1/16ページ
カタログの表紙 カタログの表紙 カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(1.5Mb)

熱機械測定装置 TMA/SDTA2+

製品カタログ

簡単操作で、幅広い測定温度範囲の熱機械分析を可能にします

・モデル TMA/SDTA 2+ LF/1100
温度範囲 室温 -1100℃
最大サンプル数 20mm
長さ分解能 0.5nm
測定荷重範囲 -0.1N~1N
SDTA 分解能 0.005℃
DLTMA 周波数 0.01Hz~1Hz

・モデル TMA/SDTA 2+ IC/600
温度範囲 -80℃~600℃
最大サンプル数 20mm
長さ分解能 0.5nm
測定荷重範囲 -0.1N~1N
SDTA 分解能 0.005℃
DLTMA 周波数 0.01Hz~1Hz

・モデル TMA/SDTA 2+ LN/600
温度範囲 -150℃~600℃
最大サンプル数 20mm
長さ分解能 0.5nm
測定荷重範囲 -0.1N~1N
SDTA 分解能 0.005℃
DLTMA 周波数 0.01Hz~1Hz

TMA/SDTA 2+ は幅広い温度範囲に加え、圧縮モードや引っ張りモードでの負荷のパラメータの幅広い選択肢を備えているため、さまざまなアプリケーションに使用できます。
そのため、TMA/SDTA 2+ は、非常に薄い膜、大きなシリンダー状サンプル、細い繊維、フィルム、プレート、軟質および硬質ポリマー、単結晶など様々な種類のサンプルに関する情報を、迅速に得ることができます。

◆TMA/SDTA2+で測定できる現象と特性◆
• 粘弾性挙動(ヤング率)
• ゲル化
• ガラス転移
• 相転移
• 膨張率
• 硬化、架橋反応
• フィルムやファイバーの膨張・収縮
• 膨潤挙動
• 軟化
• 体積膨張
• 粘性流
• 医薬品や食品の熱的現象
• 融解、結晶化

関連メディア

このカタログについて

ドキュメント名 熱機械測定装置 TMA/SDTA2+
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 1.5Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

この企業の関連カタログ

この企業の関連カタログの表紙
レイニンミニカタログ 2022年12月版
製品カタログ

メトラー・トレド株式会社

この企業の関連カタログの表紙
XPRミクロ天びん カタログ
製品カタログ

メトラー・トレド株式会社

この企業の関連カタログの表紙
日常点検の無料SOP(作業手順)
その他

メトラー・トレド株式会社

このカタログの内容

Page1

TMA/SDTA 1 STARe システム Innovative Technology Versatile Modularity Swiss Quality 熱機械測定装置 for All Requirements Thermal Analysis Excellence
Page2

卓越した測定パフォーマンス スイスの高いクオリティ 熱機械分析とは、物質の温度を一定のプログラムに従って変化させながら、圧縮、引張り、曲げ などの荷重を加えて、その物質の温度に対する変形を測定する手法です。膨張率、ガラス転移温 度、軟化点、熱変形温度などを知ることができます。測定中の荷重を変化させることにより、粘 弾性を確認することもできます(DLTMAモード)。 メトラー・トレドTMA/SDTA 1の特長と利点: ■ 幅広い測定温度範囲 – -150℃から1600℃まで ■ SDTA – サンプル温度同時測定により複数の熱挙動を確認 ■ One Click™ – 簡単操作で効率的な測定 ■ ナノメータレベルの分解能 – サンプルのごくわずかな長さの  変化も測定可能 ■ 動的荷重TMA(DLTMAモード)– 軽微な転移や粘弾性を測定 ■ 幅広い測定範囲 – 大小のサンプルサイズに対応 ■ モジュラー設計 – 必要に応じ、後から拡張が可能 ■ ハイフネイテッド技術 – MS、GC-MS、FTIR による  発生ガス分析が可能 TMA/SDTA 1 はスイスの精密技術を取り入れ、-150℃ から1600℃までの測定に最適な加熱炉システムを採 用した4つのモデルを取り揃えています。 2 TMA Excellence
Page3

SDTA シグナル 比類なき温度精度 TMA/SDTA1はすべての測定モードでサンプルと非常に近い距離でサンプル 温度を測定できる市場で唯一の装置です。標準物質(純粋な金属)の融点や 長さ変化を測定することにより温度校正が可能です。 SDTAシグナルはモデル計算されたリファレンス温度(米国特許6146013)と 実測のサンプル温度との差です。サンプル長の変化の他に、測定値として SDTAシグナルが同時に得られることを意味します。多くの場合にTMA測定結 果の正しい解析に役立ちます。 動的荷重TMA(DLTMAモード) DLTMAモードによりサンプルの粘弾性を確認することができます。 独自の温度校正法 メトラー・トレドのTMA装置には2つの熱電対があります:一方は加熱炉の 温度を測定し昇温プログラムをコントロールします。他方はサンプル直下 に位置しサンプル温度を測定します。この独自の方法で正確な温度校正 が可能です。 3
Page4

迅速に結果を提供 革新的技術 簡単なサンプルセット サンプルホルダと測定プローブの位 置はオープンになっており、セットし やすい設計になっています。また、サ ンプルホルダは決まった位置にのみ セットできるようになっており、誰で も簡単に速く任意のホルダを取り付 けできます。 測定プローブは磁気によりセンサ (LVDT)に取り付けるようになっており、 簡単に交換できます。 各測定モードにはそれぞれに異なる サンプルホルダおよび測定プローブ が用意されています。様々なアプリ ケーションにマッチする最適な測定 方法を選択することができます。 熱分析システムをフルラインアップ 熱分析には4つの異なる測定技術があり、それぞれ特定の方法でサンプル特性に関する情報を得ることができます。 これらの結果を包括的に判断することにより、サンプル特性の解析が容易になります。DMAは弾性係数を、DSCおよび超高 速DSC(FlashDSC)は熱量を、TGAは重量変化を、TMAはサンプル長の変化を測定します。全ての値は温度の関数として表さ れ、熱に対するサンプルの特性を解析することができます。 DMA DSC Flash DSC TGA TMA 4 Innovation
Page5

理想的ソリューション 詳細に至るまで One Click™ 機能付きタッチスクリーン搭載 操作のしやすいカラーターミナルにはクリアで正確な 情報が表示され、離れた場所からもはっきり見ること ができます。 • One Click™ 機能により、ターミナルのショートカット キーをタッチするだけで、あらかじめ設定されたメ ソッドを簡単に開始することができます。 • 全ての荷重と有効長の校正はターミナルにてコント ロール可能です。信頼性の高い装置校正が簡単に実 施できます。 • タッチスクリーンを使ってサンプル長の確定ができ、 ソフトウェアへのデータ転送ができます。これにより スマートセンス機能 データ転送の際のエラーを回避することができます。 例えば非常に精度の高い結果が要 求される測定の場合、測定プローブ からサンプルに印荷される荷重はご く小さな値です。つまり、測定中に装 置に少しでも触れてはいけないこと になります。このような場合、ターミ ナルに装備された赤外線センサによ る非接触操作は非常に有効です。加 熱炉の開閉や測定パラメータの選択 といった基本的操作を、装置に触れ ることなく行うことができます。 最適なアクセサリと格納ケース メトラー・トレドは、高精度なクオーツガラス、サンプルホルダや測定プローブといった繊細なツ ールやアクセサリを格納するための高品質な木製ケースを用意しています。わずかな衝撃も吸収 し大切なツールをダメージから守るつくりになっています。 5
Page6

信頼性の高い、最高級の性能 幅広い温度範囲で 測定原理 熱機械測定は印加する荷重、温度に 対するサンプル長の変化を測定しま す。 幅広い測定レンジ 12 ±5mmの測定範囲に対して 13 16,000,000のデータポイントで 1011 測定できます。 9 これにより小さなサンプルでも、大 きなサンプル(最大20mm)でも、測 定レンジを切り替えることなく0.5nm 7 の分解能で測定できます。 8 4 恒温チャンバ 測定セルの機構部は恒温ハウジング 5 の中に格納されています。 これにより卓越した熱膨張率の精度 を保証します。 恒温循環水は加熱炉の冷却や冷却 時間の短縮のために使用されます。 6 2 3 1 各部 1 ガス導入口 7 高さ調整機構 2 水冷 8 恒温セル 3 パラレルガイド 9 サンプルサポート 4 内部分銅 10 測定プローブ 5 長さセンサ(LVDT) 11 サンプル温度センサー 6 フォースジェネレータ 12 水冷加熱炉ジャケット 13 加熱炉 高精密石英ガラス製測定プローブ及びホルダ スイスの誇る高品質測定プローブやサンプルホルダ。 以下のタイプの石英ガラスのプローブとサンプルホル ダをご用意しています。 ・0~10mmの測定レンジのサンプルホルダ ・10~20mmの測定レンジのサンプルホルダ 6 Swiss Qualitiy
Page7

最適化されたサンプルホルダ 素早く、簡単な取り付けのために TMA/SDTA 1 には様々な異なった変 形モードで測定できるアクセサリを ご用意しています。 特定のアプリケーションに対する最 A B C 適な測定モードは、そのサンプルの 性質や特性に依存します。 D E F 様々な測定モード 膨張率測定モード(A):これは熱機械測定において最も一般的な分析で使 用されます。熱膨張係数は温度の関数として得られます。このモードでは サンプルに非常に小さな荷重を与えます。 圧縮モード(A):このモードではサンプルに大きな荷重を与えます。 針入モード(B):針入モードでの測定の目的はサンプルの軟化点の分析で す。このモードは通常ボールポイントプローブを使用します。 引張りモード(C):引張り測定ではファイバーあるいはフィルムアクセサリ が測定に使用されます。収縮または膨張によるサンプル長の変化を測定で きます。 3点曲げモード(D):このモードはファイバー強化ポリマーのような硬いサ ンプルの弾性の測定に適しています。 膨潤モード(E):多くの物質は液体に浸すと膨潤します。膨潤アクセサリを 使用してその結果生じるサンプルの体積や長さの変化を測定することがで きます。 体積膨張(F):液体も固体と同様、膨張します。この新しいアクセサリにより 液体の体積変化の測定が可能となりました。 ・フィルムアクセサリ 高温測定(~1600℃)用のボールポイントプローブ測定 ・ファイバーアクセサリ で測定範囲が0~10mmの時に使用できるアルミナ製サ ・3点曲げアクセサリ ンプルホルダもご用意しています。 ・膨潤及び体積膨張測定用アクセサリ ・ボールポイントプローブ(φ3mm) ・フラットエンドプローブ(φ1.1mm、3.0mm) ・ナイフエッジプローブ 7
Page8

多彩な装置構成 測定に最適な仕様をご提案 4種類のTMA/SDTA 1 TMA/SDTA 1 は4種類の装置構成を ご用意しています。 ・室温~1600℃まで測定用の高温 炉タイプ(HT/1600) ・室温~1100℃まで測定用の標準 タイプ(LF/1100) ・-80~600℃まで測定用の電気冷 却タイプ(IC/600) 電気冷却は液体窒素を使用しな い最も効率的な冷却方式です。 ・-150~600℃まで測定用の液体窒 LN/600 素冷却タイプ(LN/600)   IC/600 それぞれのタイプのTMAから他のタ イプへ改造は可能です。(弊社サー ビス技術者にご相談ください) HT/1600 LF/1100 TMA/SDTA 1 装置構成 冷却装置 IC/600 LN/600 LF/1100 HT/1600 循環恒温槽 – • 冷却能力 >600 W 循環恒温槽 – • 冷却能力 >400 W 循環恒温槽 – • • 冷却能力 >100 W パラレルガイド方式 TMAセルの重要な機能は測定プローブのパラレルガイド機構です。 これは世界的に賞嘆されているメトラー・トレドの天秤の技術がベースとなり、 極めて精密な機構に用いられています。この技術のおかげで、どんな摩擦力 からも解放され上下に動くことができます。そのため荷重は極めて正確に作 用します。 8
Page9

モジュラーデザイン 将来の拡張のために TMA/SDTA 1 装置構成 サンプルホルダ IC/600 LN/600 LF/1100 HT/1600 0~10mm用ホルダ,石英ガラス Kタイプ(標準) Rタイプ(標準) Rタイプ(オプション) 10~20mm用ホルダ,石英ガラス Kタイプ(オプション) Rタイプ(オプション) ファイバーアタッチメントアクセサリ, Kタイプ(オプション) Rタイプ(オプション) 1フックタイプ,石英ガラス フィルムアタッチメントアクセサリ, Kタイプ(オプション) Rタイプ(オプション) 2フックタイプ,石英ガラス 0~10mm用ホルダ,アルミナ – オプション Rタイプ(標準) 測定プローブ IC/600 LN/600 LF/1100 HT/1600 ボールポイントプローブ,3mm, 標準 オプション 石英ガラス製 ボールポイントプローブ,3mm, – オプション 標準 アルミナ製 フラットエンドプローブ,3mm,アルミナ製 オプション(1100℃まで使用可能) フラットエンドプローブ,1.1mm, オプション(1100℃まで使用可能) 石英ガラス製 ナイフエッジプローブ オプション(1100℃まで使用可能) 3点曲げアクセサリ オプション(1100℃まで使用可能) 膨潤アクセサリ オプション(1100℃まで使用可能) 体積膨張アクセサリ(液体) オプション(1100℃まで使用可能) EGA(Evolved Gas Analysis)による発生ガスの組成分析 Mechanical Analyzer Transfer Line Gas Analyzer TMA測定セルはMS(質量分析装置)、FTIR(赤外分光器)と Purge Products + カップリングが可能です。得られる追加の情報は、測定カ gas purge gas MS or FTIR orLVDT Furnace Heater GC/MS ーブにより良い解釈を提供します。 Computer 重要なサポートサービス メトラー・トレドは優れた装置を供給することを誇りとするとともに、お客様のワークフィールドで成功するために必 Application Handbook 要とされるサポートを提供します。弊社の熟練されたサービスとセールスエンジニアは、お客様をどのような点でで もサポートできる用意があります。 ・サービス及びメンテナンス Thermal Analysis in Practice Collected Applications ・機器校正及び調整 ・操作トレーニング及びアプリケーションサポート ・機器認定 メトラー・トレドは熱分析アプリケーションにおいて包括的文献も提供します。 9 AGC TBhoeormk 2al0 A%n aClyysains
Page10

熱機械測定 多彩なアプリケーション TMA/SDTA 1 は幅広い温度範囲にえ、圧縮モードや引っ張りモードでの負荷のパラメータの幅広 い選択肢を備えているため、さまざまなアプリケーションに使用できます。そのため、TMA/SDTA 1 は、非常に薄い膜、大きなシリンダー状サンプル、細い繊維、フィルム、プレート、軟質および硬質ポ リマー、単結晶など様々な種類のサンプルに関する情報を、迅速に得ることができます。 補完技術として DSCに追加するならTMAが最適です。 針入モードは、非常に薄いコーティ TMAは膨張率の測定に加え、DSCで ングなど測定の難しいサンプルのガ は十分な測定ができないガラス転移 ラス転移の特性を明らかにするのに (高充填材料など)も測定できる優 最適です。 れた手法です。 TMA/SDTAで測定できる現象と特性 • 粘弾性挙動(ヤング率) • ゲル化 • ガラス転移 • 相転移 • 膨張率 • 硬化、架橋反応 • フィルムやファイバーの膨張・収縮 • 膨潤挙動 • 軟化 • 体積膨張 • 粘性流 • 医薬品や食品の熱的現象 • 融解、結晶化 10 Wide Variety of Applications
Page11

熱膨張率(CTE)測定 熱膨張率(CTE)はTMAで測定することができま す。図は圧縮での膨張測定カーブです。3つの 異なる材料について膨張率求めています。ホウ ケイ酸(Borosilicate)ガラスはガラス状態で 3.3ppmのCTE、550℃でガラス転移します。 Invarは鉄-ニッケル合金で、150℃まではほとん ど膨張していません。石英α晶は一定の膨張率 で膨張し、約575℃でβ晶へ固相-固相転移しま す。さらに熱するとサンプルは収縮し始めます。 エラストマーのクリープ挙動 シール材にとって重要な特性は、クリープ挙動 と復元挙動です。クリープ変形は、可逆な粘弾 性緩和と不可逆な粘性流の要素から成り立って います。このアプリケーションでは、加硫度合い が異なるスチレンブタジレンゴム(SBR)を用い て調査しました。加硫されていないSBR0は最も 大きなゴム変形(矢印左)と不可逆変形(矢印 右)を示しています。加硫を増加するに従って、 ゴム変形および粘性流が減少します。粘性流を 示さない方が良いシール材となります。 高性能焼結セラミック 高性能なセラミックスは高温での安定性に優れ ています。この図では二酸化ケイ素を焼結した 2つのサンプルを測定したものを示しています。 サンプル1は通常の二酸化ケイ素、サンプル2が 異なるタイプのものです。サンプル1のクリスト バライト転移は245℃ではっきりと確認するこ とができます。この転移により急激かつ頻繁に 材料にクラックが生じます。サンプル2では、より 高温でゆっくりとした結晶転移を示し、クラック などのリスクが減少します。サンプル2は結晶化 核も含んでいます。すなわち約1,200℃以上か ら結晶化が生じます。これらの特性から、サンプ ル2が高性能セラミックスといえます。 11
Page12

コンポジットの層間剥離 プリント回路基板(PCB)は、熱硬化樹脂マトリッ クスで埋め込まれたガラスファイバーが複層ラ ミネートされてできています。 PCBにとってガラス転移温度(Tg)や温度安定性 が重要となります。TMAによってガラス転移温度 や温度安定性のどちらも測定することが可能で す。左のグラフでは2つの異なるPCBのTMAカ ーブを示しています。93℃および122℃でのカ ーブの傾きの変化はPCBのTgに相当します。樹 脂マトリックスの分解にはガスの放出が伴いま す。ここの分解により層間剥離が生じ、TMAカー ブにスパイクが出現します。図ではPCB1のほう が、PCB2よりも安定であることを示しています。 TMAとDSCによる固相‐ 固相転移の分析 固相‐固相転移は一般に体積変化が伴います。 このような転移ではTMAカーブのステップが観 測されます。この実験では硝酸アンモニウムの 単一粒子を用いて行いました。硝酸アンモニウ ムは肥料や爆薬物に使用されています。このカ ーブは構造変化がとてもはやく起こることを示 しています。転移温度は、サンプル中の内部スト レスと熱履歴に依存します。これが、1s t runと 2nd runで測定したカーブが異なる形状となる 理由です。比較のためDSCカーブ(2nd run)を示 します。 フィルムの収縮 延伸されたフィルムが異方性のある機械特性 を示すことはよくあります。これはTMAを用いた 膨張、収縮測定で分析できます。図は異なる2種 類のポリエーテルサルフォン(PES)フィルムの 測定カーブです。赤色カーブは延伸フィルムの 延伸方向とその垂直方向の測定結果です。青色 カーブは未延伸フィルムの結果で、互いに直交 する2方向で測定しました。未延伸サンプルは 明確に等方性の挙動を示した一方で、延伸サン プルは延伸方向とその垂直方向で大きく異な る挙動を示しました。 12
Page13

DLTMAによるゲル化の分析 ゲル化時間(ポットライフ)は熱硬化樹脂で分 子がゲル化するのにかかる時間です。ゲル化し てしまうともともとは液体だった樹脂はもはや 成形できません。したがって、ゲル化時間の情 報は樹脂の加工性に関して非常に実用的に重 要です。ゲル化時間はDLTMAで容易に測定でき ます。 サンプルが液体の間はプローブは周期的な荷 重下で最大・最小の位置に切り替わります。 ゲル化するとプローブはサンプル中で固まり変 位振幅が急速に減少します。 ゴムの膨潤 シール材の溶媒中での膨潤挙動がその実用に おいて重要となることがよくあります。膨潤挙動 はTMA/SDTA 1で専用アクセサリーを用いて測 定できます。図は異なる4種類のゴムの30℃,ト ルエン中の膨潤カーブです。フッ素ゴム(FPM) は測定方向に約2%しか膨潤していません。 FPMは明らかにトルエン耐性があり、この溶媒 にさらされてもシール材として用いることがで きます。他の3つのゴムは大きく膨潤しています。 例えばシリコーンゴム(MQ)は35分間で測定方 向に35%以上膨潤しました。 DLTMAによるエポキシ樹脂の 硬化測定 予備硬化させたエポキシ樹脂をDLTMAで測定し ました。ガラス状態では、樹脂は硬く、周期的荷 重に対して小さな変位振幅を示します。この振 幅はガラス転移で増加します。その後、樹脂は 液体になり、流動し始めます。一定に保持され た振幅は、約190℃で樹脂の硬化により減少し ます。硬化プロセスは同時測定のSDTAカーブで 発熱ピークとしても見られます。DLTMAの2nd heatingでは、完全に硬化したサンプルのガラス 転移が約110℃に検出されます。 13
Page14

ウェビナーのご紹介 メトラー・トレドのインターネットセミナー メトラー・トレドでは、ライブおよびオンデマンドのインターネットセミナーを幅広く提供して います。成功事例、そして適用例や製品、業界動向および標準に関する最新情報を随時更新 しております。 インターネットに接続したパソコンやタブレット端末があれば場所や時間を問わず受講が可 能です。皆様の業務に役立つ情報をお届けしておりますので、ぜひ一度ご覧くださいませ。 www.mt.com/webinars 14 Webinar Introduction
Page15

ラボライブラリのご紹介 研究室向けオンラインライブラリ 研究者向けのオンラインライブラリがオープンいたしました。ラボライブラリでは、計測およ び計量のノウハウに関する様々な情報を無償で提供しております。 ■ 計測 /計量ガイドブックやハンドブック ■ ビデオ ■ ウェビナー ■ ホワイトペーパー ■ アプリケーションノート ■ ポスター(例 計量のヒントとコツ ポスター) こちらでご覧いただけます www.mt.com/labguides 15 LAB Library
Page16

TMA/SDTA 1 仕様 温度 LF/1100 HT/1600 IC/600 LN/600 温度範囲 室温~1100 °C 室温~1600 °C –80~600 °C –150~600 °C 温度精度 ±0.25 °C ±0.5 °C ±0.25 °C ±0.25 °C (室温~最高温度) 温度精度 n.a. ±0.35 °C ±0.35 °C (–70/–100 °C~室温) 温度精度 n.a. n.a. ±0.5 °C (–150~–100 °C) 温度再現性 ±0.15 °C ±0.35 °C ±0.25 °C ±0.25 °C 昇温(室温~最高温度) 8 min 22 min <6 min <6 min 昇温(–70/–150~600 °C) n.a. <7 min <6 min 冷却(最高温度~室温) 20 min <40 min 13 min <15 min 冷却(室温~–70/–150 °C) n.a. 22 min 15 min 長さ 最大サンプル長 20 mm 測定範囲 ±5 mm 分解能 0.5 nm ノイズ(RMS) 5 nm 再現性 ±100 nm ±300/±500 nm ±100 nm ±50 nm (1100/1600 °C) 荷重 荷重範囲 –0.1~1.0 N DLTMA 周波数 0.01~1 Hz SDTA®-(Single differential Thermal Analysis) SDTA® 分解能 0.005 °C SDTA® ノイズ(RMS) 0.01 °C 0.01 °C 0.02 °C 0.02 °C SDTA® センサ種類 R type K type SDTA® 時定数 33 s 33 s 38 s 38 s データサンプリング サンプリング 最大 10データポイント/秒 Approvals IEC/EN61010-1, IEC/EN61010-2-010 CAN/CSA-C22.2 No. 61010-1-04 & -2-010 IEC61326-1 / EN61326-1 (class B) IEC61326-1 / EN61326-1 (Industrial requirements) FCC, Part 15, class A AS/NZS CISPR 11, AS/NZS 61000.4.3 Conformity Mark: CE, CSA, C-Tick www.mt.com For more information メトラー・トレド株式会社 代理店名 ラボラトリー事業部 熱分析プロダクトチーム TEL:03-5815-5511 FAX:03-5815-5521 ©08/2015 Mettler-Toledo K.K., Printed in Japan 96110350 ●製品の仕様は予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください