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ゼラチンフィルターによる空中浮遊ヒト病原性ウイ ルスのサンプリングとPCRによる検出

ホワイトペーパー

感染源と感染経路、またその要因が疾患の拡大にどう寄与するかを理解することで、効果的な予防と規制措置の導入を促すことができます

現在のパンデミックは、経時的および空間的なヒト病原性ウイルスの感染と伝染について洞察することの重要性を証明しています。

飛沫の吸入に加え、感染者との濃厚接触または汚染した面との接触、ウイルスのエアロゾル感染などを考慮する必要があります。このアプリケーション資料では、下記の項目について解説します。

■空中のウイルスサンプリング用
ゼラチンフィルター
■PCRによるウイルス検出のためのゼラチンフィルターの処理
■ゼラチンフィルターを用いた標準的なエアサンプリング手順と、PCRによる空中浮遊ウイルス検出のためのサンプル調製
■空中浮遊ヒト病原性ウイルス検出の応用分野
■ウイルスサンプリングおよびPCR検出に用いるゼラチンフィルターの主な特長

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このカタログについて

ドキュメント名 ゼラチンフィルターによる空中浮遊ヒト病原性ウイ ルスのサンプリングとPCRによる検出
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 1.1Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 ザルトリウス・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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ゼラチンフィルターによる空中浮遊ヒト病原性ウイルスのサンプリングとPCRによる検出、1.はじめに

Application Note 2020年 4月 キーワードまたはフレーズ: ゼラチンフィルター、MD8エアポート、MD8エアスキャン、 ウイルスサンプリング、エアモニタリング、収集効率、ヒト 病原性ウイルスの検出、水溶性、少量サンプル、サンプ ル調製、RNA抽出、RT qPCR ゼラチンフィルターによる空中浮遊ヒト病原性ウイ ルスのサンプリングとPCRによる検出 Claudia Scherwing1、Dr. Diana Patzelt1 1.Product Development Lab Essentials Application, Sartorius Stedim Biotech, Göttingen, Germany * 連絡先 電子メール:claudia.scherwing@sartorius-stedim.com 1.はじめに 感染症の発生は世界的に重要な公衆衛生問題です。世界経済および医療システムに広範囲の課題と脅威をもたらします。 ウイルス感染は治療法がない場合特に脅威となるため、感染源と感染経路、またこのような要因が疾患の拡大にどう寄与する かを理解することで、効果的な予防と規制措置の導入を促すことができます。 現在、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、経時的および空間的なヒト病原性ウイルスの感染と伝染について洞察する ことの重要性を証明しています。 飛沫の吸入に加え、感染者との濃厚接触または汚染した面との接触、ウイルスのエアロゾル感染などを考慮する必要がありま す 1, 4, 5, 8, 9-11。 詳細: www.sartorius.com
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現在、ウイルスを含有するエアロゾルのサンプリングが困難で さらに、ノロウイルスの局所的パンデミックが発生したクルー あることと、低濃度では定量化が困難であることから、エア ズ船で行った隔離措置や清掃、浄化処置などの有効性に注 ロゾルを含む空中浮遊 SARS-CoV-2の特徴、その濃度パター 意する必要があります 8。 ン、空気感染時の挙動に関する情報はほとんどありません。 このようにウイルスへの理解が不足しているため、新型コロ Van Doremalen(2020)は、病原性ウイルスは環境中で長 ナウイルス感染症の効果的なリスク評価、予防、制御には 時間存在し、エアロゾルとして数時間存続すると指摘しまし 限界があります 8。 た。ウイルスゲノムの存続は、放出後 24時間以上検出可能 でした 9, 11。 しかし、この点、すなわちウイルスの感染経路としての空気 病原性ウイルスが長い距離を空中浮遊する可能性もあります3。 の重要性に焦点を当てた研究はすでに数件報告されていま したがって、空気サンプルの定量的なウイルス検出のさまざ す 1, 7, 8。 まな方法を開発し、改善することは重要です 4。 これらの研究結果は、種によって差はあるものの、空中浮遊 現在、空中浮遊ウイルスを定期的にモニターする公的な規制は ウイルスに一定の安定性があることを示しており、考えられ ありませんが、この問題に着目し、アウトブレイク発生時にエ る感染源を検出し、感染経路を特定するため、空気モニタリ アモニタリングを行う必要性を強く支持する科学者もいます 1。 ングの重要性を強調しています 1。 図 1:MD8エアスキャンおよびポータブル型MD8エアポートとディスポーザブルゼラチンフィルターを用いたエアサンプリング装置の設置例。 2
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2.空中のウイルスサンプリング用ゼラチン膜フィルター

2.空中のウイルスサンプリング用 ゼラチンフィルター ゼラチンフィルター法は空中浮遊病原性微生物およびウイル また、Jaschhof(1992b)は、サンプリング期間および 30° C スをモニタリングするための簡単で、非常に効率的、そして で 80~ 85%までの相対湿度はウイルスの保持に悪影響を与 感度の高い方法です 1, 2, 4, 6, 8。 えないことを示し、保持率は平均 99.76%になることを証明し ました。 水溶性ゼラチンフィルターがウイルスのサンプリングに特に適 していることがすでに検証、証明されています 1, 4, 6, 7, 8, 10, 11。 ヒト病原性ウイルスのサンプリング時に液体が必要ないため、 分析検査スタッフへの感染リスクが軽減されることも大きな ゼラチンフィルターはウイルス回収効率に優れ、保持率は最 利点の一つです。 高 99.76%に達します 2, 6。 また、ゼラチンフィルターよるサンプリングの後、ウイルスの さらに、ゼラチンフィルターを使用したエアサンプリング法で 感染性が減弱することが報告されており、捕集サンプルが非 は、102粒子 /㎥まで検出限界を下げられる可能性がありま 感染性材料と考えることもできることが示されています 1, 4。 す 6。ゼラチンフィルターを使用することでサンプリング時間の 延長(最大 8時間)、容量の増大(2000Lなど)、流速の さらに、捕集後にゼラチンフィルターを保存したり 1、ゼラチ 増大(最高 50L/分)、フィルター面積の増大(Ø80mmの ンフィルターを溶解する前にラボに送ることができることも利 場合50 cm²)、溶解する溶媒量の減少(80~ 100μ L/cm²フィ 点です。 ルター)など様々なオプションが可能になります 4, 6, 8。 Ø 47 mmなど小さなサイズのフィルター(フィルター面積 17 cm²)も利用できるため、溶媒量はさらに 1.5~ 2.0 mLま で削減できます。 ゼラチンフィルターの高い適合性については、Jaschhof (1992a、1992b)および Frieseが証明しており、彼らは個々 のケースでゼラチンフィルターが他のウイルスサンプリング法 よりも優れていることを報告しています。 また、特別な前処理や後処理なしでこの有効性が確認されて います 6。 ゼラチンフィルターは、あらかじめ組み立てられたレディトゥ ユースのユニットとして提供されます。 ポータブルで軽量のエアポートMD8サンプラーと一緒に用 いることで、ゼラチンフィルター法は非常に使いすく、持ち運 んでの利用に最適です 4, 6。 3
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3.PCRによるウイルス検出のためのゼラチンフィルターの処理、4.ゼラチンフィルターを用いた標準的なエアサンプリング手順と、PCRによる空中浮遊ウイルス検出のためのサンプル調製

3.PCRによるウイルス検出のための 4.ゼラチンフィルターを用いた標準的な ゼラチンフィルターの処理 エアサンプリング手順と、PCRによる空 中浮遊ウイルス検出のためのサンプル調 製 ゼラチンフィルターを脱イオン水または他の適切な緩衝液や 1) ディスポーザブルØ 80 mmゼラチンフィルターを開封する 溶媒に溶解後すぐに、次の処理や PCRでの検出に用いるこ (製品番号 17528--80----ACD) とができます 1, 4, 8, 10, 11。 2) ザ ルトリウスMD8エアサンプラー(AirPort MD8(製品番号 16757)またはMD8 Airscan(製品番号 16746SHBCOM/ 特定のウイルスの存在を迅速で感度・特異性が高く、また信 16746SHTCOM))に装着したフィルターホルダーにディス 頼性の高い結果を得るために定量的リアルタイム PCRが用 ポーザブルゼラチンフィルターを載せる いられます 1, 2, 4, 8。 3) この際フィルターに触れて汚染させないよう注意すること 4) 例えば 20分間、50 L/分などの条件でエアサンプリング ゼラチンフィルター法と定量 PCRを組み合わせることで、扱 を開始する(1000 Lが標準的なサンプリング量) いにくい RNAも検出可能です 1, 4, 8, 11。 5) サンプリング後、反時計回りに回してMD8からディスポー ザブルフィルターと一緒にフィルターホルダーを外す ただし、RNA抽出はサンプル調製において非常に重要な工 6) フィルターホルダー上部は、反時計回りに回すことでベー 程です。したがって、遺伝子材料の損失を防ぐため、この工 スから外れる 程では特に注意を払う必要があります 2, 4。 7) Ø 80 mmフィルターを 15 mL Falconチューブに入れる。 フィルターは壊れやすい(オプションのØ 47 mmも使用可) 8) 使用時まで保存/または解析用にラボまで発送 ゼラチンフィルターでのエアサンプリング後の PCR分析が他 9) 4~ 5mLの溶媒(滅菌脱イオン水もしくは適当な緩衝液) の検出方法よりも高い回収率を示すことが報告されており、 を加える(Ø47mmフィルターの場合は 1.5~ 2mL) ゼラチンフィルターによるエアサンプリングとPCRの組み合 10) 遠 心分離機で 3000 x gで短時間遠心する わせは空中浮遊ウイルスの正確かつ実用的な検出法である 11) サーモシェーカー(120 rpm)またはヒーティングブロッ ということができます 4, 7。 クで 10分間 37° Cで加温、ゼラチンを溶解する 12)必要に応じてウイルスを不活性化する 13)取扱説明書に従って、RNAを抽出する 14) RNAを溶解する 15)必要に応じて RNase阻害剤を加える 16)直ちに氷上に静置するか、- 80° Cで保存する 17) サーマルサイクラーを用い、市販のキットで逆転写による cDNA合成を行う 18) - 20° Cで cDNAを保存する 19) PCR(qPCRなど)を行う 4
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5.空中浮遊ヒト病原性ウイルス検出の応用分野、6.ウイルスサンプリングおよびPCR検出に用いるゼラチンフィルターの主な特長

5.空中浮遊ヒト病原性ウイルス検出の 6.ウイルスサンプリングおよび PCR検出 応用分野 に用いるゼラチンフィルターの主な特長 清掃や浄化処置の有効性のモニタリング ƒ 高い捕集効率(最高 99.9%のウイルス粒子捕集率) ƒ 大量のエアサンプリングによる高い感度 病院の各種エリアにおけるウイルスエアロゾル感染のモニタ ƒ 30° C、80~ 85%RHまでの環境条件で効率的な捕集率 リング: ƒ 少量の液体に可溶なため(最小 80~ 100 μ L/cm²フィル ƒ 患者エリア ター)、高い感度を実現 ƒ 医療スタッフエリア(特に更衣室) ƒ 高い核酸回収率 ƒ 隔離エリアに隣接する部屋 ƒ サンプリング時に液体不要 ƒ 一般公開エリア ƒ ヒト病原性ウイルスの感染力低下 ƒ 保管エリア ƒ サンプリング後に保存可能 ƒ 室内換気 ƒ サ ンプリング後に乾燥状態で発送可能、回収率低下の回避 ƒ 患者用トイレ ƒ 溶解後のゼラチンフィルターは PCR等で更なる分析が可能 ƒ 際立った使いやすさ 公共輸送機関のモニタリング: ƒ 飛行機 ƒ クルーズ船 ƒ 電車 ƒ 鉄道車内 ƒ フェリーボート 人の多い公共エリアのモニタリング: ƒ 空港 ƒ 鉄道駅 感染源、感染方法、またはホットスポットの特定とモニタリ ング: ƒ 家畜小屋 ƒ 集会場 図 2:個別包装のディスポーザブルゼラチンフィルター。 5
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参考文献、Sales and Service Contacts

参考文献 1. Azhar EI, Hashem AM, El-Kafrawy SA, Sohrab SS, 7. Jaschhof H. 1992b.Sampling virus aerosols using the Aburizaiza AS, Farraj SA, Hassan AM, Al-Saeed MS, gelatin membrane filter―collection using a membrane Jamjoom GA, Madani TA.2014. Detection of the Middle filter at a high sampling rate.Bio Tec; 6 (English East respiratory syndrome coronavirus genome in an air translation). sample originating from a camel barn owned by an 8. Liu Y, Ning Z, Chen Y, et al.2020.Aerodynamic infected patient. mBio 5(4). characteristics and RNA concentration of SARS-CoV-2 2. Burton NC, Grinshpun SA, Reponen T. 2007. Physical aerosol in Wuhan hospitals during COVID-19 outbreak. collection efficiency of filter materials for bacteria and bioRxiv. viruses. Ann Occup Hyg.51(2):143-51. 9. van Doremalen N, Bushmaker T, Munster VJ.2013. 3. Dee S, Otake S, Oliveira S, & Deen J. 2009. Evidence of Stability of Middle East respiratory syndrome long distance airborne transport of porcine reproductive coronavirus (MERS-CoV) under different environmental and respiratory syndrome virus and Mycoplasma conditions.Euro Surveill.18(38). hyopneumoniae. Veterinary research, 40(4), 39. 10. van Doremalen N, Bushmaker T, Morris DH, et al.2020. 4. Friese A. 2010. Aerogene Ausbreitung von Viren: Eine Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Studie verschiedener Sammelgeräte und Compared with SARS-CoV-1.N Engl J Med. Quantifizierungsmethoden zur Virusisolierung aus der 11. Walenda T. 2007.Transmission von Viren über raum- Luft. Dissertation zur Erlangung des Grades eines Doctor lufttechnische Anlagen.Diplomarbeit am Institut für medicinae veterinariae (Dr. med. vet.) am Institut für Laboratoriums- und Transfusionsmedizin Herz- und Tierhygiene und Öffentliches Veterinärwesen der Diabeteszentrum Nordrhein-Westfalen Universitäts- Veterinärmedizinischen Fakultät der Universität Leipzig. klinik der Ruhr-Universität Bochum in Bad Oeynhausen. 5. Ijaz MK, Karim YG, Sattar SA, Johnson-Lussenburg CM. 1987. Development of methods to study the survival of airborne viruses. Department of Microbiology and Immunology, School of Medicine, University of Ottawa. 6. Jaschhof H. 1992a.Sampling virus aerosols–comparative studies on the efficiency of gelatin membrane filters, impaction collectors and impingers. Bio Tec; 4 (English translation). Sales and Service お問合わせ先 ザルトリウス・ジャパン株式会社 Contacts 東京本社 For further contacts, visit 〒 140-0001 東京都品川区北品川 1-8-11 www.sartorius.com Daiwa品川 Northビル 4階 Phone: 03 6478 5200 Fax: 03 6478 5494 Email: hp.info@sartorius.com 名古屋営業所 〒 461-0002 名古屋市東区代官町 35-16 Phone: 03 6478 5204 Fax: 03 6478 5497 大阪営業所 〒532-0003 大阪市淀川区宮原 4-3-39 Phone: 03 6478 5203 Fax: 03 6478 5496 Specifications subject to change without notice. 掲載されている内容は、予告なく変更される場合がありますことをあらかじめ Copyright Sartorius Lab Instruments GmbH & Co. KG. ご了承ください。 Status: 04 | 2020