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不正確な濃度調製を今すぐやめる10の理由

ホワイトペーパー

規格外(OOS)の結果につながる潜在的なエラー原因とその対応策とは?

研究室のプロセスにはエラーにつながる可能性のある要因が無数にあり、それは規格外(OOS)の結果にもつながっています。しかし、そのような潜在的なエラーの原因の最大50%が毎日手作業で行っているサンプル処理ワークフローに影響を与えていることはご存知でしょうか?

このようなエラーの原因をなくすのは本質的に困難です。その多くは従来から行われている容量法によるサンプル調製に起因しています。容量法を重量法に変えることにより、エラーを削減できるだけでなく、精度と安全性を高め、資源を節約することができます。

当ガイドでは、研究室で不正確な濃度調製を今すぐやめる10の理由について概要を説明します。

このカタログについて

ドキュメント名 不正確な濃度調製を今すぐやめる10の理由
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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登録カテゴリ
取り扱い企業 メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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不正確な濃度調製を 今すぐやめる10の理由 研究室のプロセスにはエラーにつながる可能性のある要因が無数にあり、それ は規格外(OOS)の結果にもつながっています。しかし、そのような潜在的なエ ラーの原因の最大50%が毎日手作業で行っているサンプル処理ワークフローに 影響を与えていることはご存知でしょうか? このようなエラーの原因をなくすのは本質的に困難です。その多くは従来から行われてい る容量法によるサンプル調製に起因しています。容量法を重量法に変えることにより、 エラーを削減できるだけでなく、精度と安全性を高め、資源を節約することができます。 研究室で不正確な濃度調製を今すぐやめる10の理由について、概要を説明します。 容量法によるサンプル調製で発生するエラーは規格外の結果を招く恐れがあります Solution Preparation
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従来のメソッドを見直す フラスコを使用した容量法によ • 温度:メスフラスコは通常、 に発生する転記ミスはよくあ るサンプル調製は、手作業で時 20°Cで校正されています。 る問題です。 間がかかる、主観的な推測に しかし、フラスコの内容物は 頼っている、人的エラーの可能性 常にこの温度で測定されて 容量法の場合、エラーの可能性 が非常に高いなど、数十年も前 いるわけではありません。化 があることに加え、高価な材料 から変わっていません。一般的に 学反応、超音波処理、洗浄な を無駄に使用する傾向がありま 行われている容量法によるワー どによるフラスコの温度変 す。溶液や標準液は必要な分量 クフローにおいて、ばらつきや不 化は、エラーにつながる可能 より多く調製しますが、分析に使 確かさが発生する原因は、次の 性があります。 うのはわずかです。残った分は最 ようなものが挙げられます。 終的に廃棄されますが、安全に • 汚染物質:クロスコンタミ 処分するために追加費用がかか • オペレーターのミス:材料や ネーションはリスクを引き起 ることも頻繁にあります。 フラスコの選定、計量、サン こします。しかし、効果的な プルの移し替え、希釈、メニ 洗浄プロセスの規定は難し スカスの読み取りなどにミス いうえに、時間と費用がかか があると、溶液の調製に大き ります。 なばらつきが発生します。 • データの記録:規格外の結 • ガラス器具の不具合:NIST 果は、フラスコの内容物に対 の論文によると、新しいガ する間違ったラベル付けや ラス器具はクラスA仕様に 不十分な説明からも発生す 50パーセントの確率で適合 ることがあります。手作業で していません。 プロセス結果を記録する際 専門家からのヒント: メニスカスの読み取り ピペット フラスコ 容量法によるサンプル調製 相対的な 相対的な では、視差エラー防止のた 容量(mL) 誤差% 容量(mL) 誤差% め、メニスカスと目の高さを 1 0.60 5 0.40 必ず合わせます。液体表面 2 0.30 10 0.20 のくぼんだ部分を目の高さ で確認します。読み取り値 3 0.33 25 0.12 は、くぼんだ液体表面の最 4 0.25 50 0.10 も低い部分です。 5 0.20 100 0.08 10 0.20 200 0.05 表1: クラスAガラス器具の相対的な誤差割合(パーセント) 2 Solution Preparation
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エラーは防げる 実は、容量法のサンプル調製で 済みの固体の質量をベースに自 発生するこのようなエラー要因 動的に溶剤を分注できる機能を のすべてを一度に排除する簡単 備えた天びんを使用することに なサンプル調製メソッドがありま より、毎回わずかな作業で目標 す。それは、容量ではなく質量を の濃度を高精度に得ることがで 測定する方法です。このメソッド きます。質量ベースの測定はこれ に必要なものは、研究室で既に だけでも検討に値します。しかし 使用されている分析天びんやセ メリットは他にも多くあります。 ミミクロ天びんです。 研究室で溶液を正確に調整する には重量法が最適なのはなぜで 手作業でも自動化された方法で しょうか?10の重要な理由を詳 もこの原理は機能しますが、計量 しくご覧ください。 薬包紙上でサン 実測値の重量を 溶剤を充填。 濃度を計算 フラスコにラ プルを許容範 記録。サンプル ストッパーに固 ベルを貼付 囲内で計量 をメスフラスコ 定しフラスコを に移す 反転 計量誤差、時間 転記ミス、フラ 主観的でオペ 計算ミス 転記ミス のかかる作業 スコの清浄度、 レーターにより フラスコの選定 異なる結果 図1: 手作業が多く、非常に主観的でばらつきが出る容量法による調製 3
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重量法が優れている理由 分注済みの固体の重量値をベー 悩む時間を削減でき、溶液を 5. 使用するサンプル量の削減: スにして、液体を添加することに 必要量だけ調製することが 調製する溶液の量はフラスコ はメリットがあります。 できます。 のサイズに左右されません。 質量ベースの分注では、天び 1. 手作業によるばらつきを排 3. 主観的な読み取りを排除:ば んの最小計量値を設定する 除:手作業による容量法サン らつきが発生する原因は溶 ことで、少ないサンプル量で プル調製は上述した通りば 剤を添加する段階で増えて 少量の溶液を調製できるた らつきがあり、エラーを引き いきます。容量法のメニスカ め、無駄になる材料を減ら 起こす可能性が非常に高く スの読み取りは非常に主観 し、コストを大幅に節約する なります。質量ベースの方法 的なため、オペレーターによ ことができます。また、目標 (重量法サンプル調製ともい り異なる可能性があるので の濃度を得るために行われ う)は、視覚で主観的に容量 す。一方、質量ベースの分注 ている時間のかかる連続希 を解釈するのではなく、天び は目測による推定ではなく、 釈も過去のものとなります。 んが表示する重量値を読み 重量値を使用します。 取ることで、エラーを起こしや 6. 使用する溶剤を大幅に削減: すい手作業を排除します。 4. 手作業による計量でも、精度 重量法サンプル調製では、分 の高い濃度で迅速に調製:自 注済みの固体サンプルの実際 2. 迅速な作業:容量法のワー 動化された液体分注を使用 の量に基づき、溶剤の添加を クフローにおいて、フラスコ すると、計量済みの固体の実 高精度に計算することができ の選定にはプロセス全体の 際の重量をベースにして自動 ます。また、これにより使用す 理解が必要です。ガラス器具 的に溶剤が添加されるため、 るガラス器具の容量に左右さ の体積を減らせばエラーのリ 精度の高い濃度を毎回得るこ れなくなるため、使用する溶 スクは増えますが、フラスコ とができます。これは、手作 剤を格段に減らすことができ が大きければ大きいほど、溶 業による粉体の計量がおおよ ます。使い捨てバイアルをすす 液調製に必要な物質と溶剤 その量で良いことを意味して ぐ必要がなくなるため、溶剤 は多くなります。エラーのリ います。つまり、目標とする正 の使用をさらに減らすことが スクと使用する物質の適切な 確な濃度を得るために、粉体 できます。 妥協点を見つけるのは困難で を少しずつ減らしたり増やし す。重量法による溶液調製で たりする、時間のかかる微調 あれば、ガラス器具の選定に 整が不要となります。 目標濃度を バイアルで 自動計算 希釈液を添加 バイアルにラ 設定 サンプルを ベルを貼り 直接計量 付け 必要な濃度 おおよその重量 サンプル重量と 自動液体分注 自動ラベル印字 目標濃度に基づ いた計算 図2: 自動分注で、主観的な判断とばらつきを排除 4 Solution Preparation
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7. 高価なガラス器具のメンテ 実現するのと同時に、「4つの 10. クロスコンタミネーションリ ナンスが不要:校正済みのメ 目」による検証でコンプライ スクの低減または排除:使 スフラスコは使用せず、粉体 アンスを強化できます。 い捨て可能なバイアルは1回 や液体を分析天びんやセミミ しか使用しないため、堅牢な クロ天びんの計量皿に直接 9. 暴露のリスクの低減または フラスコ洗浄システムは不要 載せた小さな使い捨てバイア 排除:自動液体分注とともに で、洗浄用のSOPに従わな ルの中に分注します。溶剤の 自動固体分注を使用すると、 かった場合に発生するクロス 添加は、計量済みのサンプル 物質は対象のバイアルに直 コンタミネーションのリスクも 量に基づいて計算されます。 接分注されるため、オペレー ありません。 ターによる手作業は不要で 8. トレーサビリティとコンプライ す。そのため、スパチュラや薬 アンスを簡単に実現:溶液を 包紙を使用したサンプルの移 調製した日時やサンプルIDな し替え、そしてそれに伴う暴露 どの重要なメタデータを証明 リスクを排除できます。固体 する優れた機能を備えていま の計量が手作業であっても、 す。天びんで測定した質量を 自動液体分注では重量が高 使用してサンプルを調製する 精度である必要がないため、 と、目標重量、実測重量、得ら オペレーターが固体物質にさ れた濃度が自動的に記録さ らされる時間を短くすること れます。ラベルによりコンプラ ができます。 イアンスとトレーサビリティを 5
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重量法のメリットのまとめ 自動液体分注を使用した重量法 • 人間工学に基づく作業 りとなり、実現可能でコスト効率 によるサンプル調製で次のことを • データの自動記録 が高い方法です。 実現できます。 これらのメリットにより、液体分 • サンプル処理のミスの低減 注による重量法のサンプル調製 • 濃度調整の精度向上 は、ばらつきやエラーが起こりや • 環境への悪影響を抑制 すく、貴重な物質を多く必要とす • 貴重な資源の節約 る容量法による溶液調製の代わ ばらつきを補償する適正な安全係数 質量に基づくサンプル調製や重量 測定結果の信頼性が低下し、特に プロセス要件に確実に適合させる 法によるサンプル調製の精度が向 環境条件が変化する場合にはそ ように設計されたガイドラインで 上し、計量技術は格段の進歩を れが顕著になります。 す。性能が適合していない場合、 遂げてきました。その結果、今や 上記を踏まえると、天びんの最小 GWP® Verificationは必要な精 重量法は広く受け入れられるよう 計量値が妥当なことと、プロセス 度を取り戻す対策をすぐに取るよ になっており、米国薬局方(USP) のニーズに合う適切な安全係数が うに推奨します。 <1251>に定義されるまでになっ 採用されていることを検証するこ ています。しかし、ローエンドの とが重要です。 天びんの使用可能な測定範囲で メトラー・トレドのGWP® 計量すると不確かさが増すため、 Verificationは、天びんの性能を 6 Solution Preparation
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質量に基づくメソッドへの切り替え 重量法によるサンプル調製の導入 経験的に判明している場合、既存 新しい調製手法を開発する場合 には、mg/mlからmg/gへの濃度 の容量法は簡単に切り替えられ は、比重を手順に取り入れるか、 単位の変換が必要です。この変更 ることを意味します。 または単に分析対象の固体や溶 によって、既存のSOPとの兼ね合 剤の質量を基準にサンプル調製 いで一部のラボでは作業手順の を行うかを選択できます。 変更が必要になりますが、再評価 の必要がなくなりメリットは非常 に大きいといえます。 USP <841>比重の改訂には質量を 使用した溶液の調製が明確に記載 されており、密度がわかっている 場合には次の式「容量 = 質量/ 密度」を利用し、質量から容量 への変換、容量から質量への変換 ができると述べられています。 これはすなわち、溶液の分析上の 密度が明らかになっているか、 7
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参照文献: 1. General Chapter <1251>「Weighing on an Analytical Balance」、USP36-NF31の第二次補足、2013年6月、 Rockville、Maryland、オンライン版 2. General Chapter <841>「Specific Gravity」、USP36- NF31の第一次補足、2013年2月、Rockville、Maryland、 オンライン版 3. 「Important Technical Guidance on Glassware」、 Tom ColemanおよびGeorgia Harris、NIST、2005年8月 4. 米国食品医薬品局。「Guidance for Industry」: 「Investigating out-of-specification(OOS)test results for pharmaceutical production」FDA。 以下から閲覧可: www.fda.gov/downloads/Drugs/ GuidanceComplianceRegulatoryInformation/ Guidances/UCM070287.pdf. 5. 「重量法によるサンプル調製がサンプルサイズとOOS誤差を 削減」、Mettler-Toledo GmbH、2013年 6. ウェビナー:「規格外(OOS)結果を防ぐには:計量やサン プル調製のヒント」 www.mt.com/labtec-avoid-oosl www.mt.com/quantos 詳細はウェブサイトをご覧ください Mettler-Toledo GmbH メトラー・トレド株式会社 Laboratory Weighing ラボラトリー事業部 CH-8606 Greifensee 東京都台東区池之端2-9-7 Switzerland 池之端日殖ビル6F Tel. +41 44 944 22 11 Tel. 03-5815-5515 Fax. +41 44 944 30 60 Fax. 03-5815-5525 Subject to technical changes. © 02/2016 Mettler-Toledo K.K., © 02/2016 Mettler-Toledo GmbH 30327324 Global MarCom Switzerland, 1899 RK 製品仕様・価格は予告なく変更することがあります。