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シリンダーの速度制御と空気圧安全システム関係 --- 作業者は状況を確認して、事態を改善する必要があります。
一般的に受け入れられている機械安全システム設計の最良事例には、関連するタスク、予見可能な誤使用及び部品/コンポーネントの故障などを考慮してリスクアセスメントを完了することが必ず含まれています。安全システムは、部品/コンポーネントの損傷や早期の摩耗を引き起こすようなものであってはなりません。しかし、この損傷は、「機械サイクルのあらゆる場面で起こる可能性のある停止コマンド」、または「各部品/コンポーネントの急激な動きを引き起こす空気圧エネルギーの再供給」により引き起こされる可能性があります。早期摩耗は、故障とメンテナンス関連の作業頻度を増やし、結果作業者が機械に近づく頻度を増加させます。
以前の空気圧安全は、機械の動きを止めて制御するいくつかの主要な部品/コンポーネントで構成されていました。そのため、シリンダーを固定するためにクローズドセンターバルブを使用することは非常に一般的でした。このバルブは、シリンダーの両側に圧力を閉じ込め、一般的に望ましい効果をもたらします。しかし、、、
このカタログについて
ドキュメント名 | シリンダーの速度制御と空気圧安全システム関係_RPA004 |
---|---|
ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | ロス・アジア株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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シリンダーの速度制御と空気圧安全システム関係
By Eric Cummings and Steve Boyette
ROSS Controls® Troy, Mich.
自動化システムの進歩により製造業者の生産性は大幅に向上しました。各製品の仕様把握および検査や機械の部
品の位置検出を利用した機械制御により、機器の高速化と品質の向上が可能になりました。同時に安全性も向上
され、作業者が機械を操作する必要が大幅に減少しました。しかし、自動化された機械は、自律的ではありませ
ん。材料の挟み込みや部品/コンポーネントの故障であっても、作業者は状況を確認して、事態を改善する必要が
あります。このため、作業者と保守担当者は、物詰まりの除去やその他日常的な生産関連の問題解決などの作業
のために、機械の潜在的に危険な領域に近づく必要があります。これらの生産関連の問題解決は、もちろん安全
な方法で行わなければなりません。安全制御システムの進歩により、これが可能になっています。
一般的に受け入れられている機械安全システム設計の最良事例には、関連するタスク、予見可能な誤使用及び部
品/コンポーネントの故障などを考慮してリスクアセスメントを完了することが必ず含まれています。安全システ
ムは、部品/コンポーネントの損傷や早期の摩耗を引き起こすようなものであってはなりません。しかし、この損
傷は、「機械サイクルのあらゆる場面で起こる可能性のある停止コマンド」、または「各部品/コンポーネントの
急激な動きを引き起こす空気圧エネルギーの再供給」により引き起こされる可能性があります。早期摩耗は、故
障とメンテナンス関連の作業頻度を増やし、結果作業者が機械に近づく頻度を増加させます。
以前の空気圧安全は、機械の動きを止めて制御するいくつかの主要な部品/コンポーネントで構成されていまし
た。そのため、シリンダーを固定するためにクローズドセンターバルブを使用することは非常に一般的でした。こ
のバルブは、シリンダーの両側に圧力を閉じ込め、一般的に望ましい効果をもたらします。しかし、このアプロー
チは3つの重要な問題を無視しています。その3つとは、①低速または固着したバルブ、②スプリング機能に依存
する弁体のセンター位置のテスト、及び③スプールバルブを使用した際の漏れの影響です。これら3つの問題全て
が、シリンダーの危険な動きを引き起こす可能性があります。
バルブの応答が遅いため、シリンダーの動きが予想より長く続く可能性があります。通常の操作では、5/3クロー
ズドセンターバルブは、安全イベント時を除いて、センター位置を使用せずに片側から反対側にシフトする場合
があり、中心位置を試されていない場合、バルブは通常の操作と同様に、単純にシフトする可能性があります。
クローズドセンターバルブは、シリンダー両側の圧力を封じ込めますが、片側の漏れが大きいとシリンダが動き
出し、もしシリンダーが垂直可動の場合、クローズドセンターバルブはシリンダーの上側の圧力を維持している
ところ、加圧してしまい、潜在的に危険な状態を作ってしまいます。
バルブの動きが遅いと、中心位置に到達するまで
に時間がかかるため、機械が停止するまでの時間
が長くなります。また、中心位置が安全停止にの
み使用される場合で、両方のソレノイドがOFFの時
漏れ に、バルブが実際に中心位置に移動することを定
期的に確認されていない場合が多いですが、この
場合、バルブ内のスプリングが壊れていたらどう
なりますか︖
また、シリンダーラインまたはシリンダーピスト
ンシールのいずれかに漏れがあると、シリンダー
鈍い動きのバルブ 内に不均衡な圧力状態が発生し、予期しない動き
(ニスを塗ったスプールまたは \ヽ中央位置テストをスキップ
(壊れたスプリング) が起こる可能性もあります。膨らんだシール部)
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このことが原因で、5/3オープンセンターバルブまたは5/2スプリングリターンバルブと組み合わせて電気制御式空気圧排気バルブが使用されるようになりました。排気バルブは、通常システムの下流側から空気圧を除去する
ために使用される3/2ノーマルクローズバルブです。これらの排気バルブは、現在でも安全システムの一部とし
て使用されるているため、他の安全関連システムと同じ安全カテゴリ要求(またはパフォーマンスレベル)を満
たす必要があります。この排気バルブと方向制御バルブの構成により、システムから全ての空気圧エネルギーが
除去されるため、バルブが故障しても、空気圧エネルギーによって機械が動作し続けることはありません。
より早い応答性と即時の停止が必要になる速度や負荷の場合は、必要に応じてパイロット操作の逆止弁を使用し
ます。この使用方法により、空気圧の供給が両方のシリンダーラインから取り除かれ、パイロット操作チェック
バルブがシリンダー内に圧力を閉じ込めることによって、シリンダーを所定の位置に保持します。水平方向に設
置されたシリンダーは、その両側に圧力を閉じ込めますが、重力が要因となる垂直に設置されたシリンダーは、
通常シリンダーの下側にのみ圧力を封じ込めるだけで問題ありません。
この3/2高制御信頼性排気バルブ、5/2スプリングリターンもしくは5/3オープンセンターシリンダーバルブ、及
びパイロット操作チェックバルブは、自動化装置で使用される最も効果的な安全回路です。最終的な目標は、シ
リンダーが完全に押し出されているか、完全に引き込まれているか、または中間位置にあるのかに関係なく、サ
イクルのどの時点でも停止できるように、より機械を安全化することです。
機械を停止する主な理由は2つあります。1つ目 I 手動排気弁 BASIC PNEUMATIC SAFETY CIRCUIT ELEMENTS は、生産に関連する停止で、もう一つは保守時の オープンセンタバルブ高制御信頼性
停止です。生産関連の問題は、リスクアセスメン 排気バルブ
トを実施して、必要なタスクを遂行するために安
全な状態にあり、それをが維持されるようにする
必要があります。 保守時の問題は、ロックアウ I 昌いご
トが必要で、機械が動かないようにメカニカルブ
ロックの手順を必ず踏まなければならなく、安全 V IT'7 YJ
停止に影響を及ぼす理由で、選択的に封じ込めた
圧力を開放しなければならないことです。 内部モニタ
監視可能POチェック
作業完了後の次のステップは、機械を安全に再起動させることです。空気圧の再供給により、機械の予期せぬ動
きを引き起こしたり、機械の損傷を回避したりしなければなりません。昔は、「疑わしいときは、メーターアウ
トで制御しなさい。」と言われていました。流量制御をしてシリンダーから排出される空気の流れを減らすこと
により、反対側からどれほど早く空気圧が加えられても、シリンダーの速度を制御できるからです。これは特
に、摩擦、流量、体積及び負荷の組み合わせによって引き起こされるメーターインスリップスティックの問題を
防ぐために有効です。このメーターアウトの仮定は、一次側空気圧供給とリシンダーの全て、または一部から空
気圧を除去する安全システムでは必要ありません。この安全システムでは、空気圧を再供給した時、またはバル
ブとシリンダーの最初のサイクル中に、シリンダーの暴走につながるメータアウト制御が必要な圧縮空気が、シ
リンダー内に残っていません。
この問題の別の解決策は、シリンダーをメーターイン制御することです。流量制御弁
(スピコン)を使用してシリンダーへの空気圧の流れを制御することにより、シリ
ンダーの動きを制御することが出来ます。この方法は、摩耗、流量、体積及び負荷
がスリップスティック問題を引き起こす場合を除いて、ほとんどのアプリケーショ
ンに有効です。また、垂直荷重がシリンダーシールの静摩擦に打ち勝つのに十分で
ある場合、上側のメーターイン制御機器は、重力だけでシリンダーが落下してしま
うため、シリンダーの下側に空気圧が残っており、メーターアウト制御機器が使用
されている場合を除いて、望ましい速度制限効果が得られない場合があります。
メーターイン制御の代替手段は、安全イベント又は通常のシャットダウンの後で、
最初に空気圧が供給された時に、システム全体をメーター制御する方法です。これ
は、『ソフトスタート』と呼ばれ、調整可能なプリセットポイントに達するまで空
気圧がゆっくりと上昇してから、全ライン圧が下流側全ての 2/2 EEZ-ON"' バルブ
ROBS CONTROLS"
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コンポーネントに供給されます。この利点は、下流側のコンポーネントがゆっくりと所定の位置に移動するた
め、全ての箇所に、個々の流量制御コンポーネントが必要無くなるかもしれないことです。システム全体をソフ
トスタートする機器、又は使用箇所でのみソフトスタートする機器があります。アクチュエーターのメーターア
ウト制御と組み合わせたソフトスタート機器は、一見すると理想的なソリューションのようであり、場合によっ
ては確かにその通りになります。
システム全体のソフトスタートには、問題がある可
PROBLEMS WITH SYSTEM-WIDE SOFT START 能性があります。ソレノイドパイロットバルブが下
流にある左の回路例では、バルブは少なくとも最低
システム全体ソフトスタートバルブ 作動圧力に達するまでスイッチをOFFにしておく必要
があります。さもなければ、バルブが適切に切り替
わらない場合があります。これはまた、シリンダー
が緩やかに始動するのではなく、バルブがONに切り
替えられると即座に全圧を受けることになります。
さらに、ベンチュリタイプの真空発生器などのアイ
テムが設置されている場合、それらはシステム内の
漏出機器のように機能してしまい、ソフトバルブが
全開流量に切り替えるのを邪魔します。また、安全
排気バルブからサクションカップとクランプシリン
ダーを供給すると、安全停止または緊急停止が開始
された時に、材料を落としてしまう可能性があると
いう追加の危険性が生じる可能性があります。この
問題は、使用箇所でソフトスタートを使用して、真
システム全体ソフトスタート 空発生器とクランプシリンダーへの供給を安全排気
の問題 バルブの上流に移動させることで解決できます。
ソフトスタート機器の全体的な効果は、アクチュエータバルブ、停止時のシリンダーの位置、及び流量調整機器や
パイロット操作チェックバルブなどの補助デバイスに完全に依存しています。最初に考慮することは、安全システ
ムの通常動作中にどの場所で空気圧が排気され又は封じ込められているかを見つけ出すことです。次に考慮するこ
とは、リスクアセスメントにより要求されるように、コンポーネントの誤動作中に空気圧が除去または閉じ込めら
てしまう場所を見つけ出すことです。
空気圧エネルギーが再供給されると(ダイレクトソレノイドバルブを使用して、電気信号が再供給されていないと
仮定した場合)、5/2スプリングリターンバルブによって制御される全てのアクチュエータは、非作動位置にゆっ
くりと移動し、またバルブが最初に通電された時に、適切な速度で移動します。機械は、規則正しく安全な方法で
通常の静止状態に戻ります。もしスプリングリターンバルブが正常に機能しなかった場合、空気圧が再供給される
とシリンダーが誤った方向に動く可能性がありますが、その速度は低下します。
しかし、多くの連続プロセス機械にとって、休止状態に戻る選択肢はありません。シ
リンダーはその位置で停止し、空気圧エネルギーが再供給された時に、そこに留まる
必要があります。これらのアプリケーションでは、パイロット操作チェック付の5/3
オープンセンターバルブが日常的に使用されており、システム全体のソフトスタート
には全く影響がありません。これは、静止状態で、下流への流れが妨げられているバ
ルブへの圧力が必ずゆっくりと上昇するからです。このことにより、使用箇所でソフ
トスタートデバイス又はメーターイン流量制御が使用されていない限り、バルブが最
初に動作した時に、アクチューエーターバルブへの空気圧供給が最大の圧力となり
(シリンダーの少なくとも片側に圧力が無い間)、これが機械の急激な初動を引き起
こします。� 直角ソフトスタート
メーターイン流量制御と使用箇所でのソフトスタート使用の主な違いは、事前設定された立ち上げ時の圧力に達し
た後、ソフトスタートの場合は全開流量が可能になることです。また、メーターイン時の問題も忘れてはなりませ
ん。スリップスティックシリンダー動作は機械プロセスに大混乱をもたらします。ただし、使用箇所でソフトス
タート機器をメーターアウト流量制御機器と使用する際、空気圧エネルギーの再供給とシリンダーの速度が制御さ
れ、シリンダーの通常のスムーズなサイクルを妨げることはありません。シリンダーは、機械操作のあらゆる面で
制御されます。
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ROSS
璽遍
Consider It DONE!
システム全体のソフトスタートを使用しない場合のもう一つのポイントは、これらのデバイスは、特定の圧力に達
するまで空気圧をゆっくり下流にバイパスして、その後完全に開いて全圧力をバルブへと流す設計がされている点
です。このバイパスの流れは通常制限されており、調整可能ですが制限の範囲を超えている場合があり、残念なが
ら空気圧システムは、ほとんどの場合が漏れに悩まされています。弁が完全に開く前に圧力が高まっていくことに
依存するこのようなシステムでは、ソフトスタートバルブの下流の漏れがバイパスフローの能力と同等もしくはそ
れ以上場合、ソフトスタートバルブが完全に開かないという弱点があります。エアーブローや真空発生器などの一
部の機械プロセスでも、常に圧縮空気を消費します。このエアー消費は、実質的にはソフトスタートシステム
の”漏れ”と見なされます。このようなシステムでは、ソフトスタートが完全に開いて全開流量が流れた後か、もし
くは使用箇所機器を使用するまで、システムの漏れ領域を分離させるために、より複雑な回路を取り入れることが
絶対に必要です。
高制御信頼性排気バルブと使用箇所ソフトスタート例
機械回路全体の上流にソフトスタート機器を設
置することが推奨されることが多いですが、多 POINT OF USE SOFT START WITH CONTROL RELIABLE SAFETY EXHAUST
くの場合は、これは最善の解決策ではありませ Manual Energy Isolation Valve 使用箇所ソフトスタート
ん。一方、使用箇所にソフトスタートを流量制
御機器と組み合わせて使用すると、必要に応じ
てエネルギーの初期のエネルギー再供給が制限
され、安全イベント中に位置を維持して、空気
圧が再供給されたら継続動作を始めなければな
らない機械のスピード制御に対して最も一貫し
たソリューションが提供されます。これは、特
に高制御信頼性空気圧排気バルブと5/3オープ
ンセンター方向制御バルブを使用してシリン メータアウト
ダー動作を制御する安全システムに当てはまり 流量制御
ます。
Eric Cummings is a Global Safety Industry Manager and Steve Boyette is a Global Safety Industry Specialist at ROSS
Controls, a Troy, Michigan-based international manufacturer of pneumatic valves, control systems and safety-related
products for the fluid power industry.
追加のリソ ー ス ︓
安全製品に関する詳細情報については、以下にお問い合わせ下さい。
ロスアジア株式会社 マーケティング部
TEL:042 - 778 - 7251
Email: mktg.ra@rosscontrols.com
ROSSは60年以上にもわたり、安全アプリケーション用の冗長監視バルブを製造してきました。
DM2®シリーズは、ROSSの最新の高制御信頼性バルブシリーズであり、カテゴリ3及び4のアプリケーション
に対して第三者機関の認証を受けています。ROSS SVシリーズは、カテゴリ2及び3アプリケーションの第三者
機関認証を受けています。ROSSの全ての安全関連製品は、機械の安全保護とエネルギー絶縁に関するグローバル
な安全要件を満たしているか、それを上回っています。ROSSのグローバル安全チームは、システムと製品の選択
を支援し、お客様が世界レベルで安全の標準化を行うソリューションを提供いたします。
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