1/7ページ
カタログの表紙 カタログの表紙 カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(393.9Kb)

Form 3 寸法精度レポート

ホワイトペーパー

FormlabsのSLA光造形3Dプリンタのフラッグシップモデル「Form 3」の造形寸法精度レポートです。

このカタログについて

ドキュメント名 Form 3 寸法精度レポート
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 393.9Kb
登録カテゴリ
取り扱い企業 Formlabs株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

Page1

レポート Form 3 寸法精度レポート 2021年5月| Formlabs.com
Page2

含まれる内容 はじめに   . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 寸法精度について .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  . 4 試験結果:1mmから50mmまでの結果 .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  . 5 試験結果:60mmから130mmまでの結果   . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6 後処理と寸法精度   . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7 注意事項や質問  . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7 FORMLABS:FORM 3 寸法精度レポート 2 
Page3

はじめに

はじめに Formlabsのプリンタは、エンジニアリング、製造、歯科技工所や病院など、幅広い業界のデザイナーや クリエイターの多くに、光造形(SLA)方式の3Dプリントを内製化する可能性を現実的な形で提供して います。他の製造プロセスと同じように、3Dプリントを使った製作プロジェクトに取り掛かる前に、 3Dプリントで何がどこまで可能かを理解しておくことが重要です。 積層造形方式で製作したエンドユース用パーツの品質は、様々な指標で評価できます。その一つが、 です。歯科用のサージカルガイド、あるいは製造用の冶具や固定具など、特定の用途では寸法精度が その造形物を使用できるかどうかを見極める最重要な判断要素となります。 Formlabsでは Form 3 とForm 3Bで製作する造形物の寸法精度を確認するための社内試験を実施し ました。この試験には二つのモデルを用意しました。一つのモデルでは特徴の積層ピッチをどれも50㎜ 未満に抑え、もう一つでは特徴の積層ピッチをどれも50㎜以上にしました。この二つのモデルを使って、 各プリンタで複数のパーツを造形しました。同じテストを複数のプリンタで実施しました。このように、 同じ形状のパーツの造形を複数のマシンで何回も繰り返したのは、Form 3の精度がどれだけ一定か を確認する上で重要だと考えたからです。 試験結果は次のとおり、良好でした: 理想または設計通りの造形サイズからの平均偏差は小さく、0から100ミクロンまでの範囲に収まりま した。Form 3でGrey Resinを使って繰り返し造形した様々なサイズのパーツはいずれも一定の精度を 保っており、多くの用途の製造要件を満たすことが実証されました。 テスト造形用のセットアップ 使用するプリンタ 4台のForm 3 造形するモデル 試験モデル(下記写真) 積層ピッチ 50ミクロン 後処理 Form Wash + Form Cure 使用する材料 Grey V4 Resin ソフトウェア Preform 3.9 計測ツール CMMマネージャー付きの六角形CMM(Nikon Metrology) FORMLABS:FORM 3 寸法精度レポート 3 
Page4

寸法精度について

寸法精度について 寸法制度に影響を与える要素 1. パーツの造形に使用する32Dプリンタ(例えば、プリンタ間で微妙な精度の差異がある場合があります) 2. パーツの素材として選択された材料 3. サポート材がどのように配置され、パーツから取り外されたか 4. パーツの洗浄後に取られた後処理の手順 Formlabsでは寸法精度を高めるために4つの方法を 1 . FormlabsではLow Force Stereolithography  (LFS)™という画期的な技術を開発しました。この技 術はForm 3、Form 3B、Form 3LとForm 3BLに搭載されています。LFS方式の3Dプリントは、造形中に発 生する剥離力を大幅に抑えることでパーツに掛かる応力を弱め、より正確な造形を可能にします。また、 Formlabsが独自に設計した筐体付きの光学エンジンであるLight Processing Unit (LPU) がレジンタン ク全体に均一サイズのレーザースポットを隈なく照射し、精度の高い造形を絶えず可能にしています。 LFSは、これまでデスクトップ型3Dプリンタでは実現できなかった驚異的な再現性で表面のディテール や精細な形状を造形することができます。 2. Formlabsでは、自社のSLAプリンタで使用できる専用材料も幅広く開発しています。 Formlabsが開 発するエンジニアリング用材料は、用途やワークフローによって異なる様々な要件に対応できるように 調整されており、応力テストをはじめとする数々の性能確試験に合格したものだけがポートフォリオに 加えられています。Formlabsの材料はいずれも、優秀な化学エンジニアが集まる開発チームが各用途 に合わせて作成する厳しい試験を合格しています。 3. サポート材を取り外す際、パーツの表面を傷つけたり、痕が残ったりする場合があります。 Formlabsでは、 そうしたリスクの軽減策の開発にも注力しています。その一環として、サポート材の取り外しを容易に するツールをユーザーに提供し、PreFormを改良し、そこで生成するサポート材の数を減らしたり、構 造をカスタマイズできるようにしたりしています。 4. 常に最高のパフォーマンスを出せるように調整された自動ワークフローを提供します。 後処理の重要 性を熟知するFormlabsは、3Dプリントのワークフローをエンドトゥエンドで自動化するソリューション としてForm Wash と Form Cureを開発しました。Form Cureでは、各材料の機械的特性を最大限に発 揮できるように、造形したパーツの二次硬化時間を設定できます。 FORMLABS:FORM 3 寸法精度レポート 4 
Page5

試験結果:1mmから50mmまでの結果 

試験結果:1mmから50mmまでの結果  図 1 図 1には最初に製作した試験造形物が映っています。このモデルには、1mmから50mmまでの範囲で 形状が異なる特徴がいくつも設けられています。こうした異なるサイズは、Formlabsプリンタで造形す るパーツの大半のサイズを網羅しています。 図 1には、PreFormの画面に表示した試験造形物が映っています。各試験に使用したモデルには、 XT方向に測定した寸法が1mm、 4mm、9mm、27mmと50mmの特徴が二つずつ設けられました。 図 1には、目標とする各特徴の理想的なサイズと比較した平均偏差が詳細に表示されています。 目標とする特徴のサイズ 理想的なサイズからの平均偏差(MM) 標準偏差(MM) 1mm -0.02 0.03 4mm -0.01 0.03 9mm -0.01 0.03 27mm -0.04 0.04 50mm 0 0.07 表1:目標とする特徴のサイズと比較した場合の平均偏差と標準偏差(1mm、9mm、27mmと50mm の特徴を持つモデルはn =-160、4mmの特徴を持つモデルはn =-320)。 表1には、Form 3が3Dプリントの各用途で異なる様々な精度要件を広範囲に満たせることを証明する 結果が表示されています。ここに表示されている結果は、160以上の試験造形物から集めた試験データ に基づいており、Form 3が幅広い用途で求められる精度要件に対応できる信頼性の高いプリンタである ことを証明しています。この結果は、Form 3が再現性と安定性が非常に重要な要件となる製造や歯科の ワークフローにも十分対応できるプリンタであることが確認できます。 FORMLABS:FORM 3 寸法精度レポート 5 
Page6

試験結果:60mmから130mmまでの結果 

試験結果:60mmから130mmまでの結果  図 2 図2では、10mm単位で特徴のサイズを増やした60mmから130mmまでの形状のモデルを使って試験 した結果を確認することができます。 プリンタと材料に、一回目の試験と同じForm 3とGrey Resinが使われました。この組み合わせで実施 した二回目の試験で繰り返し造形した大きめのモデルの寸法精度は、いずれも図1に表示されている 小さめのモデルの試験結果とどのサイズでもほとんど誤差が出ませんでした。測定結果をサイズ別に グループ分けしたデータを見ると、0から100ミクロンの範囲では理想的なサイズからの平均偏差は、 どのグループでも小さいことが確認できました。 目標とする特徴のサイズ 理想的なサイズからの平均偏差 標準偏差(MM) 60mm 0.03 0.04 70mm 0.00 0.04 80mm -0.01 0.06 90mm -0.01 0.07 100mm -0.05 0.09 110mm -0.1 0.1 120mm -0.1 0.1 130mm -0.1 0.1 図2:目標とする特徴のサイズと比較した場合の平均偏差と標準偏差(各特徴をサイズ別にn =-10)。 FORMLABS:FORM 3 寸法精度レポート 6 
Page7

後処理と寸法精度、注意事項や質問

後処理と寸法精度 試験に使用したモデルはいずれも、造形後に Form Washで10分間の洗浄サイクルを二回繰り返して 洗浄しています。各洗浄サイクルには、以前に洗浄に使い、その際にレジンが若干溶けて混じっている IPAを用意することで、より現実的な洗浄環境を作りました(一回目の洗浄にはレジン飽和率が最大 10%のIPAを使用、二回目の洗浄にはレジン飽和率5%未満のyり純度の高いIPAを使用)。 二回目の洗浄を終えた後、スプレーボトルに入れた新鮮なIPAを各造形物の表面や空洞部分に吹きか け、そこに付着しているレジンをすべて取り除きました。この最終のすすぎ洗いを完了した後、圧縮空 気を使って各パーツを乾燥させました。洗浄と乾燥工程を終えたパーツの二次硬化には、Formlabsが Grey Resin V4を使って造形するパーツの二次硬化推奨設定(60°Cに加熱した Form Cure内で30分) を採用しています。硬化したパーツは室温の環境に置き、常温になるまで冷やしてから寸法を測定して います。エンジニアリング向けのレジンで造形したパーツはいずれも、理想的な寸法精度を得るには二 次硬化させることをお勧めます。 Formlabs製の各レジンの推奨硬化時間を確認したい時はこちらをクリックしてください。 注意事項や質問 このレポートに記載しているデータは、図1と図2に表示されている試験造形物から得た数値だけに限 られています。同じサイズのモデルを造形すると、ここに記載したデータと全く同じ寸法測定結果が出る と断定することはできませんが、Formlabsのプリンタであれば、現在お求めいただけるどのFormlabs 製レジンを使っても、同様の高い精度が得られると確信しています。 上述したとおり、このレポートに記載している造形物はすべてGrey Resinで製作しています。Formlabs 製のレジンはどれも、数々の厳しい製品試験を合格しない限り、リリースされません。従って、Formlabs の材料ポートフォリオに含まれている材料であれば、どれでも同じような良好な結果が出ることを期待 していただけます。但し、パーツの条件(特に形状)によっては、通常と違う結果が出ることもあり得ます。 すべてのプリンタから全く同じ結果が出るとは限りません。プリンタによっては、量産する際の傾向として、 大小のどちらかに平均サイズが多少偏ることがあります。この現象は、今回のデータセットでも確認され ています。平均よりも若干大きめに造形するプリンタと、若干小さめに造形するプリンタがありました。 この程度の差異は3Dプリントでは通常の現象です。また、自由度の幅に応じて発生する歪みや異方性 収縮によって、寸法精度にズレが生じることもあり得ます。Formlabsでは、どの3Dプリンタも工場から出 荷する前に較正を行いますので、差異の分布範囲はかなり狭まっています。但し、較正は差異の範囲を 狭めることはできても、完全になくすことはできません。 Formlabsのプリンタの精度について、他に何かご質問がありましたら、その件に詳しい当社の営業担 当者にご連絡ください。 Formlabs株式会社 jp-sales@formlabs.com 03-6718-4004 formlabs.com/jp