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DXによって新しい価値を生み出し 企業文化、働き方を変革する秘訣とは?【ヤンマー建機株式会社】MotionBoard, Dr.Sum事例紹介
事例紹介
このカタログについて
ドキュメント名 | DXによって新しい価値を生み出し 企業文化、働き方を変革する秘訣とは?【ヤンマー建機株式会社】MotionBoard, Dr.Sum事例紹介 |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 2.2Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | ウイングアーク1st株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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製造業 活用事例
ヤンマー建機株式会社 導入 2 年
�年弱という短期間でデータ活用の文化を定着
DXによって新しい価値を生み出し
企業文化、働き方を変革する秘訣とは?
小型建設機械を中心に日本と世界で事業を展開す
るヤンマー建機株式会社は、ウイングアーク1st
のBIダッシュボード「MotionBoard」、集計・分析
プラットフォーム「Dr.Sum」を導入し、全社的な
データ統合・活用を実現。着々とDX戦略を推進して
います。そうした取り組みの核となった品質保証部
部長の大橋哲博氏、DX推進グループの田中重信
氏、活動を後押しした代表取締役社長の奥山博史
氏にお話をうかがいました。
▲ (左から) 大橋氏、奥山氏、田中氏
「すべてはお客様の満足のために」
小型建設機械を中心に事業を展開
ヤンマー建機株式会社は、ヤンマーグループの中で油圧ショベ マー建機は、����年以降、ウイングアーク1stのBIダッシュ
ル・ローダーなどの小型建設機械、発電機・投光機など汎用製品 ボード「MotionBoard」、集計・分析プラットフォーム「Dr.Sum」
の開発・生産・販売・アフターサービスを担当。日本全国に��の を軸に全社的なデータ統合と活用を推進。着々とDX戦略を推進
拠点があり、世界各地に拠点・工場を展開しています。 しています。
ヤンマーの歴史は創業者が世界初の小型ディーゼルエンジン ����年�月には社長直属の戦略部 DX推進グループを設置、
を開発したことから始まります。そのエンジンを利用して漁業や ����年�月には奥山社長がヤンマーホールディングス株式会社の
農業、建設業などに携わる顧客の作業負担を減らし、貢献した CDO(最高デジタル責任者)に就任する予定です。ヤンマー建機
い。「顧客価値創造企業」を目指して成長を続けてきました。 はなぜ�年弱という短期間でデータ活用を急速に進展させること
そんな実直なものづくり企業であるヤンマーグループのヤン ができたのでしょうか?
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データの統合・活用に課題 DXで企業文化や組織を変革 MotionBoard、Dr.Sum導入でデータ統合・活用が一気に進む
発端は����年に大橋 哲博氏が品質保証部 部長に就任したことでした。 ����年�月、奥山氏がヤンマー建機の社長に就任。奥山氏はDXとデータ 同社は����年�月にMotionBoard Cloudを導入しました。 同社は����年�月にDr.Sumを導入。社内の様々な既存システムにある
品質保証部は、お客様の要望やトラブルなどの情報を受け止め、それにしっ 活用についてどのように考えているのでしょうか? 「ともかくすべてが速い。いろんなシステムにすぐ繋がり、統合したり データをDr.Sum Connectを活用してDr.Sumに取り込み集計。全社的な
かりと対応するとともに、その情報を開発や製造にフィードバックして再発 「ヤンマー建機はものづくりに非常に力を注いできたのですが、これか 可視化したりするスピードが素晴らしかった。Excelでつくったデータに デ ー タ 統 合 が 実 現 しました 。そうして 統 合 さ れ た デ ー タ を 各 自 が
防止を図ったり、新製品の品質を向上させたりする役割を担っています。 らの時代はお客様の課題をしっかりと把握し、的確なソリューションを提 も繋がるので、過去のデータを活用することもできます」(田中氏) MotionBoardで可視化し、データを共有しながら活用するという形が実
大橋氏はそれまで開発や資材、製造などの部門を経験してきたため、効 供することが求められます。我々はしっかりしたものづくりをしてきたから 集計と可視化のスピードが格段に向上したため、今では全ての社員が自 現しています。
果的な品質保証の実現には、他部門が持つデータの活用が不可欠だと感じ こそ「ウォーターフォール型」の思考様式と行動パターンが身に沁みつい 分に必要な鮮度の高いデータを見ることができ、意思決定に活用できる 同社内には全世界約�万台のミニショベルなどからGPSを活用して発信
ていました。 ている。製品を開発する場合はそれでよいのかもしれませんが、お客様も ように。 される位置情報や作動情報が、����年から約�億件以上溜まっていまし
「たとえばある製品で故障が生じたとき、その製品がどのように開発さ 気づいていないようなニーズを理解した上で、それに応えるソリューショ 奥山氏はそのメリットについて「見ようと思えば結構細かいデータまで た。その情報をDr.Sumに格納して分析。故障の事前予知に活かすなど
れ、いつ生産され、部品を供給したサプライヤーはどこだったのかなどが ンやサービスを出そうとするときは、何年も考え抜いて開発するのではな 見ることができるため、経営判断に非常に役立っています」と語ります。 DWH(データウエアハウス)としての活用も進めています。
わからないと、原因究明や再発防止が行なえません。しかし開発や製造な く、まずは素早く具体物を出してみて、お客様の反応を見ながら方向性を
ど社内の各部門が別々のシステムを使っていたため、データを統合して活 決めていく「アジャイル型」のアプローチが求められます。DXを通じてそ
用することができない。宝の山のようなデータが眠っていることはわかっ うした意識変革を起こし、企業としての文化や組織、働き方を変えていき
ていましたが、活用するすべがない。手詰まり感がありました」と大橋氏は たい。デジタルはそうしたトランスフォーメーションのためのツールであり、
振り返ります。 情報を素早く把握して意思決定に活かすデータ活用はそのコアとなりま
す」と奥山氏は語ります。
大橋 哲博 氏
品質保証部 部長
奥山 博史 氏
代表取締役 社長 �年弱という短期間でデータ活用とDXを急速に進展できた秘訣とは?
�年弱という短期間で、データ活用やDXを急速に進展させられた要因は を解決。そこで得られた成果を「お土産」として社内の各部門に持ち帰っ
何だったのでしょうか? てもらうことで、マネージャークラスへの啓蒙と多部門への浸透を図って
データ活用における課題とは? いかに判断のスピードを上げるか 田中氏は次のように説明します。「既存システムをそれぞれ連携させる いきました。また、ワーキンググループメンバーの一部を部署の垣根を超
のはとても大変ですので、各システムからデータだけをDr.Sumに取り えた兼任にするなど、社内で動きやすいように配慮しました。
����年�月、田中 重信氏がヤンマー建機 品質保証部の一員となりました。 してしまっている。判断するスピードが鈍り、リソースが無駄に使われてい 込みました。スピードや効率を考えて、そうしたシステム構築を地元のベ ����年からは参加メンバーも開発、商品企画、営業などの部門に広が
当時は他社製のBIツールで品質情報を分析していましたが、データ連携に多 ました」と田中氏は振り返ります。 ンダーさんに依頼したことも大きかったですね。非常に柔軟に的確に対 り、全社を巻き込んで活動が拡大。ウイングアーク�stのユーザーコミュ
大な時間や費用がかかるという課題を大橋氏は抱えていました。それらの 奥山氏も資料が作成されるスピードや報告の頻度について不満を感じて 応していただきました。あとウイングアーク1stさんの営業、SE、サ ニティ “ n e s t ”イベ ント や もくもく会 へ の 参 加 を 促 し 、W i n g A r c
課題を解決するために、大橋氏は田中氏と相談しながらMotionBoardと いました。 ポート担当者の方々の素早くきめ細かい対応のおかげで、安心感を持ち Membership(ウイングアーク1stが提供するユーザー専用ポータル)
Dr.Sumを導入し、全社のデータ統合と活用を推進していきました。 「今は状況の変化が激しいので、タイムリーな経営判断・意思決定をする ながらスピーディーに構築や社内への浸透を進めることができました」 の情報を活用することでメンバーのレベルアップを図っています。
大橋氏は「材料だけは揃えていましたが、私では調理することができな ためにも現状把握の頻度を上げる必要がある。しかし集計作業に時間が 田中氏は、情報システム部に対して目的と行う作業を明確にし、各シス 「人に頼むより自分たちでMotionBoardを使ってボードを作成する方
かった。田中という腕のいい調理人と道具が揃ったことで、ようやくおい かかりすぎるため、報告が半期に一度になるケースもありました。本当は テムへの書き込みは決して行わずデータをもらうだけということ、通常の が早い、誰でもデータ活用ができるという雰囲気になるように努めてい
しい料理をつくることができるようになりました」と当時の状況を説明しま 毎週、工場なら毎秒にでもデータがほしいところです」と奥山氏は当時の 作業の邪魔をしないことをしっかりと説明。構築ベンダーや情報システム ます。現在ではボードの��%は自分たちで作成するようになりました。
す。 問題点を指摘しました。 部に任せ切るのではなく、必ずその間に入って調整し、スムーズに作業が ボードは自分たちでつくりますが、Dr.Sumのビュー作成や社内システム
田中氏が特に課題と感じていたのは、Excelによる集計と資料作成でした。 さらに大橋氏は「集計作業は人間のやるべき仕事ではない、集計結果を 進むように心掛けました。 からデータを取得する部分などリソースや技術的な知識を要する作業は
「各部門のシステムからダウンロードしたデータをExcelに取り込み、そ 見て判断をすることが人間の仕事」と言い切ります。 同社は����年�月、データ活用のワーキンググループを品質保証部と生 外部ベンダーに外注し、効率化を図っています。一般メンバー、コアメン
れを加工して表やグラフに仕上げる。非常に時間と労力がかかっていまし 産部の精鋭メンバー��名ほどで立ち上げました。Excel作業などで困りご バー、情報システム部、外部ベンダーと役割分担を徹底しました」(田中
た。データをもとに判断を行うべき人がExcel作業に時間を取られて疲弊 とを抱えているメンバーがDr.SumやMotionBoardを活用することで課題 氏)
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仕事のやり方を変えたければ データは経験を補うことができる
相手にしっかりと寄り添うこと さらなる業務効率化、働き方改革を推進
だが、これまでの仕事のやり方に固執する人は多いかもしれません。田 ヤンマー建機はデジタルツール活用による業務効率化、働き方改革にも
中氏はそんな人たちをどのように変えていったのでしょうか? 積極的に取り組んでいます。����年にはウイングアーク�stの文書デー
「Excelは便利なツールですが、様々な問題が生じることもあります。そ タ活用ソリューション「SPA※」を導入。Dr.Sumの様々なデータとSPAの
んな困っていそうな人のところに行って、一緒にやりましょうと寄り添い OCR処理された文書データを紐づけることで、様々な部門の作業に活用
ながらMotionBoardでボードをつくってあげる。最初はExcelの元デー するとともに、将来の完全ペーパーレス化を見据えています。また、RPAに
タを使ってつくるんですが、『そのデータはどこから取ってきたんです も積極的に取り組み、Dr.SumへのWebデータやExcelデータの取り組み
か?』と聞いて、次はDr.Sumに繋いであげる。すると便利さに気がつい を自動化するなど、業務負担の軽減を目指しています。
てMotionBoardでボードをつくりはじめます。一気に進めるのではな 「リモートワークなど働き方が多様化する中、社内だけでなくどこで
く、段階を踏んで自分から使いたくなるよう誘導するのがポイントです。 も作業ができる環境を実現したい。現在MotionBoardはオンプレミス
よく『いや短時間で済む作業なのでExcelでいいんだ』と言う方がいらっ 版を中心に活用していますが、将来はクラウド版も拡充し、より効率的
しゃるのですが、『その作業を行う時間と回数をかけ算したらトータルで で柔軟な働き方に対応したいと考えています」(大橋氏)
どれくらい時間がかかっていますか?』と訊くと納得してもらえます」と また、大橋氏は「たとえば品質保証部は様々な業務経験がなければ難
田中氏はコツを伝授してくれました。 しい仕事と言われてきました。しかし今はデータを活用することで若い
人がベテランと対等に仕事をすることができる。データは経験を補うこ
とができるんです。だからこそ若くポテンシャル溢れる人を巻き込み、
データを活用できる人材を育成することが大切です」と語りました。
戦略部 DX推進グループとしてDXの旗振り役をつとめる田中氏は、デー
タを活用できる人材を増やそうとDr.SumやMotionBoardのワーキンググ
ループ、勉強会の実施に力を注いでいます。特にMotionBoardでボードを
作成する勉強会は毎週開催したいと考えているそうです。
また、田中氏のもとにはヤンマーグループ各社からヤンマー建機の取り
組みについてのヒアリング依頼が相次いでおり、今後グループ全体におけ
るデータ活用を加速させる役割も担っていきます。
田中 重信 氏
戦略部 DX推進グループ 兼 ※����年�月より「SPA」および「SPA Cloud」は「invoiceAgent 文書管
品質保証部
品質企画グループ 課長 理」「invoiceAgent AI OCR」に名称を変更しました。
アジャイル型の考え方、働き方を
グローバルに、グループ全体に広げたい
ヤンマー建機は今後、どのようにDXを進めていくのでしょうか?
奥山氏は次のように答えました。
「大橋という強い課題意識を持った管理職と、それを実際に形にすることができる田中が協力して始 ヤンマー建機株式会社
まった取り組みでしたが、データ活用を中心としたDXが会社の一部でうまく回り出しています。これ 設立 : 2004年(平成16年) 7月21日
を全社にさらに広げるとともに、海外の拠点・工場にも広げていきます。また、私はヤンマーホール 本社所在地 : 福岡県筑後市
URL : https://www.yanmar.com/jp/about/company/construction/
ディングスのCDO(最高デジタル責任者)に就任することが内定してますが、基本としてはヤンマー
建機と同じく、お客様へのデジタルを通じた新しい付加価値の提供を目指していきます。そのために ヤンマーグループの中で小型建設機械(油圧ショベル・ローダーなど)
ならびに汎用製品(発電機・ 投光機など)の開発・生産・サービス・販売。
アジャイル型の新しい考え方や動き方をグループ全体に広げたい。グループ各社で進んでいるDXへ
の取り組みもありますので、それを上手に連携させ推進していきたいですね」
ウイングアーク1stユーザーのための
問題意識とアイデアを持った人、そのアイデアを具現化できる人、そうした取り組みを理解し後押しす 情報活用サイトへのご登録はこちら
る人。そうした役者とDr.Sum、MotionBoardというツールが最高のタイミングで出会い、データ活用を
コアとしたDXがヤンマー建機という舞台で進行しています。そこで得られた成果や知見はグローバル
https://www.wingarc.com/
に、そしてヤンマーグループ全体へと広がっていきます。 membership/
E-Mail: tsales@wingarc.com
[ 本 社 ]TEL: 03-5962-7300(代) [ 名古屋 ]TEL: 052-562-5300 [ 仙 台 ]TEL: 022-217-8081 [ 新 潟 ]TEL: 025-241-3108
[ 大 阪 ]TEL: 06-6225-7481 [ 福 岡 ]TEL: 092-292-1092 [ 札 幌 ]TEL: 011-708-8123 [ 広 島 ]TEL: 082-535-5291
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