ベータ緩和)によるものです。ガラス 転移は約80℃で起こります。貯蔵弾性率は低温結晶化の結果、約110℃で増加します。その後再編成プロ セスが発生し、次いで結晶子が溶融します。 シリコーン油の粘度 シリコーン油を急速に冷却すると、結晶化が抑制され、油がガラス化します。次にサンプルを加熱すると、 ガラス転移(周波数に依存)が約–110℃(1Hz)で観測されます。次に結晶化(周波数に依存しない)が約 –85℃で起こり、約–45℃以降で溶融(周波数に依存しない)します。 粘度とその周波数依存性は(挿入図 参照)、液体状態(つまり–10℃を超える)の弾性率曲線から計算できます。 17
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スチレンブタジエンエストラマーのマスター曲線 広い周波数範囲にわたるマスター曲線は、材料のプロパティについて詳細な情報を提供します。優れた 温度安定性および精度と、高周波数での測定が可能であることにより、マスター曲線を迅速に構築するこ とができます。図は、未加硫および加硫済みSBRのマスター曲線を示します。曲線は動的挙動を示すだけ でなく、分子構造とネットワークに関する情報も提供します。 引っ張りで測定したポリイミドフィルム ポリイミドは、高性能ポリマーで、低温で脆くなることがなく、短時間、最高400℃の高温にさらしても、 機械的安定性を失うことがありません。 1Hzにおいて引っ張りモードで測定した、厚さ20-µのポリイミド フィルムの損失弾性率曲線(E")は、約–59℃、186℃、311℃(E"の最大値)で緩和プロセスを示します。 311℃のプロセスはガラス転移です。材料は約450℃で分解し始めます。 18 Wide Variety of Applications
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複合材料の弾性率の判定 プリント基板は繊維強化プラスチックでできています。最大動作温度を知っておく必要があり、通常ガラス 転移温度より約10℃低いです。もう1つの重要な要因は弾性率です。これとガラス転移は、3点曲げモード でDMA測定を行うことで簡単に求めることができます。この例では、最大動作温度は114℃を超えません。 この温度まで、弾性率は実質的に一定です(24 GPa)。 粘着テープのせん断測定 サンプルは、厚さ20-µmの両面テープでした。 片側の接着層(3µm)は逆側(3µm)よりわずかに粘着性が強 いです。 図は、テープの貯蔵弾性率を示しています。最初の加熱操作で、弾性率は2段階で減少します。 こ の段階は2つの接着層のガラス転移(Tg)に対応します(粘着性が強い方のTgの方が低い)。 接着層は100~ 140℃の範囲で硬化します。2回目の加熱操作では、完全に硬化した材料のガラス転移が示されます。 19
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粉体のDMA分析 粉体サンプルは、いわゆる粉体ポケットを使ってDMAで分析できます。粉体ポケットは薄い折り畳まれた 鋼板からできており、これに粉体が充填され、シングルカンチレバーモードで測定されます。あるいは、粉 体をペレットに圧縮して、圧縮で測定することもできます。これにより、緩和プロセスをより高感度で検出す ることができます。図は、圧縮された医薬品有効成分のDMA曲線を示しています。 サンプルは約9℃でb緩 和を示し、約107℃でガラス転移を示してます。 シングルカンチレバーモードでのPEEKの分析 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は高耐熱性のプラスチックで、融点は335℃です。たとえば自動車産 業で、熱応力を受けるコンポーネントに使用されています。DMAを用いてサンプルを特性評価するため に、薄いプレート(17 x 5 x 2mm)をシングルカンチレバーモードで、–120~240℃の間で測定しました。 2つの効果が検出されました。–65℃での二次緩和と155℃でのガラス転移です。 20 Wide Variety of Applications