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このカタログについて
ドキュメント名 | 従来の常識を破る真空構造材0.2%BeCu合⾦ |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 2.2Mb |
取り扱い企業 | 東京電子株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
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従来の常識を破る真空構造材0.2%BeCu合⾦
イプロス真空機器特集
技術資料
Happy,Unique, Onlyone
東京電⼦株式会社
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BeCuって何?
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BeCuとは
BeCu(ベリリウム銅)は軟らかく加⼯しやすい、導電性、熱伝導性がよい、耐⾷性がよい
という銅の持つ特徴に加え、ベリリウムを含有させたことで特殊鋼に匹敵する⾼い強度と優
れたバネ性を兼ね備えた合⾦です。⽤途としては⾃動⾞や携帯電話、パソコン、通信機器な
どの導電バネ材料、また⾮磁性であり⽕花が出ない特性、さらに⾦属加⼯、成形、機械加⼯
に向いた特性も持っており、危険な環境下での⼯具、楽器、精密測定機器、弾丸、宇宙開発
⽤の材料など、各種の応⽤に⽤いられております。
NGKファインモールド株式会社HPより
NGKファインモールド株式会社HPより Wikipediaより
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真空構造材としての0.2%BeCu
真空構造材といえばステンレスやチタンがが⼀般的ですが熱線(⾚外線〜可視光)の吸収率
が⾮常に⼤きく、しかも熱が伝わりにくい⾦属です。 そのため、⼀旦熱が吸収されると、熱
が逃げにくく真空チャンバーやフランジなどの温度が上昇し、 結果、ガス放出が⼤きくなっ
てしまう問題が⽣じます。
ベリリウム銅は銅の持つ特性として熱伝導率が極めて⾼く、さらに熱輻射率が低いことから
⾼温にならず、ガス放出を⼤きく抑えることができます。またベリリウムを含有させること
により硬質になり、銅ガスケットの使⽤が可能となるため極・超⾼真空下での使⽤に適して
いる素材となります。
BeCu継手 BeCuチャンバー BeCuニップル
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SUSと0.2%BeCuの熱特性の⽐較
0.2%BeCuは従来の真空構造材であるSUSと⽐較して熱伝導率は13倍、熱輻射率は1/7
以下の特性を持ちます。
⾼熱伝導率・低熱輻射率が
低ガス放出・低温化をもたらす
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各種⾦属材料と純銅の熱伝導率
銅の持つ熱伝導特性のデーターです。
99.8%銅ベースの
0.2%BeCuにおいても
極めて優れた熱伝導特性
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0.2%BeCuの排気曲線
低ガス放出の特性を⼗分に⽣かす排気特性は、わずか6Hで10-8台に到達します。
200℃のベークを1h保持後
室温(23℃)に戻した時点で
10-8〜10-9Pa台に到達
0.2%BeCuの
ガス放出速度は極めて低い
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極⾼真空⾦属材料の表⾯処理と⽔素ガス放出率
誌上に発表された⾦属材料の表⾯処理と⽔素ガス放出率を下記に⽰します。
0.2%BeCuの⽔素ガス放出量は極めて低い
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極⾼真空⾦属材料の表⾯処理と⽔素ガス放出率
コンフラットフランジによる真空シール実績報告のある合⾦のデーターを⽰します。
硬度、熱伝導率で極めて優れている
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真空構造材としての0.2%BeCu
銅ガスケットとの冷間結合を防⽌します。
極・超⾼真空下のシールができる
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真空構造材としての0.2%BeCu
真空構造材として使⽤するために加⼯・研磨⼯程、還元・脱ガス⼯程、バリア膜形成⼯程を
⾏います。
低ガス放出による極⾼真空の達成
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広がる0.2%BeCuの⽤途
低ガス放出、低⽔素放出、低温化がもたらす極・超⾼真空。このことが先進的な⽤途に広
がっていきます。
超⾼感度質量分析計
WATMASS-MPH
⽔分・⽔素成分放出により
破壊型ガス分析装置 ダメージを受ける
デバイス製造分野で
MEMS・電⼦デバイス
半導体デバイスの検査装置⽤真空
構造材として 0.2%BeCuチャンバー
極⾼真空計 3Bゲージ
極・超⾼真空コンポーネント
装置⽤真空構造材として
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広がる0.2%BeCuの⽤途
センサーデバイスの品質検査
封⽌デバイスの破壊リーク分析
BeCu製分析室
破壊型ガス分析装置
半導体チップの品質検査
装置の分析チャンバーなどに
Gas
*分析装置のチャンバーとして
*ガス放出を嫌う場所で 出典︓⼤塚電⼦
*熱源近傍で
*低温化が必要な場所で 各積層間の残留ガスの分析
出典︓Intel
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広がる0.2%BeCuの⽤途
ミニマル装置⽤0.2%BeCuチャンバー
ミニマルスパッタ装置
ミニマルMBE装置
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0.2% ベリリウム銅の使⽤について
ベリリウム銅合⾦は製造メーカー、⼤量の加⼯を⾏うユーザーにおいて、 溶解鋳造、放電加⼯、研
削研磨(乾式)等を⾏い、ヒュームや微粉じんの 発⽣を伴う場合には、衛⽣⾯での配慮 (マスク着
⽤ 局所排気など)が されています。
しかしながら、 固形状態で加⼯を伴わず使⽤する範囲では、⼈の健康 及び 環境に対して影響を及
ぼすことはなく、衛⽣⾯での特別な配慮は不要です。
また 加⼯規模、頻度が⾮常に⼩さい場合や、通常の切削加⼯を施す程度 であれば、作業環境リスク
も無視出来るほど⼩さく 、作業者の健康に影響を 及ぼす可能性は極めて低いとされています。
ベリリウム銅合⾦は、特定化学物質障害予防規則が定義する特化物ではありません。
【特化物とは】
・ベリリウムおよび、その化合物
・ベリリウムを1%を超えて含む製剤 (合⾦においては、3%を超えてベリリウムを含むもの)
従い、ベリリウムが2%以下のベリリウム銅合⾦の取扱いについては、特化則の対象外です。
国内法では、ベリリウム類の取扱いに関して定めた法律は、特化則の他には有りません。
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※この冊子に記載の情報は、2021年8月時点のものです。内容に関して予告なく変更される
場合があります。また、サブスクリプションは継続的にアップデートしており掲載のサービスや
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※この冊子の記載内容およびブランド名、製品名、または商標は、東京電子株式会社に帰属
します。