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水は生命:超純水を用いた細胞培養 超純水製造装置

製品カタログ

本アプリケーションノートでは、超純水が細胞培養の調製を強化する方法をご紹介しています。

水はすべての細胞培養培地の主成分であるため、培地、バッファ、添加物の調製や加熱、冷却、洗浄、すすぎなど多くの補助的機能を担うために必要です。
そのため、水の品質が細胞培養実験の結果に重要な役割を果たします。

本アプリケーションノートでは、超純水が細胞培養の調製を強化する方法をご紹介しています。

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このカタログについて

ドキュメント名 水は生命:超純水を用いた細胞培養 超純水製造装置
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 406.7Kb
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取り扱い企業 ザルトリウス・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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アプリケーションノート 2021年6月22日 キーワードまたはキーフレーズ: 超純水、細胞培養、培地と緩衝液の調製、 組換えタンパク質、モノクローナル抗体(mAb産生)、 治療用タンパク質の製造、PER.C6 EpCAM細胞 水が命: 細胞培養に用いる超純水 Anil Kumar Rathod1, Sheokant Diwakar1, Dr. Ashok Mundrigi1, Dr. Elmar Herbig2 1 Sartorius Stedim India Pvt. Ltd., Bangalore, India 2 Sartorius Lab Instruments GmbH & Co. KG, Goettingen, Germany 要約 水はすべての細胞培養培地の主成分であり、培地、緩衝液、添加物の調製や加熱、 冷却、洗浄、すすぎなど多くの補助的な機能を果たすためにも必要なものです。 そのため、水質は細胞培養実験の結果を得るうえで重要です。 詳細はwww.sartorius.comをご覧ください
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はじめに 超純水製造装置 細胞培養に使用する水の汚染物質には、細菌、酵母、カビ この装置(図1)は、前処理水から微量の残留汚染物質を など多くの種類があります。これらの汚染物質は通常、目視 取り除くことによって超純水を製造するように設計されていま できるか光学顕微鏡によって検出できます。しかし、化学 す。超純水の製造には連続的な再循環と一定の流量が必要 物質や生物由来物質による汚染が培養細胞の増殖、形態、 です。圧力を制御するポンプシステムが、この動作を担います。 挙動に影響を及ぼすことがありますが、これらの物質は肉眼 装置の供給水口と採水口(精製水)の両方で水の導電率が で確認できません。そのため、細胞培養に使用する水は 測定されています。 微生物を含まず、エンドトキシン、無機イオン(鉛、亜鉛な どの重金属)、有機化合物(フミン酸類、タンニン、農薬など) 装置は2種類のカートリッジキットを取り付けた状態で動作し を特に含有しないものでなければなりません。詳細について ます。これらのカートリッジには、それぞれ溶出物を少なく は参考文献をご覧ください1, 2。水道水中の標準的な不純物と して高純度水を供給できるように開発された専用の活性炭 細胞培養に使用するための目標値の例を表1に示します。 吸着剤と混合床交換樹脂が充填されています。最終マイクロ フィルターが通常採水口に取り付けられており、超純水を パラメーター 水道水 細胞培養用 減少率(%) 採水する際にあらゆる粒子状物質や細菌を超純水から取り の水 除きます。水の精製について説明した大まかな工程を図2に 導電率(µS/cm) 50~ 900 0.2 99.95 示します。 カルシウム(mg/L) 20~ 150 < 0.01 > 99.99 以下に記載する試験のため、アリウムPro UF装置(前モデル、 ナトリウム(mg/L) 20~ 150 < 0.01 > 99.99 図1に示した現行のアリウムPro UF装置と同一の技術的 鉄(mg/L) 0.01~ 0.1 < 0.001 > 98 設計)への供給水を、アリウムRO逆浸透装置で前処理しま 重炭酸塩(mg/L) 30~ 300 < 0.01 > 99.99 した。この構成は、ラボでの小規模細胞培養に適した水の 塩化物(mg/L) 10~ 150 < 0.01 > 99.99 精製処理に関するWhiteheadの方法2に従ったものです。 この前処理装置については、本アプリケーションノートには 硫酸塩(mg/L) 1~ 100 < 0.01 > 99.98 これ以上記載されていません。 TOC(mg/L) 0.2~ 5 0.1 96 遊離塩素(mg/L) 0.1~ 0.5 < 0.01 > 97 細菌(CFU/100 mL) 100~ 1000 < 10 > 98 エンドトキシン(IU/mL) 1~ 10 < 0.1 > 98 濁度 0.1~ 2 < 0.01 > 99 表1:標準的な水道水中の不純物と細胞培養用の目標値2 今回の一連の試験の目的は、アリウムPro UFで製造した 超純水が問題を伴わずに細胞培養アプリケーションに簡単に 使用できるかどうかを評価することとしました。本研究では、 既製品のCDM4PERMab(Hyclone)培地を対照にして、 試験目的にアリウムPro UFで製造した超純水(UF水) およびRO水をそれぞれ用いてCDM4PERMab(Hyclone) 粉末培地から調製した培地でPER.C6 EpCAM細胞を培養 しました。このアプリケーションノートに記載するRO水の データは、現行のアリウムAdvanceシステムの前モデル (アリウムRO)を使用して得ました。個々の培養結果を使用 してアリウムPro UFで製造した超純水がPER.C6 EpCAM 細胞の培養に適しているかどうかを評価しました。 一連の試験で使用したPER.C6細胞株はヒト網膜芽細胞に 由来するもので、組換えタンパク質やモノクローナル抗体 (mAb産生)の発現、治療用タンパク質やモノクローナル 抗体の製造にも今日使用されています。 図1:アリウムPro UF超純水製造装置 2
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消毒用ポート 導電率測定 (供給水) ウルトラ フィルター ポンプ カートリッジ1 カートリッジ2 供給水口 導電率測定 (精製水) 排水口 最終フィルター 0.2 µM 採水口 図2:アリウムPro UF超純水製造装置のフロー略図 材料と方法 PER.C6 EpCAM細胞(アイキャッチャー)を、ガス交換用の PER.C6 EpCAM細胞を、播種濃度0.3 x 106細胞/mLで 通気性キャップを備えたT-75型フラスコ(Nunc、フラスコ中 T-75型フラスコに、また播種濃度0.7 x 106細胞/mLで に培地12 mL、n = 2)中で10代継代培養し、さらに培地 スピナーフラスコに播種しました。T型フラスコとスピナー 50 mLを加えた125 mL容量のスピナーフラスコ(Wheaton、 フラスコをCO2インキュベーター(Forma direct heat CO2 VWR、n = 2)中でも培養しました。PER.C6 EpCAM incubator、Model 3-11、Thermo Scientific)に入れて、37℃、 細胞株を、CDM4PERMabの既製培地(Hyclone)と CO2濃度5%、湿度85%の条件で培養しました。CO2インキュ CDM4PERMab粉末培地(Hyclone)で培養しました。 ベーター内で、スピナーフラスコをマグネチックスターラー CDM4PERMab粉末培地を、UF水またはRO水のいずれか (VWR)に載せて80 rpmで撹拌培養し、各スピナーフラスコ を用いて再溶解し、4 mM L-グルタミン(Lonza)、炭酸水素 の側枝のキャップを緩めてフラスコ内のガス交換を促進させ ナトリウム(3.2 g/L、Merck)、プルロン酸F-68(0.5 g/L、 ました。スピナーフラスコからサンプルを週末(4日目、5日目) Sigma)を添加して、1000 mLディスポーザブルろ過ユニット を除く毎日、T型フラスコからは3日ごとに採取して生細胞 (Sartolab®、Sartorius)を用いて無菌状態で0.2 µm滅菌 密度を測定しました。生細胞密度の測定は、トリパンブルー グレードフィルターを通してろ過しました。 色素排出法に従い血球計算盤(Vasa Scientific)を用いて 実施しました。細胞培養の基本的な技術に関する包括的な 情報については参考文献をご覧ください3。 3
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結果と考察 対照のT型フラスコ(対照として既製培地で培養した細胞) 細胞が、既製培地中やUF水により再溶解した培地中で増殖 で得られた平均細胞密度は1.52 x 106細胞/mLで、これらの した細胞と比べて不健康に見えました。RO水により再溶解 対照細胞の平均生存率は95.23%でした(図3A)。T型 した培地でスピナーフラスコ培養した細胞では、既製培地中 フラスコを用いてUF水により再溶解した培地で培養した細胞 やUF水により再溶解した培地中で培養した細胞と比べ、生存 では、平均細胞密度が1.73 x 106細胞/mLで、95.7%の平均 率が急速に低下しました。このような生存率の低下は、T型 生存率が得られました。これらの結果と比較して、RO水に フラスコで培養した細胞では認められませんでした。スピナー より再溶解した培地で培養した細胞では、1.68 x 106細胞/mLの フラスコ内で生存率が急速に低下したのは、RO水中にエン 平均細胞密度と95.59%の生存率が得られました(図3A)。 ドトキシンや無機塩類が存在し、これらが細胞の増殖と生存 率に影響を及ぼした可能性があります。しかし、エンドトキ シンと無機塩類によるこれらの有害な影響は、T型フラスコ A. T型フラスコで培養した細胞の増殖曲線 2.5 100 などによる静置培養(小規模培養)では認められませんでし た。静置培養の場合、培地中のO2濃度によって細胞の増殖 2 80 が制限されるためですが、エンドトキシンや無機塩類の濃度 1.5 60 による増殖の制限はありません(スピナーフラスコ中での 培養と比べると、T型フラスコ中の培養では典型的な増殖 1 40 曲線が観察されません)。 0.5 20 実際の影響は、スピナーフラスコ中で培養することでより 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 高い細胞密度に達し、O2が増殖の制限要因にならない場合 継代数 のみに認められます。高い細胞密度に到達できるスピナー UF水の細胞密度 対照の細胞密度 RO水の細胞密度 フラスコ培養では、RO水により再溶解した培地中により UF水の細胞生存率 対照の細胞生存率 RO水の細胞生存率 高い濃度のエンドトキシンと無機塩類の影響として、対照 (既製培地)やUF水により再溶解した培地のサンプルから得 た値よりも増殖速度が低下(低い細胞密度と低い生存率) B. スピナーフラスコで培養した細胞の増殖曲線 8 します。これらの結果は、抗体産生(mAb)の実験でも 7 100 確認されています。スピナーフラスコを用いてUF水により 6 80 再溶解した培地で培養した細胞のmAb産生量(図4)は 5 0.84 mg/mL(8日目の例)であるため、対照のメーカー 4 60 既製培地(0.71 mg/mL)やRO水により再溶解した培地 3 40 サンプルにより得られたmAb産生量(0.42 mg/mL)より 2 20 も多くなります。T型フラスコ中での細胞の抗体産生能(mAb 1 産生量)は測定しませんでした。抗体の量が少な過ぎたため、 0 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 そのような低値を確実に比較しようとしても統計的に無意味 日 でした。 UF水の細胞密度 対照の細胞密度 RO水の細胞密度 UF水の細胞生存率 対照の細胞生存率 RO水の細胞生存率 図3:(A)T型フラスコ中でのPER.C6 EpCAM細胞株の増殖曲線 スピナーフラスコでの抗体産生 (B)スピナーフラスコ中でのPER.C6 EpCAM細胞株の増殖曲線 1 0.9 0.8 対照のmAb 別の実験として、PER.C6 EpCAM細胞株を、既製培地(対照)、 0.7 UF水のmAb 0.6 RO水のmAb UF水により再溶解した培地、RO水により再溶解した培地を 0.5 それぞれ加えたスピナーフラスコ中で培養しました(図3B)。 0.4 培養6日目に対照のスピナーフラスコで得られた最大細胞 0.3 0.2 密度は、5.42 x 106細胞/mL、生存率は88.47%でした。また、 0.1 UF水のスピナーフラスコでは最大細胞密度6.24 x 106細胞/ 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 mLと生存率88.55%が得られ、RO水のスピナーフラスコで 日 は最大細胞密度4.60 x 106細胞/mLと生存率89.85%が得ら れました(図3B)。RO水のスピナーフラスコ中の細胞を 図4:UF水により再溶解した培地(UF水のmAb)、既製培地(対照の mAb)、RO水により再溶解した培地(RO水のmAb)をスピナーフラスコ 顕微鏡観察すると、RO水により再溶解した培地中で増殖した に入れて培養した細胞の抗体産生 4 細胞密度(106細胞/mL) 細胞密度(106細胞/mL) 生存率(%) 生存率(%) mAb(mg/mL)
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結論 参考文献 上記の結果から、市販の既製培地の代わりに、UF水により 1. ASTM Standard Guide for Bio-Applications Grade Water 再溶解した乾燥培地(CDM4PERMab培地)がPER.C6 D 5196-06 (2018). https://www.astm.org/Standards/ EpCAM細胞株の培養用途に適していることが明確に示され D5196.htm ました。UF水により再溶解した培地で培養したPER.C6 2. Whitehead, P. (2007). Water Purity and Regulations. EpCAM細胞株の増殖特性は、対照に用いたCDM4PERMab Stacey, G.N., & Davis, J. (Eds.) Medicines from Animal Cell 既製培地で培養したPER.C6 EpCAM細胞株の増殖特性に Culture. John Wiley & Sons, Ltd. 類似するものでした。 3. Freshney, I.R. (2010). Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique and Specialized Applications, Sixth さらに、培養実験をスピナーフラスコで実施した場合に、 edition. John Wiley & Sons, Inc. UF水により再溶解した培地で培養した細胞株サンプルでは、 4. Schmidt, K. & Herbig, E. (2012). Weniger ist mehr— RO水により再溶解した培地で培養した細胞株サンプルと Quantitative Endotoxinbestimmung von Reinstwasser. 比較して増殖が促進することを確認しました。この場合には、 Laborpraxis, 5, 36. Jhg. 通常、細胞密度がより高くなり、O2が増殖の制限要因になり ません。その結果、RO水中のより高い濃度のエンドトキシン や無機塩類が細胞増殖の低下を引き起こすと結論付けました。 謝辞 これらの結果は、スピナーフラスコ中で培養したPER.C6 PER.C6細胞株の写真をご提供いただき、さらに技術面の EpCAM細胞株におけるmAbの産生でも確認され、裏付け 考察を示していただいたSartorius-Stedim Biotech GmbH られました。PER.C6細胞株によるmAb産生量は、アリウム (ドイツ、ゲッティンゲン)のAlexander Tappe博士とYvonne Pro UF超純水により再溶解した培地サンプルで最高値とな Martin博士に感謝を表します。 り、次が対照(既製培地)による値でした。これらの値は、 mAb産生量が低下したRO水培地サンプルの値と異なるも 初版:G.I.T. Laboratory Journal Europe 9-10, のでした。 Volume 16 したがって、アリウムPro UF装置から得た超純水がPER.C6 EpCAM細胞の培養に非常に適していると結論付けます。そ の理由として、この水精製装置は無機イオン、有機化合物な どの不純物の含有量を最小限に抑え、特にエンドトキシンを、 別の実験で確認されたような極めて低い濃度に低減できるこ とが挙げられます4。 5
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