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商業生産用の細胞株開発を迅速化するための手引き

事例紹介

細胞株の開発に携わる方必見! - 信頼性の高い製造プロセスの基盤について -

このホワイトペーパーでは、バイオ製剤の生産における細胞株開発に伴う課題について論じ、バイオテクノロジー開発者が誤った情報に基づいた意思決定をするリスクの回避に役立つ解決策を概説します。

このカタログについて

ドキュメント名 商業生産用の細胞株開発を迅速化するための手引き
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 ザルトリウス・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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商業生産用の細胞株開発を 迅速化するための手引き

商業生産用の細胞株開発を 迅速化するための手引き 2021年 7月 15日 | Fern Slingsby, Katy McLaughlin キーワードまたは用語: 細胞株開発、医薬品開発、プロセス開発、 CHO細胞株、バイオ医薬品、タンパク質
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細胞株の開発: 信頼性の高い 製造プロセスの基盤

細胞株の開発: 信頼性の高い 製造プロセスの基盤 バイオ医薬品製剤すなわちバイオ製剤は、医療産業にとって不可欠になりつつ あります。主に治療用組換えタンパク質で構成されるバイオ医薬品はこれまで に、特にがんや炎症性疾患といったさまざまな疾患の治療にかなりの成功を 収めています (1)。しかし、バイオ医薬品の商業生産に向けた信頼性の高いプロ セスの開発は、論理的にも技術的にも困難であり、プロジェクトが破綻すること も少なくありません。 バイオ医薬品製造では生産の主要プロセスで生きている宿主細胞を利用しま す。堅牢で高収量の細胞株の開発は信頼性の高い生産プロセスの基盤です。 しかし、細胞は変動の原因となり特異的な一連の技術的課題をもたらします。 充分な情報に基づいたプロジェクトの意思決定には、効率的なプロセス開発に とって予期される障害を早期に認識することが重要です。ここでは、バイオ製剤 の生産における細胞株開発に伴う課題について論じ、バイオテクノロジー開発 者が誤った情報に基づいた意思決定をするリスクの回避に役立つ解決策を概説 します。 細胞株開発のプロセス 1. 遺伝子クローニングおよび 2. クローンのスクリーニングおよび選択 トランスフェクション 次に、単一細胞を単離して増殖させ、 実生産スケールでの試験、最適化、お 第一に、選択した哺乳類宿主細胞株の クローンからなる集団を作製する必要 よび製造に十分な材料をもたらすこと 細胞が目的のタンパク質を発現するよ があります。続いてスクリーニングを ができる堅牢で安定した細胞株の作製 うに操作しなければなりません。治療 実施し、最も有望なクローンを同定し は、バイオプロセスの開発での重要な 用タンパク質をコードするために必要 ます。高性能クローンは安定しており、 ステップです。プロジェクトの初期段階 な遺伝物質を含む発現ベクターを合成 高い力価で目的のタンパク質を産生す での判断や対応によって、将来の成否 し、これを用いて細胞をトランスフェク ることができます。さらなる特性解析に が決まります。以下に細胞株開発ワー ションする必要があります。トランスフェ 進む前に、細胞集団の単一性も検証す クフローの概要を示します。 クションプロセスでは、細胞の混合集 る必要があります。 団を作製し、これを選択、プール、分析 します。初期の分析によって、組換え DNAを保有する細胞の一般的特性お よび予期されるバイオ製剤の生産能力 に関する知見が得られます。 2
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3. 細胞株の特性解析 4. 増殖および最適化 5. 細胞バンキング スクリーニングとクローン選択が完了し 異なるスケールでの最適な生産パラ 最後に、細胞を増殖させて高密度のセル たら、最も性能の高いクローンを増殖さ メータを得るために、数回の最適化が バンクを作製し、バイオ医薬品を継続的 せた上で十分な特性解析をして、細胞 必要となる場合があります。開発者は、 に生産できるようにします。ワーキング が目的のバイオ製剤のすべての特徴を パイロットスケールから実生産スケール セルバンクの作製および製造開始に備 再現できるようにします。複数の分析 まで製品品質が維持されていることを えて、GMP準拠のマスターセルバンク 法を用いて、力価、結合性、物理化学 検証しなければなりません。さまざま を確立し、十分に試験を実施して特性 的性質および構造的性質など製剤の な培地組成とプロセスパラメータの を明らかにします。 重要品質特性(CQA)を評価する必要 反復試験により、必要な製造スケール があります。さらに、次世代シーケンシ でのタンパク質の生産効率および収率 ングを用いて、導入遺伝子の挿入部位 を向上させる、さらなる条件を特定する を調べ、クローンの安定性に関する ことができます。 さらなる知見を得る必要があります。 3
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細胞株開発の重要課題

細胞株開発の重要課題 堅牢な細胞株の作製および最適化の一部の段階では問題が起こる可能性があり ます。しかし、プロセス開発の初期段階で将来起こり得る課題を十分に認識す れば、失敗のリスクを軽減し、プロセスの繰り返しに伴う費用を削減し、細胞株 およびバイオ医薬品が規制要件を満たすようにできます。 適切な細胞株の選択 クローン選択 バイオ製剤は一般的に大きく高度に構 選択された細胞株は、構造部分と翻訳 細胞をスクリーニングして高性能クロー 造化された分子です。細胞内での発現、 後修飾を含む、製品のすべての生物学 ンを同定および選択することは、複雑 プロセシング、パッケージング、およ 的特徴を作り出す能力を持っていなけ で困難なプロセスとして認識されてい び輸送の背後にあるメカニズムは複雑 ればなりません。その他の懸念事項と ます。クローンの性能は予測できない です。そのため、製剤を確実に合成し、 して、細胞株の安定性、履歴、増殖特 場合があるため、スクリーニングした 臨床機能に必要な特徴を正確に反映 性、および必要とされる培養条件など クローンの数が多いほど、希少で非常 した細胞株を作製することは技術的に があります。 に生産性の高い細胞株が見つかる確率 困難な場合があります。 が高くなります。 チャイニーズハムスター卵巣(CHO) バイオ医薬品の生産にどの細胞株を 細胞株は、効率的なタンパク質生産の 効果的なスクリーニング戦略は複数回 使うかは、その性能によって生産プロ 実績が確立しているため、組換えタン の最適化が必要となるため、プロセス セス全体の効率が左右されるため、非 パク質の製造に最も一般的な選択肢で 開発が著しく遅延する恐れがあります。 常に重要な判断となります。細胞株が す (2)。しかし、ヒト細胞株を含むさま いくつかの有効なクローンが同定され 適切に機能しない場合、開発者は確立 ざまな他の選択肢は、免疫原性の可能 たら、複数のアッセイを実施してそれぞ されたプロトコルを修正する必要があ 性がある非ヒト翻訳後修飾を回避する れの特徴の全体像を把握した上で、最 り、最適化を繰り返し行うために必要 など、用途によってはより適しているこ 高の性能のクローンを選択します。こ な費用が発生します。 とが証明されることもあります (3)。 れらのアッセイの実施には幅広い専門 知識を要し、労力と時間がかかります。 適切な細胞株は、トランスフェクション| 形質導入が容易で、目的のバイオ製剤 クローン選択もまた、典型的な条件下 を高効率で生産します。 で実施されるべきで、制御されたバイオ リアクター環境下でどのクローンを採用 するかについての決定を適切なものに します。例えば、シェイカーフラスコを 使った場合、低溶存酸素や脆弱な pH 制御環境といった、バイオリアクター培 養ではあり得ないような条件下で優れ たパフォーマンスを示すクローンを選択 することがあり得ます。 4
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初期の特性解析および スケーラビリティ 物流 最適化 バイオ製剤の生産における最も大きな 細胞株の開発には、技術的な課題だけ スクリーニングとクローン選択が完了 妨げの 1つは、商業生産を達成する でなく物流上複雑なことがいくつかあり したら、選択したクローン(または少数 ためのスケールアップ手順にあります。 ます。プロセス開発の初期に考慮しな のクローン)を増殖して十分な特性解 大規模での条件が示されていないモデ ければならない重要事項は、その組織 析をします。生産されたバイオ製剤は ルによる意思決定は、商業化の成功に が新しい細胞株を確立して試験する オルトゴナル法を用いて包括的な解析 妨げとなる場合があります。 能力を有しているか、また有している を行い、安全性および有効性を実証す 場合、どのような技術プラットフォーム る必要があります。バイオシミラーは、 さらに、通常、スケールアップには、プロ を用いるかです。 標準的な安全性アッセイおよび機能性 セスを中間スケールに移行させ、それぞ アッセイに加えてさらなる試験も実施 れで実質的な最適化を行う必要があり 開発者は、全プロセスを終始一貫して し、先行品との同等性|同質性を確立 ますが、これは費用が増大して大幅な 社内で実施することが効率的で低コス し、臨床的に有意差がないことを確認 遅延が生じる原因となり得ます。 トかどうかを評価しなければなりませ しなければなりません。関連する懸念 ん。一部の段階を外部委託することで、 は製造プロセスの一貫性維持を確保す 生産性と費用対効果が向上する場合が ることです。細胞増殖条件に何らかの あります。細胞株の開発および維持に 変動が生じると、製品の品質に大きな は、GMP準拠施設と、要求される規制 影響が及ぶ場合があります。 基準に従って作業を管理および監視す るためのスキルを有する専任チームが 包括的な特性解析を行うためには、 必要です。 多様なアッセイを用いることで製品の 特性および生物学的機能に関するさま ざまな情報を得る必要があります。こ れらの分析には、複数の装置、プラット フォーム、および手法の使用が必要と なることが予想されます。さらに、製品 の特徴と品質を評価するには、異なる 技術から得られたデータセットの分析 および統合が必要です。これには、複 数の分野にわたる広範な専門知識が 必要で、小規模なバイオテクノロジー 企業では達成できない可能性がありま す。最後に、繰り返しサンプリングする ことで、エラー、不一致、細胞培養およ び製品の汚染の可能性も生じます。 6
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細胞株の開発 正確な情報

細胞株の開発 正確な情報 CLD市場 [MNドル]/年 1,700 北米 世界の細胞株開発 サービス市場は 欧州 北米は 2028年までに 790 650 700 市場シェアの 1 7億ドルの アジアパシフィック 3分の 1以上を 収益に達すると その他の国 占めると予想 予想されています。 2019 2020 2021 2028 されています。 過去 4年間に新たに承認された バイオ医薬品の有効成分 71種のうち 62種は組換えタンパク質であり、 そのうち 84%は哺乳類細胞由来でした。 その他 組換えタンパク質 細胞株の開発は 遺伝子導入 9 時間のかかる プロセスです。 酵母 通常、GMPグレードの 細胞株の開発には 細菌 12~ 18ヵ月を 要します。 84% バイオ製剤の種類 哺乳類細胞 62 細胞株 GMP認証の年間費用[$] GMP認証には高いコストがかかる 大規模施設 (従業員 500名) 場合があります。小規模なバイオテクノ ロジー企業(従業員 20名未満)の場合、 小規模施設 FDAでは初期費用が約2万6,000ドル、 (従業員 20名) 加えて年間 4万 6,000ドルが必要と 0 50,000 100,000 150,000 200,000 見積もっています。 7
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障害の克服

障害の克服 中小規模のバイオテクノロジー企業がバイオ製剤開発に伴うリスクを低減する ために探索可能なさまざまな解決策があります。考えられる措置として、開発者 のニーズを迅速に満たす専門知識を有する外部組織にプロジェクトの一部を外部 委託することなどが挙げられます。その他の解決策は社内で実施可能であり、こ れにはバイオ製剤の商業生産における最先端技術や特性解析サービスへの部分 的な投資も含みます。 細胞株の確立 確立されたベクター しかし、バイオテクノロジー企業は施設 間の移動が円滑に行われるよう、プラッ 確立された発現プラットフォームによっ 確立された細胞株による下流のプロ トフォームを慎重に設計する必要があ てプロジェクトのスケジュールを大幅 セス開発の効率化に加え、検証済みの るでしょう。 に短縮し、バイオ医薬品開発に伴う 発現ベクターも社内で細胞株を開発す 不確実性を抑えることができます。この る際に利用できます。Cellca Expression 細胞株開発のアウトソーシングが普及 ようなプラットフォームの例として、ザル ベクターシステムは、宿主細胞に対す し(4)、現在、開発者はニーズに最も合っ トリウスが提供する独自の完全に実証 る二次的影響を最小限に抑えながら、 たサービスを選ぶ際に多くの選択肢を された培地システムによる、スケーラビ 挿入された遺伝物質の安定した発現を 持っています。適切なサービスパート リティがあり汎用的なバイオ製剤生産 促進するように慎重に設計された柔軟 ナーは、タンパク質生産用に成功した プラットフォームであるCellca Cell Line 性のあるツールです。 細胞株の提供で確立された実績を持 Developmentシステムがあります。 ち、細胞株作製における多くの専門知 Cellcaの細胞株を用いることで、その 細胞株開発サービスに早期に投資する 識を提供します。 都度細胞株を開発し最適化する必要 ことで試行錯誤をする必要がなくなり、 性が低減します。これらは、ばらつき 長期的にはコスト削減の可能性があり ザルトリウスの Cellca Cell Line を抑え、収量と効率を最大化し、開発 ます。ザルトリウスなどの外部企業に Developmentプラットフォームは初期 スケジュールを大幅に短縮するように 開発プロセスの一部または全部を外部 クローン選択から リサーチセルバンク 設計されます。例えば、Cellca Cell Line 委託することで目的に応じた細胞株を までのサービスを提供するので、生産 Development技術によって開発者は 入手することができます。これらのサー プロセスに最適な条件で最良の細胞株 DNAからリサーチセルバンクをわずか ビスは、発現が困難な場合が多い大型 を確実に選択して増殖させることを目 14週間で開発することが可能となり、 の複雑な分子の発現プラットフォーム 的にした施設、試薬、および労働時間 小規模生産から大規模生産への直接 を扱った経験を持つ専門科学者が運営 への投資は必要ありません。このよう 的なスケーラビリティを容易にすること しています。 な包括的な解決策によって細胞開発 ができます。 プロセスを合理化し、上市までの時間 を短縮することができます。 さらに、確立された細胞株には詳細な 外部の細胞株開発 歴史と成功したプロジェクトの実証 実績があるため、開発者はその細胞株 開発者は細胞株の開発を開始する前 細胞株の 開発プロジェクトに自信を持って取り に、実生産スケールでGMPに準拠し 特性解析パッケージ 組むことが出来ます。 た生産を行う能力を慎重に検討すべき です。場合によっては、プロジェクトの バイオセーフティ規制を満たし、製品が ユーザーは、Cellca CLD技術ライセン 中で最も時間がかかる部分や操作上 期待通りの挙動を示すことを確認する スを取得して自社で生物製剤を生産す 困難な部分を外部委託することが最良 ため、医薬品開発プロセスを通じて ることができます。信頼性の高い細胞 の選択肢となり、関連する物流上およ 細胞株の特性解析を実施する必要があ 株を効率的に開発するには、堅牢なイ び規制上の課題を回避しながら、開発 ります。多くのバイオテクノロジー企業 ンフラとかなりの専門知識が必要です。 者は最新の技術や専門知識を利用でき が複数の技術を導入して習熟するため しかし、Cellca CLD技術は細胞株開発 ます。 の費用を回避するために、外部サービ を単純化するために設計されたプラグ・ スプロバイダーを利用して、必要なすべ アンド・プレイ型のシステムであると ての分析を実施し、セルバンクが規制 ともに、プロジェクトを通じて包括的な 要件を満たし、出荷可能であることを サポートを提供します。 確認する場合がよくあります。 8
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ザルトリウスは、ICH規制ガイドライン Ambr®15は 1回のランで最大 48の並列 技術は、力価、生産性および細胞生存 に従って細胞株を包括的に分析するた 培養に再現性のある条件をもたらしま 率を迅速かつ同時に評価して、生産ク めに設計した、あらかじめ決められた す。また、統合型分析計によってユー ローンの順位付けと選択を容易にする 細胞株特性解析パッケージを提供して ザーがシームレスに培養を追跡して記録 ためのより深い知見をもたらします (7)。 います。すぐに使用できるパッケージは することが可能となり、効率的な最適 これらの属性をすべて考慮した場合、 さまざまなアッセイを含んでおり、あら 化が促進されます。自動化されたプラッ クローン順位付けは劇的に変わる可能 ゆるプロジェクトのニーズに合わせて トフォームは、生産プロセスのスケーラ 性があります (8)。 カスタマイズできます。 ビリティも向上させます。条件がスケー ル間で一致しているため、商業生産ま 力価スクリーニングのような発現レベ ハイスループット/ でスケールアップする際の戦略に関し、 ル解析は細胞株開発の初期に実施され 自動化技術 より多くの情報に基づいて予測すること ますが、グリカンの特性解析などの他 が可能となります (6)。 の CQAは、迅速スクリーニングを行う ために使用できる適切かつハイスルー 費用が許す限り、最新の分析プラット プラットフォームが統合されているの プットな分析手法がないため、開発の フォームやバイオプロセス技術を利用す で、いくつかの技術を実装して習得する 後プロセスでのみ評価される場合が ることで、大規模なスクリーニングプロ 必要性が低減します。統合された一連 多くなります。 ジェクトをサポートすることができます。 の技術がスムーズに連携し、終始一貫 してプロジェクトの進捗をサポートしま 高度なラベルフリー検出システムを用 Ambr®マルチパラレル・バイオリアク す。細胞・代謝物の自動分析などの いることで、包括的な分子解析を容易 ターなどの細胞株開発・増殖のための 統合分析、ならびに DoE用 Umetrics® に行うことができます。例えば、Octet ハイスループット、自動化ソリューショ Suiteおよび多変量データ分析(MVDA) プラットフォームは、濃度定量または ンは、大幅な工数、最適化の時間、リ データ分析ソフトウェアなどのデータ カイネティクス解析の手段としてバイオ ソースの節約につながります (5)。この 分析は処理と分析をさらに制御して、 レイヤー干渉法(BLI)を用いて、分子 ようなシステムは、開発プロセスのより 使いやすいインターフェースによって豊 の結合をリアルタイムに検出します。 早い段階でスケーラブルなプラット 富な高品質データを用いてユーザーを クルード細胞培養上清中のタンパク質 フォーム内で生理学的に適切な条件下 支援します。これらの特徴がプロセスへ 力価およびグリコシル化をリアルタイム でのスクリーニングを容易にし、プロセ の理解を深め、情報に基づく意思決定 で測定できるため、クローン選択への ス開発およびクオリティ・バイ・デザイン を導きます。 信頼性が高まり、ワークフローが効率 (QbD)の原則を取り入れ、スケジュー 化されます。 ルを短縮し、後のプロセスでのリスクを ELISAなど従来の分析方法は製品力価 低減します。 の評価に役立つ一方、各クローンの重 最終的には、統合された自動化技術に 要な生産性特性に関して得られる情報 よってプロセスを最適化するための細胞 は限られています。iQue®Advanced 株開発が単純化・加速し、生産プロセ Flow Cytometry Platformのような先進 スでのばらつきが減少します。 9
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堅牢な細胞株開発には十分な情報に基づいた意思決定が必要です

堅牢な細胞株開発には十分な情報に基づいた 意思決定が必要です バイオ医薬品開発の課題は、多くの場合にプロジェクトが 初期段階で限られた利用可能な情報でプロセスを決定する 大きなリスクを伴うことです。考えられる障害には、バイオ ことは困難です。しかし、堅牢な設計、ならびに時間と設備 製剤の複雑な性質に起因する技術上の課題や、材料要件 投資により、長期的な効率を最大化することができます。効 の結果としての物流上の問題などがあります。 果的なリスクマネジメント戦略には、早期のプロセスや製品 の特性解析、外部の専門知識の活用、目的に応じた技術や 開発者は、コストを低く抑えながらも上市までの時間を短縮 サービスの活用が含まれます。 する堅牢で信頼性の高いパイプラインを確立したいと考え ています。ただし、多くの場合、スケジュールと費用が決まっ バイオ医薬品プロジェクト開発の初期段階から自動化され ているのはあくまでも理想的な状況です。迅速なプロセス たハイスループットなプラットフォームを適時に採用すれば、 最適化には、意思決定に情報を提供するための質の高い 追跡可能な方法で最適化戦略を合理化することができます。 データへの迅速なアクセスが必要です。 研究スケールから商業スケールの生産まで条件を維持した まま、複数のパラメータを並行して評価することが容易とな り、細胞株の開発効率を大幅に向上させることができます。 10
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バイオ著者、References

バイオ著者 Fern Slingsby氏 Katy McLaughlin氏 PhD、ザルトリウスの PhD、ザルトリウスの Ambr®の製品スペシャリスト 科学コンテンツライター Fern Slingsby氏は 2018年からSartorius Katyはザルトリウスのマーケティング 社に勤務しています。彼女はロンドン大 コミュニケーションチームの一員とし 学クイーンメアリー校から分子生物学 て、発表論文からウェブコンテンツまで の学士号を取得し、エディンバラ大学の さまざまな文書の作成をサポートして Medical Research Counci(l 英国)から います。 博士号を取得しました。 2021年にザルトリウスに入社する前、 Fernには、組換えタンパク質の生産お Katyはエディンバラ大学のポスドク研 よび上流開発で 18年を超える経験があ 究員として雇用され、そこで博士課程 ります。彼女の経歴には、プロジェクト の研究も終えました。ザルトリウスで リーダーおよび前臨床から臨床第 I相、 彼女は遺伝学と細胞生物学の研究を 第 II相、第 III相までの cGMPに準拠 行い、執筆プロジェクトに着手し、最終 したバイオ医薬品製造のプログラムマ 的にさまざまなバイオテクノロジー企 ネージャーとしての 6年間などがあり 業や機関のためのフリーランスライター ます。 としてキャリアをスタートさせました。 ザルトリウスで Fernはザルトリウスの Ambr®技術と統合プラットフォームに 焦点を絞り、細胞株とプロセス開発に ハイスループット技術を取り入れること を通じてお客様をサポートしています。 References 1. Johnson, D. E. (2018). Biotherapeutics: Challenges and opportunities for predictive toxicology of monoclonal antibodies. In International Journal of Molecular Sciences, 19(11), 3685. https://doi.org/10.3390/ijms19113685 2. Zhu, J. (2012). Mammalian cell protein expression for biopharmaceutical production. Biotechnology Advances, 30(5), 1158–1170. https://doi.org/10.1016/j.biotechadv.2011.08.022 3. Dumont, J., Euwart, D., Mei, B., Estes, S., & Kshirsagar, R. (2016). Human cell lines for biopharmaceutical manufacturing: history, status, and future perspectives. In Critical Reviews in Biotechnology, 36(6), 1110–1122. https://doi.org/10.3109/07388551.2015.1084266 4. Moleirinho, M. G., Silva, R. J. S., Alves, P. M., Carrondo, M. J. T., & Peixoto, C. (2020). Current challenges in biotherapeutic particles manufacturing. Expert Opinion on Biological Therapy, 20(5), 451–465. https://doi.org/10.1080/14712598.2020.1693541 5. Rameez, S., Mostafa, S. S., Miller, C., & Shukla, A. A. (2014). High-throughput miniaturized bioreactors for cell culture process development: Reproducibility, scalability, and control. Biotechnology Progress, 30(3), 718–727. https://doi.org/10.1002/btpr.1874 6. Hsu, W. T., Aulakh, R. P. S., Traul, D. L., & Yuk, I. H. (2012). Advanced microscale bioreactor system: A representative scale-down model for bench-top bioreactors. Cytotechnology, 64(6), 667–678. https://doi.org/10.1007/s10616-012-9446-1 7. Sartorius (2018) Analytical Power Tools Open Upstream Bioprocessing Bottlenecks. [Whitepaper] https://www.sartorius.com/en/pr/mab/analytical-power-tools-open-upstream-bioprocessing-bottlenecks 8. ForteBio. (2019). Cell Line Development: Accelerating Antibody Discovery By Monitoring Titer And Glycosylation With The Octet Platform [Whitepaper] 11
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