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抗体発見を加速させるアプリケーションの概要

ホワイトペーパー

治療抗体の発見を進める、 最新式の高速フローサイトメトリー

モノクローナル抗体(mAbs)は現在も生物薬剤研究で注目を浴びています。発見のプロセスでは、最適なクローンを選択し、最適な薬物候補を同定するなど、重大な決定を行う必要がありますが、特に従来のスクリーニング方法を用いた場合に困難となる可能性があります。

このアプリケーションの概要では、ザルトリウスの革新的なiQueプラットフォームのアプリケーションについてご紹介し、抗体発見をどのように進め、加速できるかを示します。

iQueプラットフォームを用いたmAb開発の利点:
- より多くの知見とよりよい決断が得られる多元的かつ実用的な結果
- エラーの可能性が低減するため、実験時間が短縮
- クローンごとに重要な産生特性の迅速で効率的な評価

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このカタログについて

ドキュメント名 抗体発見を加速させるアプリケーションの概要
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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登録カテゴリ
取り扱い企業 ザルトリウス・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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Intellicyt® iQue3 抗体発見を加速させるアプリケーション の概要
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目次 治療抗体の発見を進める、最新式の高速フローサイトメトリー はじめに ............................................................................................................................................................................. 3 ® Intellicyt iQue3アドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォームを用いた 抗体発見用マルチプレックス・ハイスループット・スクリーニング ....................................................... 3 高速、微量、ハイスループットのサンプリング技術 ..................................................................................... 4 エンコーディング技術による強力な多重化アプローチ .............................................................................. 4 統合ソフトウェアソリューション .............................................................................................................................. 6 結論:エラー削減と実用的な結果までの時間短縮 .....................................................................................7 ® iQue アドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォームの アプリケーション mAb候補同定時のハイブリドーマスクリーニングの加速 ......................................................................... 9 動物モデルにおける非臨床試験の多重化抗体の特徴解析 .....................................................................11 抗体の内在化を迅速にプロファイリングする包括的な統合ソリューション .....................................13 詳 細 詳細については www.sartorius.com/mab-oncologyをご覧ください。
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治療抗体の発見を進める、最新式の高速フローサイトメトリー、はじめに、Intellicyt® iQue3アドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォームを用いた抗体発見用マルチプレックス・ハイスループット・スクリーニング

治療抗体の発見を進める、 最新式の高速フローサイトメトリー はじめに Intellicyt® iQue3 アドバンスト・フロー サイトメトリー・プラットフォームを用い た抗体発見用マルチプレックス・ハイス ループット・スクリーニング モノクローナル抗体(mAbs)は現在も生物薬剤研究で注目 しかしながら、最近のアッセイ技術の進歩により、抗体発見 を浴びています。発見のプロセスでは、最適なクローンを選 は変革し始めています。このような技術進歩により、ハイス 択し、最適な薬物候補を同定するなど、重大な決定を行う ループット、マルチプレックス、マルチパラメーターのアッセ 必要がありますが、特に従来のスクリーニング方法を用いた イを行うことができます。アドバンスト・アッセイを利用する 場合に困難となる可能性があります。 ことで、スクリーニングプロセス初期に、より多くのデータを 収集することができ、これがヒット抗体発見の可能性への自 そのような従来のスクリーニング法の 1つが酵素結合免疫吸 信につながります。また、抗体開発の下流段階まで確実に 着検定法(ELISA)です。ELISAは歴史的に、細胞外標的 進める候補を選択できる可能性が高くなります。 に結合する抗体のハイブリドーマおよび他のライブラリをスク リーニングするために使用されてきました。間接的な酵素/ Intellicyt® iQue 3アドバンスト・フローサイトメトリー・プラッ 基質の反応による色の変化は、固定化抗原に結合している トフォーム(図 1)は、浮遊細胞ベースのハイスループットス 抗体を示します。 クリーニングシステムであり、細胞表面または循環血液中の 標的抗原いずれかに結合する抗体のマルチプレックススク ELISA は歴史的に抗体スクリーニングラボの主要検査でした リーニングの実施に利用できます。さらに iQueプラットフォー が、以下のような欠点があります。 ムでは、ハイコンテントアッセイにより、マルチプレックス細 - 胞ベース・分泌タンパク質アッセイにおけるリード抗体の影 ELISAは細胞表面抗原と結合する抗体のスクリーニング 響を評価することができます。 において理想的ではありません。これは、抗原を細胞膜 から抽出し、精製する必要があるためで、この過程で治 療抗体の重要な標的となりうる立体構造エピトープが崩 - 壊することがよくあります。 1種類の抗原の検査では、特異性や交差反応を確認するた このアプリケーションの概要では、ザルトリウスの革新的な め、対照抗原を用いた 2次、時に 3次スクリーニングが iQueプラットフォームのアプリケーションについていくつかご - 必要になることがあります。 紹介することで、抗体発見をどのように進め、加速できるか ELISAのプロトコールは、バックグラウンドシグナルを生じ を示します。 る非結合抗体および検出試薬を除去または最小限に抑え る目的で複数の洗浄工程が必要なため、かなりの労力を iQueプラットフォームを用いた場合のmAb開発の利点は以 要し、その結果スクリーニング作業も長くなります。 下- のとおりです。 より多くの知見とよりよい決断が得られる多元的かつ実用 さらに、ELISAまたはバイオレイヤー干渉(BLI)法は、免 - 的な結果疫グロブリンG(IgG)力価のみを評価し、検査している実 - エラーの可能性が低減するため、実験時間が短縮 際の細胞についてはわかりません。細胞は IgG分泌が多い クローンごとに重要な産生特性の迅速で効率的な評価 ため産生力があるようにみえますが、細胞株作製プロセスの 次の段階に進めるには、最も健康で活発な細胞ではないか もしれません。 3
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高速、微量、ハイスループットのサンプリング技術 、コーディング技術による強力な多重化アプローチ

「フローに基づき、スクリーニングのために構築する」 セルヘルスおよび機能をスクリーニ という理念で、調節を必要としない、高速微量プレー ングするためのセルベースおよびビー ト検出エンジン(特許取得済み)を結集。高速で ズベースのキット。「洗浄なし」のプ 簡単なハイコンテントスクリーニング。 ロトコールで時間短縮と、サンプル 詳細な知見と意思決定の ボリューム低減による節約。 向上を目的とした、ワーク フロー全体のサポートと直 感的なデータの可視化。 図 1: Intellicyt® iQueアドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォーム。iQue プラットフォームは、使いやすい装置、ソフトウェア、試薬キットで構 成されており、これらが連携して最適化されています。また、貴重なサンプルを節約し、試薬使用量を減量し、time to answerを最小限とするようにデザ インされています。 高速、微量、ハイスループットの エンコーディングの理由 サンプリング技術 1. 標的抗原および対照抗原に結合する抗体を同時に検査し ます。これにより各ウェル内で内部標準の対照が得られ、 ヒット抗体発見に対する自信が向上します。また、1 次スク フローサイトメトリーを利用したザルトリウスの iQue プ リーニングに対照抗原を含めることで、2 次カウンタースク ラットフォームの高速、微量、ハイスループットのサンプリ リーニングの必要性を軽減でき、全体の抗体スクリーニン ング技術は、96 ウェルプレートで 5 分、384 ウェルプレー グ作業が効率化されます。 トで 20 分未満のサンプリング時間で十分な量を実現しま す。サンプルは範囲を定めたエアギャップ流中(特許取得 2. 関連抗原の交差反応性をスクリーニングします。 済み)で検出器に送られ、プレート全体のデータは一度 エンコーディングにより、科学者は複数の抗原を一次スク に処理されます。 リーニングに含め、サイトカインなどの標的抗原ファミリー に結合する交差反応性抗体を検索することができます。こ の技術を利用し、複数の動物種の標的抗原に結合する抗 エンコーディング技術による強力なマル 体をスクリーニングすることができます。この点は、毒性 チプレックスアプローチ および有効性の動物モデルで使用することもできるヒト標 的抗原に対して特異的な治療抗体を開発する際に重要で す。 iQueアドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォームは 3. 複数のプロジェクトを 1 つのスクリーニング促進活動に統 サンプル中に細胞およびビーズを入れたハイスループットアッ 合します。エンコーディングを利用し、関連性のない複数 セイを行い、エンコーディング技術により強力な多重化アプ の抗原に対して 1 つのライブラリをスクリーニングすること ローチを実現します。エンコーディング技術により、科学者は、 もできます。また、さまざまな対象抗原を提示したエンコー 同一実験の中で、さまざまな対象抗原を有する細胞または ディング細胞またはビーズを含むアッセイプレートを設定す ビーズの複数集団をアッセイプレートのウェルに混合し、複数 ることが可能です。同じスクリーニングで複数の抗体ライブ の標的抗原に対してスクリーニングを行うことができます。こ ラリを検査することができるので、ワークフロー全体が大き れにより抗体スクリーニング促進活動の検出力および堅牢性 く改善します。 が非常に向上し、スクリーニング作業が強化されます(図 2)。 4
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A. Encoding Cells B. Encoding Beads Cells Expressing Target Antigen 1 Concentrated Target Encoding Dye Antigen 1 Cells Expressing Target Antigen 2 Diluted Target Encoding Dye Antigen 2 Control Cells No Control/Null Encoding Dye Antigen C. Simultaneously Screen for Antibody Binding to Multiple Antigens 図 2:細胞およびビーズによる抗体スクリーニングのためのエンコーディング技術。細胞抗原および可溶性抗原はエンコーディング技術によりマルチプレッ クス化することができます。細胞抗原については、さまざまなホモログを発現した細胞が色素によりエンコーディングされます(A)。可溶性抗原は色素コー ディングビーズにキャプチャーされます(B)。エンコーディング細胞またはビーズを混合して、抗体ライブラリを含むスクリーニング用プレートに加え(C)、 さまざまな抗原に対する抗体の結合を測定します。 XOMAの科学者が、エンコーディング技術により、どのよう に複数の動物種の標的抗原に結合する抗体をスクリーニング できたかを説明した実際の症例研究については、下記の動 物モデルにおける非臨床試験のための、抗体のマルチプレッ クス特性解析をご覧ください。 5
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統合ソフトウェアソリューション

統合ソフトウェアソリューション iQueアドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォーム ンを自動的に比較、同定、ランク付けする解析用の「全体像」 には、プレートヒートマップ、ヒストグラム、プロット、用量 を生成します。さらに、基準閾値のスライダーバーは、マウス 反応曲線、プロフィールマップなど、動的な可視化ツールを をクリックすることで、プレートデータのリアルタイム「What 開発することで、アクショナブルな IgG クローンデータを作 if」解析のデータを直ちに調節します。Panorama には最適な 成できる ForeCyt® ソフトウェアが組み込まれています。 IgG クローンセットを直ちにダイアルして進める機能があり、 Panorama というマルチプレート解析機能は、1 つの実験での 従来のプラットフォームがデータをロード、リロード、再計算 複数プレート、および数日にわたる実験の複数プレートに対 するために数週間、数カ月かかっていた時間を削減します。 して、スクリーニングキャンペーンレベルで(図 3)IgG クロー ヒートマップにおけるプレートの比較 プロファイルマップにおけるヒットの同定 全体的なヒットのための閾 10プレートすべてにおけるヒット 値バーのドラッグ 位置のリアルタイムアップデート ランクヒットと相関 CQA All-Plate Hit Ranking 300 Rank Hits by IgG per Cell 250 IgG Conc per Cell 200 150 Cell Count 100 IgG Conc (µg/mL) Cell Viability 50 0 Plate Well 図 3:重要な品質特性(CQA)をスクリーニングする際の最適な産生特性をもつ IgGクローンを同定するクロスプレートデータ解析。 6 IgG, IgG per Cell, Cell Count & Viability Plate 03 - C9 Plate 03 - C8 Plate 03 - Q7 Plate 07 - E2 Plate 07 - E7 Plate 05 - D3 Plate 03 - D17 Plate 04 - B4 Plate 00 - B17 Plate 04 - K3 Plate 02 - C12 Plate 03 - D14 Plate 03 - D15 Plate 03 - B4 Plate 01 - GJ Plate 03 - B8 Plate 10 - M14 Plate 10 - J0 Plate 06 - J10 Plate 00 - G12 Plate 00 - H6 Plate 07 - F4 Plate 04 - J8 Plate 01 - D13 Plate 01 - B5 Plate 02 - D11 Plate 09 - C22 late 02 - C12 Plate 03 - J8 Plate 02 - G22 Plate 02 - G6 Plate 06 - C12 {Plate 08 - J13 Plate 09 - C19 Plate 02 - C13 Plate 02 - D14
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結論:エラー削減と実用的な結果までの時間短縮

結論:エラー削減と実用的な結果までの時間短縮 クローンの発見および最適化には平均 6~ 12カ月を要す iQueプラットフォームによって複数の細胞特性が同時にレ ることが報告されていて、活発なクローン候補はまれです。 ポート作成されるので(図 4)、mAb開発の次の段階に移行 IgG濃度だけでなく、複数の細胞特性を利用して、抗体開 できる最も確実なクローンを選択することができます。iQue 発プログラムに最適なクローンを選択することで、クロー プラットフォームは、細胞株スクリーニングプロセスにおいて ン選択の不確実性を軽減します。 時間のかかる複数の工程を 1つにまとめることで、クローン 産生に関する貴重な情報を提供するとともに、時間と労力を 節約します。 Optimal Clone 80 600 1 Cell Viability IgG (pg) per Cell 70 2 500 3 6 7 4 5 60 10 8 9 400 50 40 300 1 23 30 4 200 56 78 9 10 20 100 IgG Conc (µg/mL) 10 Cell Density 0 0 Plate Well 図 4:最適なクローン候補の選択を確認することにより、IgG 力価とセルヘルスを同時にスクリーニングしてエラーを減少させます。青線は IgG 濃度を表し、赤線は 1 細胞あたりの IgG 量を示します。灰色の線は、IgG 濃度が低下してもまだ生存しているクローンがいくつかあること を示します。黄色の影は、1 細胞ベースで IgG 力価が高いクローンを示します。そのようなクローンは下流処理の候補となりえたが、 IgG 力価 だけに基づいて除外された可能性があります。 7 IgG per Cell or Cell Density P05_B16 P03_B04 P06_I02 P04_G05 P03_B14 P03_F22 P01_B05 P03_C02 P05_M11 P04_M10 P03_C03 P06_C18 P01_O05 P10_C22 IgG Concentration or Cell Viability
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詳 細 詳細については www.sartorius.com/mab-oncologyをご覧ください。
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iQue®アドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォームのアプリケーション、mAb候補同定時のハイブリドーマスクリーニングの加速

iQue®アドバンスト・フローサイトメトリー・ プラットフォームのアプリケーション mAb 候補同定時のハイブリドーマスク リーニングの加速 次世代抗体医薬品はより困難な治療標的に焦点を当ててお iQue アドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォーム り、そのためには、大規模なスクリーニングキャンペーンを と ImmunoPrecise Antibodies( 旧 ModiQuest Research) 行うためハイスループットの方法を利用するとともに、これ で抗体発見を効率化 らの大規模なマルチプレックスデータセットを容易に解析す ることができる強力なソフトウェアが必要となります。 方法 iQue® プラットフォームによる改良ハイブリドーマスクリーニ ハイブリドーマの作製:脾臓 B 細胞を電気融合により骨髄腫 ングで mAb 開発の加速 細胞と融合し、96 ウェルプレートで培養し、ヒポキサンチンア ミノプテリン-チミジン(HAT)培地で増殖し、融合細胞を選 フローサイトメトリーを利用した iQue プラットフォームのハ 択しました。抗体力価アッセイで選択したマウス 2 匹のハイブ イスループットサンプリング技術は、384 ウェルプレートに リドーマ 9,600 個を 96 ウェルプレートで培養しました。上清 20 分未満のサンプリング時間で豊富なデータ量をもたらし を 384 ウェルプレート 25 枚に再フォーマットし、培養 14日後 ます。 iQue プラットフォームは、従来のフローサイトメトリー に iQue プラットフォームで解析しました。 のデッドボリュームの多さの問題を解決し、アッセイボリュー ムを削減、貴重な細胞の無駄を回避し、アッセイのコスト データ取得および解析:すべてのデータを iQueプラットフォー を削減します。ForeCytソフトウェアは、プレートからウェル、 ムを用いて取得し、ForeCyt ソフトウェアバージョン 6.1 によ 細胞へのシームレスなナビゲーションにより、大規模なマル り解析しました。複数試験のヒートマップおよびプロファイル チプレックス生データを容易に可視化、インタラクティブな マップは、ForeCyt ソフトウェアの Panorama 機能により作成 画像データに迅速に変換します。 Panorama の機能では複 しました。 数のプレートにわたって大規模なデータセットを解析するの で、個々のサンプルウェルからの面倒なデータエクスポート 結果 は不要です。 ハイブリドーマクローンの上清を標的力価アッセイに使用する 3 種類のエンコーディング細胞株と混合し、標的結合および 特異性を測定しました。図 5 は、この 3 種類の細胞集団の抗 体結合ヒートマップを示しています。マウス 2はマウス 1 より特 異的な結合因子を多く発現し、免疫付与に利用される抗原タ イプに違いがある可能性を示しています。プロファイルマップ は、ハイブリドーマ上清がユーザー定義の基準以上で細胞を 発現した抗原(青色)に特異的に結合したヒット(マウス 1 で 約 0.15%、マウス 2 で約 1%)を示しています。 9
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マルチプレックスハイブリドーマスクリーニング Mouse 1 Control Cells Irrelevant Antigen Target Antigen Profile Maps Mouse 2 Control Cells Irrelevant Antigen Target Antigen Profile Maps 図 5:ForeCytソフトウェアの Panorama機能により、スクリーニング全体の結果を可視化。3種類の細胞株を蛍光 Cell Encoder色素で色分類してから混 合し、384ウェルプレートに分注しました。各ウェルにハイブリドーマ上清を加えた後、蛍光検出抗体を加え、プレートを Intellicyt iQueプラットフォームで 解析しました。標的抗原を発現した細胞で免疫付与した 2種類のマウスのハイブリドーマ 9,600個を検査しました。スクリーニング全体は 1日で完了しまし た。ヒートマップ(赤色)は、対照細胞、標的抗原を発現した細胞、関連性はあるが標的ではない抗原を発現した細胞との抗体結合の結果を示しています。 プロファイルマップ(青色)は、3種類の細胞タイプへの結合結果を組み合わせて、標的抗原を発現した細胞に結合しても、標的ではない抗原を発現した 細胞または陰性対照細胞には結合しない抗体を示しています。 まとめ 参考文献 iQueプラットフォームのマルチプレックス細胞解析では、複 Senutovitch N. et al . A Faster Solution to Hybridoma 数のアッセイを 1 つの試験に組み合わせ、ハイブリドーマス Screening: Harnessing High-Throughput Flow Cytometry クリーニング作業を簡略化し、加速します。さらに、アッセ with an Integrated Software Solution. BioProcess イボリュームの微量化によりコストが削減され、他の確認 International 2019 Sept; 17(9). 研究や機能研究で使用する貴重な抗体上清の無駄を回避し ます。 Streamlining the Antibody Discovery Workflow at ModiQuest Research. Sartorius Application Note 2018. 10 Heat Maps Heat Maps
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動物モデルにおける非臨床試験の多重化抗体の特徴解析

動物モデルを用いた非臨床試験における 抗体のマルチプレックス特徴解析 抗体治療は、抗体が標的抗原に特異的に結合するという点 1次および 2次検出抗体を各ウェルに追加し、別の段階で培 でユニークです。しかし、この特異性は下流での発見および 養しました。抗体染色後、iQueプラットフォームでプレート 開発で課題が生じる可能性があります。例えば非臨床試験 を直ちに解析しました。 では、ヒト標的抗原に特異的に結合するリード候補を選択す ると、他の動物種の同じ抗原に結合する能力は限定的であ 結果 るため、困難が生じる可能性があります。したがって、動物 モデルでの有効性および毒性に関する非臨床試験では、動 標的受容体に結合することがすでに示されている 12種類の 物モデルでは抗原と結合しても、ヒト特異的なリード候補と 抗体を 5種類の細胞株に対して検査し、次の 4種類を条件 は異なる特徴を有するサロゲート分子が必要です。 としました。(1)リガンド存在下 pH 6、(2)リガンド非存在 下 pH 6、(3)リガンド存在下 pH 7.4、(4)リガンド非存在 この課題を解決する 1 つのアプローチは、複数の動物種の標 下 pH 7.4。各細胞株に対する抗体の結合曲線を評価しまし 的抗原と交差反応できるように、リード候補を改変すること た。図 7は、各条件での各細胞株に対する抗体の用量反応 です。発見プロセスの早期に行った場合、何百、何千もの 曲線を示しています。 候補をまだ評価することができます。iQueのマルチプレック ス機能を利用し、抗体の異種間反応性を発見プロセスのス クリーニング段階に組み込むことができます。 抗体のマルチプレックス特徴解析を目的とした XOMA(US) LLC の iQue High Capacity Flow アプローチ 方法 ペアレント、マウス、ラット、ヒト、またはカニクイザルの標 的受容体を発現した 5 種類の CHO-K1 細胞株を、iQue プ ラットフォームの FL4 チャネル専用の細胞標識色素濃度 5 種 類を用いて、個別に標識しました。標識した細胞株 5 種類す べてを同じ割合で 1 本の試験管に合わせて、96 ウェルプレー トに分注しました(図 6)。 80 Parent Rat 60 Human Cyno Mouse 40 20 0 0 104 105 106 107 FL4-H:: FL4-H 図 6:5種類の細胞株は異なる蛍光レベルを示しているので、簡単に分離 することができます。異なる種間で色分類された細胞集団の同定。FL4蛍 光強度の 1Dプロットから、蛍光が重ならない 5種類の細胞集団を明確に 分離できます。 11 Count
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Example Plate Layout Antibody Dose pH 6 pH 6 + リガンド pH 7.4 pH 7.4 + リガンド 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Titration 抗体 1 A Low conc. B 抗体 2 C D 抗体 3 E F 抗体 4 G H High conc. 抗体 5 Each column contains a different antibody 抗体 6 抗体 7 Annotated Data Layout pH 7.4 Antibody 11 抗体 8 400,000 350,000 300,000 抗体 9 250,000 200,000 抗体 10 150,000 100,000 50,000 抗体 11 0 0.01 0.1 1 10 100 Concentration (nM) 抗体 12 図 7:マルチプレックス化により、細胞集団および種ごとに受容体への抗体結合を解析および定量化することができます。組み合わせアプローチにより、 大規模なデータセットを収集しやすくなります。プレートレイアウト例では、1 プレートあたり 8 ポイントの用量反応でテストした 12 抗体を示しています。 このアッセイでは、pH 6、pH 7.4 それぞれについてリガンドありとなしの 4 条件でテストしました。注釈を付けたデータレイアウトのように、5種類の種 の受容体について用量反応曲線と結合親和性曲線がわかりました。抗体反応性の違いは容易に判断できます。例えば、リガンド存在下では抗体 1 のみ が反応します。 まとめ 参考文献 iQueアドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォーム Watson, S.R.Multiplexed Antibody Characterization: では 5 種類の結合アッセイを 1 つに組み合わせることができ Combinational Evaluation of Species Cross-Reactivity るので、1 つの試験を実施するために必要な試薬量および時 Using a High Capacity Flow (HCF) Approach. Sartorius 間を大きく削減します。ここでは、各細胞株が各種動物種の Application Note 2018. 標的受容体を発現し、4 種類の条件で 12 種類の抗体の結合 を合計 1,920 データポイントで評価するためにこれらの細胞 株を使用しました。 または、この細胞カラーコーディングの概念を一次ハイブリ ドーマスクリーニングに適用し、ヒトの標的抗原と反応する 抗体候補、および有効性と毒性を検査する下流動物モデル で使用可能な他の種の標的抗原と反応する抗体候補を検索 することもできます。 12 Median FL2 Fluorescence
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抗体の内在化を迅速にプロファイリングする包括的な統合ソリューション

抗体の内在化を迅速にプロファイリングする 包括的な統合ソリューション 大量の抗体を迅速にプロファイリングして比較し、同一ウェ 結果 ル内で異なる種類の細胞ごとの抗体の細胞内内在化などの 重要な特性について標的に対する抗体の影響を特徴づける Intellicyt® Antibody Internalization Reagentで標識した抗 ことができれば、リード抗体作製に必要な時間を大きく短縮 CD71 抗体(陽性対照)またはマウス IgG1(陰性対照)を し、治療候補の開発を促進することができます。 さまざまな濃度で Jurkat細胞および Raji細胞と混合してイ ンキュベートし、2 時間後に解析しました。Jurkat細胞と Intellicyt®Antibody Internalization Reagentは、384 ウェル Raji細胞はまず生存度についてゲーティングし、続いて抗 プレートのフォーマットで多数の抗体をプロファイリング可 体の内在化を評価しました。生存細胞のゲーティングによっ 能な新規 pH 感受性色素です。この試薬で標識した抗体は て、抗体内在化シグナルのバックグラウンドが劇的に低下し 中性 pH で蛍光をほとんど発しませんが、細胞内に取り込ま ました。図 8A に示されるように、抗体内在化(RL1)の蛍 れ、酸性リソソーム/エンドソーム経路で処理された場合、 光強度中央値(MFI)を抗体濃度に対してプロットしてい 低 pHで高い蛍光を発しました。細胞生存率もMultiCyt® ます。 Membrane Integrity Dye により測定でき、Internalization Reagentと併用することで、セルヘルスと抗体機能をまとめ Raji細胞と Jurkat細胞はいずれも、抗 CD71 抗体処理集団 て評価することができます。また、異なる細胞をエンコーディ で MFI が濃度に依存して上昇しましたが、陰性対照(mIgG1) ング色素により染色し、混合してアッセイすることで、1つの ではほとんどあるいはまったくシグナルが測定されませんでし ウェルで抗体の内在化に関する細胞の特異性を評価すること た。各細胞タイプで抗体内在化が陽性の細胞の割合を ができます。 ForeCyt ソフトウェアにより計算しました(図 8B)。CD71 は 細胞表面に多く発現し、全細胞のほぼ 100% が抗体濃度低 方法 値で CD71 抗体内在化陽性でした。しかし、MFI レベルは最 大の抗体量でプラトーにならず、CD71 抗体値は飽和に達し 試験抗体(human CD3、CD19、CD20、CD22、CD45、CD71、対 ていないことが示唆されました。 照マウス IgG)は、Intellicyt® Antibody Internalization Reagent を用い、増殖培地中、1 : 3 のモル比で標識しました。Jurkat 細胞(ヒトT 細胞株)または Raji細胞(ヒト B 細胞株)を、 最終濃度 1 06 細胞 /mLで、internalization Reagent結合抗 体およびMembrane Integrity Dyeとともに最終液量 30 μ l となるように 384 ウェルの V 底プレートに加えました。すべ てのサンプルを 3 回検査しました。データは結合抗体追加後 2 時間で取得しました。 データは iQueプラットフォームで、セルカウント数が約 2,000 細胞 /ウェルとなるように、sip time 1秒で取得しました。用 量反応曲線および EC50 計算データは ForeCyt ソフトウェア により自動的に作成しました。抗体内在化は RL1チャネル (675/30nm)、細胞生存度は BL1チャネル(530/30nm)、エ ンコーディング細胞は VL1チャネル(445/45 nm)で評価しま した。 13
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A. MFFII JJuurrkkaatt RRaajjii mmIIggGG11 JJuurrkkaatt CCDD7711 JJuurrkkaatt mmIIggGG11 RRaajjii CCDD7711 RRaajjii 8800000000..00 5500000000..00 7700000000..00 4400000000..06 0 600000000..00 5500000000..00 3300000000..00 4400000000..00 3 2 300000000..00 200000000..00 2200000000..00 1100000000..00 1100000000..00 00..00 00..00 22 33 22 33 lloogg[[CCoonncceennttrraattiioonn]] µµgg//mmLL lloogg[[CCoonncceennttrraattiioonn]] µµgg//mmLL B. MFFII JJuurrkkaatt RRaajjii mmIIggGG11 JJuurrkkaatt CCDD7711 JJuurrkkaatt mmIIggGG11 RRaajjii CCDD7711 RRaajjii 110000..00 110000..00 8800..00 8800..00 6600..00 6600..00 4400..00 4400..00 2200..00 2200..00 00..00 00..00 22 33 22 33 lloogg[[CCoonncceennttrraattiioonn]] µµgg//mmLL lloogg[[CCoonncceennttrraattiioonn]] µµgg//mmLL 図 8:抗体内在化のコントロール。シングルポイント、2時間の時点における(A)MFIおよび(B)陽性割合。Internalization Reagent結合マウス IgG1(陰性) または抗 CD71抗体(陽性)の 8ポイント系列希釈の用量反応曲線(最高濃度 1 μ g/mL)。Jurkat細胞とRaji細胞については、抗 CD71抗体について用量に 依存する内在化が認められましたが、mIgG1では認められませんでした。細胞タイプによるMFIの違いは、細胞表面のCD71量の差を反映しています。 マルチプレックス試験はバーコードを付けた細胞株により実 その後、抗体内在化を細胞株ごとに評価しました。各細胞 施しました。Raji細胞を紫色のエンコーディング色素で染色 タイプの特異性マーカーについて用量反応曲線を作成しま し、非染色の Jurkat細胞と混合してから、上述のように抗 した(図 9B)。Jurkat細胞は抗 CD3抗体の内在化を示し 体とインキュベートしました。図 9Aはゲーティングの方法を ましたが、抗 CD19抗体または抗 CD22抗体については内 示しています。まず、生存細胞を同定してから、Raji細胞と 在化はなく、一方、Raji細胞では抗 CD19抗体と抗 CD22 Jurkat細胞をVL1チャネルでスペクトル的に分離しました。 抗体が内在化しましたが、抗 CD3抗体は内在化しません でした。重要な点として、細胞エンコーディング操作の有 無によって、内在化に差はほとんど認められず、細胞エン コーディングによるマルチプレックス化は抗体内在化アッセ イに干渉しないことを示しています。 14 InIntteerrnnaalilzizeedd J Juurrkkaatt a ass % % o of fJ Juurrkkaatt C Ceelllsls MMeeddiaiann R RLL11--HH o of fJ Juurrkkaatt C Ceelllsls InIntteerrnnaalilzizeedd R Raajij ia ass % % o of fR Raajij iC Ceelllsls MMeeddiaiann R RLL11--HH o of fR Raajij iC Ceelllsls
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A. WWelel lTl yTpyep:e J: uJrukrakta at nadn dR aRjai ji JuJrukrakta at nadn dR aRjai jCi Celelslls 107107 106106 106106 105105 JuJrukrakta atn adn dR aRjia Cji eClelslls SiSnignlgel Jeu Jrukrakta atn adn dR aRjiaji 105105 104104 105105 106106 101707 106106 101707 FSFCSC-H-H FSFCSC-H-H SiSnignlgel eJ uJrukrakta at nadn dR aRjai ji LiLviev eJ uJrukrakta at nadn dR aRjai ji 106106 DeDaeda dJu Jrukrakta atn adn dR aRjiaji 106106 105105 105105 LiLveiv Jeu Jrukrakta atn adn dR aRjiaji RaRjiaji JuJrukraktat 104104 104104 102102 103103 104104 105105 106106 101707 102102 103103 104104 105105 106106 101707 BLB1L-1H-H VLV1L-1H-H B. CDC3D J3u Jrkuarkt at CDC1D9 1J9u Jrkuarkt at CDC2D22 J2u Jrkuarkt at CDC3D J3u Jrkuarkt at CDC1D9 1J9u Jrkuarkt at CDC2D22 J2u Jrkuarkt at anadn Rda Rjiaji anadn Rda Rjiaji anadn Rda Rjiaji anadn Rda Rjiaji anadn Rda Rjiaji anadn Rda Rjiaji 10010000000.0 .0 10010000000.0 .0 808000000.0 .0 808000000.0 .0 606000000.0 .0 606000000.0 .0 404000000.0 .0 404000000.0 .0 202000000.0 .0 202000000.0 .0 0.0 .0 0.0 .0 2 2 3 3 2 2 3 3 lolgo[gC[Conocnecnetnrtartaiotino]n µ] gµ/gm/mL L lolgo[gC[Conocnecnetnrtartaiotino]n µ] gµ/gm/mL L 図 9:エンコーディング色素を用いたマルチプレックスアッセイ。紫色でエンコーディングした Raji細胞および非染色の Jurkat細胞を混合し、最高濃度を 1 μ g/mL として 8ポイント系列希釈した Internalization Reagent標識抗体を加えて測定を行った(MFI、シングルポイント2時間)。(A)2種類の細胞タイプを分離するゲー ティング方法。(B)異なる細胞タイプを混合してアッセイした抗体内在化は、細胞タイプごとに個別に実験した場合と同様の特異性と相対的MFIを示しました。 まとめ 参考文献 iQueアドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォーム Weldon, C. and O� Rourke J. A High-Throughput Multiplexed は、少量のサンプルで抗体内在化および他の重要な抗体の Antibody Internalization Assay.Sartorius Application Note 特徴を迅速にプロファイリングする、包括的で統合されたソ 2019. リューションを提供し、これによって同じウェル内で複数の 細胞タイプを解析することができます。 15 Median RL1-H of Live Jurkat Median RL1-H of Live Jurkat SSC-H SSC-H SSC-H SSC-H Median RL1-H of Live Raji Median RL1-H of Live Raji SSC-H FSC-A SSC-H FSC-A
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