1/18ページ

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(1.9Mb)

SLA光造形3Dプリントガイドブック

ホワイトペーパー

プロフェッショナルユーザー向け総合ガイド

ステレオリソグラフィー(SLA)3Dプリントは、さまざまな先端材料で、高い精度と等方性、防水性を備えたパーツを、微細な形状と滑らかな表面品質で製作できることから、幅広い支持を集めています。
本ホワイトペーパーでは、SLA光造形技術の仕組み、幾多のエキスパートがこの方式を採用した理由、そしてSLA方式3Dプリントがあなたの業務にどう役立つのかを理解するため知っておくべきことを解説したいと思います。

このカタログについて

ドキュメント名 SLA光造形3Dプリントガイドブック
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 1.9Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 Formlabs株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

この企業の関連カタログ

デスクトップSLA光造形3Dプリンタ Form 3+
製品カタログ

Formlabs株式会社

大容量SLA光造形3Dプリンタ Form 3L
製品カタログ

Formlabs株式会社

このカタログの内容

Page1

ホワイトペーパー 光造形(SLA)方式3Dプリントとは プロフェッショナルユーザー向け総合ガイド ステレオリソグラフィー(SLA)3Dプリントは、さまざまな先端材料で、高い精度と等方性、防水性を備 えたパーツを、微細な形状と滑らかな表面品質で製作できることから、幅広い支持を集めています。 本ホワイトペーパーでは、SLA光造形技術の仕組み、幾多のエキスパートがこの方式を採用した理由、 そしてSLA方式3Dプリントがあなたの業務にどう役立つのかを理解するため知っておくべきことを解 説したいと思います。 2020年1月 | Formlabs.com
Page2

Contents イントロダクション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 光造形(SLA)方式3Dプリントとは? . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 SLA方式の今と昔 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6 SLA方式3Dプリントが選ばれる理由 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9 SLA方式3Dプリント活用術 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14 SLA方式による3Dプリント内製化 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 2
Page3

イントロダクション

イントロダクション 3Dプリント技術の進歩は、企業の試作品製作や製品生産へのアプローチに変化をもたらし続けています。 テクノロジーへのアクセシビリティや価格の下落、そしてハードウェアと材料が市場ニーズに合致する よう進歩するにつれ、デザイナーやエンジニア、それ以外の人たちまでもが製品開発サイクル全般に3D プリントを導入しています。3Dプリントは様々な業界で、外注コストの削減、試作からの設計調整による 反復検証の迅速化、生産工程の効率化、更には新たなビジネスモデルの開発にも活用されており、 3Dプリントは様々な業界で、外注コストの削減、試作からの設計調整に よる反復検証の迅速化、生産工程の効率化、更には新たなビジネスモ デルの開発にも活用されており、 中でも光造形(SLA)方式による3Dプリントは、特に大きな進歩を遂げています。以前のSLA方式3Dプリン タは、様々な装置を一体化した巨大な機器で、その運用には熟練した技術者と高額なサービス契約を要し、 コスト的に非常に厳しいものでした。しかし、現在では小型のデスクトップ型3Dプリンタで工業品質の造 形が、手頃な価格と素晴らしい汎用性をもって実現しています。 SLA方式3Dプリントは、様々な先端材料で高い精度と等方性、防水性を備えたパーツを、微細な形状や 滑らかな表面品質と共に製作できることから、非常に広く支持されています。今Formlabsは、 新たなアプローチで技術革新をネクストレベルへと押し上げています。それが独自技術、 LFS(Low Force Stereolithography)™ テクノロジーによる3Dプリントです。 本ホワイトペーパーでは、SLA光造形方式の仕組みと幾多のエキスパートがこの方式を採用した理由を、 SLA方式3Dプリント製品とそのワークフローと共に解説します。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 3
Page4

光造形(SLA)方式3Dプリントとは?

光造形(SLA)方式3Dプリントとは? 光造形は、液槽光重合法と呼ばれるアディティブマニュファクチャリング(積層造形)に属する技術です。 光造形方式の3Dプリンタはすべて同じ原理を利用しており、液状の樹脂をレーザーやプロジェクター光 を照射することで硬化し、造形を行います。主な違いは照射する光の光源、ビルドプラットフォーム、レジ ンタンク等、主要部品の違いにあります。 また、SLA方式3Dプリンタでは「レジン」と呼ばれる光硬化性樹脂を使って造形を行います。SLA用のレジ ンに特定の波長の光を照射すると短い分子鎖同士が結合し、単量体(モノマー)や単量体が重合したもの (オリゴマー)が重合体(ポリマー)となって硬化し、硬質または軟質のプラスチックが形成されます。 上下反転型のSLA方式 1 造形物 4 2 サポート材 3 レジン 2 4 Build Platform 3 5 レーザー 1 6 ガルバノメーター 8 7 X-Yスキャンミラー 8 5 レーザー 7 9 レジンタンク 6 光造形方式3Dプリントの基本的な仕組み。 SLA方式による造形物は、あらゆる3Dプリント方式の中で最も精緻で 高精度となり、シャープなディテールと滑らかな表面品質を備えていま すが、SLA方式最大の利点は、その汎用性にあります。 SLA方式による造形物は、あらゆる3Dプリント方式の中で最も精緻で高精度となり、シャープなディテール と滑らかな表面品質を備えていますが、SLA方式最大の利点は、その汎用性にあります。材料メーカーは、 標準的なプラスチック材、エンジニアリング用プラスチック材、そして工業用熱可塑性プラスチック材に匹 敵する光学的・機械的・熱的な特性をもつ革新的なSLA用レジンを開発してきました。 SLA方式3Dプリントを、プラスチックパーツを造形する他の一般的な方式2種と比較してみましょう。 1つは熱溶解積層(FDM)方式、もう1つは粉末焼結積層造形(SLS)方式です。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 4
Page5

SLA方式3Dプリントのワークフロー 1 デザイン 任意のCADソフトや3Dスキャンデータでモデルをデザインし、 3Dプリントに対応したファイル形式(STLまたはOBJ)で書き出し ます。各SLA方式3Dプリンタには、造形設定とデジタルモデルを 造形用のレイヤーにスライスするソフトウェアが付属しています。 セットアップが完了したら、プリント準備ソフトウェアが無線また は有線で接続されたプリンタに造形用データをアップロードし ます。 上級者の方は、SLA用に特別な設計を施したり、 材料の節約の ため内部を空洞にしたりすることも検討できるでしょう。 2 造形 設定が正しく完了していることを確認後、造形が開始され、プリン タはそのまま造形が完了するまで作業を続けます。カートリッジ 式のレジンを使用するプリンタでは、材料の補充もプリンタが自 動で行います。 また、Dashboardと呼ばれるFormlabsのオンラインプラット フォームでは、プリンタや材料の状況をリモートで管理すること も可能です。 3 後処理 造形が完了したら、造形物表面に残る液体のままの未硬化レジ ンを取り除くため、イソプロピルアルコール(IPA)での洗浄が必 要です。洗浄したパーツが乾いたのち、材料によっては二次硬化 が必要です。この二次硬化によって、造形物は最大限の強度や物 性を発揮できるようになります。最後に、造形物からサポート材 を取り除いた後、残ったサポート材の痕をサンドペーパー等で研 磨して表面を仕上げます。SLA部品は、目的の用途や仕上げに合 わせ、機械加工、下塗り、塗装、他パーツとのアセンブリが簡単に 行えます。 エンジニアリング用の高機能レジンでは、二次硬化が特に重要 で、デンタル用やジュエリー用の材料または用途では、二次硬化 が必須のものもあります。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 5
Page6

SLA方式の今と昔

初のデスクトップ型SLA方式3Dプリンタ、Form 1のプロトタイプ。 SLA方式の今と昔 SLAの歴史 SLA方式は1970年代初頭、日本の研究者である小玉秀男博士が感光性樹脂を紫外線で硬化させるという、 現代の積層造形法を発明したことに端を発します。光造形(Stereolithography)という用語は、1986年 にSLA方式の特許を取得し、3Dシステムズ社を設立して実用化したチャールズ(チャック)・W・ハル氏が 考案したもので、ハル氏は、紫外線で硬化する材料を薄い層にし、連続して「プリント」することで立体物 を作る方法であるとしました。 しかしSLA方式による3Dプリントは、幅広い支持を得た最初の3Dプリント技術とはならなかったのです。 2000年代の終わりに同社の特許が切れ始めると、小型の3Dプリンタが登場します。アディティブマニュ ファクチャリング(積層造形)が手の届く存在となり、最初に製品化されたのは熱溶解積層法、いわゆる FDM方式の3Dプリンタでした。 この安価な押出成形ベースの技術は、3Dプリントを広く認知させ、普及させる最初のブームを巻き起こ したものの、FDM方式のプリンタは製造業の幅広く厳格なニーズを満足させることはできませんでした。 歯科業界における生体適合性材料や、ジュエリー業界やミリ流体工学等における微細な形状を造形す る能力や、高い精度をもった再現性等、製造業での採用に際して非常に重要となる要素に不足があった のです。 デスクトップサイズの光造形が旋風を起こす 2011年、Formlabsが光造形(SLA)方式をデスクトップサイズへの小型化に成功したことで、SLAはFDM を急速に追随し始めます。デスクトップSLAプリンタは、これまで巨大な工業用設備だった高精度・高精 細な光造形方式の3Dプリンタを、コンパクトなサイズと手頃な価格で実現しただけでなく、幅広い材料 の使用も可能としました。このデスクトップSLAが起こしたイノベーションは、製造業におけるエンジニア リング、プロダクトデザインや生産面に、そして歯科医療分野やジュエリー業界等あらゆる業界に、高精 度なパーツや多岐にわたるカスタム品を3Dプリントで製作するという新たなオプションをもたらしました。 そして2015年、Formlabsは第2世代のSLAプリンタ「Form 2」をリリースし、これが業界をリードするデス クトップ型3Dプリンタとなります。安価にカスタム義肢を内製し、カミソリのグリップ部を顧客ごとにカス タムし、様々なものがそれぞれの現場で造形されていきました。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 6
Page7

第2世代機 Form 2は、SLA方式3Dプリントに関する議論を一新し、生産面での「分散型モデル」を普及さ せました。このモデルは、需要の増加に応じて小型プリンタを追加導入し、各プリンタごとに別々の材料で 造形を行うことで、生産規模を柔軟性を持って段階的に拡大することができます。より高度なレジンの登場 によって試作品の製作だけでなく、様々な業界において製品生産や最終製品用パーツでの使用という新た な扉が開かれました。時間の経過とともに材料はますます進歩し、Form 2は更に幅広い分野に普及してい きました。 2019年には、Formlabsは Form 3とForm 3Lという2つの新製品を発売し、また新たな一歩を踏み出して います。SLA方式3Dプリントの業界標準を刷新する全く新しい独自の特許技術によるシステムは 「Low Force Stereolithography(LFS)™」と名付けられました。このLFS技術は、SLA製品の造形品質、 信頼性、使いやすさ、後処理工程を更に向上し、業界をリードし続けています。 Formlabsはこの特許技術に更に改良を重ね、デスクトップSLAプリンタの最新版、Form 3+を2022年1月 にリリースしました。 最新型のForm 3+では過去最高の造形スピードと後処理工程の進化、更なる造形 品質向上を実現し、デザインから造形完了までのプロセスを更に迅速で信頼性の高いものとしています。 Low Force Stereolithography(LFS)技術が開く3Dプリントの新たな1ページ Formlabsの独自技術、Low Force Stereolithography (LFS) テクノロジーは、拡張性と信頼性を更に向 上し、現在の工業用3Dプリントへの市場ニーズを満たす次世代SLA方式3Dプリント技術です。 この進化形SLA技術は、フレキシブルタンクとリニアイルミネーションによって造形時にパーツに加わる 剥離方向への負荷を大きく低減することで、驚異的な表面品質と造形精度を実現するものです。造形中 に発生する剥離力の低減によって瞬時に取外し可能なライトタッチサポートが実現でき、これによって生 産側での活用に際してのハードルを更に引き下げる高度な材料の開発に向け、大きな可能性を切り拓 くことができました。 具体的には、上下を反転した状態で造形する形でのSLA方式では、次レイヤーの造形に移行する際に造形 物がタンク底面から剥離されます。この時造形物には剥離方向に力が加わるため、造形物重量が制限さ れ、その力に耐えられるサポート材が必要となります。そのためFormlabsのForm 2では、造形物の剥離を 行う工程でこの剥離力に配慮し、パーツを高品質に造形するために高度な較正が必要でした。 一方Form 3とForm 3Lは、進化系SLA技術であるLFS(Low Force Stereolithography)テクノロジーに基づいて 開発されているため、フレキシブルタンクとリニアイルミネーションによってこの課題が解決されています。
Page8

1 ビルドプラットフォームと造形物がレジンタンク 底面に降下 a b a Build Platform d 液体レジン b c タンク e フィルム c 造形物 f LPU d e f 2 ローラーが造形物下部からレジンをやさしく絞 3 レーザーが造形層を硬化しながら造 り出します 形済みの層に接着させます 4 ビルドプラットフォームが上昇し、フィルム状のレ 5 フィルムがたわんで剥離力を低減し、 ジンタンク底面より造形物をやさしく剥離 次の層の造形準備が整います つまりLFSテクノロジーの要点は、フレキシブルタンクとリニアアルミネーションによって造形中に加わる剥離力 を劇的に低減することで、寸法・形状精度と表面品質をより一層向上した点にあります。LFSテクノロジー詳細を 動画で見る。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 8
Page9

SLA方式3Dプリントが選ばれる理由

SLA方式3Dプリントが選ばれる理由 製造業のエンジニアやデザイナーの皆さまがSLA方式の3Dプリントを採用するのは、その精緻で滑らかな 造形品質、形状や寸法の精度、そして等方性や水密性、材料の汎用性等の機械的性質に理由があります。 等方性 一般的に、3Dプリンタは1層ごとに造形を行うため、完成した造形物には造形時の向きに応じてX軸、Y軸、 Z軸でそれぞれ性質にばらつきが生じ、強度が異なる場合があります。 熱溶解積層法(FDM)のような造形方式では、その造形プロセスにより異方性が生じてしまうことが知ら れています。こうした異方性を解決するためには、FDM方式の用途を異方性が許容できるものだけに制 限するか、造形物の形状でこの短所をカバーできるようデザイン面での調整を行う必要があります。 一方でSLA方式による造形物には、優れた等方性が備わります。造形物に等方性をもたせるためには、 材料化学を造形プロセスに統合し、多くの要素を緻密にコントロールする必要があります。プリンタでの 造形中、レジンの成分は共有結合状態となりますが、層と層の間は半結合状態のままとなります。 レジンは半結合状態でも層間を結合する重合性基を備えており、造形物は最終硬化によって意図した等方 性と水密性を得ることができます。分子レベルでは、X、Y、Z軸上の平面間に差異はありません。そのため、 治具や固定具、最終製品用パーツ、機能確認用プロトタイプ等の製作で重要となる、意図した通りに機 能するパーツを造形することができます。 このPankl Racing Systems社の治具のようなSLA方式での造形品は、その等方性によって高い応力に晒される 製造工程においても様々な方向から受ける負荷に耐えることができるのです。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 9
Page10

水密性 SLA方式での造形物は、内部に空洞や何らかの経路を備えたものでも空洞がないものでも、その構造は 途切れがなく連続的なものになります。この特徴によって得られる水密性は、ガスや液体の流体を意図し た通りに制御すべき工業用途において特に重要となります。エンジニアや設計者は、自動車や生物医学 研究、キッチン用品等の消費者向け製品のデザイン検証に、SLA方式で得られる水密性をガスや液体の 流体に関する課題解決に活用しています。 例えばキッチンツールブランドのOXOは、このコーヒーメーカーのように空気や流体を通す製品の機能確認用プ ロトタイプを、SLA方式の水密性を利用して製作しています。 寸法と形状の精度 歯科から製造業に至るまで、SLA方式3Dプリントは、高精度で精密なパーツを再現性をもって製作すると いう目的で活用されています。高い精度と精密さを備えたパーツを製作するためには、いくつもの要素を 厳密に制御する必要があります。 CNC等機械加工による精度と比較すると、SLA方式3Dプリントでは一般的な機械加工と精密機械加工 の中間程度の精度となっており、SLAの公差は工業用3Dプリント技術の中では最も厳密になっています。 3Dプリントの公差と精度に関する詳細 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 10
Page11

3Dプリンタの密閉空間内でレジンタンクを加熱することで、毎回ほぼ同一の条件で造形でき、高い再現性 が得られます。また、熱可塑性樹脂を溶かして造形する類の方式に比べ、造形温度が低いためより高精度 での造形が可能です。SLA方式では熱ではなくレーザー光を使うため、室温に近い温度で造形が行え、熱 による膨張・収縮の影響を受けません。 歯科業界の例では、実際にスキャンしたパーツとCAD 上の形状を比較検証することで、SLA3Dプリントによる 造形物において厳密な公差が維持できることを実証し ています。 LFS(Low Force Stereolithography)3Dプリントでは、X軸(横)方向に動くLPU(Light Processing Unit) 内に光学系機器が備わっています。1台のガルバノメーターでY軸(奥行)方向のレーザー位置を決め、 折り畳み式ミラーと放物面ミラーを介してレーザーを照射することで、常に造形面に対して垂直にレー ザーを当てることが可能となります。LPUが常にリニア状に動いて垂直にレーザーを照射することで、高 い精度と正確性を実現し、Formlabsの大型SLAプリンタ、Form 3Lのように機器が大型化してもレーザー を均一に照射することができます。また、LPUは空間フィルターを用いてより鮮明でノイズの無いレーザー スポットを作り出し、造形精度を向上させています。 また、高い信頼性をもって再現性ある造形を行うためには、各材料の特性も重要です。 FormlabsのRigid Resinは、二次硬化前の係数が高いため、非常に薄いパーツも正確に造形でき、失敗する可能 性を低減できます。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 11
Page12

精細で滑らかな表面品質 SLA方式による造形は、機械加工、射出成形、押出成形等、従来型の製造法と遜色のない外観を備え、 滑らかな表面を実現する代表的な技術であるとされています。 このSLA特有の表面品質は、完璧な仕上げを要する用途に最適で、造形後のサンドペーパーがけや、研磨、 塗装が容易に行えるため、後処理時間の短縮にもつながります。例えば、Gilletteのような大手企業も SLA方式3Dプリントを採用し、Razor Makerというパーソナライズプラットフォームでデザインされたカミ ソリのグリップ部等の消費者向け最終製品を生産しています。 Gilletteのような大手企業もSLA方式3Dプリントを採用し、Razor Makerというプラットフォームでデザインされた カミソリのグリップ部等の消費者向け最終製品を生産しています。 表面品質と関連して、一般的な3Dプリンタの解像度を図る指標として、Z軸(高さ)方向の層の厚み、つまり積 層ピッチが使用されます。この積層ピッチは、Formlabs製SLAプリンタでは25~300ミクロンの間でユーザー側 での設定が可能で、スピードと品質の面でトレードオフの関係にあります。 他の造形方式と比較すると、熱溶解積層法(FDM)や粉末焼結積層造形(SLS)方式は、一般的に100から 300ミクロンの厚みで積層しますが、FDMやSLS方式で積層ピッチ100ミクロンで造形したものは、SLA方 式での積層ピッチ100ミクロンの造形物とは表面品質が違ってきます。この理由は、SLA方式の特徴にあり ます。SLA方式では造形後に研磨等の仕上げ作業無しでも滑らかな仕上がりが得られ、新しく造形される 層が前の層と相互作用することで層間に生じる段差が平滑化され、造形物の最外周面が美しく仕上がり ます。これに対しFDM方式では積層痕がはっきりと目に見え、SLS方式では溶融した粉末の表面が粒状に なる傾向にあります。 また、Form 3+のレーザースポットサイズは85ミクロンで、工業用SLSプリンタの350ミクロンやFDM機の 250~800ミクロンのノズルと比較し、SLA方式ではより精細なディテール表現が可能です。 FDM方式での造形物は、積層痕 が目立ち、形状が複雑になると 精度が落ちる可能性があります が、SLA方式での造形物は、 シャープなエッジと滑らかな 表面を備えた仕上がりとなり、 積層痕はほぼ見えません。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 12
Page13

豊富な材料 SLA方式で用いられるレジンには、柔らかで弾性に富んだものから硬く剛性に富んだもの、ガラスやセラ ミック等の副材料を含むもの、高い熱たわみ温度や耐衝撃性等の機械的特性を備えたもの等、多彩な 材料が利用できる点に大きなメリットがあります。その材料は、義歯のような特殊なものから、製造業に おける最終製品用材料に近い試作用のもの、高い負荷のかかる状況下でも機能し、様々な検証試験に 耐えられるよう調合されたものまで、多岐にわたります。 SLA方式による内製化を採用する企業では、こうした汎用性と機能性の高さを導入理由として挙げるケー スもあります。ある用途の技術的課題が何かしらの機能性材料で解決できることが明らかになった場合、 通常は短期間のうちにそれを応用し、更に大きな可能性が見えてきます。3Dプリンタは、そうした幅広い 材料に備わる様々な機能を活用するツールとなるのです。 1つの例として、シェフィールド大学の先進製造研究センター(AMRC)の試作・設計グループに所属する 数百人のエンジニアは、ボーイングやロールスロイス、BAE Systems、エアバス等の企業と協業する極め て広範な研究プロジェクトに、12台ものSLA方式3Dプリンタと各種のエンジニアリング系材料のオープ ンアクセスを活用しています。同グループは、High Temp Resinで高温に耐える必要のあるワッシャー、 ブラケット、センサ用マウントを3Dプリントし、Durable Resinで複合材製造のオートメーション上で稼働 する仕分け用ロボット向けに、複雑な機構を備えた専用のばね部品を製作しています。 AMRCのエンジニアたちは、12台のSLA方式3Dプリンタと様々なエンジニアリング系材料で仕分け作業用ロボッ トのブラケット(左)や高温環境でのセンサ用マウント(右)等、様々な研究プロジェクト用の専用パーツを製作し ている。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 13
Page14

SLA方式3Dプリント活用術

SLA方式3Dプリント活用術 SLS方式による3Dプリントは、イノベーションを加速し、製造業やエンジニアリング分野、歯科やヘルスケ ア分野、教育、エンターテインメント、ジュエリー、オーディオ業界等、幅広い分野で多くの企業に採用され ています。 エンジニアリングとプロダクトデザイン 3Dプリントを活用したラピッドプロトタイピングは、エンジニアやプロ ダクトデザイナーのアイデアを即座に検証用モデルとして具現化し、 更にそこから最終製品同様の外観や機能を備えた高度なプロトタイ プ製作を高速で行うことで、量産開始までの一連の検証作業期間を 大きく短縮する、近年の製造業におけるトレンドです。 詳細はこちら 製造業 いわゆるメーカーと呼ばれる企業は、従来に比べ遥かに安いコストと 短い製作期間で治工具の試作を行い、専用のツール類、金型、生産用 治具等をそのまま3Dプリントで製作することで生産プロセスの自動化、 生産工程の効率化を図っており、これによって製造コストと不良率の 低減、品質向上、組立工程の高速化、従業員1人あたりの生産性最大 化等が実現しています。 詳細はこちら 歯科領域 デジタル技術を活用した歯科治療(デジタルデンティストリー)は、 属人的な技術に起因するリスクや不確実性を抑制し、ワークフローの 各段階においてより高い一貫性、正確性、精度を提供し、治療品質の 向上を図るものです。その中でも3Dプリンタは様々なカスタム品や器 具を高い品質と優れた適合性、再現性をもって安価で製作できるツー ルとして普及が進んでいます。 詳細はこちら 教育分野 3Dプリンタは、没入体験型学習や先端技術研究に活用される多機能 ツールとして認知されており、その活用によって、科学、工学、芸術、 デザイン等の、いわゆるSTEAMカリキュラムをサポートしながら創造 性を高め、プロレベルの技術に触れる機会を提供することができます。 詳細はこちら FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 14
Page15

ヘルスケア分野 手ごろな価格で導入できる産業用デスクトップ3Dプリンタは、医師の 皆さまが各患者様に合わせ、より良い治療や装置を提供するのに役 立つものです。ラボから手術室に至るまでの製作時間とコストを大き く削減できる一方で、より効果的な新しい治療方法への扉を開くこと が期待されています。 詳細はこちら エンターテインメント領域 高精細モデルは、スカルプト、キャラクターモデリング、プロップメーキ ングに広く使用されています。3Dプリントされたパーツは、ストップモー ション映画、ビデオゲーム、オーダーメイドのコスチューム、さらには大 作映画の特殊効果において不可欠な役割を担っています。 詳細はこちら ジュエリー ジュエリー業界では既に、CADと3Dプリントを駆使してその場でデザ インのプロトタイプ製作やお客様のフィッティング、あるいはそのまま キャスティングに使用できる型を製作して量産に活用する等、様々な 用途で導入されています。デジタルツールの活用により、ワックス彫刻 のような面倒な作業や品質のばらつきを生じることなく、一貫性をもっ てシャープで高精細な作品を製作いただけます。 詳細はこちら オーディオ業界 オーディオ業界やイヤーピースラボではデジタルツールと3Dプリンタ を活用し、フック型の補聴器や聴覚保護具、カスタム品の耳栓やイヤ ホン等のパーツを、より高品質で高い一貫性をもって、より多くのボリ ュームで製造しています。 詳細はこちら FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 15
Page16

SLA方式による3Dプリント内製化

SLA方式による3Dプリント内製化 多くの企業は3Dプリント導入時に、サービスビューローやラボへの外注を利用するところからその導 入を始めています。外注での3Dプリントは、3Dプリントの活用頻度がそれほど高くない場合や、ユニー クな材料特性が必要な場合等のワンオフ製作の場合に最適なソリューションです。また、多くのサービ スビューローは、様々な材料面のアドバイスや、デザイン、高度な仕上げ処理等の付加価値的なサービ スも提供しています。 一方で、外注での3Dプリントの主な短所は、そのコストと製作期間です。そのため3Dプリントの需要が増 加した場合、多くの企業では3Dプリントの内製化が検討されます。3Dプリントの最大のメリットの1つは、 従来の製造方法と比べて遥かにスピードが早いことです。対して外注した場合は、造形物が納品される まで数日から数週間を要してしまいます。需要や生産量の増加に伴い、外注での製作ではコストも急激 に高くなってしまいます。 工業用3Dプリンタが手頃な価格で導入できるようになった今日では、3Dプリントを内製化する企業がま すます増えています。既存の現場やラボ業務への導入、またはエンジニアやデザイナー等デジタルデザイ ンを物理的なモノにできることがメリットとなる人々、あるいは小ロット生産を行う現場に導入する企業 が急速に増えています。 デスクトップサイズの小型SLA3Dプリンタは、即座に造形物が必要な場合に最適なソリューションです。 パーツの数とプリント体積により、小型の3Dプリンターへの投資は数か月のうちに回収できる場合があ ります。造形物の点数やボリュームにもよりますが、小型3Dプリンタへの投資は多くの場合、数ヵ月でペ イすることが可能です。また、小型プリンタでは必要な生産能力に見合う分のみを導入し、需要の増加に 応じてプリンタの台数を追加することで、無駄のない形での生産規模拡大が可能となります。また3Dプリ ンタを複数台使用することで、異なる材料で同時にパーツを造形できる柔軟性を得ることができます。 こうした柔軟性の中で、より大きな造形物や一般的でない材料での製作が必要な場合のみ、補完的に外 注を選択することもできるでしょう。 迅速な試作検証と設計調整 デスクトップ3Dプリンタを所有する大きな利点は、製作時間の劇的な短縮です。外注での製作では、 製作期間そのものだけでなく、製作前のやり取りや納品までの輸送がすべて、遅延の原因となります。 Form 3+のようなデスクトップ3Dプリンタでは、数時間で造形物が手元で完成するため、デザイナーや エンジニアは1日に複数のパーツを造形し、反復検証を高速化することで製品開発期間を大きく短縮 できます。また、コストのかかるツール変更を行うことなく製品の機構やアセンブリを迅速に検証するこ とも可能となります。 コスト削減 デスクトップ3Dプリンタを所有することで、需要と生産の増加に伴い急激に高騰する外注費用や従来型 のCNC加工等の製作コストを大幅に圧縮できます。 例えば、Pankl Racing Systemsの加工技術チームは、厳しい生産期日を守るためにSLA3Dプリントを導 入し、同社の製造ライン専用の治具や他の小ロット生産品を直接製作しています。同社では当初、SLA3D プリントの内製化に懐疑的な見方もありましたが、次第に多くの機械加工に代わる非常に良い方法であ ることが明らかになりました。顕著な例では、治具の製作期間を90%(2~3週間から1日以内)、そのコス トも80~90%も削減しています。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 16
Page17

コスト比較:Pankl Racing Systems社のカスタム治具 内製によるSLA3Dプリント 5~9時間 $9~$28 CNC機械加工 2~3週間 $45~$340 外注での3Dプリント 1~3週間 $51~$137 Pankl Racing Systemsは、内製の3Dプリントでカスタム治具を製作することで、大幅な製作期間短縮とコストに 成功しました。 事業の成長と共に規模を拡大 小型の3Dプリンタであれば、必要な生産能力分の台数のみを導入し、需要の増加に応じて台数を追加し、 無駄のない生産規模拡大を行うことができます。また、3Dプリンタを複数台導入すれば、異なる素材で同 時に造形を行う柔軟性を得ることもできます。 シェフィールド大学先進製造研究センター(AMRC)の試作・設計グループは、様々なプロジェクトに取り組む数百人 のエンジニアのために、12台のForm 2光造形(SLA)3Dプリンタが自由に使えるアディティブマニュファクチャリングス テーションを運営しています。 FORMLABS: 光造形(SLA)方式3Dプリントとは 17
Page18

SLA 3Dプリントを始める

SLA 3Dプリントを始める Formlabsは、2種の高精度SLA方式3Dプリンタと拡充を続ける専用の材料ライブラリ、直感的かつ簡単 に扱える造形準備・管理用ソフトウェア、専門スタッフによるサービスを、すべて1つのパッケージとして提 供しています。SLA方式の3Dプリントをより深くご理解いただくため、まずはSLAの良さをご体感ください。 ご希望の材料での3Dプリント製パーツの無償サンプルがお申し込みいただけます。 または、Formlabsの営業担当までお問合せください。世界中のプロフェッショナルがFormlabsの3Dプリ ンタを採用し、4千万点以上の造形を行った理由を解説いたします。 Formlabs株式会社 jp-sales@formlabs.com 03-6718-4004 formlabs.com/jp