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1からわかる粘弾性測定の基礎から応用まで 第9回
◆はじめに
化粧品の使用感の官能評価は訓練を受けたパネルによって行う
→定量化できないか?
→レオロジー測定による定量化
官能特性のレオロジー評価(肌に塗る/口紅を塗る)
◆官能特性のレオロジー評価
化粧品の分析型官能評価において、専任のパネルによる評価が必要である
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このカタログについて
ドキュメント名 | 化粧品の官能特性および 泡立ち、分散性の評価 |
---|---|
ドキュメント種別 | その他 |
ファイルサイズ | 1.9Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社アントンパール・ジャパン (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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株式会社アントンパール・ジャパン
レオロジーWebinar
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株式会社アントンパール・ジャパン
レオロジーWebinar
化粧品の官能特性および
泡立ち、分散性の評価
1からわかる粘弾性測定の基礎から応用まで 第9回
株式会社アントンパール・ジャパン
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はじめに
液体(粘性体) 粘弾性体 固体(弾性体)
水 粘弾性流体 粘弾性固体 石
化粧水など シャンプー ファンデーション 鉄など
スキンクリーム 口紅
流れる 中間的性質 形を保つ
化粧品サンプルは粘性だけでなく弾性の特性を持つ
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はじめに
化粧品の使用感の官能評価は訓練を受けたパネルによって行う
定量化できないか?
レオロジー測定による定量化
官能特性のレオロジー評価(肌に塗る/口紅を塗る)
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官能特性のレオロジー評価
化粧品の分析型官能評価において、専任のパネルによる評価が必要である
ハンドクリームを塗る 口紅を塗る
→のび、なめらかさ →固い・軟らかい、塗りやすさ
レオロジー測定を用いて使用感を定量化する
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官能特性のレオロジー評価(肌に塗る)
ステップシアレート測定
静止 塗布 回復
ハンドクリームを肌に塗布する
102 1[1/s]100[1/s] 1[1/s]
.
1.ジャーからクリームを取る 1 2 3
(静止)
2.肌に塗る 101
(塗布、大変形)
3.塗った後
(回復)
100
30 60 時間 t [sec] 300
せん断速度をステップ的に変化させ, 肌への塗布動作を再現
せん断速度 γ [1/s]
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官能特性のレオロジー評価(肌に塗る)
ステップシアレート測定
静止 塗布 回復
クリームA 102 1[1/s]100[1/s] 1[1/s]
1 2 3
10
1
粘度の回復に
時間を要する
0
肌に塗った後、タレる 10
30 60 時間 t [sec] 300
クリームAは構造の回復に時間を要するためタレる
せんだん粘度 h 「Pas]
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官能特性のレオロジー評価(肌に塗る)
ステップシアレート測定
静止 塗布 回復
クリームB 102 1[1/s]100[1/s] 1[1/s]
1 2 3
10
1
塗布時の粘度が
低く, 塗り易い 回復時間が早く
0 タレない
肌に塗りやすく、タレない 10
30 60 時間 t [sec] 300
クリームBは塗布時の粘度が低く、回復時間も早く、タレない
せんだん粘度 h [Pas]
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官能特性のレオロジー評価(口紅を塗る)
ツールホルダーによる測定
唇に押し付けながら往 1.ツールホルダーに 2.回転軸方向に 3.回転方向に
復運動 口紅を固定 ある荷重を与える 振動運動
口紅の唇への塗り方を再現
Page10
官能特性のレオロジー評価(口紅を塗る)
ツールホルダーによる測定
測定条件 軸方向の荷重:0.5N一定
103
抵抗大:塗りにくい
102
101
抵抗小:塗りやすい
振り角(偏向角):45度 100
振動周波数:0.1Hz 30 60
下側のプレートに人工皮膚(ラテックス)を貼った 時間 [sec]
口紅の塗り方を再現し、その塗りやすさを回転抵抗(トルク)から定量化
トルク [μNm]
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はじめに
化粧品の使用感(のび、軟らかさ)の官能評価はパネルによって行う
定量化できないか?
レオロジー測定による定量化
官能特性のレオロジー評価(肌に塗る/口紅を塗る)
使用感の向上のためどのようにレオロジー特性を調整すれば?
化粧品用基材のレオロジー挙動
Page12
化粧品用基材のレオロジー挙動
アルファゲル(マルチラメラベシクル)のレオロジー挙動
1.調製方法とレオロジー特性との関係
2.カチオン界面活性剤の濃度とレオロジー特性との関係
アルファゲルとは、両親媒性物質の形成する自己組織体の一つで、
化粧品分野では古くからアルファゲルを用いた製剤開発が行われています
化粧品製剤中でのアルファゲルは、レオロジー調整剤として保存安定性に
大きく寄与しており、伸びがよくべたつきの少ない優れた感触の製剤が調製できます
アルファゲルは、セチルアルコールなどの高級アルコールと界面活性剤を
特定の比率で混合することにより形成され、古くから多くの研究例があります
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化粧品用基材のレオロジー挙動
アルファゲル(マルチラメラベシクル)のレオロジー挙動
1.調製方法とレオロジー特性との関係
2.カチオン界面活性剤の濃度とレオロジー特性との関係
試料
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム
ジメチルジオクタデシルアンモニウム=クロリッド(DMDOAC)
R
|
CH3-N+-CH3 Cl-
|
R R=18 DMDOACのα-ゲルのTEM像
出典:油化学, 36, 259(1987)
Page14
カチオン界面活性剤のα-ゲルの基本構造
α型の六方晶形構造の二分子膜
二分子膜が閉じた球状粒子
Page15
サンプル:水分散液(a-ゲル)の調製方法と外観
塩化ジステアリル 80℃調製品 50℃調製品
ジメチルアンモニウム 精製水
(DADOAC)
5部 95部
攪拌・混合 調製温度
80℃ 白い
均一分散 より
50℃ 白い
冷却
傾けても流動しない
試 料 ポイント! どちらもゲル構造体
Page16
定常流測定から求めた流動曲線(左)と測定条件(右)
1E+03
高温調製 低温調製
1E+02
s : 低温>高温
T=25℃
γ・=0.1→100sec-1 定常流測定条件
1E+01
1E-01 1E+00 1E+01 1E+02
dg/dt (sec-1)
s (Pa)
Page17
定常流測定から求めた流動曲線(左)と粘度曲線(右)
1E+03 1E+06
高温調製 低温調製 高温調製 低温調製
η : 低温>高温
出にくい 出やすい
1E+05
1E+02
1E+04
s : 低温>高温
T=25℃
γ・=0.1→100sec-1
1E+01 1E+03
1E-01 1E+00 1E+01 1E+02 1E-01 1E+00 1E+01 1E+02
dg/dt (sec-1) dg/dt (sec-1)
s (Pa)
h (mPa.s)
Page18
動的粘弾性によるひずみ分散測定結果
1E+04 1E+04
高温G' 高温G" 低温G' 低温G"
G’>G” ゲル
1E+03 1E+03
G’>G” ゲル
1E+02 1E+02
低温調整品の方が
G’,G”共に大きい値
1E+01 1E+01 →ハードゲル構造
T=25℃
ω=10sec-1
1E+00 1E+00
1E-04 1E-03 1E-02 1E-01 1E+00 1E+01 1E-04 1E-03 1E-02 1E-01 1E+00 1E+01
g (-) g (-)
G’ , G” (Pa)
G’ , G” (Pa)
Page19
アルファゲルの顕微鏡写真
レオロジー特性 顕微鏡像 偏光顕微鏡像 イメージ図
降伏値:高い
低
温 低せん断速度の
調 せん断粘度高い
製
品
ハードゲル構造 粒子が観察できない 十字ニコル像無し 層状ラメラ構造
降伏値:低い
高
温 低せん断速度の
調 せん断粘度低い
製
品
ソフトゲル構造 粒子が観察 十字ニコル像が観察 マルチラメラベシクル構造
マクロ構造の違いがレオロジー特性に影響を与える
Page20
サンプル:水分散液(a-ゲル)の調製方法と外観
界面活性剤濃度 界面活性剤濃度
塩化ジステアリル 5% 2%
ジメチルアンモニウム 精製水
(DADOAC)
5部 95部
2部 98部
攪拌・混合 調製温度
ポイント! 80℃
均一分散
冷却
濃度2%は傾けると流動する
試 料 →つまり液体(ゾル)?