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丸底フラスコを用いない有機合成手法

ホワイトペーパー

ホワイトペーパー – 丸底フラスコを用いない有機合成手法 – では丸底フラスコから次世代の実験器具を取り入れた化学者の方々の新しい実験手法についてご紹介しています。

ホワイトペーパー – 丸底フラスコを用いない有機合成手法 – では丸底フラスコから次世代の実験器具を取り入れた化学者の方々の新しい実験手法についてご紹介しています。
・オイルバスやアイスバスを使用せず、簡単に温調する方法
・24時間いつでも反応を行いモニタリングする方法
・合成の再現性を大幅に向上させる方法

このカタログについて

ドキュメント名 丸底フラスコを用いない有機合成手法
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 1.4Mb
取り扱い企業 メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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有機合成の 新たな実験手法 有機合成環境の改善 丸底フラスコに取って代わる 化学合成手法 Adrian Burke, Urs Groth, Fabio Visentin Mettler-Toledo AutoChem, Inc. 有機合成化学の分野で働く研 以上にわたりほとんど変化して 化学者は検討テーマが変る度に 究者たちは、化学反応を最適 いません。例えば丸底フラスコ 最適な有機合成の機器を探して 化することや、より良い化学プ は長い間合成研究室にとって欠 いました。メトラー・トレドは、 ロセスを迅速に開発するよう以 かせないものになっています。 化学 者と協力して、化学 者が 前にも増して求められています。 しかし、丸底フラスコには幾つ 研究対象の反応をより深く理解 化学者たちはこれらのプロセス かの欠点があります。まず、フ し、現在のワークフローを維持 開発を成功させるため、さまざ ラスコ内部の反応物質の温度 しつつ有機合成を実行できる方 まな技法を駆使して反応を包括 コントロールする際に加熱と冷 法を開発しています。このホワ 的に構築しながら、より深く正 却の操作が煩雑でかつ高い精 イトペーパーでは、新しく開発 しい理解を得て産業用途に応用 度を得ることが難しく数時間に された化学合成機器によってこ してきました。 わたっての温度設定も困難でし れらの課題がどのように解決さ た。次に、人が反応を監視し れるかを解説し、従来の丸底フ 合成研究室を支える様々な分析 ない限り、安全な合成を行う事 ラスコを使用しない化学合成の 技術が大幅に変化してきた一方 が不可能で、さらに再現性の高 方法を提案しています。 で、化学合成機器は過去 50 年 い繰り返し実験も困難でした。
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反応温度の制御は極めて重要だが制御は簡単に 従来有機合成では -78℃、0℃、室温、還流の 4 つの反応温度が一 30 貫して使用されてきました。これらの温度は非常に維持しやすいた め、多くの化学反応がこれらの温度で行われてきました。しかし実 際は、この 4 つの古典的な温度ではなく様々な温度で反応が実行 された方がより望ましい形で反応が起きるため、様々な反応温度が -20 頻繁に使用されています。反応の特異性、不純物、生産性はいず 00:00 00:30 れも有機化学者が反応の最適化に組み込まなければならない重要 80 な要素であり、これらは反応を行う温度に依存する場合があります。 60 40 F R NH R 温度(℃)2 HO OH F F CH F F C3 F 3 H5N N 20 O S O H3C CH 55.07 + O 3 F O O F F O + N S F H C CH vizm MeCN (20 ml), 70°C, 1-2 h 0 3 3 F O -20°C, 1h F CH3 H C C 9H12O C F O S C 3 CH3 -20 2 2 6 5 2 8H19N C 11H10F 6O 2 N C 12H13N H3C CH3 C 8H19N -40 01:00 02:00 03:00 04:00 時間(時間:分) 今 回ご 紹 介してい る反 応 例 は 全てパーソナル 有 機 合 成 装 置 図 1 反応温度を -20℃に制御した温度トレンド EasyMax ™を使用して反応を行い、副反応を防ぐため -20℃の低温 で反応を実行し、反応中には制御が困難な大きな反応熱が発生し ますが反応温度を低温とした為反応熱を抑えて反応を行う事がで きています。実験中の反応温度変化を示した温度トレンドを図 1 に 示しました。反応温度の制御は本体付属のタッチスクリーンに目的 の温度を入力するだけで反応温度である -20℃が保持されます。反 応物温度が -20℃まで短時間で到達している事が分かります。また、 「EasyMax ™ は、 有 機 化 学 設定した温度は実験の前半の約 2 時間保持され、わずかな温度上 昇が数回起きました。これは試薬の添加による持ち込み熱で、添 に携わる化学者たちに完全 加した試薬の温度は室温であった為温度変化が発生しましたが自 動的に制御され、反応温度は化学者が新たな操作しなくても -20℃ に受け入れられた最初の を保持しています。また、反応が行われた全体の約 4 時間を通し て見ても今回の反応で著しい反応熱が生じたにもかかわらず、化学 自動合成機です。 者は温度を目的のレベル(-20℃)に維持する操作をする必要が無く、 すでに EasyMax ™は従来の 機器によって反応が自動的に制御され、大きな反応熱を抑えること や副反応、分解反応を回避することができました。 丸底フラスコに取って替わ るものとなっています。」 Luc Moens Research Fellow, Chemical Process & Research Development, Johnson & Johnson, Belgium 2 温度(℃)
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「 現 在、 当 社 の 化 学 者と エンジニアは、さまざまな 反応を監視する必要があるがその時間がない 反応を正しく安全に実行するには監視が必要です。例えば温度設 用 途 や 現 場で 初 期 および 定を厳密に管理する為にはアイスバスに氷を絶えず追加したり、試 薬を正しく添加するには絶えず操作を行う必要があります。これら 後 期プロセス 開 発 のため は時間がかかる作業のため、自分ではない誰かや機械が反応を監 に EasyMax ™ を 日 常 的 に 視し制御してくれるのが理想的です。反応温度が正しいか、試薬が 正しく添加されたか、発熱が問題なく管理されているか、見逃され 活用しています。」 ている反応イベントがないかを化学者が心配する必要がない状況 を思い描いてください。 今回の例では、長時間にわたって複数回の添加操作が必要でこの 作業自体は難しい作業ではありませんが、絶えず注意を払う必要 Dr. Marty Guinn Chemical Development, があります。従来の手法では、化学者は 2 時間反応の温度を監視 Pfizer Pharma する(氷を追加して温度を維持する)ことで、この反応を行ってい Therapeutics, USA ました。また、滴下漏斗を調整し、添加速度を絶えず監視する必 要がありました。しかし現在はこの様な温度管理や試薬の添加を 手軽に設定することが可能になりました。有機合成装置で温度が 安定的に保たれ、レシピに従って試薬が添加されます(図 2)。化 学者は装置から離れ、新しい反応手順の設計など、別のことに集 中することが可能です。多くの反応では熟成時間が必要です。この 例では、添加後反応温度を変更し 2 時間熟成しています。以前は 反応終了まで監視を行う必要がある場合、なんらかのイベントが 夜間に起きる可能性があると反応を中止する場合さえありました。 有機合成装置では、反応を放置しても安全性を保ちながら自動的 に完了する事や、温度変化や添加などのイベントを監視し管理する ことが可能です。 図 2 反応中の試薬添加トレン ド。添加はすべて有機合成装 140 30 置で行いました。 温度 / ℃ 120 25分注された試薬 / mL 20 100 15 80 10 60 5 40 0 20 -5 0 -10 -20 -15 -40 -20 00:00 00:28 00:57 01:26 01:55 02:24 02:52 03:21 03:50 04:19 時間(時間:分) 3 温度(℃) 分注された試薬(mL)
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高い再現性を得ることは非常に難しい 今回の例では合成により目的の化合物が目的の純度と収率で得る ことができ理想的な結果が得られましたが、同じ合成反応を翌日 または翌週、全く同じ結果で繰り返すことはできるでしょうか?こ れは本来なら単純な作業になるはずです。しかし、必ずしもそうな るとは限らず、特にさまざまな要因に依存する反応の場合は難しい 作業となります。 自動合成装置を用いることで以前の実験で行った合成操作を全く 同じ条件で繰り返すことが可能となり、同じ結果が得られるという 信頼性が高まりました。有機合成装置は実験中の全ての操作が自 動的に保存され、再度の合成には、正しく行われた以前の実験を 複製して「実行」を押すだけですぐに行えるようになりました。化 学者にとっては、以前の合成に適用されたのと全く同じ条件がこの 合成に適用されるという安心感があります。 すべての化学者は、明らかに同じ 2 つの実験で異なる結果が出て しまう事を経験しています。化学反応とはこのようなものですが、 これには間違いなく原因があるはずです。有機合成装置では合成 の過程で、実験結果の詳しい内容が記録されており、このデータと レシピと組み合わせて使用すれば、化学者は過去のデータと今回 に実験結果を並べて直接比較することができます。これにより、1 つの実験が上手くいき、もう1 つの実験が上手くいかなかった場合、 2 つの実験を直接比較して何が変わったのかを特定することができ 図 3 実験操作の一覧 るため正しいレシピが明らかになります。言い換えると、一貫した データ収集を行うことによって、化学者はどのような実験が行われ たかを正確に判断し、実験を繰り返すことができることになります。 「EasyMax ™ は、 当 社 の 研 究 所 にとって欠かせないシンプルで 信頼性の高いシステムです。」 Anthony M. DiJulio, Scientist Particle Engineering, Novartis Pharmaceuticals Corp., NJ, USA 4
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まとめ プロフェッショナルサポート 化学者は有機合成を実行するための新しい技法の開発を絶えず メトラー・トレドでは、豊富な経験 行っており、こうした新しい技法の 1 つに合成ワークステーション や業界知識を持つ技術アプリケー があります。 ションコンサルタントのグローバル ネットワークを構築し有機合成や化 有機合成装置を使用することにより、アイスバスやオイルバスの使 学開発、スケールアップをサポート 用が無くなりより一貫した温度管理が実現し、それによって優れた します。 化学反応が可能となります。また、この有機合成装置で、従来のア イスバスやオイルバスよりもはるかに信頼性の高い加熱 / 冷却方法 Email: sales.admin.jp@mt.com が得られます。さらに化学者は化学反応に集中することができ、機 TEL: 03-5815-5511 器に気をとられることが無く、機器が自動的にすべてを記録するこ とで化学者は過去に行ったあらゆる反応を正しく確認し再現するこ とができます。つまり、正しい合成をクリック 1 つで繰り返したり、 ウェブサイト 同僚と共有して世界のあらゆる場所で繰り返すことができます。ま メトラー・トレドのウェブ た、本体内に自動的にデータを記録することにより、化学者が立ち サ イ ト(www.mt.com/ 会っていてもいなくても重要な反応イベントを見逃すことが無く、 有 autochem)では、当社の製品とア 機合成装置で 24 時間無人で安全に反応を実行することができ、化 プリケーションの詳細情報をご覧い 学者は長い熟成時間を監視する必要もありません。 ただけます。また、今後開催予定の ウェビナーやオンデマンドのウェビ EasyMax ™と OptiMax ™ : 丸底フラスコを不要に ナーの予定一覧も掲載しています。 パーソナル有機合成装置 EasyMax ™および OptiMax ™は、マント ルヒーターやオイルバス、アイスバス、循環恒温槽を不要にします。 ブログ 取扱い説明の不要な EasyMax ™は、迅速かつ容易に使用を開始で 当社は「化学研究、開発、およびス き、生産性を直ぐに向上させることができます。本体付属のタッチ ケールアップ」と題するブログを運 スクリーンを使って条件を変更したり、数ステップ先までのプログラ 営しており、最新刊行物のお知らせ ムも可能です。 や、社内のエキスパートや学界・業 界の専門家による解説を掲載してい ます。 お客様コミュニティ 当社の「お客様コミュニティ」サイ トでは、アプリケーションレポート、 ケーススタディ、豊富なトレーニン グ資料に無料でアクセスできるほ か、オンデマンドの全ウェビナーに すぐにアクセスできます。 ソーシャルメディア Facebook と Twitter でも化学合成 や化学技術、スケールアップの分野 に関する最新動向をお届けしてい ます。 EasyMax ™ OptiMax ™ 詳細情報はこちら:http://www.mt.com/autochem 製品の仕様は予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください ©10/2011 Mettler-Toledo AutoChem, Inc. メトラー・トレド株式会社 オートケム事業部 TEL: 03-5815-5515 FAX: 03-5815-5525