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粘度、潤滑特性を官能評価結果と比較
◆背景
・おいしさは味、香り、食感から構成
食品開発において、食感評価も重要
・従来の食感の定量化手法:レオロジー測定
課題:レオロジー測定のみでは定量化できない食感が存在
・トライボロジー測定の併用により、より多くの食感を定量化
◆目的
レオロジー測定、トライボロジー測定による飲料食感の定量化
牛乳、豆乳、飲むヨーグルトの粘度、潤滑特性を定量化
粘度、潤滑特性を官能評価結果と比較
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このカタログについて
ドキュメント名 | レオロジー、トライボロジーによる飲料の食感評価 |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 875.9Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社アントンパール・ジャパン (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
Page2
レオロジー,トライボロジーによる
飲料の食感評価
株式会社アントンパール・ジャパン
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背景
おいしさは味、香り、食感から構成
食品開発において、食感評価も重要
従来の食感の定量化手法:レオロジー測定
課題 レオロジー測定のみでは定量化できない食感が存在
トライボロジー測定の併用により、より多くの食感を定量化
目的 レオロジー測定、トライボロジー測定による飲料食感の定量化
牛乳、豆乳、飲むヨーグルトの粘度、潤滑特性を定量化
粘度、潤滑特性を官能評価結果と比較
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コンセプト
レオロジー トライボロジー
粘度、弾性率等を定量化 摩擦特性を定量化
歯ごたえ 口蓋 口蓋
プルプル、 舌-口蓋間の摩擦感
もちもち等
舌 舌
の食感 舌-食品間の摩擦感
のどごし 歯-食品間の摩擦感
コンセプト レオロジーとトライボロジーの併用による、より多くの食感の定量化
目的 レオロジー測定、トライボロジー測定による飲料食感の定量
牛乳、豆乳、飲むヨーグルトの粘度、潤滑特性を定量化
粘度、潤滑特性を官能評価結果と比較
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レオロジー測定(粘度測定)の概要
サンプル セットアップ
低粘度
牛乳 装置外観 測定部
高粘度
低粘度 乱流発生を防ぐため、
無調整豆乳
高粘度 せん断速度に応じて測定系を変更
低粘度 ・
のむヨーグルト 0.1≦ g ≦ 10 [1/s] 10≦・g <100 [1/s]
高粘度
共軸2重円筒 コーンプレート
6サンプルを測定
円筒治具 プレート治具
測定条件 サンプル サンプル
温度 :17℃(嚥下時温度)
せん断速度:0.1~100 [1/s]
カップ(温調) 下側プレート(温調)
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レオロジー測定(粘度測定)結果
高粘度のむヨーグルト
高粘度豆乳
低粘度のむヨーグルト
高粘度牛乳 低粘度豆乳
低粘度牛乳
測定せん断速度範囲における粘度の順位の変化は殆どみられなかった
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トライボロジー測定(摩擦測定)の概要
サンプル セットアップ
低粘度 装置外観 測定部(トライボロジー用に測定部パーツを交換)
牛乳
高粘度
低粘度 ボール オン スリーピンズ ボール
無調整豆乳
高粘度
低粘度
のむヨーグルト ボール
高粘度 ピン
6サンプルを測定
ピン
飲料食感の定量化
測定条件
すりガラス:口蓋を模倣
温度 :17℃(嚥下時温度) サンプル
PDMS:舌を模倣
すべり速度:10-4~103 [mm/s] ピンへの
荷重 :1 [N] 荷重 ホルダー(温調)
口腔内の完全模倣ではなく、極力シンプルな系の構築を目指す
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トライボロジー測定結果:ストライベックカーブ
低粘度牛乳 牛乳:ショルダー
静摩擦
高粘度のむヨーグルト 高粘度牛乳
低粘度豆乳 豆乳:ピーク
高粘度豆乳
低粘度のむヨーグルト
サンプル種によってカーブ形状が異なることがわかった
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官能評価の概要と結果
サンプル 評価項目と結果(α値)
低粘度…A
牛乳 サンプル 口当たり のどごし 滑らかさ※
高粘度…B
低粘度…C A 0.400 0.400 0.200
無調整豆乳
高粘度…D B 0.150 0.233 -0.250
低粘度…E
のむヨーグルト
高粘度…F C 1.100 1.017 -0.083
D -0.167 -0.267 0.117
方法
一対比較法(5段階評価) E -0.450 -0.383 0.183
シェッフェの原法 F -1.033 -1.000 -0.167
(中屋の変法)を用いて解析
有意差 ** ** ー
パネル
一般消費者10名(弊社社員) ※嚥下時に舌-口蓋間で感じる滑らかさ
口当たり、のどごしについては信頼性の高いデータが得られた
Page10
結果と考察:口当たりと粘度、摩擦係数の関係
100 [1/s]における粘度と官能評価の評点 せん断速度と相関係数の関係
100 0.78
高粘度のむヨーグルト
R² = 0.764 0.76
低粘度 0.74
高粘度豆乳
10 のむヨーグルト
0.72
低粘度豆乳
高粘度牛乳 0.7
低粘度牛乳
1 0.68
-2.0 0.0 2.0 1 10 100
口当たりα値(軽い↔重い) せん断速度 [1/s]
摩擦係数でのR2 値は最大で0.43と低かった
口当たりは粘度との間に強い相関がみられ、せん断速度100 [1/s]で最大となった
100 [1/s]における粘度
[mPa・s]
R2値
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結果と考察:のどごしと粘度、摩擦係数の関係
100 [1/s]における粘度と官能評価の評点 せん断速度と相関係数の関係
100 0.82
高粘度のむヨーグルト
R² = 0.810 0.8
低粘度 0.78
10 高粘度豆乳 のむヨーグルト
0.76
低粘度豆乳
高粘度牛乳 0.74
低粘度牛乳
1 0.72
-2.0 0.0 2.0 1 10 100
のどごしのα値(軽い↔重い) せん断速度 [1/s]
摩擦係数でのR2 値は最大で0.42と低かった
のどごしは粘度との間に強い相関がみられ、せん断速度100 [1/s]で最大となった
100 [1/s]における粘度
[mPa・s]
R2 値
Page12
官能評価の概要と結果
サンプル 評価項目と結果(α値)
低粘度…A
牛乳 サンプル 口当たり のどごし 滑らかさ※
高粘度…B
低粘度…C A 0.400 0.400 0.200
無調整豆乳
高粘度…D B 0.150 0.233 -0.250
低粘度…E
のむヨーグルト
高粘度…F C 1.100 1.017 -0.083
D -0.167 -0.267 0.117
方法
E -0.450 -0.383 0.183
一対比較法(5段階評価)
シェッフェの原法(中屋の F -1.033 -1.000 -0.167
変法)を用いて解析 有意差 ** ** ー
パネル
一般消費者10名(弊社社員) ※嚥下時に舌-口蓋間で感じる滑らかさ
口当たり、のどごしについては信頼性の高いデータが得られた
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結果と考察:滑らかさと物理物性
パネル10名のα値
摩擦係数とα値 粘度とα値
0.6 100
0.6
0.5
0.5
0.4 10
0.4
0.3
0.3
0.2 1
-2 0 2 -2 0 2
滑らかさのα値 滑らかさのα値
1 [mm/s]での摩擦係数 [-]
100 [1/s]での粘度 [mPa・s]
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結果と考察:滑らかさと物理物性
パネル10名の評点
摩擦係数と評点 粘度と評点
0.6 100
0.6
0.5
0.5
0.4 10
0.4
0.3
0.3
0.2 1
-2 0 2 -2 0 2
滑らかさのα値 滑らかさのα値
1 [mm/s]での摩擦係数 [-]
100 [1/s]での粘度 [mPa・s]
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結果と考察:滑らかさと物理物性
パネル10名の評点
摩擦係数と評点 粘度と評点
0.6 100
0.6
0.5
0.5
0.4 10
0.4
0.3
0.3
0.2 1
-2 0 2 -2 0 2
滑らかさのα値 滑らかさのα値
1 [mm/s]での摩擦係数 [-]
100 [1/s]での粘度 [mPa・s]
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結果と考察:滑らかさと物理物性
パネル10名の評点 考察:滑らかさの感じ方
摩擦係数と評点 粘度と評点
口蓋
0.6 100
0.6
舌
0.5
0.5
0.4 10
0.4
0.3 グループ1
0.3 嚥下時、舌-口蓋間で感じる摩擦
0.2 1
-2 0 2 -2 0 2 グループ2
滑らかさのα値 滑らかさのα値 嚥下時、舌が口蓋に触れ、離れる動きに伴う
(摩擦係数、粘度)で感じた相関が、(負、正)となった サンプル流動
グループ1、(正、負)のグループ2と、に大別できる
滑らかさは、感じ方によって2つのグループに分けられる
1 [mm/s]での摩擦係数 [-]
100 [1/s]での粘度 [mPa・s]
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グループ1、2の官能評価結果
サンプル 口当たり のどごし 滑らかさ※
A 0.400 0.400 -0.667 0.500
B 0.150 0.233 -0.083 0.750
C 1.100 1.017 0.028 0.167
D -0.167 -0.267 -0.083 -0.167
E -0.450 -0.383 0.222 -0.792
F -1.033 -1.000 0.583 -0.458
有意差 ** ** ** **
※嚥下時に舌-口蓋間で感じる滑らかさ
グループごとに解析すると、滑らかさについても信頼性の高いデータが得られた
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結果と考察:グループ1での滑らかさと物性の関係
グループ1の評点と摩擦係数 グループ1から高粘度豆乳を除いた
0.7 低粘度牛乳 摩擦係数での相関係数
R² = 0.641 高粘度牛乳
0.5 低粘度豆乳 1
0.3 高粘度豆乳
低粘度のむヨーグルト 0.9
0.1 高粘度のむヨーグルト
-1 0 1 外れ値 0.8
滑らかさのα値(→滑らか) 高粘度豆乳
0.7
外れ値の原因考察:粒度分布
0.6
10 高粘度豆乳
高粘度豆乳のみ、舌で 0.5
5 粒子由来のざらつきを 0.1 1 10 100
感じた可能性 すべり速度 [mm/s]
0
1 10 100
粒径 [mm] グループ1の粘度でのR2 値は最大で0.67
グループ1では、滑らかさは摩擦係数との間に強い相関がみられた
1 [mm/s]での
頻度分布 [%] 摩擦係数 [-]
R2値
Page19
結果と考察:グループ1での滑らかさと物性の関係
グループ1の評点と摩擦係数 グループ1から高粘度豆乳を除いた
0.7 低粘度牛乳
R2 =0.641 R² = 0.934 摩擦係数での相関係数
R² = 0.641 高粘度牛乳
0.5 低粘度豆乳 1
0.3 高粘度豆乳
低粘度のむヨーグルト 0.9
0.1 高粘度のむヨーグルト
-1 0 1 外れ値を 0.8
滑らかさのα値(→滑らか) 除高い粘て度解豆析乳
0.7
外れ値の原因考察:粒度分布
0.6
10 高粘度豆乳
高粘度豆乳のみ、舌で 0.5
5 粒子由来のざらつきを 0.1 1 10 100
感じた可能性 すべり速度 [mm/s]
0
1 10 100
グループ1の粘度でのR2
粒径 [mm] 値は最大で0.67
グループ1では、滑らかさは摩擦係数との間に強い相関がみられた
11 [[mmmm//ss]]ででのの
頻度分布 [%] 摩摩擦擦係係数数 [[--]]
R2値
Page20
結果と考察:グループ2での滑らかさと物性の関係
グループ2の評点と粘度 グループ2のせん断速度と相関係数の関係
100 0.65
0.60
R² = 0.604
0.55
0.50
10
0.45
0.40
0.35
1 0.30
-1 -0.5 0 0.5 1 1 10 100
滑らかさのα値(→滑らか) せん断速度 [1/s]
グループ2から高粘度豆乳のデータを除いても、粘度でのR2 値は最大で0.60( 100 [1/s] )
グループ2の摩擦係数でのR2 値は最大で0.51と低かった
グループ2では、やや弱いものの、粘度と滑らかさの間に相関がみられた
100 [1/s]における粘度
[mPa・s]
R2値[-]