ターク・ジャパン株式会社
リモートI/Oなのにプログラミングが可能!?
「プログラマブルリモートI/O」のメリットとは
従来のリモートI/Oとは違い、使い方次第でさまざまな効果が得られる
今や産業用の機械や設備のいたるところで利用されている、リモート I/O。それが単なる中継装置でなく、プログラム
による簡易制御が可能なものだとしたら、FA環境にどのような変化が起きるのだろうか。FA環境を変革させる可能
性を秘めた「プログラマブルリモート I/O」について紹介しよう。
スマートファクトリーを実現 ラインの迅速な立ち上げやダウンタイム短縮などの効果
するために
センサの数と情報量が増大 が期待できることから、急速に普及しつつある状況だ。
こうした動向が加速していく中で、I/Oデバイスとデータ
産業用の機械や設備の監視、制御の内容は、時代の流 量が増加し、PLCは従来の役割である機械制御のほかに、
れとともに高度化し続けている。FAの取り組みは、かつ IoTに必要なデータ収集とデータ処理を実行し、上位側の
て省力化やタクトタイム短縮、歩留まり向上などがメイン MES(製造実行システム)や ERP(統合基幹業務システ
課題だったが、近年では、無人化や IoT化などを目指すま ム)などへの情報伝達というタスクも追加され始めた。そ
でになってきた。そのため機械や設備には、これまで以上 のため、IoTを導入する製造現場では最新かつ高機能な
に多数のセンサやアクチュエータが用いられるようになり、 PLCの導入が不可欠となっている。
それらがやり取りするデータも内容が高度化し、情報量が 簡易プログラム機能を搭載し
急速に増大しつつある。単に制御するだけであれば、簡易 分散処理で課題を解決
な情報(例えば、ON/OFFの 1ビット信号)で済んでいた
が、IoT化して予兆保全などを目指すとなれば、詳細なプ こうした状況に対し、独自の対策案を製品に盛り込んだ
ロセスデータが求められるのだ。 FA 機器メーカーがある。ドイツに本社を置き、FAおよび
また並行して、I/Oデバイスとそれらを制御するPLC(プ PA(プロセスオートメーション)用の各種センサおよび産
ログラマブルロジックコントローラ)との間の通信経路も変 業用ネットワーク機器大手の TURCK(ターク)だ。同社
化してきた。かつてはすべての I/Oデバイスが PLCに直結 では、リモート I/Oで分散処理・分散制御を行うという独
されていたのに対し、近年では、フィールドバスや産業用 自の発想に基づき、ロジックプログラムによる簡易制御機
イーサネットなどの技術によりネットワーク化され、いった 能を搭載したプログラマブルリモート I/O「TBEN・FENシ
んリモートI/Oに複数の I/Oデバイスを接続して信号経路を リーズ」を提供して
集約する接続形態が一般的になっている。昨今では、セン いる。外見は一般
サやアクチュエータ用のデジタル通信技術として、IO-Link 的なリモート I/O
(IEC規格 61131-9)が台頭してきた。IO-Linkでは、プロ そのもので、基本
セスデータとステータス情報のほか、I/Oデバイスに関する 的な機能や使い
I/Oデバイスデータやエラー時のイベントデータなどをサ 方も従来のリモー
ポートし、よりスマートなデータ通信を可能にするだけでな ト I/Oと変わらな
く、I/Oデバイスの配線の標準化、設定や異常検知を容易 プログラマブルリモート I/O製品群
い。つまりセンサ 「TBEN-Lシリーズ」「TBEN-Sシリーズ」「FEN20
に行えるなど多くの特長を備えている。これにより、生産 シリーズ」の 3シリーズがあり、それぞれ多彩なモ
やアクチュエータ デルをラインアップ
1 リモート I/Oなのにプログラミングが可能 !?「プログラマブルリモート I/O」のメリットとは
の入出力信号を集約して、産業用ネットワークのスレーブ
として利用する。また、同一型番でマルチプロトコル
(EtherNet/IP、PROFINET、Modbus-TCPの 3 種類を自
動で認識)に対応し、IO-Linkのほかシリアルやアナログ、
RFIDに対応するラインアップが用意されているため、多
彩な環境に適用可能だ。
標準搭載の簡易制御機能で
さまざまな処理を容易に実現
リモート I/O単体で 2つのパルス間の時間を計測、さらに回転速度に変換し、設定し
他のリモート I/Oと大きく異なるのは、簡易制御機能 た速度の閾値によってアラートを発する。主にコンベアなどの速度制御で使用される
「フィールドロジックコントローラ機能(FLC)」を標準で 必要なデータだけを PLC側へ送ることで効率的なデー
搭載し、これを無償で利用可能としている点だ。ちなみに タ通信が実現できる。
TURCKでは、この製品群を単なるリモート I/Oと区別す また、制御システムを FLC対応リモート I/Oごとにモ
る際には「、プログラマブルリモート I/O」、あるいは「フィー ジュール化することにより、制御システムのフレキシブル
ルドロジックコントローラ(FLC)」とも呼んでいる。 性とメンテナンス性向上を図ることもできる。また、あら
FLCは、専用プログラミングツール ARGEE(A Really かじめ所定の動作を FLCにプログラムしておくことで、
Great Engineering Environment)上で、入力に対する PLCとの通信がダウンした際に機器や設備を安全な状態
論理演算と、その結果に対するアクション(出力)を記 で停止させるといったことも可能だ。
述する形となっており、活用次第でさまざまな処理を行 さらに FLC機能には、複数の IO-Linkポート設定/デ
うことができ、かつ習得は難しくない。プログラミング バイスパラメータを保存しておく機能もある。これを利用
ツールの ARGEEはWebブラウザ画面上に展開しプロ すれば、混流生産の際の工数も削減することができる。考
グラミングを実行する。プログラムはファイルとして保 え方は簡単で、まずは事前に各ワークに応じた複数のパラ
存可能で、メンテナンス時、新しい FLCにはWebブラ メータセットと、その切り替えトリガー信号を FLCに保
ウザを経由してプログラムの転送が可能。 存しておく。稼働時は、センサ等の情報に基づき PLCが
FLC機能は、リモート I/Oに直接接続されている I/O 品物の種類を判別、メッセージ通信やトリガー信号を送っ
機器の制御を実行するが、簡易的なネットワークマスタ て FLCにパラメータセットを切り替えさせるだけだ。こ
機能(EtherNet/IPスキャナとModbus-TCPクライアン のような使い方をすれば、いちいち手動で I/Oデバイス設
ト)にも対応し、FLCを稼働させたリモート I/Oをネッ 定を変更する必要もなく、PLCへの追加プログラミング
トワークマスタとして複数のリモート I/Oを制御するこ も最小限、フィールドバスの通信も圧迫せずに済む。
とも可能である。 以上のように、FLCを取り入れることで、PLC+リ
IO-Linkデバイスを導入する際にも、FLC機能を活用 モート I/Oにないメリットを得ることができる。その効果
することで PLCの負荷を抑えることが可能だ。IO-Link は、アイデア次第、使い方次第だ。ぜひ一度、カタログ
デバイスからの IO-Linkデータを FLC機能で前処理し、 やターク・ジャパンのWebサイトを確認してほしい。
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