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デジタル時代における 盤設計・製造の効率化・省力化「制御盤・配電盤ナビ」Vol.5【完全版】

ホワイトペーパー

急拡大するスプリング式端子台とそのメリット

ものづくりを応援する業界紙・オートメーション新聞が展開する別冊「制御盤・配電盤ナビ」Vol.5【完全版】は、制御盤・配電盤に関する各種情報をまとめたムック本です。

「デジタル時代における 盤設計・製造の効率化・省力化」がテーマの第5弾は、急拡大するスプリング式端子台とそのメリットや、富士電機器制御、盤内機器のあらゆる「省」実現、三菱電機の低圧配電制御機器、ハノーバーメッセ2018など、耳寄りな最新情報が満載です。

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ドキュメント名 デジタル時代における 盤設計・製造の効率化・省力化「制御盤・配電盤ナビ」Vol.5【完全版】
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このカタログの内容

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別冊 制御盤・配電盤ナビ Industrial Control Panel & Distribution Board Vol.5 デジタル時代における 盤設計・製造の効率化・省力化 急拡大するスプリング式端子台とそのメリット 富士電機機器制御、盤内機器のあらゆる「省」実現 三菱電機の低圧配電制御機器 リタール、標準化推進プログラム ECAD、新電気設計CADシステム UL、制御盤に関するアメリカの規制と各国状況 インダストリー4.0時代の盤製造@ハノーバーメッセ2018 株式会社アペルザ オートメーション新聞社
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製品紹介動画はこちら ▶▶▶ サポートアーム 高さ調節式 アッセンブリ サポートアーム フレーム 操 作 盤 制 作 の 効 率 化! サポートアーム CP60/120/180 は、アームの長さ、旋回ポイント、先端部の重量、及びアームの形状を選択するだけで最適な 組合わせを構成することが可能です。面倒な作図などの設計時間を大幅に削減できます。アームの取付けや配線も簡単にできる仕様です。 NEW! 新高さ調節式 サポートアームが 登場 専用ソフトで簡単選定 簡単に組立て可能 ケーブルの引き回しも簡単 制 御 盤 作 業 の 効 率 化! 盤用アッセンブリフレームは、中板の加工・部品取り付け 作業に最適なツールです。 台を作業しやすい角度・高さ※に調整し、作業者の疲労軽減、 作業時間の短縮を実現し、作業を高効率化します。 ※高さ調整は一部製品 中版を簡単取り付け 作業時の姿勢を改善・疲労軽減! マウントしたまま移動も簡単 リタール株式会社 Phone:0120-998-631 mailto:contact@rittal.co.jp https://www.rittal.com/jp-ja/ ENCLOSURES POWER DISTRIBUTION CLIMATE CONTROL IT INFRASTRUCTURE SOFTWARE & SERVICES FRIEDHELM LOH GROUP
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INDEX 制御盤・配電盤ナビ vol.5 I N D E X 配線作業の省力化&海外対応に向けて ……………………………………………………………………… 1 急拡大するスプリング接続式とそのメリット 盤内機器のあらゆる「省」を実現する …………………………………………………………………………… 2 富士電機機器制御の盤用ソリューション WAGOが目指す …………………………………………………………………………………………………… 3〜 4 オールスプリング式 接続の制御盤・分電盤 リタール、標準化推進プログラムを展開 …………………………………………………………………………… 5 ECADソリューションズ、クラウド環境を利用した ……………………………………………………………… 6 盤設計の効率化を実現する新しい電気設計CADシステム ハーティング、産業用角型コネクタ −発展の歴史− …………………………………………………… 7〜 8 電気設備と配電制御の未来創造に貢献する三菱電機の低圧配電制御機器 ………………………………… 9 インダストリー4.0時代の盤製造 @ハノーバーメッセ2018 ……………………………………………… 10 UL Japan、制御盤に関するアメリカの規格規制と各国の状況 ………………………………………… 11〜 14 2017-18年 盤業界・製品ニュース ……………………………………………………………………… 15〜 16 ボックス・ラック、端子台、スイッチ、盤用クーラーほか 制御盤・配電盤ナビ vol . 5  発行所:株式会社アペルザ オートメーション新聞社            発行日 : 2018年11月15日 〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町23番地 日土地山下町ビル13F        電 話 : 045 -228 -8873 FAX : 045 -345 -4790   メール : info@automation-news.jp       オートメーション新聞WEB版 http://www.automation-news.jp/
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 潮 流 配線作業の効率化・省力化 & 海外対応に向けて 急拡大するスプリング接続式とそのメリット  盤の製造工程のうち、最も煩雑で手間がかかり、しかも作業量が多いのが機器同士をつなぐ配線作業である。被覆を 剥き、端子を取り付け、ねじを締める。作業自体は単純ではあるが、これらを数 10 回から 100 回以上繰り返すとそれ だけでかなりの工数を食ってしまう。この作業をいかに簡潔にスピーディーにできるかが盤制作の生産性向上の大きな ポイントであり、その一つの解決策となるのがスプリング接続式の採用だ。 端子台の接続方式と構造 これらによって端子台の横、上下方向が省スペース化でき、 ボックスや制御盤の小型化でコスト削減につなげることが  端子台の接続方式は、大きく分けて「ねじ式」「スプリン できる。また省スペース化によってできた空きスペースに グ(ねじレス式)」「圧接式」などに分類される。 PC や PLC など高機能製品を入れ、制御盤自体の性能アッ  ねじ式は、電線の端末に丸・Y 圧着端子を取り付け、ね プにもつなげる例も出てきている。 じで締め付けて接続・固定するもの。日本では古くから使 われている最もポピュラーな接続方式で、高圧電流や振動 JSIA による作業比較実験と結果 の多い用途などでは広く採用されている。  制御盤や配電盤など盤の製造業者による工業団体である  スプリング式は近年採用が増えている方式で、ヨーロッ 日本配電制御システム工業会(JSIA)は、個別配線での「ス パで開発され普及したことからヨーロッパ式・欧州式など プリング式」と「圧着端子 + ねじ締め」の両接続方式の作 とも呼ばれる。端子台メーカーによって違いはあるが、一 業比較実験を行い、その結果を公表している。 般的には電線端末にフェルール端子をつけ、端子台の穴に  接続工数はスプリング式を使った場合、丸型圧着端子を 差し込むだけで結線が完了する。内部では、ばねと導電金 使った方式よりも 31~52%、Y 型圧着端子を使った方式よ 具の間に端子を差し込む形になり、ばねの圧力によって固 りも 22~45% も短い時間で作業が完了した。しかも熟練 定される。最近では端子が必要なく、剥き線を使える製品 者と非熟練者の間でも作業時間や接続品質に大きな差が生 も出てきている。 じなかった。これを受けて JSIA では「今後、ねじ式がな  圧接式は、電線を被覆剥きせずそのまま端子台の穴に差 くなる訳ではないが、日本ではスプリング式が制御配線の し込み、別の穴にドライバを押し込むと、内部で電線が鋭 基本方式の一つとして普及させていく」とスプリング式の い刃先を持つ導電金具に挟まれて被覆に切り込みが入って 有効性を認め、推奨する方向に進んでいる。 貫通して接点になって接続されるもの。Ⅰ回取り付けたら 取り外しはできず、脱着する箇所には適していない。 グローバル化に対応しやすい欧州発のスプリング式  接続方式はそれぞれに特徴があるが、近年は配線作業の  スプリング式の採用増の背景には、それらが使われる機 効率化と盤の小型化トレンドにより、作業性と小型化に優 器と盤の市場がグローバル化していることも挙げられる。 位性を持つスプリング式の採用が急拡大している。 もともとスプリング式はヨーロッパの技術がベースとなっ  ねじ式もスプリング式も端子を取り付けるのは一緒だが、 ており、IEC などの国際規格や CE、UL といった世界の各国・ ねじ式は一つずつねじを回して固定する。一方のスプリン 各地域の規格要求にも対応しやすい。これまで海外向けは グ式は単に穴に差し込むだけ。外す場合も、スプリング式 スプリング式、日本国内向けはねじ式と分けていることも はドライバ等でリリースボタンを押してばねを緩め、その 多かったが、最近はスプリング式に一本化する盤メーカー 隙に端子を引き抜くだけで済む。 も増え始めている。  固定力、保持力も一見するとねじ式の方が強いように思 えるが、ねじ式はきつく締まっている状態であれば非常に 強い。しかし遠隔地への移動や輸出の際の振動による緩み、 時間や経年による緩み、それを防ぐための増し締めや点検 の手間がかかるという弱点がある。スプリング式はばねで 常に保持しているため、構造上緩むことはない。その保持 力は、端子台メーカーによる振動試験や衝撃試験など厳し い評価試験で実証済みである。  小型化についても、ねじ式端子台は幅を最も幅が薄いも のでも丸・Y 圧着端子またはねじの直径が限度だが、スプ リング式の場合は電線の太さまで薄い製品が出ている。一 般的な 20A クラスの丸圧着端子台とスプリング式を比べる と、スプリング式は 50% も幅が小さくなる。またスプリ ング式は、端子台の上面(正面)から配線するタイプがほ とんどで、ねじ式ではどうしても必要な上下のスペースが 少なくて済む。 — 1 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 寄 稿 盤内機器のあらゆる「省」を実現する 富士電機機器制御の盤用ソリューション 富士電機機器制御株式会社 人手不足や人件費の上昇などが続くなかで、盤内機器の配線作業を省力・省工数化したいというニーズが年々高まって いる。加えて熟練作業者の減少は、作業者のスキルに依存しない品質の平準化と作業効率向上を求める声も強い。 盤内機器の大手メーカーである富士電機機器制御は、こうした流れに対応して「省工数」につながるスプリング端子機 器「F-QuiQ」をはじめ、「省スペース」「省エネ」「省配線」など様々な「省」を実現するソリューションを提案している。 ■盤内機器の悩みを解決するスプリング端子 「配線インジケータ」を設けている。配線スリーブ(フェルー  盤内機器への配線方法に求めるニーズは使用するユーザー ル)の絶縁カラーの位置で定量的に配線完了が目視で確認で の部門ごとに異なっている。経営者や管理部門は「他社に負 きる。 けない高品質な商品を提供したい」や「より一層、ものづく  また、電線挿入は丸穴、工具挿入及び導通チェックは角穴 りの効率化を図りたい」と考え、開発・設計部門は「耐振性 で統一しており、配線の間違いを防止できる。 を考慮した装置(盤)にしたい」や「装置(盤)を今より大 3. 高い信頼性と品質 きくせずに機能(付加価値)を追加したい」ことを追求する。  盤内機器は振動による配線のゆるみが懸念されることから また、保守・サービス部門は「不具合(要素)を減らしたい」 増し締めが行われることが多い。振動する機械や車両への搭 や「据え付け(納入時)の出張期間を減らしたい」といった 載をはじめ、大型のファンやポンプ近くへの配置による外的 ことを優先し、生産部門は「(受け入れ時)の検査項目を削 振動や、高周波発生機器による振動も配線のゆるみを生じる 減し、納期を短縮したい」や「作業者の熟練度による品質の 原因になることから増し締めが行われている。 ばらつきを無くしたい」といったことを求める。  スプリング端子(プッシュイン方式)は、こうした振動が  富士電機機器制御は、こうした各部門のそれぞれ異なる求 発ス生プすリるン移グ動・端装子置機器にの採用特し長ても、定期的な増し締めを めに応えたスプリング端子機器「F-QuiQ」を開発すること 不要にしている。富士電機機器制御のスプリング端子(プッ でこれらの悩みを一挙に解決した。スプリング端子は、ねじ シュイン方式)は、IEC 規格で要求される おもり を吊り下 端子と比較して、信頼性、作業性、安全性、メンテンナンス げた信ね頼ん性回・品試質験や引張試験、XYZ の各軸に所定の振動を加 性に大きなメリットを有している。 えた振動試験とその後の電圧降下による接点の瞬断有無およ ■スプリング端子機器「F-QuiQ」の特徴 び■ 接主な触試抵験抗値の変化をオシロスコープで測定する電圧降下試 1. 配線工数の削減 験弊社をスプ行リングっ端子て製品おはIEりC規格、で要ね求さじれる端ねん子回試験品、引と張試同験、振等動試の験に信対して頼、十性分な電を線保有持力しを満てたしていいまるす。。  従来のねじ端子の配線工程は、ねじを外す→ねじを圧着端 引張試験 振動試験 ス子プに通リすン→グね端じを子締機める器→のチェ特ッ長クマークを入れる、となっているのに対し、スプリング端子(プッシュイン方式)の配 線工程は、電線を挿入する→軽く引っ張り挿入を確認する、 だけの 1 アクションで済むため、配線工数は約 30% 削減で き配る線。工ス数プのリ削ン減グ・端ス子キ(ルプレッスシュイン方式)は工具不要で配 線でき、電線の接触信頼性を確保するため、変形しにくい板 ばねの先端を配線にくい込ませることで、ねじ端子と同等の ■強 配固線な工電数の線削保減持を実現している。 4. 渡り配線を考慮したダブル端子構造 スプリング端子の工程 項目(例) 規格 試験内容ねじ端子の工程 (プッシュイン方式)  外部・分岐配線用の・電線ダを接ブ続し、ル規定荷端重(子おもり機)をか構け のため、渡り配線がし ねん回試験 IEC60947-1 やすく、丸型圧着端子ねんを回中に重電線ね抜けのる有無をよ確認うする。な作業が不要となってい 電線を 引張試験 ・ねん回試験に続き、規定荷重(おもり)をかねじを外す る。 IEC60947-1 け一定時間後に電線抜けの有無を確認する。挿入する ■スプリング端子機器・導体のを接製続し、品X,Y,Z ラ各軸方向に所定 振動を加えて絶縁体のイ破損ン、 アップ ねじを圧着 その他機械的故障の有無を調べる。 ねじ端子 スプリング端子  振動ス試験プリング端子機・器緩み、「絶縁F物の-Q変形u、ひiびQ割れ、 (プッシュイン) 端子に通す IEC60068-2-6 」を採用した製品は、配線 電圧降下試験 その他有害な損傷がないこと。 用遮断器・漏電遮断器・「振動負G荷の-間TオシWロスIコNープにより接点配線工数比較 の瞬断の有無を測定する。 Λ(ラムダ)シリーズ」、サー ・試験の前後で、電圧降下を測定し、接 ねじを締める キットプロテクタ「C点P部分3の接0触抵抗値の変化を調べ判定。▲30%短縮 F シリーズ」、マニュアルモータス タータ「BM3 シリーズ」、電磁接触器・電磁開閉器「SK シリー ※渡り配線の場合 最大▲55%(分岐端子の効果) チェックマークを 軽く引っ張り 入れる 挿入を確認 ズ」、リレQーRコ・ータド イマ用ソケット「HH5 リレー /ST7 タイマ」 などをライ上記試験の様子は左記ンQRコーアドまッた プしている。  また、配線の取り外しは、取り外し工具を 5 度 ~10 度傾  富士電機は弊社HPよりご確認いた機だけ器ます。制御は、盤設計に寄与する「省設計」への取 けてまっすぐ挿入し、工具を押し込んだままで電線を引き抜 り組みとして、2D や 3D CAD データも数多くそろえている。 10 スくプリだングけ端と子の簡配線単手順に( 行プッえシュるイン。方式) 同社のホームページからダウンロードが可能なほか、図研の 電2線.挿ス入前キルレスの作業性 配線確認 取り外し E3 や EPLAN の統合型電気 CAD データも各社のポータル 電線挿入口 5°~10° (丸 穴)配線作業が熟練者でなくても簡単に平準化できるように、 サイトからもダウンロードできる。 工具挿入口 (角穴) 板ばね — 2 — 導体 工具不要の「プッシュイン」方式 接触信頼性を向上させるため、変形 スリーブ(フェルール)のカシメを 取り外し工具を5°~10°傾け真直ぐ を機種統一で採用しています。 しにくい板ばねとし、板ばねの先端 含め、確実に配線されていることを に挿入し、押し込んだまま電線を引 適度なクリック感を残しつつ、1ア を電線にくいこませることで、ねじ 確認するため、軽く引っ張ってくだ き抜いてください。電線引き抜き クションで挿入完了します。 端子と同等の強固な電線保持を実現 さい。 後、工具を引き抜いてください。 しています。 なお弊社のスプリング端子機器は機 種統一で配線インジケータを採用し ています。 8
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 寄 稿 WAGO が目指すオールスプリング式 接続の制御盤・分電盤 ワゴジャパン株式会社 営業部マーケティングサービス 岡田 和久  WAGO は 1951 年にドイツで創業したスプリング式接続のリーディングカンパニーで、常に革新的な電線接続技 術を開発し、ワイヤリングの省力化と安全性を実現する製品を全世界に提供し続けている。2018 年現在、全世界で 8000 人の従業員が働くグローバル企業に成長している。1977 年にリリースした CAGE CLAMP® はネジ式端子台 の問題点を解決するソリューションとして特に鉄道分野で普及したことでその性能と信頼性が証明され各種製造装置、 制御盤、屋内配線、エネルギー、自動車、船舶、照明関連のほかあらゆる分野の電気接続に幅広く使用されている。 1951年設立当時のWAGO本社 2018年現在のWAGO本社 CAGE CLAMP®スプリング 端子台はネジ式からスプリング式へ より価格が高めである。従来はコスト削減は部品単価を下 げることに集中していたので、たとえ性能が良い部品でも  WAGO が 1977 年にスプリング式端子台をリリースし 単価のみで採用をしない事も多かった。しかしヨーロッパ てから 30 年以上を経た現在でも、制御盤・分電盤ではい ではあたりまえに行われてきた「トータルコスト」の考え まだにネジ式端子が多く使用されており、スプリング式の 方が広まってきた。特に人件費の上昇や納期の短縮に関し 普及率は全体で 30% 前後と考えられている。普及が大き ては、部品が高くても導入によってそれを上回るコスト削 く進まない原因の一つとして盤内の各種機器の接続部はい 減や性能向上ができるのであれば導入するメリットがある まだネジ式が主流であることがあげられる。しかしながら ことが理解されるようになってきた。またアジア各国との 2016 年にはオムロンが制御機器の新製品の電線接続端子 価格競争の中、日本製品のオンリーワン技術や高付加価値 にスプリング式を採用すると発表、今年 6 月には富士電機 製品へのシフトといった流れも影響しているだろう。二つ 機器制御が配線用遮断器・漏電遮断器、サーキットプロテ 目には熟練作業者の減少と人手不足がある。現在この問題 クタ、電磁接触器・電磁開閉器、リレー・タイマ用ソケッ は非常に深刻で、あらゆる分野に大きな影響が出ている。 トにスプリング式端子を採用した製品を発売開始するなど、 ネジ式端子は圧着作業などの熟練が必要で、技術習得には 国内大手制御機器メーカーもネジ式からスプリング式への 数年かかることもある。(一社)日本配電制御工業会の行っ 取り組みが加速している。 た比較試験では、ネジ式端子台での作業時間は、初心者が なぜ今、スプリング式なのか ? 熟練者より短いことはなかったが、スプリング式では逆転 する事も確認された。人手不足が深刻化するなか、技術習  スプリング式の主なメリットは省スペース化(実装密度 得や訓練の期間が少なくて済むことは非常に大きなメリッ 向上)、省力化(作業時間・納期短縮)、信頼性向上(ゆる トとなってきた。スプリング式結線技術は、効率化への次 まない)、グローバル対応(海外規格対応)がある。 のステップのためにあらためて注目されているといって良  これらの特長は以前から変わっていないのになぜ今に いだろう。 なって見直されたのか。一つ目にはコスト計算方法や考え 方の変化がある。単純に比較するとスプリング式はネジ式 — 3 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 スプリング式への移行を加速するレバー式製品 つつある。WAGO は端子台だけでなくコネクタ、電源、 Ethernet スイッチ、信号変換器、リモート I/O などのコン  WAGO は 2014 年に汎用のコネクタ 221 シリーズ(国 ポーネントも開発しそのすべてにスプリング端子を採用し 内型番 WFR シリーズ)を発売し空前の大ヒット商品となっ ている。これらを使用する事でネジのゆるみのない信頼性 た。その大きな理由は「特別な工具を使わず、だれでも簡 に優れた装置や盤の実現をサポートしていく。 単に結線できる」ことである。この製品は指で操作できる レバーがついており、予備知識がなくても直観的に操作で き、だれが作業しても結線の品質が変わらない。この製品 のヒットをきっかけに、WAGO はレバー式のレールマウ ントスプリング式端子台を開発する事となった。レバー式 の利点として 1. 操作方法が直感的にわかるので技術習得が 無くてもすぐに結線できる。2. レバー位置でスプリングの 開閉が明確に確認できるため閉め忘れを防止できる。3. レ バーを複数極同時にあげておけば、多芯ケーブルなどを一 括で挿入することができ作業性に優れる。4. 特別な工具が 不要なのですぐに作業でき、工具が無いため作業が進まな いといった無駄な時間を節約できる。そのほか圧着端子不 要、単線やフェルール付電線は差し込むだけで結線できる、 増し締め不要など、スプリング式の従来の特徴も備える。 WAGO はこの製品をきっかけに、ネジ式端子台からスプリ ング式への切り替え提案を行っていく。 レバー操作タイプのスプリング式端子台 ワンタッチコネクタWFRシリーズ オールスプリング式分電盤・制御盤を目指して  ある大手半導体装置メーカーは、装置を海外輸出した際 しっかり締めたはずのネジが現地でゆるんでいる事がよく あり、端子台のゆるみを確認するための作業員の人件費や 設置時間の負担が大きかった。スプリング式端子台を採用 すると、その部分のゆるみは無くなり、増し締めの必要も ないため設計の自由度も向上し小型化も可能になった。た だし電源や開閉器などの端子はネジ式であるため、すべて をメンテンスフリーにはできていない。各コンポーネント メーカーにスプリング式端子の採用を依頼し、最終的には 電線接続部は全てスプリング式にすることを目指している。 先に述べたように近年各メーカーがスプリング式端子を採 用し始めておりオールスプリング式の盤も夢ではなくなり WAGOオールスプリング式結線の制御盤(試作品) — 4 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 潮 流 リタール 標準化推進プログラムを展開 リタール株式会社  ドイツに本社を置くリタールは、産業用キャビネット / ボックスや温度管理機器を販売するリーディングカンパニーだ。 その日本法人であるリタール株式会社は、この 10 月で設立 30 周年を迎え、今回、世界中で多くの実績を誇る製品群を 用いた制御盤、分配電盤筐体(ボックス・キャビネット類)の標準化を提案する「標準化推進プログラム」を展開する という。その背景や標準化によるメリットを聞いてみた。 1. 標準化推進プログラム 提案の背景 万台の生産 / 供給能力を持っており、日々厳しい品質チェッ クを行い、第三者(TÜV 等)による検証も合わせて行われ 日本の製造業を取り巻く環境の変化 ているという。  総務省統計局による労働人口統計が示すとおり、様々な  また日本国内の倉庫には、主要品目の豊富なストックを 業種で人手不足や後継者問題に起因する企業の廃業が相次 持っており、高品質な製品と安定した供給力という点にお いでいる。とりわけ製造業の根幹である技術者 / 生産者の いて、安心して任せることができる企業だ。 減少は着実に進行している。 リタール製品を用いた標準化推進プログラム 安定供給の確保  リタールは、盤筐体、クーラー、操作盤用サポートアー  産業用機器メーカーの 9 割、一般機器メーカーの 7 割で、 ムを標準品として生産 / 販売している世界唯一のメーカー 部品や部材の不足による納期遅延が発生しているといわれ だ。統一した仕様に基づいて設計された全ての製品はモ ている。世界的な製品需要の高まりの中、製造に支障をき ジュール化されており、状況に合わせた組み合わせ変更や、 たさぬよう、また自社及び顧客を含めた全ての関連企業の 仕様変更にも柔軟に対応可能という。さらに、筐体やクー 利益を守るため、事業規模に関わりなく安定した部品 / 部 ラーはもとより、盤製作に必要な様々なアクセサリーを豊 材の確保が重要だ。 富にラインアップしており、それらを含 技術の継承 めネジ 1 本に至るま  2008 年当時、団塊世代の大量離職問題を回避するため、 で統一された 7 桁の 日本政府は定年を 65 歳に延長した。現場に留まった技術 製品番号で管理でき、 者 / 生産者は 2018 年現在で 75 歳を迎え、様々な意味で また全てのアイテム 限界を迎えつつあるが、次代の担い手がいない場合がおお に は 予 め CAD デ ー い。制御盤製作の面で日本の製造業を下支えしてきた中小 タが用意されている 企業、特に盤屋や筐体の板金加工業者も例外ではない。制 という。 御盤の製作において、筐体は単なる「入れ物」だがその実、 制御機器の要となる重要なエレメントで、製作には特化し た知識と技能が必要となる。それら技術が継承されず埋も れていくことは大きな損失となると共に、品質や供給の面 においても大きなデメリットとなる。 2. 標準化によるメリット 高品質の製品、安定した供給を得られる  リタールは世界中に 10 箇所以上の生産施設を持ち、そ  これにより、筐体設計 / 製作の手間を削減すると同時に、 の床面積は 25 万㎡(東京ドーム約 6 個分)で、キャビネッ 前述のような技術継承の負荷を大きく軽減することができ トやボックス類は日産 15000 台、盤クーラーは年間 20 るだろう。  標準化推進プログラムでは、従来の板金加工品からの置 き換えに際して、顧客環境をヒアリングし、まず始めの障 壁となる「製品の選定」や「設計手法の改善」等の提案を 第一段階としているという。  リタールの標準化推進プログラムとは、大上段に構えた メーカー製品のお仕着せではなく、確かな品質と供給力を 背景に、標準化に際してネックとなる大小さまざまな項目 を一つ一つ拾い上げ、顧客毎にきめ細かくサポートを行う という、グローバルカンパニーならではのシンプルかつ新 しいアプローチと言えるだろう。 — 5 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 寄 稿 クラウド環境を利用した盤設計の効率化を 実現する新しい電気設計 CAD システム 株式会社 ECAD ソリューションズ  ECAD ソリューションズは、制御盤・配電盤・受電盤などの設計・製造工程の効率化に貢献するデータベース型電気 設計 CAD「ECAD® DCX シリーズ」を 2013 年から販売し実績を上げている。昨今の産業界全体の人手不足や価格競争、 リードタイムの短縮要求などに対応していくためには、盤設計でもさらなる業務の標準化、効率化が求められてきてい る。そのため同社ではこのほど、盤メーカーの効率化、課題をキャッチアップした新しい CAD ソリューションの提案 を開始した。部品ライブラリをクラウドで提供することで、部品表の自動作成を可能にし、部品データを見積や生産情報、 購買情報と連携することができる。部品ライブラリの充実と、ECAD® DCX の 活用で全体最適を実現し、日本企業の国際的な競争力向上を支援する。 データベース型電気設計 CAD 「ECAD® DCX シリーズ」の特徴  データベース型電気設計 CAD「ECAD® DCX シリーズ」は、 作図完了と同時に部品表を自動生成し、設計時のミスをリア ルタイムで通知することで、図面の品質を向上し、且つ設計・ 検図工数を大幅に削減する役割を果たしている。また設計変 更が発生したときも、配置済みの部品を自動で置き換えるな 設計情報と生産情報を連動し業務を効率化 ど、設計現場で発生しやすいミスが起こりにくい機能を提供 している。  盤設計では生産管理システムや製造工程と連携して業務の 設計しやすく充実した部品ライブラリ 効率化を進めたいというニーズも高い。「ECAD ® DCXシリー ズ」は、設計段階で部品情報を活用することで、板金や 配  「ECAD® DCX シリーズ」では、2018 年 11 月よりクラ 線測長などの製造工程と連携することができる。 ウドでの部品ライブラリ提供を開始した。クラウド環境を利  部品ライブラリで提供している部品情報の中には、端子の 用することにより、高圧・低圧・制御など、その盤に必要な 位置情報、入線方向、板金の穴情報など、生産工程で必要と 最新の部品データだけ利用することできる。   なる情報を提供しており、ユーザー側では盤製造と連携する  一般に盤設計では、顧客から使用部品を指定されること ための環境を構築する工数を大幅に軽減することができる。 も多い。クラウド上には各部品メーカーの最新情報が利用 できるようになっており、図面作成中に容易に探すことが 充実した運用トレーニング体制 できる。部品価格の改定なども常に反映された設計が可能  設計技術者のスキルをアップし、設計効率を高めるために になってくる。 は、CAD システムの設計担当者にいち早く慣れてもらうこ  「ECAD® DCX シリーズ」では、現在 20 社 30 万点の最 とが重要になってくる。「ECAD® DCX シリーズ」の利用に 新部品情報が利用可能になっているが、今後利用できる部品 あたっては、設計担当者が利用できる作図ガイド集の提供も メーカー数を増やし、2020 年には 50 社 100 万点を提供 開始する。「分電盤」「配電盤」「受電盤」「制御盤」の 4 つの できるようにしていく計画。部品の利用頻度も把握できるよ 図面をサンプルとして提供し、作図ガイド集を見ればポイン うになっており、部品情報を提供する部品メーカー各社に トがわかるようにすることで、設計技術習得の工数を削減が とってもメリットが多い。 できる。  また、トレーニングコースもリニューア ルし、「開閉制御」「自動制御」「管理者」「運 各メーカーの 最新部品情報を 用」の 4 つのコースを設け、2019 年度ま クラウドから取得 では無料で受講できるキャンペーンも準備 オムロン、三菱電機など している。 部品表 自動化  実際の設計に近い内容でトレーニングを 受発注システム 連携 受講することで、いち早く実務で利用でき るようになる。また、基本操作を習得する 製造 生産管理システム 連携 手段として、e- ランニングの利用も可能とECAD部品ライブラリ 連携 なっている。 板金 配線測長 — 6 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 寄 稿 産業用角型コネクタ - 発展の歴史 - ハーティング株式会社 コネクタの定義 の密度を高めていきました。Staf ® タイプのコネクタは、現 在でもハーティングの製品にラインアップされ、低電圧の分  コネクタの安全要求事項及び試験を規定している IEC 野で幅広く使用されています(写真 1)。 61984 によれば、「コネクタは、電気を接続するため、導  ハーティングは 1950 年代にこの Han® および Staf® コ 線を端末加工し、対応する部品と接続を行う、もしくはそれ ネクタで特許を申請し、取得しています。Han® コネクタと を解除する部品」と定義されています。電気技術的実施基準 いうと、防塵防水の堅牢なメタルハウジング、容易かつ確実 では、通電状態で抜き差しすることは禁じられています。コ にロックできるロッキングレバーが特徴的ですが、細かな部 ネクタを使用すれば、装置の設置、移動の場合を除き、工具 分に高度な技術が組み込まれています。例えば、図 2 のよ なしで安全、迅速かつ簡単に接続作業を行うことができます。 うに、コンタクトの周りにくぼみを設けて狭いスペースで沿 通常、「オス」部分と「メス」部分から構成され、多くの場 面距離を確保し、高耐電圧の性能を実現しました。その目的 合「メス」側が機器の方に固定され、「オス」側がケーブル は、ピン数を変えず、より高電圧を通電するため、もしくは に接続されます。なお、中継用コネクタの場合は両側ともケー コンタクト密度を向上することです。また、接地構造やシー ブル接続されるので、基本的には固定されません。 ルドでも工夫が凝らされました。 ® Han®  Han コネクタの誕生と発展 コネクタの構造は以下の図 3 の通りです。ケーブル側と機器側のハウジング、オス・メスのインサート、オス・  ハーティングの代表的な製品である産業用角型コネクタの メスのピンの 3 種の部品から構成されます。Han® コネクタ 歴史は、半世紀以上前に遡ります。その前身となった製品 は誕生以来、数々の改良が施されていますが、この基本構造 は、ベルリンを本拠とする企業 Heinrich List が 1938 年 は変わりません。 に開発した Staf コネクタです。Staf は、(Steckverbinder  コネクタを導入すれば、端子台や直接接続に比べ設置が容 Außen Flachkontakte「平らな外部端子のコネクタ」の意) 易になり、メンテナンスしやすくなります。システムのモ の略でネジ式の端子を採用しており、その信頼性の高い耐振 ジュラー化が進む中、事前に試験して現場での組み立て時間 動コンタクトの特性から、かつて制御ボックスや自動操縦装 を短縮することが可能です。熟練した電気工事者がいなくて 置への電源供給用途などでドイツ空軍のさまざまな航空機に も、即システムを稼働させることができます。また、システ 採用されました。 ムに不具合が発生した際  Wilhelm Harting は、 こ の Heinrich List 社 に か つ て も、問題のモジュールだ 生産管理者として勤めていました。戦後、急発展を遂げる けを即、取り外し、修理・ 西ドイツの産業でコネクタの使用に大きな可能性を見出 交換することが可能です。 し、HARTING 社を設立したわずか数年後、産業用途に堅 Han® コネクタは次のよ 牢で取り扱いの容易な角型コネクタを開発しました。Han うな利点から、世界の装 (HARTING Norm –「ハーティング標準」の意)と名付け 置製造業界で一気に広ま られたこのコネクタはその後、耐環境性および電気容量を高 りました。 め、端子にはオス型と筒状のメス型のコン タクトの組み合わせを採用し、コンタクト 図2:沿面距離を取るためにコンタクト周りに 写真1:ハーティングのStaf®コネクタ スペースを形成 図3:Han®コネクタの構造 図1:産業用角型コネクタHan®の歴史 — 7 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 Han® コネクタの主な利点 : Han® 構成ツール ・狭いスペースでも接続の集約が可能 ® ・コンタクトの高密度化が進み、システムの小型化に寄与  Han コネクタはモジュラー化が進んでおり、柔軟で、ユー ・取り扱いやすいため、機械の設置・メンテナンスが容易に ザのニーズに合わせて自由にカスタマイズができるのが特 徴ですが、反面、部品の種類が多く、慣れないユーザが正  この産業用角型コネクタは後追い製品も続き、業界標準と しく構成するのは容易ではありません。この複雑な構成の して確立しました。Han® 製品ポートフォリオは何十年にも 工程をアシストするのが「Han® 構成ツール」です。最近 わたり継続的に拡充され、現在に至っています。 リリースされた最新版では機能を一新し、構成プロセスが  ハウジングはシングルロックレバー、ダブルロックレバー、 遥かに容易になっています。 ネジロックのロッキング方式、スリムな Han® A から幅広  Han® 構成ツールはハーティングの Web サイト上で展 の Han® B、標準メタルタイプからステンレス製や EMC タ 開しており、誰でもアクセスして使用することができます。 イプの過酷な環境用と進化を遂げてきました。インサートは これまでの Web 構成ツールでは、ユーザの判断で数多くの 電源用、信号用や電源と信号を組み合わせたハイブリッドタ 選択肢から正しい部品を選択する必要がありました。新構 イプと品揃えを拡充しました。 成ツールでは、システムにコンタクト数、電圧、電流値の  1990 年代には画期的な製品として、モジュール単位で信 3 項目を入力するだけで、構成の候補が画像付きで表示さ 号、電力、通信、光、圧縮空気などのメディアを 1 つのコ れます。候補をクリックしてそのまま選択するか、さらに ネクタに自由に組み合わせることができるインサート Han- 条件を絞り込むことができます。Han® 製品をよく知って Modular® が誕生しました。モジュールはヒンジフレームと いれば、ハウジング、インサート、コンタクトを直接選択 いうフレームの中に一個ずつ組み入れます。それまでの一体 することもできます。選択を進めていく過程で、システム 型のモノブロックに対し、モジュラー構造により柔軟性を向 は適合する製品を絞り込んで表示し、構成をアシストしま 上し、コネクタ数、つまり接続ポイントを削減することがで す。組み合わせができない製品は表示されないため、構成 きます。この 20 年ほどの間に Han-Modular® システムも、 の誤りを防げます。また、システムは各選択のステップで 業界の標準となり、業界に広く普及しています。現在では、 構成をリアルタイムで 3D 表示し、これをあらゆる角度か 100 以上のモジュールを取り揃え、あらゆるニーズに対応 ら確認することができます。構成後、構成済みのコネクタ しています。(図 4) の部品リストやデータシート、図面や 3D 画像をダウンロー ドすることが可能です。(図 5) 図4:Han-Modular®システムの構造  2010 年には内部ロッキング方式の Han-Yellock ® や高 性能プラスチックハウジング製の Han-Eco® などの新型製 図5: Han®構成ツール画面 品を投入しました。近年は、産業設備のスマート化に伴い、 Han-Smart® と銘打って、インテリジェンス機能を持たせ  Industry 4.0 は、ニーズの多様化により、ロット 1 つ たモジュールを出しています。イーサネットスイッチを組み でも製造の自動化が求められて生まれた概念ですが、これ 込んだモジュール、メモリ内 はコネクタなどの部品にもあてはまります。近年、用途に 蔵により ID 機能を持たせた 合わせた組み立て済みのケーブルアセンブリ、ケーブル引 ID モジュール、過電圧保護 き出し口の数や位置、コネクタの形状、コンタクト数など 回路を内蔵したサージ保護モ で標準品にはない独自仕様の製品への要求が高まっていま ジュール(写真 2)などが挙 す。Han® 構成ツールの機能を今後強化し、オプションを げられます。 写真2:サージ保護モジュール 増やしてより高度なカスタマイズに対応することも視野に    Han®SPモジュール 入れています。 — 8 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 製品紹介 電気設備と配電制御の未来創造に貢献する 三菱電機の低圧配電制御機器 三菱電機株式会社  三菱電機は 1933 年に国内初となる低圧遮断器を発売開始して以来、高低圧配電制御機器を手がけ、受配電市場、機 械市場、再生可能エネルギー市場等を中心に様々なニーズに対応した製品を開発し市場をリードしてきた。配電制御機 器の基本性能である安全性に加え、小形化・高機能化・各種国際規格対応等を兼ね備えたワイドバリエーションを誇る。 今回は、業界最小クラスの外形寸法を実現し、主に機械装置や制御盤用途として高い市場評価を得ているノーヒューズ 遮断器・漏電遮断器「WS-V シリーズ」F Style-C クラス品の特長を紹介する。  ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器「WS-V シリーズ」F  適合規格は、ノーヒューズ遮断器が標準機種で CE(TUV Style-C クラス品は、2010 年に発売し多くの支持を得て 認証)および CCC に、漏電遮断器も CE(TUV 認証)・ いる小形 F Style 品(S クラス)をベースに、遮断容量を CCC 適合品をラインアップすることで、搭載される機械 必要最低限に絞ることで価格を抑えた新製品である。 装置や制御盤のグローバル展開にも貢献する。  外形寸法は、横幅 54mm の業界最小寸法を踏襲しつつ、 新たに奥行き寸法も S クラス(汎用品)の 68mm から  市場で培った経験と配電制御機器総合メーカとしての先 52mm に 16mm 削減し、体積比で 42%(従来品比)の 進技術を結集し、更なる進化を遂げる三菱電機の低圧遮断 小形化を実現した。複数台を並べて使用すると大幅な省ス 器に今後も是非ご注目頂きたい。 ペース化に繋がり、機械装置や制御盤の小形化ニーズを満 足する。  また、開閉式(フラップ構造)の小形端子カバーを標準 装備したことで、高い施工性を確保しつつ端子部前面方向 からの保護等級 IP20 に対応しており、更なる安全性が求 められるケースに備え別売オプションで大形端子カバー (TC-L)も用意している。  IEC35mm レールにも標準対応しており、取付け・取外 しは、工具不要のワンタッチ作業で完了するなど据え付け 時の省施工化も実現している。 ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器「WS-V シリーズ」F Style-C クラス品 — 9 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 潮 流 インダストリー4.0時代の盤製造 @ハノーバー・メッセ2018  4 月にドイツで行われたハノーバー・メッセ 2018 では、EPLAN、リター ル、フエニックス・コンタクトの 3 社が合同ブースを構え、盤設計から組 み立てまでの行程をネットワークでつないで効率化した盤製造プロセスの デジタル化デモを行った。ブースは「デジタル化と標準化、ネットワーク 化によって 40% 以上の効率化ができる」としており、その様子を紹介する。 ■盤製造のデジタル化・自動化で 40% 効率化  ブースでは、ヨーロッパのオープン規格である ecl@ss、 automationML、openAAS に則り、設計から組み立て までの盤製造プロセスをデータでつなぎ、スマート化した 「プロダクション 4.0」のデモを実施。これにより盤製造を 設計データを選べば自動的に長さに応じたケーブルとダク 40% 効率化できるという。 トが切断されて出てくる。  特に盤製造プロセスでは、ケーブル加工と配線、機器へ  2 つ目が端子台自動組み付けき。いくつもの種類の端子 のラベリング・マーキング、盤への機器取り付け等の作業 台が自動販売機のように装置内に準備されていて、設計デー に大きな時間がかかっている。デジタル化はそうした工程 タを選ぶと自動で必要な端子台を取りに行き、DIN レール の効率化に効果的があるとしている。 に組み付けた状態で出てくるというもの。ピッキングと組 ■盤をデジタル設計 バーチャルエンジニアリング 付けの手間を減らせ、ミスも防止できる。  「バーチャルエンジニアリング」として、CAD を使って バーチャルで制御盤を設計する。キャビネットや盤内の主 要機器は、統一したフォーマットに則ってデジタルデータ 化されており、画面上で製品を選び、DIN レール上に並べ るだけで設計が可能。設計プロセスでは間違いややり直し で時間がかかることがあるが、バーチャル設計をすること でその手間を減らすことができるという。  また、ここで作ったデータは他の工程でも活用され、例 えば選んだ製品データは部材管理でも利用される。 ■製造工程でデータ活用 コネクテッドプロダクション  「コネクテッドプロダクション」では、設計データを製造 工程で活用する取り組みを紹介。盤はカスタム設計となる  このほか、設計データをもとに自動でレーザーマーキン ことが多く、機器の組付けや配線の実作業は複雑で自動化・ グを行う自動マーキング装置や、作業者への配線指示、VR ロボット化は難しい。どうしても人手に頼らざるを得ない を使った組付けトレーニングなども提案されていた。 が、ここでは組み付ける機器やケーブルなど部材の準備工 程の自動化に焦点を当てて効率化を提案していた。  1 つはケーブル・ダクト自動製造装置。ケーブルとダク トはまちまちの長さのものを複数準備する必要があり、そ こに大きな手間がかかる。それに対し、自動製造装置では — 10 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 寄 稿 制御盤に関するアメリカの規格規制と各国の状況 株式会社 UL Japan - 第 1 章 米国における産業機器、産業機械に対する規制の概要 - 適用される法律  州や地域からなる連邦国家として統治されている米国に は、職場の安全衛生を規定する法律として連邦職業安全衛生 法が存在します。この法律に基づき、米国労働省(United States Department of Labor)管轄下の労働安全衛生 局(Occupational Safety & Health Administration, OSHA)が、労働安全衛生規則 29 CFR part 1910 を制定 しています。米国における産業機器、産業機械に適用される 法律としては、まず大きくこの二つの法律が挙げられます。  労働安全衛生規則 29 CFR part 1910 は、各州、地域が 独自に労働安全衛生計画を策定、運用することを奨励して おり、策定される計画は、労働安全衛生規則 29 CFR part 1910 と同等、もしくはそれより厳しくなければならない 株式会社UL Japan コマーシャル&インダストリアル事業部 と定めています。独自の労働安全衛生計画を持たない州、あ (写真右から)今村 康敬、雄谷 隆一 るいは OSHA によって認可されていない州、地域において は、労働安全衛生規則 29 CFR part 1910 が適用されます。 Testing Laboratories( NRTL)による認証(リスティン また、米国へ産業機器、産業機械を出荷する際にはまず、出 グ認証、ラベリング認証など)を取得すること求めており、 荷先の州または地域が独自に制定した法律があるかを確認す AHJ はこれを確認します。 る必要があります。 ※ AHJ(Authority Having Jurisdiction): OSHA の規則を基 に、事業運営の状況を監督する機関、またそこから派遣された監 労働安全衛生規則 29 CFR part 1910 査官。電気的分野に限らず、労働安全に関係するあらゆる項目に ◎対象 : ついての監督を行う。 労働安全衛生規則 29 CFR part 1910 の対象は、米国全土 ◎構成 : の事業者です。ただし、公務員、自営業者、家族経営の農場、 労働安全衛生規則 29 CFR part 1910 は、20 のサブパー 炭鉱労働者、原子エネルギー労働者等は対象から除かれます。 ト(Subpart)から構成されます(表 1 参照)。ここでは ◎施行状況の監督 : Subpart S、「電気」の要求事項について説明します。 各州、各都市の監査官(AHJ ※)が規制の施行状況を監督 します。OSHA は設置される電気設備および特定の機械群  Subpart S、303 項は、事業所で使用される全ての電気 に対し、米国国家認証試験機関、National Recognized 製品、電線が “Acceptable” であることを要求しています。 “Acceptable” の意味は 399 項で次のように定義されてい ます。 表1 労働安表全1衛:労生働規安則全を衛構生成規す則るをS構ubp成artするSubpart 1.NRTL により安全であることが認められていること Subpart 内容 Subpart 内容 (NRTL 認証品) A 一般 B 国家規格 D 作業用歩行面 E 出口 2. 設置方法や機器が NRTL により認められていない(認 F 動力式プラットホーム等 G 職場環境 証品ではない)場合、連邦政府機関や地方自治体の機関 H 危険材料 I 保護具 (例 : AHJ)などによって試験され、米国電気工事規定 J 一般環境管理 K 医療および応急処置 (National Electrical Code、NEC)に適合しているこ L 火災防護 M 圧縮ガス、圧縮エア応用機器 とが確認されていること N 材料の取扱いおよび貯蔵 O 機械のガード 3. カスタムメイド(特定の顧客向けの特注品など)の場合、 P 手持ち式動力機器 Q 熔接・熔断、ハンダ付け メーカー独自の試験データに基づき、連邦政府機関や地 R 特殊機器 S 電気 方自治体の機関(例 : AHJ)などにより、適合が確認さ T 潜水作業 Z 有毒物質 れていること — 11 —
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図1法律、規制、安全規格の関係性制御盤・配電盤ナビ vol.5 労働安全衛生規制や計画の要求を満たすための手法のひとつとして、NECが採用されています。 また、NECへの準拠を示す手段として、安全規格が広く利用されています。 まとめ つとして、NEC が採用されています。また、NEC への準拠 を示す手段として、安全規格が広く利用されています。  労働安全衛生規則 29 CFR part 1910 は、安全に関する 要求事項への適合を確認する具体的な手法を明記しておら ず、認証機関による認証、NEC への適合、もしくは、カス タムメイドの場合の個別対応を要求しているのみです。上記 ②で言及している NEC は実質的には規制という位置づけで すが、ここにも具体的な内容は記載されておらず、安全規格 の要求事項を用いて規制に適合させるという手法がとられて います。産業機器、産業機械を法律に適合させるには、安全 規格を用いて、NEC へ適合させることが必要と言えます。  労働安全衛生規制や計画の要求を満たすための手法のひと 図1: 法律、規制、安全規格の関係性 - 第 2 章 北米向け産業用制御盤を理解する -  米国で産業用制御盤を使用する場合、米国電気工事規 制御盤全体の構造も評価の対象です。なお、産業用制御盤で 定(National Electrical Code、NEC)とも呼ばれる米国 評価されるのは電気火災や感電の危険性のみで、機器を制御 国家規格 ANSI/NFPA 70 の Article 409 および Article する能力は評価の対象ではないことに留意が必要です。 110.3( B) の要求に従って、製品を正しく選択し設置する  NEC の Article 90.7 には、「変更箇所や損傷の発見以外 必要があります。そのためには、産業用制御盤がどのように に、工場で設置された内部配線や機器の構造は、設置時に 評価され、マーキング表示が何を意味しているかを理解する AHJ の検査を受ける必要がない」と記載されていますが、 ことが大切です。今回は産業用制御盤の UL 認証を例に解説 これは機器が認定された機関で認証を受けている場合に限ら します。 れます(例 :UL リスティング認証品)。UL が認証した閉鎖 型産業用制御盤を AHJ が検査する際には、以下の 4 項目の 製品カテゴリー NITW に分類される産業用制御盤 みが確認されます。  UL 認証の製品カテゴリー NITW(Industrial Control ・機器に損傷がないか Panels)に分類される産業用制御盤は、モーターコントロー ・表示された定格はその負荷および意図された用途に十分か ラー、スイッチ、リレーなどの産業機器部品を工場で組み立 ・現場接続が正しく終端処理されているか て配線したものです。モーター、ヒーター、照明器具、ポン ・配線システムが設置現場で変更されていないか プ機器、またはこれらが組み合わされた機器などを制御する 汎用産業装置用製品がこれに該当しますが、外部接続される ◎ Open Industrial Control Panel( 開放型産業用制御盤) 負荷機器は認証の範囲に含まれません。設置場所は、NEC に規定されている一般的な場所(防爆などではない)が意図 されます。  製品カテゴリー NITW の産業用制御盤は、大きく 2 つの タイプ、「Enclosed Industrial Control Panel(閉鎖型産  開放型産業用制御盤には、内部配線、現場配線端子、およ 業用制御盤)」と「Open Industrial Control Panel(開放 びサブパネルに取り付けられた部品が含まれます。エンク 型産業用制御盤)」に分類することができます。これらはそ ロージャーは設置時に現場で提供されるため、設置時には閉 れぞれ設置に関する要求事項が異なり、米国内での設置検査 鎖型産業用制御盤とは異なる項目の検討が必要です。以下は 時に AHJ(Authority Having Jurisdiction、現地の監督 その一例です。 機関または規定執行官)による設置状況の検証が行われる必 ・製造者の設置指示書の精査とそれに対する順守の検証(特 要があります。 定用途に対する要求が記されている可能性がある) ・NEC の要求に基づき適切に設置、および使用されている ◎Enclosed Industrial Control Panel( 閉鎖型産業用制御盤) ことの検証 ・要求されているエンクロージャーに、開放型産業用制御盤 の保護に必要な機械的強度と耐久性が備わっていることの 検証  エンクロージャーを有し、全ての部品がエンクロージャー ・安全に設置するために要求されているワイヤの屈曲スペー 内に搭載され、壁やカバーで覆われているものがこれに該当 スおよび導体端末処理スペースがエンクロージャーにより します。閉鎖型産業用制御盤の認証では、定格電圧・電流・ 阻害されていないことの確認 短絡電流の各範囲内で安全に機能することが確認され、また  その他、開放型産業用制御盤を使用する、または触れる可 — 12 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 能性のある人の保護に関する項目、例えば、活電部への接触 ※「 4. 短絡電流定格」と「7. エンクロージャータイプ」に の有無、正しい接地やボンディング、アーク発火の危険など ついては、第 4 章で説明します。 からの保護についても確認されます。  産業用制御盤の安全規格である UL 508A(Standard マーキング要求 for Industrial Control Equipment)には、これらを含むマー  NEC Article 409.110 には、制御盤に次の情報を表示す キングに対する様々な要求事項が規定されています。要求さ ることが要求されています。 れるマーキングの大半は、設置現場での配線、設置後も見え る場所に表示する必要があります。一方、一部のマーキング 1. 製造者名、トレードマーク、または、製品の責任組織が は、設置現場用配線図または設置指示書に表記して、銘板上 特定できるその他の記述 にその参照を掲載することが認められています。 2. 電源電圧、相数、周波数、各入力電源回路の全負荷電流  設置現場用配線図と設置指示書は、製品と一緒に出荷する 3. 複数の電源から給電されている産業用制御盤は、機器の 必要があります。また、これらのマーキング要求に加えて、 全電源を切るには複数の遮断手段が必要であることから、 製造者が提供する部品を全て網羅した電気配線図一式を製品 制御盤内の全電源を遮断するのに複数の遮断器を切る必 出荷時に添付することも求められます。 要があるという表示 4. 次のいずれかに基づく、産業用制御盤の短絡電流定格 まとめ a 認証登録を受け認証ラベルが貼付されているアッセン ブリーの短絡電流定格  産業用制御盤の認証に関する要求事項と、それに関連する b 承認された方法を使用して確定した短絡電流定格 マーキングの用途と制限事項を理解することは、適切な産業用 5. 産業用制御盤がサービス機器として作られたものであっ 制御盤を選択し安全に設置するために必要なことです。UL リ た場合、サービス機器としての使用が適切であることの スティング認証を受けた産業用制御盤に表示される認証マーク 明示 は、その産業制御盤のみに使用されるもので、それによって 6. 電気配線図、または別の電気配線図の識別ナンバー、も 制御される機器や、その産業用制御盤が取り付けられている しくはそれを示す記号 機器は認証に含まれません。さらに、外部接続された負荷装 7. エンクロージャーの保護構造タイプ番号 置の評価も認証には含まれないことにも注意が必要です。 - 第 3 章 産業用制御盤の短絡電流定格 - マーキング要求 も表示がないものもあり、それらの SCCR はそれぞれ異な ります。制御盤としての SCCR をどのように決めれば良い  短絡電流定格は、英語名称の Short Circuit Current でしょうか。 Rating を略して通称 SCCR と呼ばれます。SCCR とは、 短絡が起きたときに回路にある機器が発火や地絡をせず、他  NEC( ANSI/NFPA 70)には以前から制御盤の SCCR の機器へも危害を及ぼさない限界の短絡電流値のことです。 の表示要求がありましたが、過電流保護機器の SCCR を制 御盤の SCCR として表示しているケースが多くみられたこ 短絡電流定格の目的 とから、NEC の 2005 年版から「承認された方法を使用し  短絡が起きると、ヒューズやブレーカーなどの過電流保護 て確定した短絡電流定格」が要求されるようになり、制御 機器が動作して遮断します。このとき非常に短い時間ですが 盤の SCCR を決める方法として UL 508A の Supplement 遮断されるまでの間に大きな電流が流れます。この電流の大 SB 項が参照されています。この決定方法は短絡試験を実施 きさは制御盤へ供給する電源の容量によって変わります。 して確認するのではなく、構成部品の SCCR と特性、回路  短絡が起きたとき回路が安全に遮断されるか、あるいは正 構成を元にして制御盤の SCCR を決定するというものです。 常に遮断されなかったり、遮断されても回路上で発火や地絡  国際規格 IEC にも、短絡電流定格の決定に用いられる規 事故が起こったりする可能性もあります。これらを防ぐため 格(例 :IEC61439-1, IEC60909-0 など)がありますが、 に制御盤は電源からの短絡電流以上の SCCR を有している UL 508A の手法は IEC 規格よりもより実用的であることか ことが求められ、これを銘板に表示する必要があります。設 ら、米国だけでなく、多くの地域、国で受け入れられています。 置する際には、制御盤に表示されている SCCR を超える電 源に制御盤を接続することはできません。 まとめ  短絡電流定格の意味と、その必要性について説明しました。 短絡電流定格の決め方 エンドユーザーは設置場所で接続される電源の推定短絡電流  制御盤は、ブレーカー、モーター・コントローラー、リレー を提示して、制御盤を調達する必要があります。また制御盤 などのような産業機器部品が、工場で組み立てられ配線され メーカーは、この情報を元に設計・製造し、表示することが たものです。個々の部品には SCCR が表示されているもの 求められます。 — 13 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 - 第 4 章 産業用制御盤のエンクロージャー - エンクロージャー (Enclosures for Electrical Equipment, Environmental Considerations) や、NEMA 250(Enclosures for  エンクロージャー」とは何を表すでしょうか。日本語では Electrical Equipment( 1 000 V Maximum))に記載さ 「筐体(箱形のケース)」と表現されることが多いようです。 れています。 電気機器は、基盤ユニットのようにむき出しのものもありま  UL 50E に記載されている、各エンクロージャータイプ すが、通常はケースに入っています。一般的にこのケースを と保護対象を表 1 にまとめます。保護対象が Type 12 と同 エンクロージャーと呼ぶ場合もありますが、ここでは、電気 じで、ノックアウト穴があるものは Type 12K として区別 機器設置後の保護のために、最終的に入れる容器としてのエ します。 ンクロージャーについて取り扱います。  また、NEMA 250 には IP コードとの変換表が掲載され エンクロージャーの主な目的は以下の 3 点です。 ています(表 2)。ただし、保護対象や試験条件が異なるた 1. エンクロージャー内の危険部からの人体の保護 め、NEMA や NEC にも注記があるように、エンクロージャー 2. 固形物の侵入に対する内部の電気機器の保護 タイプと IP コードの比較の目安としては参照可能ですが、 実際には表のとおりに変換して使用することはできません。 3. 水や油の侵入に対する内部の電気機器の保護 そのほかにも、エンクロージャータイプは性能試験だけでは エンクロージャータイプ定格 なく、材質や寸法など構造にも要求事項があるという点で、 IP コードと大きく異なります。  日本や欧州では、電気機器のエンクロージャーの防塵・防 水性能を IP コードで表すのが一般的です。IP コードとは、 表3 エンクロージャータイプとIPコードの変換表(NEMA 250) 表3 エンクロージャータイプとIPコードの変換表(NEMA 250) International Protection code(国際保護等級)の略で、 エンクロージャーの構造を各等級に分類したものです。  一方、北米では保護等級に IP コードではなく、エンク ロージャータイプ定格を使用します。米国電気工事規定 産業用制御盤のエンクロージャー (National Electrical Code, NEC)には、(防爆などでは  制御盤をエンクロージャーで保護する場合(エンクローズ ない)一般的な場所での利用において、Type 1 から Type ドタイプの制御盤)、Type 1の“金属製”のエンクロージャー 13 まで 16 種類のエンクロージャータイプが規定されてい であれば、UL 508A の要求に従って Type 1 の ” 金属製 ” ます。タイプごとに保護対象が異なるため、設置される環境 エンクロージャーを設計・製作し、自社の制御盤に使用す に合わせたエンクロージャータイプを選定します。エンク ることができます。それ以外の Type 1~13 のエンクロー ロージャータイプの数字は性能を表すものではありません。 ジャーが求められる場合は、認証されたエンクロージャーを (数字が大きければ性能が良いというわけではありません。) 使用する必要があります。「Type X” 相当 ”」、「Type X” 準 a) 屋内用エンクロージャー :Type 1、2、5、12、12K、13 拠 ”」、「NEMA Type X」という説明だけでは、認証品とは b) 屋内または屋外用エンクロージャー :Type 3、3X、3R、 認められませんので、注意が必要です。 3RX、3S、3SX、4、4X、6、6P  これらのタイプは、NEC(ANSI/NFPA 70)、UL 50E まとめ  制御盤は、最終的に設置される環境に適したエンクロー 表2 法律、規表制2、:法安律全、規規制格、の安関全係規性格の関係性 ジャータイプ定格を有したエンクロージャーに入れられて設 置される必要があります。エンクロージャータイプはIPコー ドでは代替できないこと、また、Type 1 の金属製エンクロー ジャー以外は、認証品を使用しなければならないことに留意 する必要があります。 — 14 —
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制御盤・配電盤ナビ vol.5 盤ニュース 2017-18年 盤業界・製品ニュース ボックス・ラック、端子台、スイッチ、盤用クーラー、SPD・避雷器ほか 2017 年 な入出線融着接続仕様になっている。融着接続部と余長収納 部を立体的に配置し、キャビネットを小型化。設置面積の省 IDEC、グローバル規格対応の防爆コントロールボックス スペース化を実現している。  IDEC は、国内メーカーで唯一となるグローバル主要防爆 規格対応の防爆コントロールボックス「EC2B 形」を発売し NKK スイッチズ、マルチカラー照光スイッチ た。主要防爆規格 IECEx、ATEX、UL/c-UL、TIIS を認証取  NKK スイッチズは、超高輝度 RGB の LED を採用した照 得、爆発性ガス・蒸気雰 光式押しボタンスイッチ「KP01」と「KP02 シリーズ」を 囲 気(Zone1、Zone2) 発売。参考価格は 654 円。放送音響機器や医療機器をはじめ と 爆 発 性 粉 じ ん 雰 囲 気 とした産業機器への搭載を目指す。赤 / 緑 / 青の 3 原色を自 (Zone21、Zone22) に 由に調色して一つのスイッチで色を自由に変化できる。 対応する認証取得により、 幅広い環境で使用できる。 IDEC、小型でも強いロックのソレノイド付安全スイッチ  IDEC は HS5L 形ソレノイド付安全スイッチ(2 接点タイ サンミューロン、 プ)を発売した。標準価格は 9950 円。従来製品よりも約 DC110V 入力対応照光式押しボタンスイッチ 13% のコンパクト化しつつ、ロック強度は 1400N を保持。  サンミューロンは DC110V ダイレクト入力に対応した照 スプリングクランプ式端子台の採用により耐振動性に優れて 光式押しボタンスイッチ「SP 形ライトスイッチ」を発売した。 いるため配線後の緩みがなく、増し締め不要のメンテナンス 標準価格は 2400~3000 円。DC110V ユニットで入力電圧 フリー。 DC88 Ⅴ ~DC143V の照光を実現。使用周囲温度もマイナ ス 20℃ ~ プラス 60℃と従来品比約 10% 拡大。機械的寿命 フエニックス・コンタクト、 も 500 万回、電気的寿命 10 万回に対応。 世界最薄 3.5 ミリ実現のサージ保護機器  フエニックス・コンタクトは、超薄型計測制御回路用サー NKK スイッチズ タッチパネル 6 機種を追加 ジ保護機器(SPD)「TERMITRAB complete シリーズ」を  NKK スイッチズは、タッチパネル FT シリーズアナログ 発売した。幅寸法が世界最薄サイズ タイプ 4 線式に、ワイドサイズと大型サイズ、既存サイズの の 3.5 ミリと 6.2 ミリの 2 種類。増 LCD の狭額縁対応品など 6 種を追加した。価格は 3990~1 設せず信号線数の増加や小型化に対 万 3040 円。新たに発売したサイズは、10.6 型(ワイド)、 応し、接続方式はねじ式、制御系で 12.1 型、12.1 型(ワイド)、15 型、15.6 型(ワイド)、19 型。 主流になりつつあるプッシュイン式 画面の視認性に優れ、小ロット、カスタムに対応。 のいずれにも対応している。 日東工業 無線機器収納用 FRP 樹脂製ボックス WashiON 共立継器、  日東工業は、塩害地域や山間部の監視システム・計測装置 配線時間短縮と誤配線防止の盤間端子台 など、屋外で使用される電子機器、通信機器の保護を対象と  WashiON 共立継器は、盤間端子台の新製品「BKT-20 形」 した、強度、耐久・耐熱性が優れた FRP 樹脂製ボックス「FBA を発売した。盤間端子台は電線を接続したまま、端子台の 1 シリーズ」を発売した。引張強度は、同社 ABS 樹脂製品の 次側、2 次側を分離でき、盤間の配線作業時間を短縮でき、 約 2 倍で、塗装仕様により耐候性も向上、樹脂製でさびない 誤配線も防ぐ。これを使うことで、制御線を離線せずワンタッ ため、塩害地域で使用できる。 チで取り外し、現地でワンタッチで接続がで可能。検査や盤 リプレースする際も有効だ。 オムロン、 制御盤共通コンセプト第 3 弾となる端子台など発売 河村電器、住宅内情報機器すべて収納できる配線システム盤  オムロンは、制御盤の共通の設計コンセプトに基づいた制  河村電器産業は、住宅内の情報機器をすべて収納できる 御機器の第 3 弾として、端子台や I/O リレーターミナル、漏 「情報配線システム盤」を発売した。樹脂製キャビネットで 液検出器、スイッチング・パワーサプライなど 4 カテゴリー 無線電波を遮ることがなく、機器の設置・メンテナンスが簡 36 型式を世界一斉に発売し 単。外形寸法は縦 400 ×横 670 ×奥行き 190mm。電話端 た。プッシュイン Plas 端 子、TV 分配器、ブースター、光成端箱、HUB、ルーター、 子台を採用した形 XW5T シ HEMS 機器などを収納できる。 リーズ端子台や渡り配線が 可能な形 G70V シリーズ I/ 日東工業 コンプレッサクーラ ノンフロンタイプ追加 O リレーターミナルなど。  日東工業は、ノンフロンタイプのコンプレッサクーラ「レ フクール PCN シリーズ」を発売した。フロン、代替フロン 日東工業、省スペース壁掛け型光接続箱 「HFC-134a」を使用せず、地球温暖化係数(GWP 値)の低  日東工業は、入出線融着接続仕様の壁掛け型光接続箱 い新冷媒「HFO-1234yf」を採用。フロン排出抑制法対象外 「SPJ-S-WS シリーズ」を発売した。光接続箱の壁掛け型 のため、廃棄時のフロン回収や使用時の簡易点検が不要。側 「SPJ-S」の組替仕様で、入線側と出線側で融着接続が可能 面取り付け型と天井取り付け型がある。 — 15 —