1/11ページ
カタログの表紙 カタログの表紙 カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(3Mb)

電池材料 アプリケーション例

事例紹介

二次電池・燃料電池・キャパシタ

アントンパールは、様々な特性評価装置、分析装置を提供しておりますが、こちらのカタログでは、実際の測定例や電池材料の測定と特性評価が
もたらす利点を紹介しています。

このカタログについて

ドキュメント名 電池材料 アプリケーション例
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 3Mb
取り扱い企業 株式会社アントンパール・ジャパン (この企業の取り扱いカタログ一覧)

この企業の関連カタログ

この企業の関連カタログの表紙
MCR モジュラー コンパクト レオメータ シリーズ
製品カタログ

株式会社アントンパール・ジャパン

この企業の関連カタログの表紙
アントンパール・ジャパン 総合カタログ
製品カタログ

株式会社アントンパール・ジャパン

この企業の関連カタログの表紙
粘度・密度同時測定装置 動粘度計 SVMシリーズ
製品カタログ

株式会社アントンパール・ジャパン

このカタログの内容

Page1

電池材料 二次電池・燃料電池・キャパシタ アプPrリodケuーct シnaョmンe 例
Page2

電極材料の化学合成 最新の 熱機械特性(TMA/DMA) 4 Ÿ 素材開発 11 Ÿ 温度湿度依存性評価 Ÿ 時間短縮 Ÿ 中間生成物の解明 アプリケーション例 スラリーの塗工性、分散性評価 セパレータ等の元素分析前処理 4 12 e- Ÿ 安定性、凝集、解砕 Ÿ 組成分析、不純物分析 表面電位測定 電極材等の元素分析前処理 5 12 Ÿ 分散安定性 Ÿ 組成分析、不純物分析   粒子径、ゼータ電位測定 粘度測定 Ÿ 電極スラリーの凝集体の評価 5 13 Ÿ 分散安定性 Ÿ イオン導電性の評価 耐熱性評価、細孔径分布 密度測定 電解液 Ÿ 活物質内のリチウムイオン拡散抵抗評価 6 Ÿ 組成濃度の特定 14 Ÿ 電極内での粒子間空隙の評価 Ÿ 基礎物性からの劣化変化量 e- e- 耐熱性評価、比表面積測定 Li+ スラリー、薬液の濃度測定 Li+ Ÿ 透過流量評価 7 14 Li+ Ÿ シャットダウン挙動 Ÿ 最終製品の品質管理 電極のコーティングの密着性、傷つきやすさの評価 真密度測定 8 15 Ÿ 耐久性、容量に影響 Ÿ 電池材料の多孔度、結晶性 Li Li 結晶構造解析 プロセス密度、粘度測定 Ÿ 電極材料の相分析 9 16 Ÿ 温度・湿度変化による構造相転移 Ÿ スラリー、薬液の濃度管理 電極(正極) セパレータ 電極(負極) 電池使用環境下でのIN-SITUナノ構造評価 プロセス密度測定 10 16 Ÿ 最適な材料の研究開発 Ÿ 製造中濃度モニター
Page3

二次 電極材料と触媒の塗工性・分散性評価 電池材料の凝集体・分散安定性評価 二次 電池 電池 燃料 燃料 電池 # レオメータ、電極、スラリー、セパレータ、触媒、キャパシタ、粉体粒子 # 粒子径、ゼータ電位、電解液、電極材料、触媒、プロトン交換膜、セパレータ、キャパシタ 電池 キャパ キャパ シタ MCR evolut ionシリーズ Litesizer 500・PSA・SurPASS3 シタ 最新のMCR evolutionシリーズは、水のような電解液 粒子径・ゼータ電位測定では、電池材料の凝集体や分散安定性を の粘度特性、濃厚な電極ペーストの塗工性、セパレータ 評価できます。 の熱機械特性(DMA)まで、1台の装置で様々な粘弾性 特性評価を行うことができます。 製品ラインナップ: Litesizer500 粒子分析装置は、透過率や屈折率などの光散乱技術 主な特長 で粒子の粒径、ゼータ電位、及び分子量を測定します。 Ÿ -160℃~最大1,000℃までの幅広い温度制御範囲 Ÿ 濃厚スラリーを希釈せず原液で分散特性を評価 PSA シリーズは、レーザー回折式粒子径分布測定装置で Ÿ インピーダンス測定、密閉、高圧、湿度制御、UV照 す。SurPASS3 では、固体表面ゼータ電位を測定します。 射、マイクロスコープなどの測定オプションに対応 Ÿ 分散の三要素(濡れ性、解砕、安定性)を粘弾性測定に より粘性と弾性で定量化 カーボンブラック触媒担体材料 電極ペーストの塗工性評価 濃厚スラリーの分散特性評価 ➊ 良好 ➋ 不良 均一分散 網目凝集 粒子径の測定例 ゼータ電位の測定例 pH条件と触媒の有無で粒子径をコントロール ゼータ電位が大きいほど分散安定性が高い ➋ 不良 ➋ 不良 ➊ ➋ 沈降 粒状凝集 塗布時の膜厚制御 ➊ 良好   ➋ 不良 タレ, カスレの有無 ビード形状の良し悪し ステップ・シアレート測定による 粘度減少・回復評価(チクソトロピー性評価) Litesizer500を使用し、小さな凝集体の粒子径を 測定しました。水分散カーボンブラックの粒子径 Litesizer500を使用し、小さな凝集体を評価しまし は、Pt触媒を担持させることでpH依存性が下がるこ た。Pt触媒ありは無触媒に比べてゼータ電位が大き とがわかります。 く、つまり分散安定性が高いことがわかります。 触媒の担持はパフォーマンスの改善につな ゼータ電位が平衡に達する時間が短いほど がる 酸素が拡散しやすい せん断速度を低速(静止)→高速(塗布)→低速 (静止)とステップ的に変化させ, 塗布工程を再現する PSAを使用して大きな凝集体を評価しました。触媒 SurPASS3を使用し、塗工した触媒層のゼータ電位 を担持させることによって、体積基準の平均粒子径 をpH4で評価しました。炭素含有量低い膜はゼータ が小さくなり、凝集体が小さいことが分かります。 電位が平衡に達する時間が短いです。これは、小さ また、表面積基準の平均粒子径が小さいほど、担体 な凝集体の比率が高いため、酸素がより拡散しやす の表面積が大きいことを示します。よって、凝集体 い構造と推測できます。 が小さいほど、イオン拡散がよくなり、パフォーマ ンス、容量、充放電時間の改善につながります。 4 5
Page4

二次 二次 電池 細孔径分布測定 比表面積及び、透過性測定 電池 燃料 燃料 電池 #多孔性、カーボン材料、正極、負極、キャパシタ、触媒 #多孔性、カーボン材料、正極、負極、セパレータ 電池 キャパ キャパ シタ autosorb iQ Porometer3G & NOVA シタ 吸着等温線は相対圧が10-8 ~ 0.999の範囲で測定が可能で、 Porometer3G(ガス透過法細孔径分布測定装置) 細孔径としては0.35~500nmの範囲で測定が可能です。 Ÿ シート状試料の連通細孔径分布測定 Ÿ 細孔径範囲 0.02㎛~500㎛ ガス吸着だけでなく水蒸気やベンゼンなどの蒸気吸着が可能 Ÿ 連通孔及び、細孔面積分布測定 でサンプルの親疎水性を評価することができます。 Ÿ 全細孔容積測定 冷媒の液面制御により、感度悪化の原因であるコールドゾーン NOVA (比表面積・細孔径分布測定装置) Ÿ 比表面積範囲:0.01㎡ / g 以上 を最小化 ⇒高感度に測定が可能 Ÿ 細孔径範囲  :0.35~500nm(N2の場合) Ÿ NOVAモードによる高速測定とヘリウムレスでの測定 解析方法 Ÿ NLDFT及び、QSDFT細孔解析を標準装備 QSDFT、NLDFT、GCMC、Kr Thin-film PSD、BJH法を Ÿ 冷媒の液面制御により、感度悪化の原因であるコールド 標準装備 ゾーンを最小化 ⇒高感度に測定が可能 QSDFT法 Porometer3G NOVA 炭素材料のミクロ・メソ孔を持つサンプルの細孔径分布の最新解析手法 セパレータの耐熱性評価例 黒鉛の比表面積測定例 QSDFTとNLDFTを用いて繊維状活性炭(ACF-15:アドール)の細孔径分布 <圧力ー流量曲線> <窒素吸着等温線> <吸着等温線> <細孔径分布> 熱を加えると徐々にガス透過流量が減少しているのが 分かります。 <BET plot> A.V Neimark, P.I Ravikovitch, Y. Lin, M. Thommes, Carbon, 47, 1617 (2009) このサンプルは152℃~155℃で状態が大きく変化し、 QSDFT法を用いることでより正確な細孔構造を評価することができます 160℃で完全に遮断され「シャットダウン」していま す。 水蒸気吸着 材料表面の親疎水性評価手法 <細孔径分布> <CMK-8とACF-10の水蒸気吸着等温線> メソポーラスカーボン(CMK-8、ACF-10)の水蒸気 吸着量を測定。 吸着等温線の立ち上がり相対圧から材料の親疎水性を 評価することができます。 この材料では、親水性はACF-10>CMK-1となります。 他の蒸気の吸着測定を行うことにより、その蒸気に 対する親和性を評価することが可能です。 液体窒素雰囲気下で窒素の吸着量を測定することで 比表面積を求めることができます。 比表面積がわかることで、電極作製条件を決定する セパレータの細孔径分布は、細孔特性の均一性を評価で あるいは、充放電の結果を考察することができます。 M. Thommes, et. al. Langmuir, 2013, 29, 14893-14902 きるばかりでなく、シャットダウン挙動と細孔径分布の 関係を示すこともできます。 6 7
Page5

二次 二次 電池 電池材料の機械的物性評価 XRDによる電池材料の結晶構造解析 電池 燃料 燃料 電池 # 密着性、硬さ、粘弾性、電極、セパレータ、キャパシタ # 電極材、スーパーキャパシタ、触媒、プロトン交換膜 電池 キャパ キャパ シタ Step700 -MCT3 -UNHT3 XRDynamic 500 シタ Step700 Noise control (アクティブタイプ防振台付きの筐体) XRDynamic 500は、業界最上位※1の角度分解能をもつ にMCT3(スクラッチ試験モジュール)とUNHT3(インデンテーシ 粉末X線回折装置です。 ョン試験モジュール)を組み合わせた試験機です。 全自動アライメント機能を搭載し、誰でも熟練者のように間違 いのないデータを効率的に収集できます。 防振台、顕微鏡、XYZステージを含む筐体に、MCT3、UNHT3 業界トップシェアのアントンパール製高温・低温チャンバーを などのスクラッチ試験、インデンテーション試験、摩擦摩耗試 装着すれば、電極や電池の原料や組成物が温度変化に対して 験の測定モジュールの組み込むことで、必要な試験が実施でき どのように構造変化を生じるかin-situで調べることができま ます。 す。 中低温チャンバーTTK600に専用バッテリーセルを装着すれ 組み込み可能な測定モジュール ば、In-situおよびin-operandoでのXRD測定を行うことができ インデンテーション試験: NHT3, UNHT3, UNHT3Bio ます。  ※1 2022年4月現在 スクラッチ試験: MCT3, NST3 摩擦摩耗試験: NTR3 NEW バッテリーセル for TTK 600 ! 雰囲気制御できる温調チャンバー スクラッチ試験 インデンテーション試験 スクラッチ試験では、ダイヤモンド圧子を試料表面 インデンテーション試験では、印加した荷重と押し に接着させ、一定速度で負荷荷重を漸次的に増加し 込み深さを動的に測定し、得られた荷重-変位曲線か ながら試料を移動させ、制御されたスクラッチ痕の ら硬さと弾性率を算出します。また、微小な正弦波 作成します。 を印加することで、貯蔵弾性率、損失弾性率、tanδ を算出します。 膜の密着性 硬さ 傷つきやすさ 弾性率 電極材料のIn-situ,In-operando測定 -190~2300℃をカバーする豊富なラインナップ E’, E”, TANΔ 層状構造をもつ無機鉱物材料の温度誘起相転移 3種類の正極のコーティングの密着性 面内のマッピング 非接触型高温チャンバー HTK1200Nを用いることで、雰囲気制御しながら室温から1200℃の範囲で生じる温度誘起 アルミ箔に成膜されたLiCoO2ベースの3種類のコー こちらは20x20の400点のインデンテーション試験 相転移を観測できます。下図はモンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物のX線回折測定例です。 ティング(Sample1 21μm, Sample2 15μm, Sample3 を行い、面内の硬さ・弾性率のマッピングを行った 23μm)のMCT3によるスクラッチ試験の結果です。 結果です。 す。 物性評価 品質向上 (左)HTK1200Nによる温度プロファイル 室温から1000℃への昇温XRDデータ (右)加熱前のXRDパターン Appl. Report, E29IA002EN-A, Anton Paar, 2021. ポリマー材料の粘弾性(加熱ステージ使用) 無機多孔質材料の全自動XRD測定 UNHT3を用いた正弦波を印加する測定で各温度の XRDynamic 500は光学系やスリット等を全自動で変更できます。そのため、X線強度を重視した設定と回折データ E’, E”, tanδを測定し、Tgを算出したものです。tanδ 品質を重視した設定を全自動で切り替えられ、測定効率が大幅に向上します。下図はZSM-5のX線回折データです。 のピーク位置からTg ≈160℃とわかります。 Lc2が完全な層間離が発生した箇所です。 スクリーニング Sample2(中段)がもっとも剥離発生が遅く、またコ 品質管理 ーティングの破片が残っていることから、もっとも 優れたスクラッチ損傷に対する耐性を示しているこ とがわかります。 光学系やスリットの変更も全自動 サンプルチェンジャー (最大12個) スリットによるピーク形状の違い 8 Appl. Report, E29IA005EN-A, Anton Paar, 2021. 9
Page6

二次 二次 電池 SAXSによる電池材料のナノ構造評価 電池材料の化学合成 電池 燃料 燃料 電池 # 電解液、電極材、スラリー、スーパーキャパシタ、触媒、プロトン交換膜 # マイクロ波化学合成、素材開発、電極、触媒 電池 キャパ キャパ シタ SAXSpoint 5.0 Monowave シリーズ シタ SAXSpoint 5.0は、1台で超小角~広角を測ることができる 電極材の合成にマイクロ波を使用することでスピードアップし、 多目的X線散乱装置です。 コストの削減も可能になります。場合によっては収率や性能の 向上が見られることもあります。 溶液、ペースト、ゲル、粉末、フィルムなどあらゆるサンプルの  アントンパールの合成装置シリーズはスループットの高さだ 1~600 nmのナノ構造を調べることができます。 けでなく、合成プロセスのモニター機能も豊富です。例えば、 ルビー温度センサー、カメラやラマン分光計のオプション機能 通常の透過SAXS、WAXSのほか、表面ナノ構造を調べる などにより合成中に何が起きているのか解明することもできま GISAXS、せん断流動中のナノ構造変化を調べるRheoSAXS、 す。終点の解読や中間生成物のタイミングを理解することで加 μmスケールの巨大散乱体を観測するUSAXSなど、 熱のタイミングをコントロールし、副反応物を抑え、収率を向上 様々な測定モードに対応します。 させることができます。  マイクロ波での過熱が難しいサンプルの加熱も、オプション SAXSpoint 5.0にバッテリーセルを装着すれば、 のシリコンカーバイドの反応容器は可能にさせます。 電気化学試験の環境下でSAXS/WAXS測定も行えます。 NEW バッテリーセル FOR SAXS/WAXS ! 様々な測定モードに対応 マイクロ波合成装置の電極材合成例とそのメリット  LiCoO2カソードに対し、カーボンコーティングされたLiFePO4が優位性のある代替品と言われていますが、合成 には通常、140∼200°Cのオートクレーブでの長い反応時間(5∼25時間)が必要となります。  ここでは、マイクロ波支援プロトコルを提示し、LiFePO4 / Cナノコンポジットを迅速かつエネルギー効率の高い 方法で合成する際のヒントをご案内します。   この方法はMultiwave5000とローター8NXQで適応できます。 Ÿ 例えば、原料物質の混合物を石英容器に移し密封し、マ イクロ波合成装置を用い、235℃で15分間加熱します。次 に、容器を室温に冷却し、LiFePO4 / Cの黒色の生成物を 適切な溶媒で洗浄し、真空下で乾燥させます。その後、粉 末をH2 / Ar雰囲気中700°Cで1時間炭化させます(アニー リング)。 電極材料のIn-situナノ構造評価に最適 RheoSAXSモジュール USAXSステージ マイクロ波照射を採用することにより、結晶性の高い LiFePO4ナノロッドをより早く、均一で、より小さな結晶 リチウム空気電池材料の電気化学的 IN-SITU SAXS/WAXS測定 を簡単に合成することができます。(図1) バッテリーセルを用いて電気化学試験とSAXS/WAXS測定を同時に行い、高い重量エネルギー密度を示すと期待さ れるリチウム空気電池のカーボン陽極における過酸化リチウムの形成/溶解を評価できます。 Ÿ ソルボサーマル法と比較して、熱水法(235°C)では、よ り低い初期放電容量を提供するより大きなサイズのナノ ロッド(ソルボサーマル:25 +/- 6 nm対熱水:225 +/- 6 nm)を形成しました。 現象理解 図1:反応の概要 開発の突破口 Ÿ 炭素コーティングを合成時に同時に行うことが可能です。 得られたLiFePO4をスクロースとともに700°Cで加熱する ことによりエクスサイチュカーボンコーティングされます C. Prehal, et al., PNAS, 118 (14), 2021. が、その前段階のマイクロ波での過熱時に糖などを加える ナノポーラスカーボン細孔内の可逆的な固体ヨウ素電着の観測 ことでLiFePO4ナノロッドにインサイチュコーティングさ 例えば、ヨウ化ナトリウム電解質と炭素電極からなるハイブリッドスーパーキャパシタの電圧印可時のナノ構造変 れます。これは従来法でも可能ですが、マイクロ波の加熱 化を調べることも可能です。バッテリーセルによる測定結果はNature Communicationsに掲載されています。 は表面積が大きくなります。一般的にこの効果は、より高 い放電容量を示すと言われています。(図2) Ÿ 別のアプローチとして、300°Cで5分間のマイクロ波を照 新しい知見 射する方法も報告されています。その後、サンプルは室温 性能の向上 下で多層カーボンナノチューブを使用したナノスケールネ ットワーキングを続けます。マイクロ波合成により粒子サ イズが制御されたLiFePO4ナノ結晶は、ポストアニーリン 電圧ON/OFFをしながらSAXS測定 電極内細孔中の固体ヨウ素の堆積過程 図2:SEM画像 A)エクサイチュコーティング グを必要とせずに得ることができることができるため、よ         B)インサイチュコーティング り早く、低コストで合成が可能になります。 C. Prehal, et al., Nature Commun., 11, 4838, 2020. 10 11
Page7

二次 二次 電池 元素分析のための試料前処理 電解液の粘度挙動評価 電池 燃料 燃料 電池 # ICPの前処理、マイクロ波酸分解、電極(正極、負極)、セパレータ #粘度計、電解液 電池 キャパ キャパ シタ Mult iwave シリーズ Lovis 2000M/2000ME シタ 電池製造における開発および品質管理の際に、電極原材等の Lovis 2000M/2000MEは、ヘプラー落球粘度計の原理に基づ 正確な元素組成分析は非常に重要です。これらは最終製品の き、ボールが透明または不透明な液体の中を転がり落ちるのに 性能や安全性に影響を与えるからです。 要する時間から粘度を測定します。 さらに、不純物レベルの濃度も正確に測定する必要がありま す。不純物は電気化学的安定性を低下させ、効率に影響を与 Lovis 2000M/2000MEは、回転式粘度計と比較し、特に低粘度 え、時に短絡を引き起こし、バッテリーの寿命を大幅に短縮す 測定に優れ、-20℃(特注で-30℃)から100℃までの幅広い温 る可能性があります。 度帯で測定が可能です。 このような組成分析や汚染分析用元素分析にはICP-OESや ICP-MSが使用されますが、どちらの手法でも、適切に分解さ 直径1.62㎜のPCTFE製キャピラリーにより、少量(最低 れたサンプルが必要です。 110μL)、また腐食性のサンプルも測定可能です。 Multiwave シリーズのマイクロ波酸分解装置は、これらの非常 グローブボックス(アルゴン雰囲気)内の設置は、測定サンプル に異なるサンプルを簡単かつ効率よく処理するための最適な の汚染や蒸発を防止します。 ツールです。 図1:Lovis 2000MEモジュール、サンプラ ー接続による多検体処理 電解液の粘度はイオン伝導性に繋がる あらゆるサンプル類を同時分解 リチウムイオン二次電池の電解液は、導電性塩としてリ 以下の電極やセパレーター材料を容器に移し、試薬(表1)を添加し、装置に組み込まれたメソッドで処理しまし チウム塩を溶解させた有機溶媒が使われます。その溶媒 た。 には高いイオン伝導性(充電および放電の速度)が求め Ÿ カソード材料:LMO、NMC111、LFP られます。 Ÿ アノード材料:グラファイト(バッテリーグレード、粒子サイズ<20μm)、LTO、10%Siを含むSi/C複合材料 Ÿ Al2O3でコーティングされたセパレータ、コーティングをしていないセパレータ イオン伝導性は極性(誘電率)と粘度に依存するため、 Ÿ カーボンブラック(>99%) リチウム塩を溶媒に効果的に溶解させ、かつ解離させる 使用した試薬は、HNO3(65%)、H2SO4(96%)、HClO4(70%)、HF(40%)です。 ためには、高極性の環状カーボネートと低極性の鎖状カ 温度プログラム(図1)は、最初に短時間で急激な温度上昇があった後、100℃から230℃への緩やかな上昇で実行 ーボネートを混合しながら電解液の粘度を低くする必要 されました。 があります。 商業用として有用となるには、幅広い温度帯での使用に て劣化を抑え、安定した電池性能を維持する必要があり ます。そこで図2ではNovolyte社製のリチウムイオン電 図2 緑線:Novolyte 社製 V24 池の-20℃~20℃の温度帯における粘度特性を、図3およ 黒線:Novolyte 社製 V27 び図4では次世代電池の-20℃~60℃の温度帯における粘 度特性を示しています。 1時間未満で完全分解 容器の温度は、指定された温度プログラムに従い、それ ぞれの容器内では、わずかに異なる反応挙動を示してい ますが、1時間未満の分解時間で同時に正常に分解され ました。 コバルトまたは鉄の含有量のために着色されていまし た。使用した王水のため、サンプル溶液「セパレーター コーティング」はわずかに黄色に見えました。 図3 次世代のリチウム二次電池として期待されている 図4 将来のマグネシウムイオン電池用の電解液 リチウム硫黄電池用の電解液 緑線: 導電性塩を少量添加、赤線:導電性塩を多く添加 図1:制御モード「平均」、T-Limit250℃ 電解液の特性評価の最適化ならびに自動化のために Lovis 2000M/2000MEは、今後も新しく開発される電解液の特性評価の一環として、粘度測定の最適化に貢献でき る計測器です。さらに、アントンパール社製の振動式密度計DMAやオートサンプラーXsampleを接続することによ って、サンプルの充填、測定、廃液、洗浄、および乾燥といった測定の一連の流れを自動化することも可能になり ます。 12 13
Page8

二次 二次 電池 電解液の密度測定 真密度測定 電池 燃料 燃料 電池 # 液体用密度比重計、濃度、劣化変化、品質管理、工程管理、電解液、電極スラリー # 多孔度、結晶性、粉体粒子、微粉末測定 電池 キャパ キャパ シタ DMAシリーズ Ultrapyc5000シリーズ シタ DMAシリーズの振動式密度測定では、電解液の種類を判別で Ultrapyc5000シリーズの5つの特徴 きるだけではなく、基の密度値を管理していることにより、劣化 Ÿ 複数の内蔵基本チャンバーを利用することで幅広いサンプル を把握することが可能です。 量に対して正確な結果を出します(※TruPycテクノロジー) Ÿ TruLockは人間工学に基づき操作性が良く、高精度の繰り返し またリチウムイオン電解液はスマートフォンから自動車など様 再現性を実現 Ÿ 微粉末の計量時に起きるコンタミネーションのリスクを最小 々な用途で採用され、環境温度条件での変化も重要なパラメ 限とします(※PowderProtectモード) ーターです。 Ÿ 内蔵型のペルチェ素子による温度制御は、+0.05 °C以内の 安定性を有します 低温や高温での測定は、振動式密度計であれば容易に温度変 Ÿ 7インチタッチパネルにより測定プロセスの概要がグラフィッ 化が可能であり、測定時間を短縮出来ます。 クで表示 有機溶媒の含有によって電解液の性能を最適化 アセチレンブラックの測定事例 リチウムイオン二次電池では、リチウム含有塩は、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジ <測定結果> エチルカーボネート(DEC)、またはエチルメチルカーボネート(EMC)などの有機溶媒に溶解されます。 表1は、それらの特性のいくつかをまとめたものです。 真密度(繰り返し性) 表面張力の改善、 電解液と電極材料 のより良い接触 表1:リチウムイオン電解液で一般的に使用されるいくつかの溶媒の特性 * Sigma-Aldrich リチウムイオン二次電池では、これらの炭酸塩の混合物が非水電解液として使用され、電解液の性能を最適化(電極 材料とのより良い接触のためにその表面張力を改善)するために添加剤と組み合わせて使用 されることもあります。 密度測定で電解液の組成が確実に分かる 組成によって、電解液の密度は異なりますが、リチウムイオン二次電池の電解液の密度は、充電と放電で変化しま せん。従って、充電状態に関係なく、密度は、電解液の組成が要求と仕様に対応することを保証するための信頼で きる手段です。 リチウムイオン電解液には通常、表1に記載されている2つ以上の溶媒が含まれています。さまざまな電解液の密度 測定回数 に関する文献データを表2にまとめています。 図1では、電解質の組成によって密度が変化することがさらに簡単にわかります。 従って、電解液の種類は、密度測定に基づいて決定することができます。 14 表2:溶媒混合物中の1MLiPF6の密度 図1:LiPF₆の異なる混合溶媒の密度 15
Page9

二次 電池 オンライン密度計、インライン粘度計 燃料 電池 # 製造工程での濃度・物性管理、電極スラリー、電解液、積層セラミックキャパシタ、固形分濃度 キャパ シタ L-Dens 7400 & L-Vis 510 アントンパール社は 装置の品質に自信を持っています。 だからこそ、3年間の完全保証を 提供しています。 すべての新しい装置*には、3年間の無償修理が含まれます。  オンライン密度計L-Dens7400は、液体、スラリーの  インライン粘度計L-Vis510は、回転子とカバーの組 予期せぬコストの発生を回避し、常に安心して装置をご利用いただけます。 密度、温度を毎秒測定し、基準温度での密度、濃度、比 み合わせで測定するため、共軸二重円筒型の粘度測定 保証に加えて、幅広い追加サービスとメンテナンスオプションもご用意しています。 重に換算し、低出力します。 を配管内で実現しています。配管内のせん断速度は相 *一部の装置は、使用されている技術により、定期的なメンテナンスが必要になります。  測定値の出力のほか、制御用として自動化に寄与し 対的なものであるため、スラリーなどの粘度トレンドの これら装置について3年保証が適用されるには、プラン通りのメンテナンスの実施が必要となります。 ます。各種フィールドバス通信にも対応し、サンプルは モニターに利用できます。 酸、塩基、有機溶剤など多様に対応します。 メーカーから直接提供されるサービスとサポート 装置の最大の稼働時間を保証するための、最適なサービス内容を提供します。 適切な濃度コントロールで、歩留まりの改善・分析待ち時間を削減 keeping your investment healthy  オンライン密度計は液体だけでなく固形分濃度の連続的な計測が可能なため、配合の状況、分散性、安定性をモ ニター可能なオンライン密度計です。温度補正もあり、フィードバック制御で濃度の自動調整も可能。測定や濃度 調整をリアルタイムで、無人で行えます。 お客様の投資を保護 装置の使用頻度がどんなに高くても、装置を良好な状態に保ち、 アプリケーション例: 3年保証を含めて設備の保護を提供します。 1. 二次電池用 正極スラリーとオンライン密度計・粘度計 - 正極スラリーの混合工程において密度(比重)と粘度を連続測定 し、制御に応用 お問い合わせへの迅速な対応 2. 二次電池用 NMPとオンライン密度計 緊急の対応が必要な場合に備えて24時間以内にお問い合わせに対 NMPなど溶剤の濃度コントロール。任意の溶剤を含めて合計3成分 応いたします。自動応答ではなく、担当者が直接サポートいたし までの測定が可能(L-Com型仕様) ます。 図1:密度センサーのバイパス設置 - 3. 二次電池用 電解液・セパレーター 電解液の供給タンクの濃度モニター、濃度調整コントロール モノマーの濃度測定、合成終点のモニター 認定サービスエンジニア 当社の卓越したサービスは、技術エキスパートの継続的で徹底し 4. 積層セラミックキャパシタ用 とオンライン密度計 たトレーニングが基盤となっています。 チタン酸バリウムなどの固形分濃度に換算し、毎秒出力 トレーニングと認定は自社施設で行っています。 図2:密度センサーのインライン設置 - 設置: at your location 各センサーは多彩なアダプターが用意されていますので、各設備に合わ せた取付オプションの選択が可能です(左図)。 グローバルなサービス 配管、タンクなど取付位置の具体的な情報や測定の目的などお話を伺 86拠点、350名の認定サービスエンジニアを擁する大規模なカスタ い、選定のお手伝いをいたします。 マーサービスネットワークを展開しています。アントンパール社 のサービスエンジニアは、常にお客様のそばでサポートを提供し その他、紙面では個別の事例はご案内できませんが、塗布工程、剥離工 ます。 - 程、合成工程、洗浄工程などの、薬液濃度・比重測定、各種スラリーの 固形分濃度測定に実績がございます。詳細はお問い合わせください。 図3:粘度センサーのインライン設置 16 17
Page10

製品一覧 掲載 二次 燃料 キャパ 掲載 二次 燃料 キャパ ページ 電池 電池 シタ ページ 電池 電池 シタ レオロジー評価 4    マイクロ波化学合成 11   粒子径、ゼータ電位測定 5    不純物、組成分析の試料分解 12   細孔径分布測定 6    粘度測定 13  比表面積測定、透過測定 7 液体密度測定による    組成濃度の特性 14   密着性、傷つきやすさ 8    固体、粉体密度測定 15    結晶構造解析 9    プロセス濃度測定 16   ナノ構造評価 10    18 19
Page11

株式会社アントンパール・ジャパン 〒131-0034 東京都墨田区堤通1-19-9 リバーサイド隅田1階 Tel: 03-4563-2500 | Fax: 03-4563-2501 〒562-0035 大阪府箕面市船場東3-4-17 箕面千里ビル8階 Tel: 050-4560-2100 | Fax: 050-4560-2101 info.jp@anton-paar.com www.anton-paar.com © 2022 ㈱アントンパール・ジャパン | All rights reserved. 仕様は予告なく変更されることがあります。 XPAIP190JA-B