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シームレスな実行を実現するための 実務知と成功の秘訣
掲載内容
第1 章
成功の要素:5 つの普遍的原則
1.目標に集中
2.可視化による伝達
3.計画の徹底的な追求
4.フローの把握
5.人的要素の理解
第2 章
コンストラクション・バーチャルツインによる、リーン・ルーティンおよび目的のサポート
謝辞:
ホワイトペーバーの作成にご尽力いただいた関係者の皆様
◆詳細はカタログをダウンロードのうえご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。
このカタログについて
| ドキュメント名 | 現場が語る、 リーン・コンストラクションの力 |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
| ファイルサイズ | 5.8Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | ダッソー・システムズ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
Page1
建築・建設
はじめに
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
則
第2章
コンストラクション・バー
チャルツインによる、リー
ン・ルーティンおよび目的
のサポート
謝辞:
ホワイトペーバーの作成に
ご尽力いただいた関係者の
皆様
現場が語る、
リーン・コンストラクションの力
シームレスな実行を実現するための
実務知と成功の秘訣
1
Page2
リーン・コンストラクション:今日の課題
はじめに
に対する本質的な対応
第1章
Zoubeir Lafhaj 成功の要素:5つの普遍的原
IFCL(French Institute for Lean Construction) 則
代表者兼創設者
第2章
コンストラクション・バー
チャルツインによる、リー
ン・ルーティンおよび目的
のサポート
30年以上にわたり、リーン・コンストラクションは建設セクターの変 経済的および人的課題への対応
革に不可欠な方法論的アプローチとしての地位を確立してきました。 熟練労働者の不足、コスト圧力、納期および品質に対する顧客
謝辞:
迅速かつ持続可能で経済的に実行可能なプロジェクトに対する要望が の要求増加など、建設セクターは大きな課題に直面しています。 ホワイトペーバーの作成に
高まる中、リーン哲学はプロセスを改善して無駄を排除し、提供され リーン・コンストラクションは、プロセスを簡素化し遅延を削 ご尽力いただいた関係者の
る価値を最大化する具体的な手段を提供します。リーンは単なる手法 減、そして人的資本を最大限に活用することで、このような課 皆様
ではなく、連携、敏捷性、継続的改善をプロジェクトの中枢に据える 題に対処する実践的な解決策を提供します。
真の企業文化です。 施主、設計担当者、コントラクターなど、すべての関係者間の
連携を促進することで、プロジェクトの進行方法を変革して、
より透明で効率的な作業環境を実現できます。この連携的なア
プローチは、リソース管理を改善して、表面化しないコストを
環境課題への対応 大幅に削減します。
気候変動が世界的な優先課題となっている現在、リーン・コンストラ
クションは環境に配慮した手法を取り入れることで、持続可能性の目
標に貢献しています。資源の最適な活用および廃棄物削減により、建 未来を予測:近代化ツールとしてのリーン
設現場のカーボン・フットプリントを最小限に抑制することで、リー 今後数年間にわたり、建設セクターはAIの統合、デジタル化の
ン手法は建設セクターのエコロジー転換において重要な役割を果たし 進展、環境保全の責務など、大きなトランスフォーメーション
ています。 を通じて形成されていくと予想されます。建設業界の関係者は、
また、住宅、インフラ、公共建築物などの分野で持続可能で強靭な建 このような変化に常に適応し、常にイノベーションを探求して
築物に対する新たな期待にも応えることができます。そのグローバル いく必要があります。リーン・コンストラクションは、このよ
な適用は、地域の文化および規制に適応しながら、リーンが単なる技 うな課題に対応する重要なツールであり、業務の近代化、デジ
術的な手法を超えてより責任ある未来を築くための戦略的なツールで タル化の加速、市場の変化に直面している企業のレジリエンス
あることを示しています。 向上をサポートします。継続的な改善および付加価値のない活
動の排除などの原則に基づき、より効率的で持続可能かつ競争
力のあるセクターを構築するために明確なロードマップが提供
されています。
2
Page3
いまも揺るがない、 リーン・コンストラクションの
リーン・コンストラクションの価値 普及を阻む文化的・実務的な課題 はじめに
第1章
現在、建設チームは非効率性、品質問題、信頼の欠如、人材不足 従来の建設プロジェクト管理には、リーンの定着を妨げる文化的 成功の要素:5つの普遍的原
則
などの課題に直面しています。住宅不足の解消および都市開発へ な力学およびシステムの制約が依然として根強く存在しています。
の対応などの建設需要と業界の供給能力の間に存在するギャップ 「英国では、最大30〜40%のプロジェクトにおいて、リーン要
はあまりにも大きく、部分的な解決策および資金投資の追加だけ 素が部分的に導入されていますが、リーンの本質を理解して適切 第2章
では解消できません。 に実践している企業は5〜10%に過ぎません。」Saad Sarhan氏 コンストラクション・バー
(アブダビ大学、建設・エンジニアリング・マネジメント助教授) チャルツインによる、リー
ン・ルーティンおよび目的
リーン・コンストラクションは、正式なコンセプトとして、30 のサポート
年前から世界中の研究機関を通じて積極的に推進されていますが、 多くの関係者が、建設条件の見直しおよび阻害要因の排除を通じ
その基礎的な実践は1930年代にまでさかのぼります。しかしな て、リーン・コンストラクションの成熟化にむけて日々取り組ん
謝辞:
がら、リーンの原則およびツールを、学識者および研究者だけで でいます。 ホワイトペーバーの作成に
なく、建設現場の専門家も適用し始めたのはつい最近のことです。 ご尽力いただいた関係者の
それぞれ異なる視点でリーン・コンストラクションを推進または 皆様
実践している、数十名の建設の専門家、コンサルタント、学識者、
業界リーダーと率直な意見交換を重ねた結果、一度立ち止まり、
業界で求められているもののまだ認識されていない文化的な改革
リーンとは、無駄を特定および排除しながら、 を探求する必要があると考えました。
顧客により多くの価値を提供することを目的とし
実践者の経験に基づく建設業界における成功および持続可能性の
た、尊重と継続的改善の文化である。 実現に不可欠な5つの指針を以降のページにまとめています。
- French Institute for Lean Construction
3
Page4
はじめに
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
則
第2章
コンストラクション・バー
チャルツインによる、リー
ン・ルーティンおよび目的
のサポート
謝辞:
ホワイトペーバーの作成に
ご尽力いただいた関係者の
皆様
成功の要素:
リーン推進者が提唱する
5つの普遍的な原則
1. 目標に集中
2. 可視化による伝達
3. 計画の徹底的な追求
4. フローの把握
5. 人的要素の理解
4
Page5
成功の要素:5つの普遍的原則
安定性。無駄の排除。従業員の満足度。ワークフローの効率化。
品質。継続的な改善。 #1 はじめに
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
則
リーンを実践するための前提条件ともいえる第一ステップは、 目標への
現場において安定し予測可能な成果を達成することです。安定し
たプロセスは、ばらつきや予期せぬ中断を最小限に抑え、円滑
に進行します。実践者は、この安定性こそが、フロー、プル、 集中 第2章
コンストラクション・バー
チャルツインによる、リー
継続的改善など、より高度な改善の土台であると位置付けてい
ン・ルーティンおよび目的
ます。 のサポート
「まず、改善点を測定できるように職場を整理整頓する 謝辞:
必要があります。しかし、多くの企業がこのステップを ホワイトペーバーの作成に
見落としがちです。改善に取り組む前に、現場に足を運 ご尽力いただいた関係者の
皆様
び状況を安定させる必要があります。」Jean-Baptiste
Bouthillon氏(Paris-Ouest Construction, CEO)
今回の調査によると、参加者の大半があらゆる形態の無駄の削減
を最優先に挙げ、さらに時間の経過とともに生産性やプロジェク
トのスピード向上を定量的な目標としています。
DPR Constructionは、南サンフランシスコでライフ・サ
イエンス・プロジェクトを展開しています。当初、この
プロジェクトは、39ヵ月のプログラム期間が独自に見積
もられていましたが、業界全体の平均的な工期は18ヵ月
でした。Charlie Dunn氏(元DPR 生産設計担当者)の報
告によると、タクト計画、プレハブ、早期段階での設計
支援、全体的なリーン・アプローチなどの戦略を組み合
わせることで、24ヵ月のプログラムが12ヵ月に短縮され
ています。
「リーン手法の導入は、プロジェクトの品質、安全性、
生 産 性 を 向 上 さ せ る 重 要 な 要 素 で す 。 」 China
Construction Fourth Engineering Division Corp., Ltd.
(CSCEC-4)
5
代表者
Page6
成功の要素:
5つの普遍的原則 はじめに
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
則
連携と継続的改善もまた、意識的な目標として頻繁に言及されて 人材の定着、従業員の取り組み、安全性、労働者の健康が、さま
います。 ざまな場面で繰り返し指摘されています。 第2章
コンストラクション・バー
「当社の取り組みにおける最初の成果は、連携の強 James Brown氏(Prodtexデジタル・マニュファクチャ チャルツインによる、リー
化です。その後に、安全性の向上や課題解決が続き リング責任者)は、リーンの目的を現場作業員に対して ン・ルーティンおよび目的
ます。」Perrine Geoffroy氏(Léon Grosse、リー 極めて注意深く説明しています: のサポート
ン部門責任者) 「作業が効率的に行われていない」とは言いません。な
ぜなら、現場の作業員を混乱させる可能性があるからで 謝辞:
Florine Hadinger氏(リーン・コンストラクション す。代わりに「より安全に作業を行って、仕事に満足し ホワイトペーバーの作成に
ご尽力いただいた関係者の
専門家)およびQuentin Guyon-Carrard氏(リーン て欲しい」と言っています。これが通常、現場において 皆様
建設責任者)は、Setec Opencyにおけるリーン導 大きな促進要因になることが多いです。
入の目的として「連携的なツールによる、付加価値
のない作業の排除」を報告しています。そして、こ DPRおよびIGLCは、建設プロセスの機能としてチーム
れが功を奏しています。Setecによるリーン・プロ の健康に関する調査を積極的に行っています。「リーン
セスの実践後、「これまで初めて、3週間のオー の一環として、特に取引先との間で心理的安全を促進す
ダーをすべて計画通りに完了できた。」と彼らの顧 る方法を調査しています。」Dunn氏(元DPR)
客は言います。
オペレーショナル・エクセレンス&テクノロジー・コン
サルティング企業、Builthinkの社長であるLouis Parent
「当社の現場では、コントラクターとの 氏は、メンタル・ヘルスへの影響を直接経験しています。
連携を改善して、スケジュールに対する 同氏の説明:
「これを始めてから、夜ぐっすり眠れるようになった」
責任感を高めてもらうことが課題でし とよく言われます。このような方法で人の生活を改善で
た。」 - Arthur Delattre氏(元Ramery きることは本当に素晴らしいことです。以前は夜中に目
が覚めて「あれを忘れてはいけない、これもやらなけれ
Construction Group、オペレーション・
ばならない」と悩みを募らせていた現場監督者が、今で
アシスタント・ディレクター) は完全に状況を把握しています。夜中に頭を悩ませる必
要はもうありません。なぜなら、現場の事務所にやって
来る作業員の様子が明らかにこれまでと違うからです。
どこで作業して、どのような制約があるのか各自が理解
しているからです。 6
Page7
成功の要素:
5つの普遍的原則 はじめに
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
則
リーン・イニシアティブの現場における受け入れに苦労してい リーンの導入によって得られる成果は、現場におけるシームレス
る建設専門家にとっては、具体的な戦術よりも、背後にある な実行、プロセスの改善、作業員の安全強化、コスト削減といっ
リーンの理念に目を向けることが、より得策もしれません。 た実際の成果として表れています。 第2章
コンストラクション・バー
チャルツインによる、リー
「“施工の改善”というと、工法や道具に限定されるケー 「リーンは、オペレーショナル・エクセレンスと呼ぶこともで ン・ルーティンおよび目的
スが多いのですが、一番大切なのは、“お互いを尊重し きます。優れた実践とな何か?どのように改善できるのか?指標 のサポート
ながら活動する ”という意識を持たせることだと思いま はあるのか?各自の目的は何か?多くの場合、このような問いに
す。それが認識されれば、おのずと手法も改善されると 対 す る 継 続 的 な 改 善 に 終 始 し が ち で す 。 」 Parent 氏 謝辞:
思います。」 (Builthink)「リーンとは、計画‐実行‐評価‐改善のサイク ホワイトペーバーの作成に
山崎裕昭氏(竹中工務店 プロダクト部 ご尽力いただいた関係者の
生産BIM推進グループ グループリーダー) ルとも言えます。」 皆様
「全国的な展開を目指して“リーン”という言葉を用いまし
時には、リーン建設という呼び名をそのまま使うことが逆効果 たが、その是非が議論となり、上級管理職全員の同意を得
になり、アプローチの真の目標から目をそらすことさえありま られませんでした。「“オペレーショナル・エクセレンス”
す。(以下の「人的要素の理解」を参照) などの呼び名を好む人もいれば、全く別の呼び名を望み人
もいましたが、最終的に“リーン”という呼び名に決定しま
「リーン」という呼び名にこだわる必要はない、と実践者は述 した。しかし、この“呼び名が混乱を招く”という意見もあ
べています。リーンの導入目的は、抽象的な目標を達成するこ り、また“リーンとは何なのか知らなかった”という人もい
とではありません。 ました。」Geoffroy氏 (Léon Grosse)
7
Page8
成功の要素:5つの普遍的原則
はじめに
Brown氏(Prodtex)のコメント: 実際、文化的な背景があり、無意識のうちにリーンの要素を既
に実践しているチームもあります。
第1章
「正直なところ、私はこの取り組みをデータに基づく意思 成功の要素:5つの普遍的原
決定と呼んでいます。このトランスフォーメーションが 「日本のゼネコンでは “リーン・コンストラクション”の 則
もたらす価値は、必ずしもリーン化されたプロセスに限 認知度が低いにもかかわらず、“リーン”という概念を意
られません。本当の価値は、感覚よりもデータを優先さ 識することなく、すでに “リーン ”な改善を行っている
せることです。 ケースは多いと思います。」平将二郎氏(竹中工務店 プ 第2章
ロダクト部 生産BIM推進グループ シニアチーフエンジニ コンストラクション・バー
チャルツインによる、リー
例えば、外壁の初心者である私が何かアイデアを思いつ ア) ン・ルーティンおよび目的
いたとしましょう。従来であれば、経験年数が長い人の のサポート
意見が採用され、その人が意思決定をしていました。な どのような呼び名であれ、リーンのルーティンは、オペレー
ぜなら、その方が私よりも経験が豊富で決定権を持って ショナル・エクセレンスと品質向上を促し、財務的な利益を直接 謝辞:
いるからです。 もたらします。 ホワイトペーバーの作成に
ご尽力いただいた関係者の
皆様
ところが今では、外壁の設置方法をシミュレーションし
て双方のアイデアを比較し、どちらが最適か確認できる 「当社のチームは、品質プログラムの信頼性を高めるこ
ようになっています。 とで、より多くの報酬を得ています。つまり、適切な品
質管理を実施することが、有益な財務成果につながって
このように、現場と連携して建築製品の現場における設置 います。初回から適切な品質を提供するために必要なす
シミュレーションを共有して、さまざまなアイデアを検 べてを現場に提供しています。」Dunn氏(元DPR)
討できます。設置にいつも使用している固有のツールが
あるかどうかを質問すれば、「この独自のスパナで一部 「リーンの導入により、プロジェクトを予定通り、また
を切り取って部品に追加しています。」といった具体的 は5〜20%短縮して完了できます。デベロッパーが生産性
な答えが返ってきます。 を倍増させて、これまでの半分の期間で建設を進めてい
ます。大型プロジェクトでは、粗利が0.5〜1.5%以上増加
このように、現場のアイデアを取り込み、最良の”データ し、小規模なコントラクターの粗利は8%、業務パート
に基づく意思決定”をすることにより、その過程で彼らの ナ ー の 粗 利 は 10 % 増 加 し て い ま す 。 」 Schroeder 氏
スキルやナレッジを加えられることを、現場の人々は高 (Elevate)による報告
く評価しています。」
8
Page9
ダッシュボード。BIM。リアルタイム・データ。戦略会議。
現場サポート。
はじめに
リーン・コンストラクションの実践には、ビジュアル・コミュ
ニケーションが不可欠です。
第1章
「情報の可視化は、リーンのメリットのひとつです:指 成功の要素:5つの普遍的原
標 を 可 視 化 す る 必 要 が あ り ま す 。 」 Parent 氏 則
(Builthink)
第2章
Léon Grosse社およびSetec Opency社の報告にもあるよ コンストラクション・バー
うに、計画の指示に付箋を使用する方法は今でも広く活 チャルツインによる、リー
用されています。 ン・ルーティンおよび目的
のサポート
完全な没入型のスペース(戦略会議室やコロケーショ
ン・オフィスなど)も連携を促進してコミュニケーショ
ンを効率化するために広く普及しています。 謝辞:
ホワイトペーバーの作成に
ご尽力いただいた関係者の
コンストラクション・バーチャルツイン、シミュレーション、 皆様
BIMなどのデジタル可視化は、コミュニケーションおよび理解
を次のレベルに引き上げます。
「当社のグラフィック制作部門は、BIM 4Dを使用して、
工程データをBIMモデルに統合しています。特定のプロ
ジェクトでは、すべての現場における設置をBIMでモデ
ル化しています。インターフェースの問題点がコントラ
クターのスケジュールや手法に影響を及ぼす可能性があ
るからです。このモデルを、その後のプロジェクトの調
整および管理の一環として、日々の管理に使用していま
#2 す。当社はこのモデルを現場会議で使用して経営陣に直
接示して、技術的・組織的あるいはその他のインター
フ ェ ース を明 確化してい ます 。」 Guyon-Carrard 氏
(SetecOpency)
可視化による 「デジタル化は極めて重要です。口頭による指示や担当
者のメモ書が不要になります。私たちは、これらを実際
伝達 に確認しています。ボルトがパネルに打ち込まれている
ことや適切な装備が作業に使われていることを実際に目
で確かめれば、反論の余地はありません。実物を見なが
ら、共通の言語でコミュニケーションが取ることができ 9
ます。」Brown氏(Prodtex)
Page10
成功の要素:
はじめに
5つの普遍的原則
第1章
建設ではコミュニケーションが極めて重要です。すべてのプロ 成功の要素:5つの普遍的原
ジェクトの開始時に建築製品の機能やプロセスについてヒアリ 則
ングを行い、全員の同意を得ています。しかし、最初にシミュ
レーションを見たときの反応は、『完璧に意図通り』または
『これは目的とは異なる』という意見に分かれることが多々あ 第2章
コンストラクション・バー
ります。反応は異なりますが、実際に目しなければ意見を述べ チャルツインによる、リー
ることはできません。」 ン・ルーティンおよび目的
「携わってきたプロジェクトは、基本的に人に焦点を当てていま のサポート
建築会社であるCentral South Architectural Design Institute す。それを可能にしているのが、明確さを提供してくれるデジタ
(CSADI)代表者に、コンストラクション・バーチャル・ツイ ル・ツールです。リアルタイムの可視化により、誰もが理解で 謝辞:
ンなどの技術が、より連携的で効率的な計画プロセスの構築に きます。ダッシュボードを見れば、現状を把握するのに2分もか ホワイトペーバーの作成に
ご尽力いただいた関係者の
どのように役立っているのか質問したところ、以下のようなメ かりません。残りのミーティング時間を『次に何を行うべき 皆様
リットがあるという回答が得られました: か』といった建設的で前向きな議論に充てることができます。
従来の手法では、多くの場合、事後報告に終始して、本来議論
• 設計精度の向上 すべき内容が曖昧になってしまいがちです。」Dunn氏(元
• チームの連携強化 DPR)
• 建設計画の最適化
• 建設ミスおよび再作業の低減 ニュージャージー州で最近完了したDPRプロジェクトは、同社
• 建設の安全性向上 の他の鉄骨生産プロジェクトよりも22%早く完了しました。こ
• 施主への3Dビジュアル成果物の提供 の成功の鍵は、日次または週次目標を示す透明性の高いダッ
シュボードの使用でした。鉄骨工事のパートナーは、ダッシュ
ボードに表示されるリアルタイムのデータに感銘を受け、目標
日々の生産率や数量など、リアルタイムの指標を可視化するこ の達成状況が一目で分かるダッシュボードの内容を写真に収め
とで、目標の達成状況を即座に把握して、問題解決モードへ迅 ていました。このような透明性がチームのモチベーションを高
速に移行できます。 め、作業および目標の可視化により、創造性および問題解決を
サポートして、効率的な目標達成を推進しました。
10
Page11
成功の要素:
5つの普遍的原則 はじめに
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
ビジュアル・コミュニケーションは、自律性をサポートして効率を ビジュアル・ツールは品質を高めます。コンポーネントの構築 則
向上させます。各チームおよび業務ごとに計画を説明する必要はあ 方法を現場で可視化して初回から適切に設置することで、コス
りません。各自が計画を確認して、自身の創造性およびスキルを活 トのかかる修正および期待に沿わない結果を回避できます。
かしてプロジェクトに取り組むことができます。 第2章
コンストラクション・バー
チャルツインによる、リー
Parent氏(Builthink)は、「ビジュアル管理システムの導入 ン・ルーティンおよび目的
により、わずか数週間で週末時点の計画完了率(PPC)が65 Dunn氏(元DPR)のコメント: のサポート
から90%まで向上していることをチームが確認していま
す。」と述べます。 「過去の経験から分かっているのは、例えば[設 謝辞:
計者]と天井のディテールについてやり取りをし ホワイトペーバーの作成に
Pierre Jamen氏(ブイグ・コンストラクション建設マネー ても、誰も十分に理解していない可能性があると ご尽力いただいた関係者の
ジャー)は、同社のリーン・ルーティンには、日々必要なす 皆様
いうことです。その際にはRFIを出し、できる限り
べてを1ヵ所に集めて効率的にアクセスできるようにすること 文書化します。
が含まれていると報告しています。同氏は、現場監督者と緊
密に連携して、作業員の受入れ、計画の一元的な確認、自律 しかし、品質を確保するためにわたしたちが採用
性の促進に取り組んでいます。毎日業務終了時に各チームが しているのは2つのルーティンです:
その日に完了した作業(壁やスラブなど)の記録を更新して、
時間単位で計算した完了面積の結果を全員が確認できるように まず、品質の高い建築製品を提供するために[設
しています。さらに、どのチームが最も多くの成果を上げ、最 計者]の意見を取り入れます。大量生産の前に1つ
高の収益を生み出したかを競い合う「友好的な競争」が生まれ、 の部材を試作して現地で初回のチェックを行い、
モチベーションの高い職場環境を築いています。 施主および設計者の承諾を得てます。
建設業界のサプライヤーであるSaint-Gobainは、バリュー・
ストリーム・マッピングを使用して、顧客に利益をもたらさ 次に、プロジェクトのあらゆる場所に適用して現
ない無駄なステップを可視化して排除しています。「顧客が 場で設置します。画像、参考資料、過去の教訓、
バリュー・ストリーム・マッピングを使用している場合、製 起こり得るミス、そして避けるべきことなどを現
造を改善して設置を容易にするソリューションを提供して顧 場であらかじめ準備して、
客をサポートできます。このアプローチ全体的には無駄を削
減してプロセスを簡素化するのに役立ちます。場合によって 作業後に品質を検査するのではなく、作業前に品
は、設置をより容易にするために、配送品の変更や改良が求 質を確保します。重要なのは、初回から適切な品
め ら れ る こ と も あり ま す 。 」Elin Sondergard 氏 ( Saint 質に必要なすべてを現場に提供することです。」
Gobainオフサイト・コンストラクション・マーケット・マ
ネージャー)およびDutt Thirumalai氏(Saint Gobain建設業 11
界マーケティング担当)
Page12
#3 成功の要素:
5つの普遍的原則 はじめに
計画の 第1章
成功の要素:5つの普遍的原
徹底的な追求 則
連携。詳細レベル。シミュレーション。DFMA。計画方法。 このような積極的で規律ある取り組みにはしばしば困難が 第2章
LPS、プル、タクト。ワーク・パッケージ。リソース割り当て。 伴いますが、より円滑な実行をサポートして最終段階での コンストラクション・バー
障害/混乱を最小限に抑えるために不可欠です。 チャルツインによる、リー
ン・ルーティンおよび目的
計画はリーン・コンストラクションの基盤です。複雑なプロジェクト のサポート
を予測可能で管理しやすい工程に変換して、より高い品質および安全
性を実現して遅延や無駄を削減します。計画プロセスは、すべてのタ 最高のリーン実践者やオペレーション
謝辞:
スクがプロジェクトの目標をサポートします。設計者から施工者に至 計画者であっても、対応が遅すぎると、 ホワイトペーバーの作成に
るまで、すべてのチーム・メンバーが共通のビジョンに向かって連携 ほとんどの機会を逸してしまいます。” ご尽力いただいた関係者の
して作業を進めることができます。 皆様
- Dunn氏(元DPR)
計画とは、単にスケジュールを作成するだけではなく、ワークフロー
を深く理解して課題を予測し、問題を未然に防ぐ仕組みを構築するこ Dunn氏は、複数のシミュレーション・ワークショッ
とが含まれます。リーンの実践者は、効率を最適化して無駄を減らし、 プを通じて、建設工事の着工時で改善機会のおよそ
予測可能な結果を確保するために、綿密な事前計画および現場作業員 90%が既に失われていることを実証しています。つま
との連携を重視しています。 り、建設チームがプロセスの初期段階で関与してい
ない場合、建設プロセスの最適化および無駄を排除
「リーン・コンストラクションでは、安全や品質に関わる問題 する可能性の大半が、現場で作業を開始する時点で
を想定し、作業員全員が計画に参加することが重要だと認識し す で に 失 わ れ て い ま す 。 こ の 認 識 は 、 DPR が
ています。関係者全員で計画を立て、共通認識を徹底して確認 「Construction Informing Design」に注力している
しながら施工計画や工程計画を実行できていると感じます。」 重要な要因です。同社は、建設会社のナレッジを可
石川晃一氏(竹中工務店 プロダクト部生産BIM推進グループ 能な限り早期段階で設計プロセスに組み込み、最終
アソシエイトチーフ) 的な建設への効果および改善の可能性を最大限に高
めることを目指しています。
12
Page13
T成h功e Iのng要re素di:ents for Success:
5 つunのiv普er遍sa的l p原rin則ciples はじめに
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
則
Schroeder氏(Elevate)のコメント:
第2章
コンストラクション・バー
「建設において、リーンは鎮痛剤ではなく、栄養剤 チャルツインによる、リー
のようなものです。この業界では、予防のための一 ン・ルーティンおよび目的
貫した規律よりも、頭痛薬のような即効性が優先さ のサポート
れています。
謝辞:
リーンには、事前の計画、規律、継続的な取り組み ホワイトペーバーの作成に
ご尽力いただいた関係者の
が必要ですが、現実には事後対応、不規律、短期的 皆様
な解決策、つまり先延ばし、緊急対応、緊急時の応
急措置が常套手段となっています。
大半のチームが、このステップを省略して、プロ 「建築製品の分解方法は、通常の建設における構造、建築、
ジェクトを効率的に運営するために必要な“製造工 MEPなどの要素ごとの分解方法とは異なり、秒単位で設置が
場”のセットアップではなく、問題発生時の現場で 進められます。」と、Brown氏(Prodtex)は説明します。
の対応を選択しています。」 プロジェクトにおける、同氏の典型的な組み立ての特定・検
討に関する対話は次のとおりです:
「現場の作業区域の面積が非常に限られており、配送品の -仕事を開始するとき、何を行いますか?最初に何を行
受け取り区画も非常に制限されています。また適切なスケ いますか?
ジュール管理も必要です。計画および段取りは、週次の配 -このフレームを取り付る必要があります。
送品および配送区画を予測するために欠かせません。」 -どのように取り付けますか?
Delattre氏(Ramery) -ボルトとナットを取り付ける必要があります。
-どのように取り付けますか?
-穴開けが必要です…部材を穴に合わせ、穴を開けて、
オフサイト計画では、チームが製造業者の視点で考え、工 ボルトを通して...
場を現場のように組織化する必要があります。この工業化
アプローチでは、建設段階で発生する可能性がある問題を 「このレベルの詳細に踏み込むことが重要です。つまり、穴
予測するために、従来よりも詳細なレベルでの建設計画が 開けが必要であり、ボルト締めが必要である。作業台にはド
求められます。 リルが必要で、固定具もそこに用意しなければならない。そ
13
して、フレームを固定するための治具も必要になるので
す。」
Page14
成功の要素:
5つの普遍的原則 はじめに
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
現場のバーチャルツインの利用がますます広まっています。 製造および組み立てパートナーによる、プロセスやワークス 則
テーションに関するフィードバックにより、設計チームは、従
「建設における課題は、『現場』がまだ存在して 来の方法では得られなかった高い効果をもたらす改良をモデル
いないため、実際に作業を直接確認できないこと 第2章
に加えることができます。 コンストラクション・バー
です。作業を進めながら現場が作り上げられます。 チャルツインによる、リー
したがって、仮想的な手段を使う必要があります。 「DFMAは極めて重要です。製造や現場から、設計に関 ン・ルーティンおよび目的
私 た ちは 先を 見越 して 、 計画 ミス を発見 し ま のサポート
するフィードバックを製品設計者に提供する必要があり
す。」Dunn氏(元DPR) ます。つまり、現場の担当者とやり取りし、シミュ
レーョンを行い、フィードバックを得ます。しかし、現 謝辞:
ホワイトペーバーの作成に
「工場のデジタル・モックアップを作成して、ラ 場での建築製品の組み立てが困難な場合、現場の提案を ご尽力いただいた関係者の
インの『視察』をデジタル化して問題点を発見し 反映して再設計する必要があります。」Brown氏 皆様
ます。これには、計画担当者だけではなく、作業 (Prodtex)
員にも参加してもらい意見を求めることができま
す。」Brown氏(Prodtex) Brown氏は、最近のプロジェクトで外壁設置のVRシミュ
レーションを行いました。しかし、障害物があり、1人で
建設現場の作業パッケージおよび区画の定義では精度が重要で 作業を完了するのは困難な上、使用するバケット・リフ
す。 トに2人の作業員を乗せることができませんでした。そこ
で、このシミュレーション結果を設計者にフィードバッ
DPRの業務パートナーが詳細な分析を行った結果、330時 クしました。「このフィードバックに基づき、設計者は、
間程度あるいはそれ以下(およそ1週間分)の小規模な作 すべてのボルトを片側から固定きるように設計を変更し
業パッケージの方が利益率が21%以上高くなることが示 ました。これにより、作業をより容易、迅速かつ安全に
されました。Dunn氏の報告によると、作業パッケージの 行うことができました。」
規模が大きくなるほど利益率が低下するため、建設では
小規模なバッチが効率的であることが示されています。 Brown氏が採用したもうひとつのDFMAに適した手法は
ポカヨケです。「初回から適切に組み立てる方法を追求
「より効率的なスケジューリングのために最初に行った しています。例えば、真四角のパネルを取り付ける向き
のは、現場の区画を見直して小規模な区画を定義するこ です。パネルにタブがあり、切り欠きにもタブが付いて
とでした。その次のステップは、すべてのタスクの順序 いれば、確実に正しい向きに取り付けることができます。
付けでした。その後、順序を検討することで、ギャップ これで作業員の作業がより容易になります。」
や[ボトルネック]が生じる場所を特定し、改良の可能
性を確認して調整を行いました。また、従来のスケ
ジュールでは必ずしも得られなかった長期的なビジョン 14
を得ることができました。」Delattre氏(Ramery)
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ラスト・プランナー・システム(LPS):最も広く採用され
計画に使われる用語 ているリーン手法。建設現場におけるリーン実践の入り口。
はじめに
LPSは連携および計画の信頼性・予測可能性に重点を置きま
リーン・コンストラクションでは、多様な手法が用いられ す。作業を実行するチーム・メンバー(「現場の作業担当
ます。それぞれ重視するポイントは異なりますが、いずれ 者」)をタスクの計画およびスケジューリングに参加させ 第1章
も建設プロジェクトの効率向上、無駄の削減、生産性の向 るために役立ちます。主な要素は以下の通りです: 成功の要素:5つの普遍的原
上を目的としています。いくつかの主要な用語があります。 則
• マスター・スケジューリング:プロジェクトの主要な
マイルストーンおよびフェーズを確立します。
• フェーズ計画(プル):プロジェクトを小規模で管理 第2章
コンストラクション・バー
可能なフェーズに分割し、それぞれに具体的な目標を チャルツインによる、リー
アドバンスド・ワーク・パッケージング(AWP):プロジェ 設定します。 ン・ルーティンおよび目的
• 先読み計画:数週間先の作業を準備して制約を特定し、 のサポート
クトの計画、調整、実行を強化することを目的とした建設
リソースを確保します。
管理手法。この手法は、エンジニアリング、調達、設置の • 週次作業計画:現場の作業担当者がプル計画の原則に
各活動を連携させることで、効率を高め、コストを削減し、 謝辞:
基づいてタスクの順序を明確にして、1週間以内に達成 ホワイトペーバーの作成に
リスクを軽減することに重点を置いています。AWPの主な 可能な作業を計画します。 ご尽力いただいた関係者の
特徴は以下の通りです: • 毎日のチェックイン:計画済みのタスクが予定通りに 皆様
進んでいるか確認して、問題があれば即座に対応しま
• 作業ブレークダウン構成(WBS):プロジェクトを管 す。
理が容易な「ワーク・パッケージ」に分割して、論理 • 測 定 お よ び 学 習 : パ フ ォ ー マ ン ス を 計 画 完 了 率
的な順序で範囲を設定および実行します。エンジニア (PPC)によって追跡し、未完了の原因を分析するこ
リング・ワーク・パッケージ、調達ワーク・パッケー とで、調整および継続的な改善につなげます。
ジ、設置ワーク・パッケージがあります
• 建設の順序:優先分野に基づいてプロジェクト実行の プル計画:LPSの一部であり、プロジェクトの目標および作
明確な構造化された順序を確立して現場の即応性を向 業順序に基づいてタスクを編成するための連携的なスケ
上します。 ジューリング手法です。従来のスケジューリングでは、
• 連携および統合:エンジニアリング、調達、および建
トップダウンの「プッシュ」計画が一般的ですが、プル計
設チームを含む、すべての関係者の早期連携を促進し
画は最終目標を念頭に置き、各タスクが次のタスクをサ
ます。
• 継続的モニタリング:進捗の追跡を強化して、必要に ポートするように逆算して計画されます。
応じて計画を適応させてリアルタイムで課題に対応し
ます。
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計画に使われる用語 はじめに
リーン・コンストラクションでは、多様な手法が用いられ タクト計画:継続的なワークフローを構築することを目的と
ます。それぞれ重視するポイントは異なりますが、いずれ したリズム・ベースのスケジューリング手法です。ドイツ語 第1章
も建設プロジェクトの効率向上、無駄の削減、生産性の向 のリズムや拍子を意味する「タクト」に由来し、建設プロ 成功の要素:5つの普遍的原
上を目的としています。いくつかの主要な用語があります。 ジェクトを区画に分割して、各区画を一定の間隔で進行する 則
ように作業を計画する手法です。通常の手順は以下の通りで
す:
第2章
コンストラクション・バー
• タクト区画の定義:プロジェクト・エリアをタクト区画 チャルツインによる、リー
(フロア、ルーム、セクションなど)に分割します。 ン・ルーティンおよび目的
• タクト時間の設定:各タクト区画における作業のリズム のサポート
または拍子を設定します。この時間間隔は、例えば2日
ごと、週ごと、またはプロジェクトのニーズに基づいて 謝辞:
設定できます。 ホワイトペーバーの作成に
• 作業の同期:各区画の作業を設定されたタクト時間に ご尽力いただいた関係者の
皆様
沿って順次行われるようにスケジュールし、ボトルネッ
クおよびダウンタイムを最小限に抑制します。
• 連続フロー:1つの区画で各作業が完了すると、次の区
画に移行し、後続の別の作業を進めることで、区画全体
で継続的な進捗を確保します。
• 調整および改善:プロジェクトをスケジュール通りに進
行させて品質および安全基準を満たすために、定期的な
モニタリングおよび調整を実施します。
バーチャル・ゲンバは、日本語の「現場」に由来する、現場
のバーチャルツインです。リーン手法のコンテキストでは、
価値を生み出す作業が行われる場所、つまり建設活動が実際
に行われる現場またはプロジェクトの場所を意味します。こ
れは、現場に実際に足を運び、ワークフローを観察して非効
率を特定し、作業員と連携してプロセス改善に取り組むこと
に重点を置いています。建設プロジェクトの計画段階では、
実際の現場はまだ存在しません。そのため、デジタル・ツー
ルおよび技術を使用して、チームが観察、参加、連携して、
ワーク・フローを理解および問題を特定することで、実際の
作業スペースができる前にモデルを改善します。
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大局的に見ると、LPSは連携的な計画および信頼できる取り組み
を重視して、計画プロセス自体の改善に重点を置いています。 成功の要素:
一方、タクト計画は活動のペースおよび順序を設定して作業の 5つの普遍的原則 はじめに
連続フローを確立し、現場の生産プロセスを最適化すすること
に重点を置いています。(次項「フローの把握」参照。)
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
「プルだけでは建設を実行できません。LPSをリーンに 則
導入するには、それをサポートするサプライチェーンが 早期の詳細な計画は、リソースの割り当てにもメリットをもた
必要です。サプライチェーンのリードタイムが長すぎる らします。建設スケジュールを作業パッケージに編成して、ア
場合、プルだけでは不十分です。まずシステムを計画し ドバンスド・ワーク・パッケージングなどのベストプラクティ 第2章
て、すべてのリズムを整える必要があります。タクト時 コンストラクション・バー
スを活用することで、人員、資材、設備の利用を最適化できま チャルツインによる、リー
間は、これを推進するための原則です。まずタクトを設 す。例えば、タワー・クレーンのような高額なリソースを早期 ン・ルーティンおよび目的
定 し て 、 次 に プ ル を 導 入 し ま す 。 」 Schroeder 氏 の4Dシミュレーションにより、より効果的に活用できます。こ のサポート
(Elevate) れにより、最適な建設順序を特定してプロジェクトのすべての
フェーズにわたって計画を明確に共有できます。 謝辞:
ホワイトペーバーの作成に
上流のサプライヤーは、建設計画プロセスに組み込むべき重要 ご尽力いただいた関係者の
なパートナーであり、これらの建築製品メーカーは、リーン・ 皆様
現場の計画は、多くの場合、デジタル化戦略の重要な入口とな
アプローチの使用にかなり精通しています。 ります。物理的なルーチン(付箋を壁に貼り付けたり、実行可
能性を試行するなど)をデジタル化することで、新しいデータ
を常に最新の状態に維持してチーム全体にわたって共有できま
「建設サービスにはさらなる柔軟性が求められています。
す。
作業現場でスケジュールや段取りの変更に迅速に対応す
る必要があるからです。つまり、現場のマネージャーが
工場と適切にコミュニケーションをとる必要があります。 リーンの実践により、チームの組織化が進
現場が綿密に計画されていても、天候やその他の作業遅 むに伴い、多くの場合、短期計画(3週間
延に伴って変更が生じる場合があり、それがプロジェク 先)や長期的なリソース計画など、より高
ト全体に影響を及ぼす可能性があります。これを管理す 度な計画ソリューションが必要になりま
るには、作業現場のニーズを予測して、遅延が生じる可
す。」Rémi Dornier(ダッソー・システムズ、
能性がある場合、生産前にオーダーを調整する必要があ
ります。これは多くの顧客にとって、また当社にとって AECバイス・プレジデント)
も 新 し い ア プ ロ ー チ で す 。 」 Sondergard 氏 お よ び
Thirumalai氏(Saint-Gobain)
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成功の要素:
5つの普遍的原則 はじめに
#4
資材の流れ。データの流れ。サイロの打破。上流-下流の連携。 第1章
成功の要素:5つの普遍的原
空間および時間全体にわたっての資材・人・情報のフローは、建
設の生産性にとって極めて重要です。これらのフローを意識する フローの 則
ことで、表面化していない障害が明らかになり、フローをさらに
第2章
改善できます。 把握 コンストラクション・バー
チャルツインによる、リー
「製造の現場では、生産性ではなく、フローに注目するよ ン・ルーティンおよび目的
のサポート
うに教えられます。生産性は、フローはうまく機能した結
果として自然に生まれるからです。」Dunn 氏(元DPR)
謝辞:
ホワイトペーバーの作成に
「リーンとは、最終的にはフローを把握すること、つまり ご尽力いただいた関係者の
物 事 の 本 質 を 見 極 め る こ と で す 。 」 Schroeder 氏 皆様
(Elevate)
チームがフローを観察し始めると、適切なタイミングで適切な情
報を得ることで生産性が向上することが明らかになります。
「最近、設計に携わっているあるゼネコンと初めてプル
計画を実施しました。その結果、長年にわたって一緒に
仕事をしてきたにもかかわらず、各自が仕事を適切に行
うために必要なことをお互いに理解し合えていないこと
が明らかになりました:構造エンジニアは、設計者から
どのような情報を得る必要があるのか?
機械エンジニアは、構造エンジニア/設計者からどのよう
な情報を得る必要があるのか?
誰もがお互いの仕事について、多少は理解していました
が、「計画」が各段階を通過しなければ前に進めないと
考えていました。実際、必要な情報が適切なタイミング
で手に入れば、誰もが効率的に仕事を続けることができ
ます。各段階で一旦立ち止まって再確認してから前に進
む必要がなくなります。」Parent氏 (Builthink)
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成功の要素:
5つの普遍的原則 はじめに
第1章
成功の要素:5つの普遍的原
則
フローが最適でない場合、活動のペースに影響が現れます。生産 Schroeder氏(Elevate)のコメント:
が円滑に進まない場合、情報がボトルネックになっている可能 第2章
性があります。作業員の移動が多すぎる場合、物理的なリソー 「リーンとは、現場で生産システムを構築して「製品 」 コンストラクション・バー
スが適切に配置またはパッケージ化されていない可能性があり チャルツインによる、リー
を定義し、フローに必要な要素を明確にして、製造、調 ン・ルーティンおよび目的
ます。 達、設計など、すべてを製品に一致させることです。 のサポート
タクト生産システムでのモデル化、各作業パッケージに
「現場を視察中、やるべき作業がたくさんあるにもかか 合わせて設計された建設前の取り組み、計画の反復およ 謝辞:
わらず、連携がとれていないため人手が不足している場 び徹底的な検証、そして現場における確実な計画に基づ ホワイトペーバーの作成に
合があります。つまり、各自の作業がサイロ化している く業務パートナーの関与が必要です。しかし、これらの ご尽力いただいた関係者の
ため、建設プロセスが最大限に活用されていません。」 皆様
実行は決して容易ではありません。
Parent 氏(Builthink) 建設前の早期段階からすでに生産システムのシミュレー
ションをしています。サプライチェーンは整合され、設
「作業時間と歩数計の記録を追跡しています。昨年は、 計による建設サポートをして、プロジェクトを通じて、
収納ボックスの設置により、平均して1日あたり30分時間 組立ラインのように円滑に作業が進行していきます。そ
を短縮できました。必要な機材を手元に置いて移動回数 して、そのフローに基づき、ラスト・プランナー・シス
も減らしています。」 Geoffroy氏(Léon Grosse) テムが全面的に実装されるのです。」
「最近、建設現場の概略図を作成して、各業務チームが
どこで作業して、どこに移動しているのか確認して、少
しずつ標準化を進めています。」Bouthillon氏(Paris-
Ouest)
すべてを連携させて生産システムの安定したリズムを保つには、
フローの調整だけではなく同期も必要です。
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データ・フローに責任を負うことで、プロジェクトの効率化に大きな
可能性がもたらされます。 成功の要素:
はじめに
「最初に初めた頃、調整の責任を誰も負おうとしていませんで 5つの普遍的原則
した。これがセクターの深刻な機能不全の原因だと思いました。
全員が孤立化された環境で作業していたにもかかわらず、誰も 第1章
そのサイロ化に気付いていませんでした。」Dara Khera氏 サプライヤーは、オフサイトおよびオンサイトのプロジェクト両 成功の要素:5つの普遍的原
(BIM専門家兼BOHM創設者) 則
方においてジャスト・イン・タイム(JIT)配送を含む、さまざ
まな方法でフローに貢献しています。
工場/現場での生産および設置中に、作業員が各自のデバイスから意思
第2章
決定をサポートする情報にオープンかつ透明にアクセスできる環境が 「JITは、現場で保管する資材(SKUおよび数量)を削減 コンストラクション・バー
必要です。人は本来、創造的に問題を解決できます。デジタル・ソ し、資材の取り扱いに伴う無駄を減らすのに役立ちます。 チャルツインによる、リー
リューションは建設前、建設中、建設後のデータ・フローを結びつけ ン・ルーティンおよび目的
つまり、作業員が必要なときに必要な資材を入手して、作 のサポート
ます。これにより、作業員がモデルと計画を比較してプロジェクトの 業をより効率化できます。また、作業スペースが整理され
情報を共有できます。 て、作業員の移動がより容易になります。その他のメリッ
謝辞:
トとして、クレーンなどの設備の利用をより適切に計画で ホワイトペーバーの作成に
き ま す 。 」 Sondergard 氏 お よ び Thirumalai 氏 ( Saint- ご尽力いただいた関係者の
「ある部門で良好に機能しているアプリを他の部門やシステム Gobain) 皆様
に連携させる必要があります。また、現場監督や作業員へのフ
ローにも注目する必要があります。」Schroeder氏(Elevate) 「現場において資材は平均7回移動されます。物流が最適
化されていない場合、重大なフロー制約が発生しますが、
資材の搬送および取り扱いを仮想環境で事前にシミュレー
従来の建設システムでは、データ流れは下流方向に限定されています。 ションすることで、これを回避できます 。」Dornier
データを上流にフィードバックすることで、プロジェクト間で継続的 (ダッソー・システムズ)
な改善を促進できます。
フローを維持することが、調整会議の目的であるべきです。同期化
「改善の機会を捉えることができます。設置済みの製品に問題 により、無駄な待機を排除して、リソースの生産性を最大限に高め
が見つかれば、設計を改善する必要があります。適切なシステ ることができます。
ムがあれば、単一の変更を他のすべてに反映させて、次のプロ 「3〜4週間先の非常に正確なスケジュールを確認して、企
ジェクトにもメリットがもたらされます。同じミスを繰り返さ 業間のインターフェースの問題点や物流面の課題、さらに
ないための原則があります。それはデータの標準化、要素の標 は小さな障害ポイントに至るまで、会議を通じてすべてを
準化、そして基準の更新です。」Dunn氏(元DPR) 解決できるように取り組んでいます。」Guyon-Carrard氏
(Setec Opency)
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