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電設資材 2020年6月号(抜粋)

その他

無電柱化事業における既存設備のメンテナンス

弊社で実績を積み重ねてきた【既存設備のメンテナンス】のこれまでの取組み・ご提案を、
施工状況の写真と共にご紹介しております。

書籍名:電設資材 2020年(令和2年)6月号 (第49・第6号・通巻595号)
該当頁数:P42~50
発行年月日:2020年6月1日
発行所:株式会社電設出版

このカタログについて

ドキュメント名 電設資材 2020年6月号(抜粋)
ドキュメント種別 その他
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取り扱い企業 株式会社土井製作所 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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42 無電柱化事業における 既存設備のメンテナンス 國川優矢 1    はじめに 2   無電柱化とは何か  「無電柱化推進法」が平成28年に制定され,  地中化による無電柱化と地中化以外による無 それに基づく「無電柱化推進計画」が平成30年4 電柱化に分かれるが,電線共同溝方式等の地中 月に策定された.期間を平成30年度から令和2 化による無電柱化が一般的である(電線共同溝 年度までの3年間とし,現在は計画最終年度に とは2以上の電線管理者の電線を地下空間に収 あたり,鋭意推進中である.無電柱化の推進に 容するために設ける施設をいう).しかし,整 関する目標延長は約1,400kmとされており,さ 備路線・箇所によっては,設置スペースの確保 らに防災・減災,国土強靭化のための3か年緊 ができないなどの理由で地中化による無電柱化 急対策として約1,000kmを加えている.この計 が困難な場合も想定される.そのような箇所に 約2,400kmの目標整備延長は,800km/年と想 おける無電柱化に対しても柔軟に対応するた 定すると過去の実績と比べても,これまでにな め,地中化以外による簡易な無電柱化も整備手 い最大の計画延長となっている. 法として取り入れられている.  無電柱化は,「防災」「安全・円滑な交通の確  次に無電柱化(地中化)整備のこれまでの歴 保」「景観形成・観光振興」「東京オリンピック・ 史についても触れておく. パラリンピック関連」などの観点から重要性に  わが国の国レベルでの電線類地中化計画は昭 注目が集まっている.なかでも「防災」に関し 和61年度から始まり,都市部の主要幹線道路 ては,令和元年の台風15号による大きな被害 や大規模商業地域などが対象となっていた.当 が記憶に新しく,無電柱化によるライフライン 時の地中化方式としては大型なU字溝を連続し の強化に対する関心が高まりをみせており,期 て敷設するキャブ方式などを採用していた.現 待は大きい. 在の無電柱化事業の主要な整備手法である「電 線共同溝(C・C・Box)」方式は,平成7年度の 電設資材 2020年6月号
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43 施工前 施工後 図1 無電柱化整備例 「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」の 橋梁やトンネル,ボックスカルバートなどがあ 制定にともないスタートした「第三期電線類地 る場合,現地の状況を考慮し,添架方法や管崩 中化計画」で採用され,コスト縮減やコンパク し方法,伸縮しろ・ケーブル余長の確保などを ト化などを理由に構造を変えながら現在に至っ 検討し,設計技術サービスから製品提供までシ ている.対象も主要な非幹線道路などを含めた ステムで対応している. 面的整備やバリアフリー化の必要な特定道路, 景観形成や観光振興に関わる地区を代表する道 4 既存設備のメンテナンス 路など,その範囲は大きく広がっている(図1).  上記取組みの中から,「無電柱化事業におけ 3 現状の取組み る既存設備メンテナンス」について詳しく紹介 していく.  無電柱化の製品に係るメーカーとして,弊社  無電柱化(地中化)事業は昭和61年度から の最近の取組みを数点紹介する. 始まり三十数年が経過している.既存設備に ①製品のコスト縮減に対する取組み は,老朽化などにより構造物の状態的に問題が  現在,国レベルで検討を進めている「管路の 生じている場合(長年の車両通行による鉄蓋の 浅層埋設」「小型ボックス活用埋設」「直接埋設」 ガタツキや鳴動,地震等による管路材の不具合 などの製品化検討. 等)や設置場所の環境の変化(沿道環境の変化 ②製品のコンパクト化および軽量化検討 による歩道乗り入れ部の設置,地下空間におけ  生活道路などの狭隘道路における無電柱化ニ る新規駅舎建設等にともなう既存設備移設等) ーズに対応可能な製品として,これまでに実績 や社会的ニーズの側面(道路のバリアフリー化 のない材質や新たな構造の製品開発などを検 や東京オリンピック・パラリンピックを控えて 討. のセキュリティ対策等)などから,交換や改修 ③既存設備のメンテナンス対応 などのメンテナンスを行なわざるを得ないケー  既存設備のあらゆるニーズに対し,調査,改 スが発生してきている.弊社はそのような状況 修案検討・提案,メンテナンス製品の開発・製 において,これまでの実績とノウハウで皆様の 造などをトータルコーディネート. ニーズに応え,無電柱化における数多くのメン ④橋梁部などの特殊箇所での対応 テナンス実績を積み重ねてきた.  電線共同溝は道路への埋設設置がほとんどで  以下,事例を交えながら,これまでの取組 あるが,無電柱化を計画している道路延長上に み,実績,提案を紹介していく. 電設資材 2020年6月号
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44 図2 施錠部のセキュリティ向上 施工前 施工後 図3 経年劣化などによるガタツキ,鳴動の改修 ②施錠部(鍵・開閉工具)の統一化 5 既存設備メンテナンス事例 ③老朽化による施錠部(鍵)の不具合で開錠が できない箇所の改修 1. 鉄蓋の改修メンテナンス ④経年劣化などによるガタツキ,鳴動の改修 ①施錠部のセキュリティ向上 【事例2】 【事例1】  車道に設置している鉄蓋において,長年の車  現在はシリンダー錠の取付けが標準となって 両通行などが原因でガタツキが生じ,鳴動が発 いる国道の鉄蓋において,旧仕様の施錠部を改 生したところにおいて,構造的にガタツキが起 修するため上蓋を交換した事例.このような場 こりにくい上蓋・受枠に交換を行なった事例 合,各種仕様や現在の状況を踏まえ「施錠部交 (図3). 換」「上蓋交換」「上蓋・受枠交換」を経済性,施 ⑤設置後,歩道乗り入れ部に変更となった箇所 工性,品質の安定性などから検討し,最適な改 のインターロッキングブロックが砕けて安全に 修メンテナンス方法を提案している(図2). 歩行できない蓋の改修  国土交通省においては,防犯という観点から 【事例3】 施錠部のセキュリティ向上改修メンテナンスが  歩道の標準インターロッキングブロック厚さ 年々段階的に進められている.東京ではオリン 3cmから車両乗り入れ用厚さ6cmのブロックが ピック・パラリンピックを控えており,さらな 設置できる上蓋・受枠に交換(鋳鉄蓋→鋼製 る整備が進むと想定される.余談ではあるが, 蓋)した事例(図4). 2010年日本APEC横浜開催にあたり,管理する 【事例4】 管轄行政により鉄蓋の開放が容易に行えないセ  インターロッキングブロックを貼る「化粧蓋」 キュリティメンテナンスが行われ,弊社にて対 から表面に鋳鉄の模様が出ている「一般蓋」に 応した経緯がある. 上蓋交換した事例(図5). 電設資材 2020年6月号
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45 図4 歩道乗り入れ部設置にともなう鋳鉄蓋 図5 歩道乗り入れ部設置にともなう化粧蓋 →鋼製蓋 上蓋・受枠交換 →一般蓋 上蓋交換 施工前 施工後 図6 バリアフリー後の地表面の高さに合せるキャブの嵩上げのための上蓋・受枠交換 図7 鉄蓋の落下防止金物取付メンテナンス ⑥道路のバリアフリー化や沿道環境の変化にと 【事例6】 もなう段差解消を特殊な鉄蓋・受枠で嵩上げ改  既設の電線共同溝鉄蓋において,上蓋の落下 修を行なうメンテナンス 防止対策がなされていない(落下防止金物を取 【事例5】 付けていない)ものがあり,上蓋の安全開閉と  道路(歩道)のバリアフリー後の地表面に高 いう観点から課題とされている.これに対し, さを合せるため,キャブの嵩上げが必要な箇所 各種仕様や現在の状況などを考慮して,経済 において鉄蓋・受枠の交換による改修メンテナ 性,施工性,品質の安定性などから最適な形状 ンスを行なった事例(図6). 等を設計し,メンテナンス方法を提案している ⑦鉄蓋の落下防止金物取付メンテナンス (図7). 電設資材 2020年6月号
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46 図8 既設キャブ本体切下げメンテナンス施工状況 2. 特殊部,各種桝類の本体改修メンテナンス ③特殊部本体の移設にともなう仮設特殊部の ①特殊部,各種桝類切下げメンテナンス 軽量化改修メンテナンス 【事例7】 【事例9】  道路(歩道)のキャブ敷設部が設置後に乗り  地下鉄駅舎工事にともなう,既設電線共同溝 入れ部になった箇所において,キャブがあるこ の移設に対し,工事期間中,地下空間の吊り桁 とにより乗り入れ傾斜が鋭角になり,車いす等 上に仮設特殊部を設置する.数年間の工事期間 での安全通行が困難となった場所のキャブ本体 中,吊り桁上に仮設するためコンクリート製の 切下げメンテナンスを行なった事例(図8). 特殊部では重量的に厳しく,組立て樹脂ハンド ②特殊部,各種桝類嵩上げメンテナンス ホールの材料を用いた軽量型特殊部での改修を 【事例8】 行なった(図11).  道路計画高さの変更などにより,既設特殊 ④管路内ケーブル表示板取付メンテナンス 部,各種桝類据付位置と地表面に段差が生じ 【事例10】 (図9),嵩上げメンテナンスを行なった事例.  電線共同溝特殊部本体の端壁部取付管路内に  この事例のような嵩上げニーズが最近多くあ 入線しているケーブルの種類を表示するために るが,大きな課題もある. 「管路内ケーブル表示板」を設置(図12).  既設の特殊部本体や各種桝類本体は嵩上げ分 3. 一般部(管路部)の改修メンテナンス の強度的余力を考慮していないことがほとんど ①既設ケーブルの耐震補強メンテナンス であり,安易にコンクリートブロック等で嵩上  電線共同溝の一般部といわれる管路部は,特 げを行なうと既設本体が強度不足になる恐れが 殊部本体および各種桝類本体取付けに「ダクト ある.そのような場合でも,既設本体の強度を スリーブ」といわれる部材を用いており,「伸 確保しつつ嵩上げメンテナンスを可能とする製 縮」は吸収するが「曲げ」の吸収は考慮してい 品を提案している(図10). ない場合がほとんどである.「EPスリーブ防護 図9 既設特殊部の据付位置と地表面に段差が発生した状態 電設資材 2020年6月号
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47 既設本体に掛かる荷重の検討図 既設特殊部用嵩上ブロック構造イメージ 既設特殊部嵩上げメンテナンス施工状況 図10 既設本体の強度を確保しつつ嵩上げメンテナンスを可能とする提案 管」は,ステンレス製可とう管を既設ケーブル 防護できるという提案である(図13). に後巻きできる特徴があり,特殊部,各種桝類 ②橋梁部等露出配管の改修メンテナンス 内部から既設ケーブルに巻き付けることによ 【事例11】 り,地震時等にダクトスリーブが抜け外れた場  既設橋梁の耐震補強工事にともない,添架管 合においてもケーブルをむき出しにすることなく 路の移設を行なった.ケーブル活線状態で管路 電設資材 2020年6月号
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48 付けるメンテナンスを行う(特殊部および各 桝類内部から取付け).  ケーブルの有無,ケーブル径や条数および 現場の状況に応じて製品を選定する(図15). 4. ソフト地中化用鋼管柱地際腐食対策  ソフト地中化(歩道がないなど地上機器(変 圧器)を設置できない場合に機器を街路灯な どの柱上に設置する方式)用鋼管柱(図16) の地際部は,気中-地中の中間環境により,乾 湿が繰り返され腐食のリスクが高い.当社の「 ストパック」という製品は,腐食の原因である 水分と空気を遮断して柱体構造物の地際を守 ることが可能であることから保守メンテナン 図11 特殊部移設にともなう仮設用軽量特殊部設置状況 スとして提案している(図17). を移設し,露出したケーブルをDRPで新規管路 6 無電柱化事業の今後 構築することで,工事費削減,作業日数短縮を 実現した事例(図14).  無電柱化事業を取り巻く環境は,先にも記 ③既設管路の防水・止水メンテナンス した「無電柱化推進法」の制定や「無電柱化推進  一般部(管路部)の端部に防水・止水材を取 計画」の策定により前進しようとする動きが活 図12 管路内ケーブル表示板取付メンテナンス 図13 既設ケーブルの耐震補強メンテナンス 電設資材 2020年6月号
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49 図14 橋梁部等露出配管の改修メンテナンス スマートシール ストパック 図16 ソフト地中化用鋼管柱(柱上トランス) 図15 既設管路の防水・止水メンテナンス 図17 ソフト地中化用鋼管柱地際腐食対策 発化している.また,法整備,推進施策,規制 インフラ点検を踏まえた国土強靭化3か年対策 緩和のほかに財政的支援方策として,「PFI方式 によるさらなる推進を図る計画など,国民の生 」の導入も進められており,今後の事業推進に 活にも密接に関係することから関心も高まって 期待が膨らむ. きている.また,1年の延期が発表されたが,  ほかにも近年の自然災害の頻発により,重要 東京オリンピック・パラリンピックも控えてお 電設資材 2020年6月号
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50 り,景観・観光の観点からも無電柱化事業に対 対応に取組んできた中の一例と捉えていただき する期待は大きい. たい.  これら取り巻く環境が前向きになる中,着実  今後,無電柱化は防災を考慮した高機能な都 に事業を進めるためには,低コスト化,事業の 市環境づくりや美しい街並みと潤いある生活環 スピードアップなどの取組みが重要であり,民 境の創造からも整備が急務となるが,平行して 間技術の提案の選択肢も拡大するよう,官民連 既存設備のメンテナンスも重要となってくるこ 携が必要となってくると感じている. とは間違いないと考えている.  無電柱化に係るメーカーとして,本事業に係 7    おわりに る関係者皆様からの声に耳を傾け,これまでの 実績から,よりよい提案を行ない,無電柱化事  今回,無電柱化事業に関する既存設備のメン 業のさらなる発展と既存設備の維持に貢献して テナンスについて,事例の紹介を中心に説明し いきたいと考えている. たが,これらは皆様のニーズに応え,積極的な ( 執筆者:株式会社土井製作所 営業第三部) 電設出版の公式Twitter  アカウント開設しました!!  「月刊電設資材」のことはもちろん、電設業界のイベント情報や弊社社員 の通常の?つぶやきなど、いろいろな話題を発信していきます。どうぞよろ しくお願いします。ぜひフォローしてください!! 電設資材 2020年6月号