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水分率測定ガイド-基礎とアプリケーション

その他

ハロゲン水分計で信頼性の高い水分率測定を実現するために役立つ、水分率測定の基礎知識とアプリケーションを掲載

この水分率測定ガイドは、基礎知識とアプリケーションに関する以下のトピックを掲載しています。
•水分率測定についての説明
•測定原理
•設置
•日常点検(校正)
•サンプルの取り扱いおよび調製
•オーブンに適合するためのメソッドの開発
•特殊なサンプル(たとえば液体、揮発物、プラスチック)
•メソッドバリデーション
•水分率測定技術の比較
•技術用語集
無料の水分率測定ガイドをダウンロードして、水分率測定の基礎知識とアプリケーションをご確認ください。
適正な設置方法、完璧な操作方法、素早い計測、信頼性と精度に優れた結果に関して、役立つ情報を入手できます。

このカタログについて

ドキュメント名 水分率測定ガイド-基礎とアプリケーション
ドキュメント種別 その他
ファイルサイズ 2.7Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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正しい据付 完璧な操作 迅速な測定 正確な結果 手順 基本的な原則 自ハ然ロ科学ゲ 法ン律水の経分験 計「生容に き 易よ た」 – な学る習 水分率測定 1 Guid学e to校 Moでistuのre A実nal験ysis
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目次 1. はじめに 3 2. ガイドブックの構成と内容 4 3. ハロゲン水分計による水分率測定 3.1. 測定方法 5 3.2. 据付 8 3.2.1. ハロゲン水分計の設置場所 8 3.2.2. 起動 11 3.2.3. 日常点検 13 3.2.4. サンプルの取り扱い 14 3.3. メソッド開発と特殊サンプル 18 3.3.1. メソッド開発 19 3.3.2. 特殊サンプル 24 3.4. メソッドバリデーション 28 3.5. 使用例 30 4. 水分率測定方法の技術的比較 32 5. 技術用語 34 6. 索引 38 7. 参考文献 40 1
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1. はじめに 水分は、医療品、プラスチック、食品など多くの製品の加工 性、製品寿命、使用感、および品質などに影響します。その ため、水分率のモニタリングは非常に重要です。大半の物質 は製造プロセスの効率を上げ、かつ最適な品質の製品を得る ため、最適な水分量を含むよう、コントロールされていま す。さらに、一部製品においては水分含量がその製品の価格 に影響するため水分含量の許容範囲を定めた法令もあります (例: スイス食品法)。 そのため、小売業者や製造業者は水分含量を測定する必要が あります。水分含量測定は、製造プロセスをスムーズに、妨 げなく行えるよう、信頼性が高い方法で、迅速に実施するこ とが望まれます。水分含量を測定する迅速で正確な方法の 1 つ として、乾燥熱重量法を採用したハロゲン水分計があげられ ます: 計量したサンプルが、赤外線放射器 (ハロゲンランプ) で加熱されます。重量損失量を継続的に測定し、定義した終 点に達すると乾燥が終了します。その重量変化量から水分含 量が自動的に計算されます (3.1「測定方法」も参照)。 乾燥熱重量測定法では、加熱により水以外の物質も蒸発する 可能性があるため、重量損失は水の損失のみによると考える ことはできません。そのため、乾燥熱重量法では、水以外の 揮発性物質も含めた、「水分」という用語が使われています (5.「技術用語」を参照)。 3
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2. ガイドブックの構成と内容 本ガイドブックは、ハロゲン水分計を使用した水分含量測定 にお役立てください。水分計を使用する際に重要となる要点を 提供し、迅速・確実・簡単な水分含量測定の実現をサポート します。 適切な据付方法、設置場所、お手入れ方法、サンプルの取り 扱い法に加えて、このガイドブックでは、お客様のサンプル に対する最適な測定条件の設定方法を紹介します。これに より、ハロゲン水分計を使用して迅速かつ簡単、一般的手順 (例: 乾燥器を使用した乾燥減量法) によって測定した測定値と相 関性を得る測定が可能です (3.3.1「メソッド開発」)。さらに、 乾燥時に膜を生成する液体や物質など、特殊なサンプルの測定 ににおいて、優れた結果を得るための方法も紹介します。 さらにこのガイドには、メソッドのバリデーション、使用 例、および水分率測定における他手法との簡単な比較につい ての情報もご提供します。 4
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3. ハロゲン水分計による水分率測定 3.1. 測定方法 この項では、ハロゲン水分計を使用して水分量を決定する方法 について説明します。乾燥方法 (放射熱を使用してサンプルを 加熱) 、スイッチオフ基準についても本項で紹介します。 2.80 2.40ハロゲン水分計 2.00ハロゲン水分計は乾燥熱重量の原理に 1.60従って作動します。つまり、サンプル 1.20の開始重量を測定し、その後ハロゲン ランプによってサンプルが乾燥され、 0.80 その間、内蔵の天びんが継続的にサン 0.40プル重量を計量します。重量減少量を 0.00水分含量として測定します。 0.00 0.40 0.80 1.20 1.60 2.00 2.40 2.80 %MC ハ%ロMゲCンランプを使用して乾燥する方法 は、赤外線によるX乾燥方法をさらに発 測定機内の温度 展させたものです。加熱部はハロゲンガ ハロゲン技術 X スを満たしたガラスパイプで構成されて -70 います。そのためハロゲンランプの質量 -60 I は、従I I来の赤外線型の質量に比べて非常 -50 t に軽くなります。これtにより、最高熱出 従来の IR 技術-40 力までの到達が速くなり、かつ優れた制 -30 御性が実現しました。金めっきを施した -20 %MC 反%射M体Cと組み合わせると、サンプルの表 -10 0 00,面00 全 00体,50へ 0の5,46最 適09,3な0 ( 均11,3等1 な 14,)24 熱 1放7,17射 が20,1保0 証 23,00 されます。これは再現性のある結果を得 るために不可欠です。 = ( ∆ g∆ t ( III I I t t 0,1 g ∆g ∆ t 5 I0 I0 I0 IRef IRef IRef 0,1 g A A A IL IL IL IL I0 IRef IL A 3 g 5 g
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%MC %MC X X I I I t t %MC %MC 乾 燥プロセス = ( ∆ g∆ t ( III I I t 対流によってサンプt ルを加熱し、長期間乾燥させる従来の乾 0,1 g 燥器による乾燥とは異なり、ハロゲン水分計では、サンプル はハロゲンランプからの赤外線 (熱放射) を吸∆収gします。その 結果、迅速なサンプル加熱が実現します。 ∆ t 物質によってエネルギーの吸収特性は I0 I0 I0 異なります。それらは主にサンプルの 色や原料特性によって決まります。そ IRef IRef IRef のため、サンプルは同質で粒状が均一 であることが望まれます。通常、なめ 0,1 g A A A らかで明るい色の表面は赤外線を反射 しやすいため、より少ないエネルギー I L IL IL IL しか吸収できず、サンプル温度の上昇 も小さくなります。このように、サン I0 照射した赤外線 プルのエネルギー吸収特性はサンプル IRef 反射した赤外線 温度変化に大きく影響します。 I L サンプルの中の熱伝導 A サンプル表面での赤外線の吸収 3 g 5 g 次の例を考えれば、この吸収効果をよく 理解できるでしょう: 黒色のシャツを着 て太陽の光を浴びると、白色のシャツを 着ている場合よりもずっと暖かくなりま す。暗い色のサンプルには、明るい色の 物質よりも少し低い温度設定をする必要 があります。 6
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スイッチオフ基準 %MC スイッチ%オMCフ基準 (AK) とは、ハロゲン水分計による測定を自 動停止し、測定結果をX 表示する点のことです。ハロゲン水分 計には 2 種類のスイッチオフ基準があります: 乾燥時間によっ X て制御するタイプと単位時間あたりの平均重量損失量によっ て制御するタイプです。水分計に内蔵した天びんにより、 I t 乾燥中に減 I I 少するサンプt ルの重量を継続的に測定します。 平均重量損失量 (∆ g) が一定の時間内 (∆ t) に定義された値より 低くなった点で乾燥が停止し、最終結果が表示されます。ス %MC イッチオ%MフC基準は、あらかじめ定義されている 5 つのスイッ チオフ基準から選択することができます。 AK 1 (1 mg/10 秒): 迅 速に測定したい場合 サンプル重量 単位時間にお に適している = ∆gける平均重量 ( ∆ t ( III t AK 2 (1 mg/ I2I0 秒): 中間レベt ル 損失 AK 3 (1 mg/50 秒): 標 準設定、大半のサン 0,1 g プルに ∆g AK 4 (1 mg/90 秒): 中間レベル ∆ t AK 5 (1 mg/140 秒): 乾 燥に時間を要し、水分 含量が低いサンプルに I0 I0 I0 (例: プラスチック) スイッチオフ基準 (1....5) IRef IRef IRef スイッチオフ基準は、測定時間および測定精度に影響しま 0,1 g す。AK 1 を選択すると最も速く乾燥しますが、多くの場合そ A Aの時点でAは乾燥は完全に終了しておらず、繰り返し性が低下 I L IL しIまL す。適I L切なスイッチオフ基準を選択することにより、測定 結果に求められる精度を保ちながら測定時間を最短にするこ I0 とができます。 IRef IL A 3 g 5 g 7
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3.2. 据付 3.2.1. ハロゲン水分計の設置場所 水分計は高精度の計量が伴うため、正確さと繰り返し性は機 器の設置場所と密接に関係しています。水分計を最適な環境 で使用するよう、以下のガイドラインを遵守してください: 計量テーブル • 安定している (研究室のテーブル、ストーンベンチ) 計量テーブルはその上で作業を行う際に、たわまず、可能な Administrator Home Mea 限り振動を伝えないものを使用してください。surement R 3e . s Mu alt r s 2016 - 10:26 Me D t C h ORNSTe A od Rn Cit Hio En C TE HL YL LUL Te Os St/ E EA Td HYjus Ct ELL L UL P OA S S 6 E ettings Instru i mnf eo nt • 耐磁性 (鉄板は不可) • 壁または床への設置 計量テーブルは床に設置するか、壁に固定することができ ますが、両方に接触することは避けてください。両面から の振動が伝わるため、計量値が安定しません。 計量テーブルは、テーブルによりかかったり、作業台に上っ たりしても計量値が変化しないほど安定している必要があり ます。 8
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作業部屋 • 振動なし AdministratorHomeMeasurementR 3e . s Mu alt r s 2016 - 10:26Met Ch Ood RND STe A Rn Cit Hio En C TE HL YLU LLTe Os St/ E EA C Td E HL Yju LU Lst LP OA6 SESettings Instru i mnf eo nt • 通風なし 計量台は極力部屋の隅に設置してください。建物の中で最も 振動の少ない場所です。 水分計周辺のスペース • 機 器の周囲に十分な空きスペースを取り、熱の蓄積や異常 加熱を防いでください (水分計の上には、約 1m の空きスペー スを確保してください)。 • 可燃性物質から十分な距離を取ってください。 • 他の高感度の計測機器から十分なスペースを取ってください。 温度 + 30 ° C max. • 室温を可能な限り一定に保ってください。 計量結果は温度の影響を受けます! + 10 ° C max. • 水 分計はヒーターや窓のそばに設置しないでください (熱放射)。 • 室温は 10°C~30°C に維持する必要があります。 周囲の湿度 10– 80% • 周囲の相対湿度 (% RH) は 45 ~ 60% の間が理想です。 測定可能範囲は、10 ~ 80% RH です。それより上または未満 では、決して天びんを操作しないでください。 一部のサンプルは非常に吸湿性が高く、水分を周囲の空気から 吸収します。そのため、測定結果の繰り返し性を高めるために は、周囲の相対湿度を可能な限り一定に保つ必要があります。 9
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光 • 可 能であれば、水分計は、窓の無い壁際に設置してくださ い。直射日光 (= 熱) は計量結果に影響します。 注記: ハロゲンランプによって加熱されるサンプルルームに比べて、 計量セルはアクティブ冷却によって熱からしっかりと遮断されていま す。その一方で、計量セルの側面は熱放射から保護されていないた め、直射日光は計量結果に影響を及ぼす可能性があります。 空気の流れ • 空 調設備およびコンピューターや研究室用大型機器など換 気装置の付いた機器から出る空気の流れに接する場所に、 水分計を設置しないでください。 • 水 分計をラジエーターから十分離れた場所に設置してくだ さい。温度の影響と空気の流れの発生は、計量結果に影響 します。 • 水分計をドアの隣に設置しないでください。 • 人 の往来の激しい場所は避けてください (通風)。 • 通 風を避けるため、可能であれば窓を閉めたままにしてく ださい。 10
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3.2.2. 起動 ハロゲン水分計は、非常に高精度な計測機器です。 以下に記載するアドバイスを遵守することで、信頼性の高い 結果を得るための良い土台を築くことができます。 スイッチを入れる • 機 器の内部回線が熱平衡の状態にするため、水分計は常に AdministratorHome Measuremen 3t . Mar 2016 - 1 電源につないだ状態にしてください。 0:26 Results CHILMethod P LO IWDD Ee R POT An TC Oition HIPS COFF P E T O E e Wst/ DEA Rdjust TOMATOJU • 機 器のスイッチをオフにするには、オン ICE /オフボタンを使用 Settings してください。水分計はスタンバイモードになり、電子機 Instrumin efo nt 器には引き続き電力が供給されます。 ヒント: 初めて電源に接続した際には、測定前に順応期間として 30 分 以上取ることを推奨します。 水平調整 • 水 分計は必ず水平に調整してご使用ください。 機器には、正確に水平にするために、水平調整脚と水準器 が備わっています。水準器の中心に泡がある場合、その機 器は水平です。 • 機器が安定していること確認してください。 調整 • 天 びんおよび加熱モジュールを定期的に調整してください。 特に以下の場合に調整してください。 - 水分計を初めて使用するとき - 設置場所を変更した後 - 室温に大きな変化があった後 - 水平調整の後 (天びんのみ) 11
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• 取扱説明書に従って機器調整してください。 • 調 整の頻度は、ユーザーの要求品質および安全性リスクに よって決まります。 注意:水分計の調整は十分に環境に順応させた後、(機器および温度調 整キット共に)例えば朝方の始めの測定前のように冷えた状態で行っ てください。このことにより、常に機器が同一の状態で調整を行うこ とができます。 ヒント: 校正証明書付きの分銅と温度計を使用してください。これが計測 機器のトレーサビリティを保証する唯一の方法です。 機器の適格性評価 IPac Standard Qualification メトラー・トレドのサービスエンジニアは、お使いの機器の Model 設置、適格性評価、設定の完了をお手伝いします。サービスに Serial Number Asset Number System Name は、校正証明書、ユーザーへの取り扱い説明、日常点検の定義 Precision Equipment が含まれており、水分計をすぐに使える状態にして、信頼でき る日常的な操作を実現します。 12
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3.2.3. 日常点検 正確な計測結果を得るために、以下のお手入れ、校正間隔、 およびメンテナンスについて遵守してください: 水分計のお手入れ • サ ンプル皿部を清潔に保ってください (例: ブラシを使用する)。 • 加 熱モジュールの温度センサおよび保護ガラスの汚れを落と してください (詳細については、取扱説明書をご覧ください)。 • 機 器およびサンプル皿部の汚れを落とすには、中性洗剤 (例: ガラスクリーナー) を使用してください。 • 反 射体層が損傷した場合は、ハロゲンランプの反射体を交 換してください。 校正とメンテナンス間隔 • 定 期的に校正 (検査) を行い、必要に応じて加熱モジュールを 調整することにより、一貫して再現可能な熱出力を得ること ができます。計量ユニット/加熱モジュールの点検、校正の 頻度を定義することをお勧めします (リスクに応じて決定)。 • い つでも高品質な水分率測定結果が得られるように、メト ラー・トレドは SmartCal をお勧めします。この独自の温検査 物質は既知の水分率を持ち、1 回の検査で機器を総合的に迅 www.mt.com/smartcal 速、容易に検証できます。SmartCal を使用した検査は、水分 計の日常的な点検基本としています。詳しくは、SmartCal の ユーザーガイドを参照してください。 www.mt.com/smartcal-userguide • メ トラー・トレドのサービスチームによる年に一度の点検に より、水分計の品質、精度を保つことができます。 ヒント: ハロゲン水分計 HX204 では、温度調整を 80℃~200℃、温度 テストを 50℃~200℃ で自由に選べます。これにより、指定の乾燥温度 (例: 130℃) で熱出力をテストすることができます。 13
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3.2.4. サンプルの取り扱い 安全宣言 • 一 部のサンプルは、人体に有害であったり物体を損傷した りする恐れがあるため、特別な注意が必要です。可燃性、 爆発性、毒性、または腐食性の物質、および乾燥や加熱に よりそれらの物質が発生するサンプルが挙げられます。 • 決 して可燃性または爆発性の物質を乾燥させないでください。 疑わしい場合は、サンプル容量を少量にして (最高 1 グラム) 低温で加熱してください。 • リ スク分析をしてください (例: サンプルの爆発性、可燃性、 毒性、および腐食性のリスク、また加熱したときに発生す る蒸気のリスクに関して)。 • 必 要な場合はダクトの中で作業してください (調整はダクト 内で実施してください)。 警告: ハロゲンランプの表面温度は測定温度より高くなっています。そ こを可燃性の蒸気が通過すると、発火する恐れがあります 注記: 前述の危険なサンプルを使用して発生した損害に関しては、 ユーザーがすべての責任を負うことに注意してください。 サンプル皿 • 水分率測定には清潔なサンプル皿のみを使用してください。 • 変 形したサンプル皿は使用しないでください。 ヒント: 使い捨てのアルミニウム製サンプル皿を使用することで、前回 のサンプル残留物や洗浄剤の影響の無い、信頼できる測定が保証され ます。また、強化アルミニウム製サンプル皿も利用可能です。乾燥中 に収縮し皿を変形させる恐れのあるサンプルに適しています。 使用済みの皿は適切に廃棄してください。 14
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サンプルの採取 繰り返し性 %MC %MC サンプルの採取方法は、測定結果の繰り X高 返し性に大きな影響を与えます: X 低 均一性 I I I 低 高 t t • 容器内全体が均一になるようにする。 • ま ず容器全体を混ぜ合わせ撹拌するなどして、均一性を確 %MC %MC 保してください。 • 十分なサンプルを採取する。 • サ ンプル採取時には、水分の付着や蒸発を避けるため、 すばやく作業する。 = ∆g • す ぐに測定を行わない場合: 密閉式の容器に空気量が極力少 ( ∆ t (III I I なくなるよう、できるだけ多くサンプルを入れて保存して t t ください。 0,1 g ∆g ∆ t サンプルの準備 サンプル採取後に正しい方法でサンプルを準備することは、 再現性のある信頼できる結果を得るためのもう一つの鍵です。 I0 I0 I0 • 粒子サイズは極力均一にしてください。 • 必 要なら、サンプルを砕くことでサンプルの表面積を増や IRef IRef IRef してください。水分がより良好に、より速く蒸発します 0,1 g (水分がサンプル表面へより早く拡散されます)。 A A A • こ の段階でサンプルを加熱すると、準備中に水分が失われ るため、加熱しないでください。 I L IL IL IL 乳鉢やグラインダー (水冷式) を使用したり、単に切断するなど、 機械的に押しつぶすことも効果的です。 I0 ヒント: 表面積を増やして水分の乾燥を速めるために、ファイバーフィ IRef ルターを使用することも効果的です。 I L A 15 3 g 5 g
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サンプルの添加方法 サンプルをサンプル皿上に均等に添加することで、測定する サンプル全体が均等に加熱され、サンプルから水分が均等に 蒸発されます。これにより再現性の高い結果を得ることがで きます。 • サ ンプル皿に加える前に、再度、サンプル表面の一部の分 量を注意深く混ぜ合わせてください。 • 繰 り返し性を高めるために、常に同量のサンプルを使用し てください。 • 適 正な量のサンプルを使用してください。皿の表面全体が サンプルで薄く均等に覆われるようにしてください。 • サンプルは、皿上に均等に広げてください (偏りがないよう にする)。 16
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%MC %MC X X I I I t t %MC %MC = ( ∆ g∆ t ( III I I t t 0,1 g ∆g ∆ t サンプル重量による、繰り返し性と測定時間への影響: 測定時間 結果の繰り返し性 I0 I0 I0 長 高 短 低 IRef IRef IRef 0,1 g サンプル重量 0,1 g 5 g サンプル重量 A A A サンプル重量が重ければ重いほど、より多くの水分が蒸発 I L IL IL IL し、水分率測定により長い時間を要します。サンプルの容量 が大きすぎると、加熱が不均等になり、結果は非常に不正確 になります。一方で、サンプル重量が軽ければ軽いほど繰り I0 返し性も低下します (より高い標準偏差): IRef 2g のサンプルの標準偏差 I L 1: 最大 0.05% 10g のサンプルの標準偏差1: 最大 0.01% A 1分解することな3 gく、毎回すべての水5分 gが取り除かれる理想的なサンプルを想定し た場合 (例: 湿った砂)。測定結果の偏差は物質固有の不確定要素および機器 (この 場合は HRX204) 自体の繰り返し性に依存します。現実には、一連の測定(理想的 でないサンプルの場合)で生じる測定結果の違いは、表に示した値より大きい場合 があります。 17
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3.3. メソッド開発と特殊なサンプル ハロゲン水分計はユーザーにとって扱いやすい測定機器で、 サンプルの水分含量を迅速にまた容易に測定することができ ます。たいていの場合、水分含量を測定する方法は、法律や 商取引において慣例的に使用されている基準、または企業の 手順書などによって定められています。一般的には、オーブン 法または Karl Fischer 滴定が、標準的方法として使用されてい ます。 その場合、ハロゲン水分計は、標準法と同様の結果を得るこ とが必要です。標準法と同等の結果を得るには、乾燥温度、 乾燥プログラム (3.1「測定方法」を参照) およびサンプル重量 などハロゲン水分計の各種設定や、サンプルの取り扱い方法 を調整する必要があります。これをメソッド開発と呼んでお り、前述のパラメータはメソッドを表しています。基本的に はメソッドは使用される物質によって決まりますが、一般的 には同一のメソッドが多くの物質に利用可能です。 次の章では、メソッド開発を実施する基礎的な方法について 説明します。その後に、特殊なサンプルを使用して正確な測 定結果を得る方法についてご紹介します。 しかし、標準法を実施しておらず、基準値を持っていない場 合もあるでしょう。その場合のメソッド開発の目的は、再現 可能 (正確) な測定結果を得られるパラメータを発見し、それ を使用してサンプルの品質を評価できるようにすることです。 3 つの観点から測定条件を適正化することができます。それ は、正確さ、繰り返し性、そして測定時間です。この図で は、精度、正確さ、および精密さという語について説明して います。 18