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“3D正(3D図面)”の開発手法に対応した データ品質・保証についての考え方
掲載内容
◆ものづくりにおける「3D正」の普及と製品開発デジタル情報の流通と活用
◆データの精度と保証
◆ツールを使用した合理的なプロセス運用のすすめ
◆おわりに
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
ドキュメント名 | DX推進における新たな製品開発デジタル情報の 流通・保証プロセスの実現 |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 218.3Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社アルゴグラフィックス (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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アルゴグラフィックス ホワイトペーパー
DX推進における新たな製品開発デジタル情報の
流通・保証プロセスの実現
“3D正(3D図面)”の開発手法に対応した
データ品質・保証についての考え方
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DX推進における新たな製品開発デジタル情報の
流通・保証プロセスの実現
DX推進における新たな製品開発デジタル情報の
流通・保証プロセスの実現
コロナ、脱炭素化、サステナブルな社会の実現等、従来とは違った新たな世界・環境への適応・対応を求められ
る中、DXという言葉がキーワードとして取りざたされています。
DXの本質として、デジタルデータの活用があると考えます。さまざまなデータを一元的に統合管理し、得られた
情報を経営、ビジネス、業務に活用する、という姿が1つのDXと言えます。
こうしたDX環境を実現する際に、「製品開発デジタル情報、3D CADデータの品質」が重要であると考えます。
ものづくりにおける「3D正」の普及と製品開発デジタル情報の流通と活用
近年多くのお客様にて「3D図面」、「3D正」といった、製品開発におけるデジタル情報・3D CADデータの更なる
活用検討が進められております。
3Dデータの中にノミナルの寸法だけではなく、幾何公差等のPMI情報や検査寸法の情報を付加し、製造工程、
検査工程等の各プロセスでの3Dデータの利活用により、業務効率化、品質向上を目指した活動になります。
日本自動車工業会(JAMA)においても3D図面の標準化について検討が進められており、2020年7月に
「JAMA組立3DAモデルCAD/PDM機能ガイドライン」も公開されております。※1
標準化された3D図面では、部品・製品として必要な属性情報(部品・加工・組立・検査 等の属性)が3D形状と
共に正しく保持されることが必要で、モノづくりに必要な情報がデジタル化され、社内でのチェックプロセス
を経て、正しく次工程、取引先に流通していきます。
例えば、
● 設計者が各々ばらばらの手順、基準で作成した3Dデータを、他の人が見てすぐに理解し、取引先や後工程で
問題なく利活用ができるでしょうか?
● 設計で作成された3DCADデータをCAE、CAM等他システムで使用する際に、データの確認・修正・補正など、
データの使用までに余計な工数が発生したことはありませんでしょうか?
● 取引先にデータを提出する際に、3Dデータも従来の2Dの検図と同様のチェックプロセスを経て提示となりま
すが、もしこの時にチェックが漏れ、設計者が意図していない間違ったデータが提出・流通され、部品・製品開発
が行われたとしたらどうなるでしょうか?
こうした課題を改善していくために、製品開発デジタル情報への「精度」と「保証」についての対応が必要であ
ると考えます。
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DX推進における新たな製品開発デジタル情報の
流通・保証プロセスの実現
データの精度と保証
設計で作成されたデータが、社内・社外のあらゆる工程、プロセス、部署で使用・使いまわされる環境を実現する
ために、情報を一元的に管理する仕組み(プラットフォーム)が必要となります。しかし、その仕組みを構築する
だけでは、十分機能することは難しいと考えます。プロセスの中で流通する血液とも言うべき「データ」について
も注視が必要です。
自動車業界において、製品構成・機能の複雑化やこれまでにない新たな製品・機能についての検討検証により、
製品開発において扱う情報量が増大化、複雑化する傾向があります。
そうした中、データの中に必要な情報を、正確にインプットするデータ作成に関する基準が必要であり、個別及び
最終的にそれが正しく行われているかどうかを保証するためのチェックプロセスが必要と考えます。
ネーミングルール、登録情報の内容・登録保管管理規定等、データの活用・使用先に合わせて、データ作成時の
ルールをより明確にし、社内及び会社間、業界間で統一化・標準化を併せて進める必要があります。また、データ
の変化点管理について、デジタル化されたデータのチェックは従来の目視による手法では限界があり、システムも
しくはツールを有効に活用し、抜け漏れなく対処、管理していく必要があると考えます。
これらを実施しないと、今後使用・流用しづらいデータがどんどん保存され、使えないデータ(不要なデータ)の蓄
積と、結果としてシステム、プロセスがスムーズに立上げ、運用できないということにつながっていきます。
製品開発において大元となる製品開発デジタル情報の出し手側としての保証責任は非常に大きく、このデータ
の作成、チェックは必要かつ重要なプロセスの1つとしてとらえていかなければなりません。
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DX推進における新たな製品開発デジタル情報の
流通・保証プロセスの実現
ツールを使用した合理的なプロセス運用のすすめ
基準・ルール作成の次に、その基準(品質)を維持する仕組み・プロセスを考えなければなりません。データ作
成、情報入力は基本的には人手で行われますが、それを機械的にチェックするプロセスが重要となってきます。新
たなシステム・プロセスを円滑かつ継続的に運用していくためには必要です。
CATIAデータ基準チェックにつきましては、ヨーロッパの自動車業界にて長く使用されてきておりますQ-Checker
というツールがあります。
ヨーロッパではOEMが製品開発デジタル情報に関する作成基準を公開し、サプライヤーはそれに基づきデータ作成
を行い、OEMに提出前に基準に対する適合確認・保証をQ-Checkerを使用して行い、チェック結果と共にデータ授受
を行っております。Q-Checkerを使用することで、データを使用・活用する部門・プロセスでのデータ使用前の確認等無駄
な作業の削減と、設計を含めた社内でのデータの流用性・活用性の向上を実現しています。これはOEMだけのメリット
ではなく、サプライヤー側としても効果が認められるという声が多くあり、ドイツを中心とした欧州自動車業界で20年
以上継続されている「業界ルール」となっています。また、チェックプロセスをツールによる機械的な方法で行うことに
より、設計者の負荷軽減、業務の効率化につながっていきます。
これだけが要因とは限りませんが、ヨーロッパの自動車開発・設計・製造における効率化、機械化、無人化・自動化等
が実現されている要因の1つ(製品開発デジタルデータの本質的な利活用の実現)ではないかと思います。(図1)
図1 Q-Checkerの3DEXPERIENCEにおけるチェック画面
色で品質状態を表示
リリース時などに自動チェック
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DX推進における新たな製品開発デジタル情報の
流通・保証プロセスの実現
設計を含めたさまざまな部署で製品開発デジタル情報を使用・活用した検討・検証が同時並行で進んでいくの
が3D正の目指すプロセスの1つになります。
その中で、データは情報の修正、追加、削除など、日々刻々と変化していきます。データはデータ管理システムにて
一括集中管理されますが、その中での変化点の管理を行っていくことは、最終的なデータ成果物を作成し、社内・社
外に製品開発デジタルデータとして発出・保証していく中で、必須のプロセスと考えます。
従来のような人手によるチェックは、効率面、正確性の観点からも非現実的な手法です。そこで適用されるのが、
xCompareになります。
このツールは2つのCATIA 3Dデータ上の寸法、FTA等情報や形状といった要素を比較・確認・記録を残すことが
できます。インタラクティブの操作だけでなく、バッチでの処理も可能なことにより、データ管理システムとの連動
(例:DBに登録される前にバックエンドにて自動で処理され、変化点の情報を含めDB登録されるプロセス)も可
能となります。変化点の内容を3DHTML形式のレポートとして出力、記録として保存及び、CATIAライセンスのない
部署の方も容易に確認が可能です。従来の変化点・差異箇所のレポートを作成する工数も大幅に削減可能です。
ヨーロッパのCATIAユーザーでは、CATPART、CATPRODUCT、ワイヤーハーネス製品など、さまざまな部品、
製品データの変化点管理のチェックに使用されています。最終的な判断は人によりますが、判断する材料を機械
的に早く、正確に出力することにより、作業者の負荷軽減、生産性向上を実現します。(図2)
図2 xCompare によるCATIA V5 3Dデータチェック結果参照例
項目毎にCATIA上で
チェック結果一覧
変化点を確認
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DX推進における新たな製品開発デジタル情報の
流通・保証プロセスの実現
おわりに
アルゴグラフィックスはPLM、システムインフラ環境、測定関連等製造業のお客様の各部署、業務プロセスで使
用する製品・ソリューションのご提供及びそれらをつなぐプラットフォームのご提案・ご提供に止まることなく、
お客様のご要望されるDX環境実現に向けて、さまざまな事例・経験を踏まえたソリューション、手法等をお客様
にご紹介、ご提案してまいります。
その中の1つが今回ご紹介した「DX推進における新たな製品開発デジタル情報の流通・保証プロセスの実現」
になります。
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株式会社アルゴグラフィックス
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メールアドレス|marketing@argo-graph.co.jp
ホームページ|www.argo-graph.co.jp
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引用情報等
※ JAMAホームページ「3D図面の標準化に関わる活動」
https://www.jama.or.jp/cgi-bin/it/download_01.cgi