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【技術資料】pHワークフローの最適化

その他

このpH測定ガイドでは、「7つのシンプル・ステップ」に従うことで、日常業務を滞らせず、迅速かつ容易に結果を得るヒントをご紹介しています。

掲載内容一例
-ニーズに適したメータの選定
-最適なセンサの選択
-温度の影響に対する最適な対処
-困難なケースの対処方法(少量サンプルの測定、非水性、低イオン、粘性の高いサンプル)
など

このカタログについて

ドキュメント名 【技術資料】pHワークフローの最適化
ドキュメント種別 その他
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取り扱い企業 メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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メータの選定 センサの選定 最適な機器 温度 困難なケース システムチェック メンテナンス pHワークフローの最適化 7つのステップ pH Measurement
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解説 本書をご利用の皆様へ pH値は、化学、生物学、農業、 食品、医療関連のほぼすべてのラボで測定されており、対 象サンプルは多岐にわたります。pHの測定結果は、原材料、半製品、最終製品の一般的 な品質を示す、最も重要な指標の1つとして役立ちます。食品や飲料では、顧客体験に 直接影響を与え、医薬品の場合は有効性に影響を与えます。 多くの場合、pHの測定は計量同様、ラボのワークフロー全体の中の1工程として実施さ れます。pH結果は日常業務を滞らせないように、迅速かつ容易に取得されなければなり ません。本書でご紹介する7つのステップに従うと、pH測定値を数分以内、場合によって は1分以内に取得できるようになります。 メトラー・トレド pH Workflow Optimization Guide 3 METTLER TOLEDO Editorial
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解説 3 1 ニーズに適したメータの選定 5 1.1 現在のpHメータはニーズに適しているか? 5 1.2 一般的な要件とソリューション – pHメータ 6 2 最適なセンサの選択 7 3 信頼性の高い結果を得るためのpHメータの理想的な装備 9 3.1 撹拌の重要性 9 3.2 サンプルチェンジャの使用 9 4 温度の影響に対する最適な対処 10 4.1 温度自動補正(ATC) 10 4.2 温度手動補正(MTC) 10 4.3 サンプルではなくセンサの温度を測定してしまうケース 10 5 困難なケースの対処方法 11 5.1 少量サンプルの測定 11 5.2 非水性、低イオン、粘性の高いサンプル 13 5.3 バイオハザード:リボヌクレアーゼ/デオキシリボヌクレアーゼ洗浄剤による洗浄と オートクレーブ 13 5.4 pH電極の汚染の管理 13 6 簡単なシステムチェックの実行とトラブルシューティング 15 7 機器の最大稼働時間の維持 17 7.1 取り扱いと測定方法 17 7.2 pH電極の洗浄 18 4 pH Workflow Optimization Guide METTLER TOLEDO Content
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1 ニーズに適したメータの選定 1.1 現在のpHメータはニーズに適しているか? いくつかのシンプルなルールに従い、適切な機器を選定することで、非常に精度の高い結果を得ることが できます。 図1:日常作業用メータの例: 図2:高度なメータの例: SevenCompact™、精度を必要とする日常作業向け。 SevenExcellence™、規制されたラボおよび自動化向け。 適切なメータ 次の条件を満たすメータを選択することで、正確さと精度を最大限に高めることができます。 • 用途に適切な誤差限界と測定範囲を有する • 十分な範囲の校正ポイントと校正アルゴリズムがある • ユーザー管理、パスワード保護などを通して、適切なレベルのセキュリティを提供する • コンプライアンスおよび自動化のニーズをサポートする pH Workflow Optimization Guide 5 METTLER TOLEDO
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1.2 一般的な要件とソリューション – pHメータ pHメータのユーザーは、さまざまなニーズと要件を持っています。したがって、メーカーはそれに適合する 各種メータを提供しています。使用できる機能が少ないシンプルなメータから、使いやすさ、コンプライア ンス、自動化に関する多くの機能を備えた高性能メータまで幅広い種類があります。 一般的な要件 ソリューション プロフェッショナル性能レベル タッチスクリーン One Click™操作 読み取りやすいディスプレイ 大型のカラーディスプレイ 拡張メモリ メソッドおよび分析(統計を含む)用メモリ データエクスポート機能 USBメモリ、ネットワークプリンタ、RS232プリ ンタへのエクスポート 法令順守の強化 – ユーザー管理 4ユーザーレベル – 校正手順 校正リマインダー、フリーバッファ – 内蔵クロック 自動電波時計 電極の管理 ISM機能(1 電極のマイクロチップメモリ) 防塵防水構造 IP542 自動化オプション サンプルチェンジャ、撹拌モーター、LabXソフ トウェア 日常性能レベル 最新のディスプレイ カラーディスプレイ 拡張メモリ データメモリ データエクスポート機能 USBメモリ、RS232プリンタへのエクスポート 法令順守の強化 – ユーザー管理 ルーチンおよびエキスパートモード – 校正手順 校正リマインダー、バッファのセット – 内蔵クロック データおよび時刻の設定 電極の管理 ISM機能(1 電極のマイクロチップメモリ) 防塵防水構造 IP542 エントリー性能レベル 鮮明なディスプレイ 測定値および温度を表示するLCDディスプレ イ シンプルな操作 少数のキーだけで構成されたキーパッド 中程度の分解能 0.1pH、1mV 校正手順のサポート 最大3ポイント校正、事前に定義されたバッ ファの4つのセット 防塵防水構造 IP542 表1:pHメータの一般的な要件とソリューション 1 ISM:インテリジェントセンサマネジメント。センサに接続すると、関連するセンサデータ(名前、S/N、校正データ)が自動的にメータに追加されます。 2 IP 54は、防塵性とあらゆる方向から吹きつけられる水に対する防水性を意味します。 限定的な侵入は許容されます。 6 pH Workflow Optimization Guide METTLER TOLEDO pH Workflow Optimization
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2 最適なセンサの選択 pHセンサが数週間で反応が遅くなり、液絡部が汚れ、膜またはプラスチック製シャフトが損傷することは、 しばしば起こります。なぜでしょうか。それは、不適切なpH電極が使われているからです。pHセンサの選定 に十分な注意が払われないことがよくあります。ラボのセットアップ時またはラボの機器の選定時の最も よくある間違いの1つです。 センサの選定時にアドバイスを得ることで多くの問題を避けることができます。まずはwww.mt.com/ electrode-guideからご確認ください。最適な電極を見つけることができれば、メンテナンスは最小限に抑 えられ、センサの寿命が最大限高められ、維持費を最適化することができます。最小限必要なメンテナン スについては、第7章を参照してください。 水溶性サンプル 多くの水溶液サンプルが試験されるラボでの日常的な測定には、シンプルなpH電極で十分です。シンプル なpH電極の利点は、操作が非常に簡単であることと、とても頑丈なことです。一般的に、これらの電極はガ ラス製で、セラミックの液絡部を備えています。また、電解液の詰め替え時に電極清掃して、寿命を延ばす ことができます。これらのシンプルなラボ測定でお勧めの電極は、温度センサ付き/なしのInLab® Routine です。InLab® Routine Proには、測定中の自動温度測定および補正のための温度センサが内蔵されてい ます。 浮遊物質、コロイドを含むサンプル このようなサンプルのpHの測定は、サンプル中の成分が正確な測定を妨げる 可能性があるため、いくぶん厄介です。アプリケーションの例には、土壌酸性測 定、スープ等の食品の品質管理、コロイド化学システムにおける測定などがあ ります。このようなサンプルを測定する際、セラミック液絡部を備えたpH電極を 使用すると目詰まりが生じる危険性がとても高くなります。したがって、固体ポリ マーの参照電解質を使用したInLab® Expertなどの開放型液絡部を備えたpH 電極が最適です。この電極は開放型液絡部を備えているため、液絡部が目詰ま りすることはありません。測定中の温度補正が必要な場合は、InLab® 図 Expert Pro 3:InLab ® Expert電極。 など、温度センサが内蔵された電極を使用することができます。 乳剤 乳剤はpH測定を行う際に特別な注意が必要なサンプルです。たとえば、塗料、水 分散液中の油、牛乳およびその他の乳製品などがあります。このようなサンプル は、乳剤の分散相(「混合」部分)が液絡部を詰まらせるおそれがあります。目詰 まりを引き起こす乳剤の粒子は極小です。したがって、解放型液絡部を使用する 必要はありません。固体ポリマーを使用する電極は、液体電解液を使用する電 極に比べて反応が遅いので、乳剤の測定にはスリーブ液絡部を備えた電極が 最適です。スリーブ液絡部は簡単に目詰まりを起こすことがなく、サンプルに対 して広い接触領域を持ちます。液絡部が目詰まりを起こした場合は、液絡部から スリーブを取り外し、電極を洗浄することで簡単に清掃できます。 図4:InLab® Science電極。 pH Workflow Optimization Guide 7 METTLER TOLEDO
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このような電極の例としてはInLab® Scienceや、温度センサが内蔵されたInLab® Science Proがありま す。スリーブ液絡部を備えた電極は、参照電解液とサンプル溶液の間に広い接触領域があるため、安定時 間が短く、特に測定値が安定しないサンプルに適しています。 半固体、または固体のサンプル 標準のpH電極は、一般的に固体サンプルへ押し付けられる圧力に耐えることが できません。したがって、pHを測定するためにはサンプルに突き通すことがで きる特殊な電極が必要です。また、膜の形状も重要です。電極がサンプルに押し 込まれた場合でも、サンプルとの広い接触領域を確保できるように形成される 必要があるからです。このアプリケーションに最も適したメトラー・トレドの電極 は、InLab® SolidsまたはInLab® Solids Proです。槍状の先端はサンプルに突き 図5:InLab®Solids電極。 刺すことができ、膜の形状が正確な測定を保証します。InLab® Solidsは解放型 液絡部も備えており、(半)固体サンプルによって液絡部が目詰まりするのを防止します。この電極は一般 的に、チーズや肉の品質管理または製造プロセスのチェックに使用されます。 表面 pH電極の先端を浸漬できないほどの少量のサンプルの測定には、ソリューショ ンは1つしかありません。平面を備えたpH電極です。この電極ではpHを測定する ために、必要なサンプルとの接触は表面のみです。この種類の電極のアプリケー ションには肌のpHの測定や、紙のpHの測定などがあります。一滴の血液のpH 測定など、このほかにもごく少量しか使用できないサンプルのpH測定のアプリ ケーションは多数あります。この平面を備えたpH電極の使用方法は平面に数滴 落としたサンプルに電極の先端を直接押し当てます。ほかのアプリケーションと しては、ほんの少量しか使用できない大変高価な生化学薬品サンプルなどがあ 図6:InLab®Surface電極。 ります。この目的に最適なメトラー・トレドの電極は、InLab® Surfaceです。 8 pH Workflow Optimization Guide METTLER TOLEDO pH Workflow Optimization
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3 信頼性の高い結果を得るためのpHメータの 理想的な装備 3.1 撹拌の重要性 比較的安価でありながら、より迅速に、また再現性の高い結果を達成できる非常 に効果的な方法があります。サンプルの攪拌です。サンプルの撹拌が推奨される 理由は主に3つあります。 1. センサの配置など、人の影響が削減される。 2. サンプルが同質化される。少なくとも撹拌しないより良い。 3. 温度分布が改善され、より早く均衡に達する。 できれば、校正と実際の測定で同じ撹拌条件が用いられることが望ましいです。 この理由は、センサ先端の流量がpHに影響を与えるからです。 SevenCompactおよびSevenExcellenceはパワフルな撹拌オプションを備えてい ます。それぞれに共通する機能と違いを以下の表で確認してください。 機能 SevenCompact SevenExcellence 校正時の撹拌 ○ ○ 測定前の撹拌 ○ ○ 測定時の撹拌 ○ ○ 一般的な撹拌速度(calおよびmeasの設定) ○ メソッド(サンプル)に依存した速度 ○ 撹拌のみ(その後の測定なし) ○ 1メソッド中で複数の撹拌 ○ 粘性サンプルにオーバーヘッドスターラーを使用 ○ ○ 表2:SevenCompactおよびSevenExcellenceの撹拌オプション SevenExcellenceのSTIRメソッドの最大の利点は、測定前により厳密に撹拌しサンプルを均質化してから、 実際の測定時に校正時と同じ撹拌速度を使って、短時間に正確で高精度の結果を達成できることです。 3.2 サンプルチェンジャの使用 再現性のある結果を得るための最善の方法は、サンプルチェンジャを使 用することです。完全な自働化は個々の結果から人間の影響を排除しま す。一貫した撹拌、自動洗浄、自動終了点などのオプションを使用すると、 誰でも最高の精度を達成できます。特に夜間や週末に測定を実行してい る場合、初期投資は短期間のうちに回収できます。 pH Workflow Optimization Guide 9 METTLER TOLEDO
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4 温度の影響に対する最適な対処 pH測定では、サンプルの温度を考慮した場合にのみ正しい結果が得られます。 温度によるマイナスの影響を回避するための簡単な、しかし効果的な以下の方 法を使用すれば、再現性のある高精度の結果が容易に得られます。 4.1 温度自動補正(ATC) pH標準液の温度補正を自動的に行います。サンプルでは、温度表示はしますが 温度補正はされません。 図7:InLab®電極の温度センサ。 • 内蔵温度センサを備えたセンサを使用し、安定した信号が表示されるまで待 ちます。 メータはpH標準液の場合はpH信号を自動的に修正します。ATCは10mLを超えるサンプルで最 も適切に機能します。 • すべての「Pro」タイプのInLab®センサ(InLab® Micro Pro、Science Pro、Expert Pro)には温度プローブが 組み込まれているため、間違った温度が設定される、といった心配はありません。 • 内蔵温度センサがない場合は、独立した温度プローブの使用をお勧めします。 4.2 温度手動補正(MTC) MTCはきわめて高精度ですが、時間がかかることがあります。 • サンプルの温度がわかっている場合は(環境が制御された部屋で作業してい る場合や冷蔵庫から出した直後のサンプルを使用している場合など)、 その既知の温度を機器の測定設定に入力し測定時の温度を記録します。 • 温度が異なる複数のサンプルを測定している場合は、 図8:pHメータの温度とMTCの表示。 温度が変わるたびに設定を変更する必要があるため、MTCは時間がかかりま す。 4.3 サンプルではなくセンサの温度を測定してしまうケース サンプルがとても小さい場合、サンプルの質量はセンサの質量に比べるとごくわずかです。このためセン サの温度が誤ってサンプルの温度と解釈され、均衡に達するまで時間がかかる場合があります。確実にサ ンプルの温度とセンサの温度が一致するようにしてください。最適な作業法は、サンプルとセンサを冷蔵 庫かインキュベータ、または室温で一緒に保管することです。このようにすると、pH膜、比較電極システム、 サンプルが同じ温度になるため、最高の精度が保証されます。 10 pH Workflow Optimization Guide METTLER TOLEDO pH Workflow Optimization
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5 困難なケースの対処方法 5.1 少量サンプルの測定 サンプルが貴重あるいは希少であるほど、それを分析に使うことが困難になります。一部のpHアプリケー ションでは、ごく少量のサンプルしか必要としない電極や、試験管、エッペンドルフ型チューブ、細NMRサン プル管など扱いが難しいサンプル容器に到達できる電極を必要とします。少量のサンプルが入ったこのよ うな容器の場合、一般的に、サンプルに到達してpH測定ができるように、小型で細いpH電極が必要です。 メトラー・トレドのマイクロおよび半マイクロpHセンサは、どのようなサイズのサンプル容器にもフィットし ます。特に、貴重なあるいは希少なサンプルの場合、電気化学分析のために大量のサンプルが必要なくな るため便利です。 InLab® Ultra-Micro – 進化したマイクロセンサ InLab® Microと比べてこの電極のセンサシャフトは40mmと短いため、取り扱い が容易で破損も発生しにくくなります。ウェルプレートや遠心バイアル内などの 15µLまでの少量のサンプルでも測定できるように、セラミックの液絡部は低い 位置に配置されています。 図9:InLab® Ultra-Micro電極の 詳細。 InLab® Micro – 信頼できる実証済みの製品 InLab® Microは、60mmという長いシャフトにより、深さのあるバイアルや遠心 管でのpH測定に最適です。徹底的に検証およびテストが実施されており、ほと んどの標準的なマイクロアプリケーションに適しています。InLab® Microファミ リーの真に優れた製品です。 図10:InLab® Micro電極の詳細。 InLab® Micro Pro – 温度補正されたpH InLab® Micro Proには、自動温度補正(ATC)をサポートする温度センサが内蔵 されています。温度プローブの位置がpH膜に近いため、正確なATCが可能です。 図11:InLab® Micro Pro電極の 詳細。 pH Workflow Optimization Guide 11 METTLER TOLEDO
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InLab® Semi-Micro – メンテナンス不要で汚染のない pH測定 InLab® Semi-Microには最新のポリマー電解液、XEROLYT® EXTRAが含まれて います。ポリマー電解液とオープンな比較電極接続により、保守と操作がとても シンプルです。液絡部がないため、汚染や目詰まりの可能性がありません。 図12:InLab®Semi-Micro電極の 詳細。 InLab® Flex-Micro – 柔軟なpH精度 このpH電極は破損せずに折れ曲がるので、マイクロ電極の損傷に頭を悩ませ ることがなくなります。間違った動かし方によって高価な電極を破損することは ないので、安心して使用できます。チームの効率性を向上させることができま す。 図13:InLab® Flex-Micro電極の 詳細。 InLab® Redox Micro – 容易な酸化還元電位 ORP(酸化還元電位)はレドックス電位とも言い、生物学において重要です。これ はInLab® Redox Microを使って簡単に測定できます。この伝統的なINGOLD製 品は、実証済みのプラチナリング設計に基づいています。 図14:InLab® Redox Micro電極の 詳細。 各容器タイプの最小サンプル量 電極の直径 3.0mm 3.0mm 電極タイプ InLab® InLab® Ultra-Micro Micro 容器タイプと 一般的なサンプル量 小型試験管 100μL 200μL > 2mL LiteTouchチューブ 25μL 65μL 1.5~1.7mL サンプル管 25μL 65μL 0.5mL 96ウェルプレート μ ~ 20 L 45 μL 200 300μL 384マイクロプレート ~ 15 μL – 50 100μL 表4:pH測定の最小サンプルサイズ 12 pH Workflow Optimization Guide METTLER TOLEDO pH Workflow Optimization
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5.2 非水性、低イオン、粘性の高いサンプル 測定の困難なアプリケーションでは、SteadyForce®電極を使用することをお勧めします。InLab® Powerお よびInLab® Powe(r Pro)は、内部電解液が圧力下にあるように設計されています。これはサンプルや用途 の特性にかかわらず、サンプルが電極に侵入するのを防ぐという利点があります。これにより、安定した測 定のために必要な電解液の流れが常に十分に確保され、信頼性の高い迅速な測定が可能となります。 非常に粘性の高いサンプルの場合、InLab® Viscousが最適です。SteadyForceと特別に設計された先端構 造により、困難な測定も迅速に完了することができます。 5.3 バイオハザード:リボヌクレアーゼ/デオキシリボヌクレアーゼ洗浄剤による 洗浄とオートクレーブ pH電極、InLab® Power、Power Pro、Viscous、Viscous Proはオートクレーブで殺菌できます。リボヌクレ アーゼ/デオキシリボヌクレアーゼ除染溶液で最初にセンサを洗浄すると、生物学的汚染の可能性が大幅 に軽減されます。 図15:特別なInLab®センサはオートクレーブが可能。 5.4 pH電極の汚染の管理 サンプルの測定時には、サンプルのキャリーオーバーや微生物、または遺伝子汚染などによる汚染のリス クが常にあります。従来のpH電極は、TRIS系緩衝液やタンパク性サンプル測定時の電解液の流出によって も影響を受けることがあります。InLab®電極を使用した操作にはそのような心配はありません。 TRIS緩衝液によるセンサの汚染の防止 高精度のpH測定は、緩衝液の品質を確保するための重要な要素です。分子生物学から組織学まで、生物 学の研究で幅広く使用されているTRIS系緩衝液は標準のpH電極に損傷を与えることがあります。 pH Workflow Optimization Guide 13 METTLER TOLEDO
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TRISによる損傷 TRIS緩衝液の調製時にpHを測定すると、TRISが電解液中の銀イオンと反応し、pH電極の液絡部が目詰ま りを起こすことがあります。この反応は、BSA(ウシ血清アルブミン)など、緩衝液中のタンパク質との間でも 発生します。このために安定時間の延長、読み取り値の変動、全体的に間違った結果が生じることがありま す。 メトラー・トレドの InLab®電極はTRIS系緩衝液と適合性を持つように特別に設計されているため、 信頼性の高い結果と高精度のpH値が保証されます。InLab®電極の電解液には銀イオンが含まれないた め、汚染が発生する可能性はありません。 図16:校正時のSevenExcellenceメータとInLab®電極。 14 pH Workflow Optimization Guide METTLER TOLEDO pH Workflow Optimization
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6 簡単なシステムチェックの実行とトラブルシューティング pHトラブルシューティング pH測定システムの性能が急に低下し始めた場合は、pH測定システムの問題を突き止めることが、元の性 能レベルに戻すための第一歩となります。 問題がどこにあるのか メータの表示をmVに設定し、電極を標準液pH7.00 に浸します。読み取り値はAg/AgCl比較電極で0mV ± 30mVになるはずです。次に、pH 4またはpH 10の標準液の値を読み取ります。この溶液は、pH 7のときの 電位との差が150mV以上でなければなりません。そのようにならない場合は以下のテストを行います。 アプリケーション アプリケーションに適した電極を使用していますか?非水溶性、低導電率、TRIS など、特殊なアプリケーション向けのさまざまなタイプのpH電極があります。適 切な電極を使用しているかどうかを確認するには、メトラー・トレドのセンサ製 品ガイドを次のWebサイトでご覧ください。www.electrodes.net オペレーター 場合によっては、明らかと思われることの確認も重要です。 • 装置が正しく設置されていますか?またはコンセントに差し込まれています か? • 電極が適切な端子に差し込まれ、しっかりと固定されていますか? • 適切なpH標準液を使用してメータが正しく校正されていますか? 測定を行う前に、保護キャップが取り外され、側面の注入口が開いていることを確認します。異なるpH標 準液やサンプルの測定前には必ず電極をすすいでください。 pHメータ pHメータを短絡クリップ(標準装備)またはテストプラグセットでテストします。 このプラグで電位が0 mVに設定されない場合は、メータに問題があります。こ のような場合にはメトラー・トレドのサービスにお問い合わせください。 pH Workflow Optimization Guide 15 METTLER TOLEDO
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pH標準液 適切な標準液を適切な順序で使用していることを確認します。常に新しい標準 液を使用します。有効期限を確認します。 ケーブルとコネクタ 取り外し可能なケーブルは、同一タイプのものと交換してテストします。スペア のケーブルがない場合や固定式ケーブル電極の場合、ケーブルを曲げたとき に機器の信号が変化するかどうかを確認します。 メータのソケットを含むすべてのコネクタを検査し、洗浄します。 MultiPin™また はS7コネクタ付きの電極を使用している場合は、KClの結晶やその他の付着物 がないことを確認します。 汚れた、または腐食したコネクタは読み取りエラーの原因となります。 電極 電極の目視検査によって問題の原因に関する重要な手がかりが得られることが 頻繁にあります。 電極の内部液 • 電解液が補充口近くまで充填されているか確認します。 • 電極の内部液を入れ替えます。 • 電極シャフトまたは取扱説明書に記載されている正しい電解液を使用していること、また電解液の注入 口が開いていることを確認します。 気泡 • 電極内部の気泡の有無を確認します。気泡がある場合は、電極を下向きに静かに振って取り除きます。 ゲル電解液を使用した電極の場合は、温水の中に電極を真っ直ぐ立てておくことで取り除きます。 目詰まりした液絡部 • 液絡部の目詰まりまたは変色の視覚的な兆候はありますか? • 電極を空中に30分間吊るして、電解液が液絡部を流れるか確認します。KCIのクリーピングが見られな い場合は、液絡部の目詰まりの兆候なので、清掃する必要があります。この場合、次のことを行ってくだ さい。 a)電極を高温(50ºC~60ºC)の電解液に数分間浸します。これでも解決しない場合は、 b)電極を0.1 mol/LのHClに一晩浸します。 c)タンパク質汚染の場合は、電極をペプシン–HCl溶液に浸します。 d)硫化物汚染の場合は、電極をチオ尿素溶液に浸します。 詳細については、7.2のセクションを参照してください。 16 pH Workflow Optimization Guide METTLER TOLEDO pH Workflow Optimization
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7 機器の最大稼働時間の維持 7.1 取り扱いと測定方法 このセクションでは、pHセンサの正しい取り扱い方法と測定技術に関するヒントをいくつか提供します。毎 日の使用では、pH電極を良好な状態に保つことが非常に重要です。これは効率的に作業して時間を節約 する、最も効果的な方法です。 pH電極のメンテナンス 定期的なメンテナンスはpH電極の寿命を延ばすうえで非常に重要です。液体電解液を使用した電極で は、サンプルの液面より内部液が高い位置にあることが重要です。こうする事でサンプルの電極内への逆 流が防げます。比較電解液も1か月に1回など、定期的に全入れ替えする必要があります。これにより電解 液が新しくなり、測定中に開いた注入口から蒸発しても結晶化しません。 電極内、特に液絡部の近くで気泡が発生しないように注意してください。気泡が生じると測定が不安定に なります。 気泡を取り除くには、体温計を振るように電極を垂直方向に静かに振ります。 電極の保管 電極は、常に水溶液かイオンを多く含む溶液内で保管しなければなりません。これによってpHガラス膜上 に形成されるpH感応性ゲル層が水和され、イオンが多く含まれる状態で維持されます。これは、サンプル のpH値に応じて高い信頼性でpH膜が反応するために必要です。 短期間の保管 次の測定までの間、または電極を短期間使用しない場合は、特別なInLab®保存液1、その内部電解液 (3mol/L KClなど)、またはpH 4/pH 7の標準液で電極を保管するのが最適です。保管容器内の保管液面 が電極内の電解液の液面より低いことを確認してください。 長期間の保管 長期間の保管では、電極の保護キャップをInLab®保存液1、または内部電解液で満たします。電解液が蒸 発によって失われないように、比較電極と複合電極の注入口が閉じていることを確認します。蒸発によって 電極と液絡部内部で結晶が生じることがあります。 電極は決して乾燥した状態で、または蒸留水内で保管しないでください。pH感応性ガラス膜に影響を与 え、電極の寿命が短くなります。 前述の推奨事項に従うことで、いつでも確実に電極を使用できる状態に維持できます。 温度センサ 使用後に温度センサをすすぎ、損傷を防ぐために梱包箱に乾いた状態で保管します。 1 このInLab®保存液はメトラー・トレドからご注文いただけます(30111142) pH Workflow Optimization Guide 17 METTLER TOLEDO
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7.2 pH電極の洗浄 pH電極はイオン交換水などですすいでください。ティッシュなどで強く拭かないで下さい。紙のティッシュ の粗い表面がpH感応性ガラス膜に傷や損傷を加え、ゲル層が除去されて電極上に静電気が発生します。 この静電気によって測定信号が非常に不安定になります。特定のサンプルで汚染された場合は、その後 に特別な洗浄手順が必要です。これについて以下に詳細に説明します。 硫化銀(Ag2S)による目詰まり 比較電解液に銀イオンが含まれ、測定対象のサンプルに硫化物が含まれる場合は、液絡部が硫化銀の沈 殿物で汚染されます。液絡部からこの汚染を除去するには、8%チオ尿素0.1mol/L HCl溶液で洗浄します。1 塩化銀(AgCl)による目詰まり 比較電解液の銀イオンも塩化物イオンが含まれるサンプルと反応し、AgClが沈殿することがあります。こ の沈殿も、電極を濃縮アンモニア溶液に浸すことで取り除くことができます。 タンパク質による目詰まり タンパク質で汚染された液絡部は、多くの場合、電極をペプシン/HC(I 5%ペプシン0.1mol/L HCl溶液)に 数時間浸すことで洗浄できます。2 その他の液絡部の目詰まり 液絡部が他の汚染物質で詰まっている場合は、水または0.1mol/L HCl溶液を使用した超音波洗浄機で電 極の洗浄を試みます。 pH電極の寿命 十分にメンテナンスを行い、適切に保管されている電極も、一定時間が経過すると性能が低下し始めま す。使用とメンテナンスを適切に行っているpH電極の予想寿命は約1~3年間です。電極の寿命短縮の要 因には高温や極端なpH値での測定などがあります。 1 このチオ尿素溶液はメトラー・トレドからご注文いただけます(51340070) 2 このペプシン溶液はメトラー・トレドからご注文いただけます(51340068) 18 pH Workflow Optimization Guide METTLER TOLEDO pH Workflow Optimization
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Good Measuring Practices 測定結果を向上させるための5つの ステップ すべてのGood Measuring Practicesガイドラインの5つのステップは、 プロセスの測定要件と関連リスクを評価することから始まります。 この情報を使用して、Good Measuring Practicesは、実験器具やデバ イスの選定、設置、校正、操作に関する明確な推奨事項を提供しま す。 • 結果の精度の維持 • 規制コンプライアンス、安全な監査 • 生産性の向上とコストの削減 • 専門家による適格性評価とトレーニング Good Electrochemistry Practice™ 信頼性の高いpH測定 – GEP™により実現 Good Electrochemistry Practicesプログラムについて詳しくはこちらへ www.mt.com/GEP www.mt.com/SevenExcellence 詳しくはウェブサイトへ メトラー・トレド株式会社 アナリティカル事業部 TEL: 03-5815-5515 FAX: 03-5815-5525 ©10/2017 Mettler-Toledo K.K., 製品仕様・価格は予告なく変更することがあります。