1/3ページ
ダウンロード
この情報は、DRPシリーズ・バルブに対し、第三者機関とスウェージロックが行ったテストの要約です。
DRPバルブは主に、製品の純度と信頼性が非常に重要である半導体業界において、重要な液体管理を行うために使用することを主たる目的として設計されています。この情報に記載されている報告データとテスト・プロトコルは、SEMIF57-0301に基づいています。この情報は、以下の項目について記述しています。
■パーティクル発生
■表面粗さ
■イオン性コンタミネーション
■金属性コンタミネーション
■総有機性炭素(TOC)量
■超純水、 HCl、スラリーを用いた信頼性テスト
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
ドキュメント名 | 【技術情報(概要)】超高純度フルオロポリマー ・ ダイヤフラム ・ バルブ DRPシリーズ |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 日本スウェージロックFST株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
www.swagelok.co.jp
DRPTM シリーズ
超高純度フルオロポリマー ・ ダイヤフラム ・ バルブ
技術情報( 概要)
適用範囲
この情報は、DRPシリーズ・バルブに対し、第三者機関とスウェージロックが行ったテストの要約です。DRPバルブは主に、
製品の純度と信頼性が非常に重要である半導体業界において、重要な液体管理を行うために使用することを主たる目的と
して設計されています。この情報に記載されている報告データとテスト・プロトコルは、SEMI F57-0301に基づいています。
この情報は、 以下の項目について記述しています。
■ パーティクル発生
■ 表面粗さ
■ イオン性コンタミネーション
■ 金属性コンタミネーション
■ 総有機性炭素( TOC) 量
■ 超純水、 HCl、 スラリーを用いた信頼性テスト
パーティクル発生 表 2 パーティクル発生( M サイズ・バルブ)
パーティクル数は、 オンラインで、 0 サイクル、 1 万サイクル、 2 万 パーティクル・サイズ
サイクルの開閉を行った際に測定しました。ベースライン測定値 0.10 µm 0.5 µm 1.0 µm
とは、バルブを設置していないテスト・システムに水を流した際
サイクル数 パーティクル数 / mL
のパーティクル数を示しています。0 サイクルとは、バルブを作動
ベースライン 1 < 1 < 1
させる前の状態を示し、SEMI F40に基づいて測定を行いました。
パーティクル数は、テストの間終始、概して低い値を示しました。 60 分間リンスを行った際 3 0 0
テスト・プロトコルは、JIS K0554と SEMASPEC 92010949Bに 0 < 1 < 1 < 1
基づいています。 1 万 < 1 < 1 < 1
テスト結果は、500 サイクル中で、1 サイクルにつき 100 個未満 2 万 < 1 < 1 < 1
(サイズが 0.1 µm 以下のパーティクル)という、業界での期待値
をクリアーするものでした。
表 1 パーティクル発生( S サイズ・バルブ) 表 3 パーティクル発生( L サイズ・バルブ)
パーティクル・サイズ パーティクル・サイズ
0.10 µm 0.5 µm 1.0 µm 0.10 µm 0.15 µm 0.20 µm
サイクル数 パーティクル数 / mL サイクル数 パーティクル数 / mL
ベースライン 1 < 1 < 1 ベースライン 2 2 1
60 分間リンスを行った際 1 0 0 60 分間リンスを行った際 14 5 4
0 1 1 < 1 0 1 1 2
1 万 < 1 < 1 < 1 1 万 1 1 0
2 万 < 1 < 1 < 1 2 万 1 0 1
Page2
2 DRPシリーズ バルブに関する技術情報
表面粗さ
表面仕上げの安定性は、統計的プロセス・コントロール( SPC) にし
たがって、 徹底されています。テスト・プロトコルは、 SEMASPEC
92010950Bに基づいています。測定の結果、接液・接ガス部の表
面仕上げは、機械加工した接液・接ガス部に対し 0.64 µm Raを基
準とする SEMI F57-0301 に適合していました。
表面の抽出可能なイオン性コンタミネーション 表 4 表面のイオン性コンタミネーション
SEMI F40 に基づいて準備したサンプルを使用し、ASTM D4779 イオン・コンタミネーション( µg/m2)
に適合するかテストを行ったところ、結果はすべて計測機器の検 SEMI STD
出限界以下でした。 陰イオン 検出限界 F57-0301
臭化物 0.06 ≦ 100
塩化物 0.06 ≦ 3,000
フッ化物 0.3 ≦ 60,000
硝酸 0.06 ≦ 100
亜硝酸 0.06 ≦ 100
リン酸 0.06 ≦ 300
硫酸 0.06 ≦ 300
表面の抽出可能な金属性コンタミネーション 表 5 超純水を使用した際の金属のトレース結果
SEMI F40 に基づいて準備したサンプルを使用し、SEMASPEC 金属製コンタミネーション( µg/m2)
92010936Bに適合するか、テストを行いました。加えて、37 % SEMI STD
HCIを使用した、さらに厳密でダイナミックな金属抽出テスト 成分 検出限界 F57-0301
(DyconEX SM 手法 )の結果も記載しています。これらのテスト結 アルミニウム 0.009 ≦ 10
果は、全成分において、計測機器の検出限界以下でした。 バリウム 0.003 ≦ 15
表面のコンタミネーションの主な成分は、 以下の表に示すとおり ホウ素 0.15 ≦ 10
です。表 6の「 その他」 の表面コンタミネーションとは、アルミ カルシウム 0.6 ≦ 30
ニウム、 カルシウム、 鉄、 カリウム、 ナトリウム、 ジルコニウムを クロム 0.012 ≦ 1
除いた、 その他 31 種類の金属の総トレース量です。溶出した計
銅 0.009 ≦ 15
37 種類の金属を、 表面積当たりで標準化して示した表面のコンタ
ミネーションは、 鉄 0.06 ≦ 5
業界の期待値 20 ng/cm2よりも低い 9.36 ng/cm2
でした。鉄、アルミニウム、 ナトリウム、 カルシウム、 カリウム 鉛 0.009 ≦ 1
とで、 表面のコンタミネーションの 80 %以上を占めました。ま リチウム 0.006 ≦ 2
た、これらのテスト結果をもとに計算した表面積当たりの溶出 マグネシウム 0.006 ≦ 5
量は、7日間での 1日平均が 0.06 ng/cm2 であり、7日間での マンガン 0.006 ≦ 5
1日平均 0.5 ng/cm2 未満という業界での期待値をクリアーしま
ニッケル 0.012 ≦ 1
した。
カリウム 0.3 ≦ 15
ナトリウム 0.021 ≦ 15
ストロンチウム 0.003 ≦ 0.5
亜鉛 0.015 ≦ 10
表 6 37 %の HCIを使用した際の金属のトレース結果
溶出量
成分 (ng/cm2)
アルミニウム 1.85
カルシウム 1.15
鉄 2.12
カリウム 0.80
ナトリウム 1.66
ジルコニウム 0.80
その他 0.98
合計 9.36
Page3
表面の抽出可能な総有機炭素( TOC) 表 7 表面の TOCコンタミネーション
コンタミネーション TOC コンタミネーション( µg/m2)
SEMI F40 に基づいて準備したサンプルを使用し、ASTM D4779 UHP
に適合するか、テストを行いました。TOC の測定値はテスト全 サイクル数 DRP SEMI F57-0301
般において、基本的に安定していました。 ベースライン < 30 ≦ 60,000
0 < 30 ≦ 60,000
1 万 < 30 ≦ 60,000
2 万 < 30 ≦ 60,000
信頼性テスト
信頼性テストは、SEMASPEC 92010945Bに基づき、超純水、 取り付け時、20 万サイクル時、100 万サイクル時に、最高使用
37 % HCI、Cabot 社製スラリー SS-25 に対し、それぞれバルブ 圧力下で、各 DRPバルブの外部リークおよびシート・リークの
を 174台、15台、15台使用して行いました。 テストを行いました。
DRPバルブを、0.27 ± 0.034 MPaの圧力で試験流体を連続して 超純水、37 %の HCI、Cabot社製スラリー SS-25 を使用して、
流すフロー・ループに取り付けました。テストで使用したバルブ 100 万サイクルで DRPバルブの信頼性テストを行ったところ、
に対して、3 秒のサイクル時間で開閉を行いました。 漏れは検出されませんでした。
参考文献
ASTM
ASTM D4779 Total, Organic, and Inorganic Carbon in High
Purity Water by Ultraviole(t UV) or Persulfate Oxidation,
or Both, and Infrared Detection.
JIS
JIS K0554 Testing Methods for Concentration of Fine Particles
in Highly Purified Water.
SEMASPEC
SEMASPEC 92010949B Provisional Test Method for
Determination of Particle Contribution and Retention by
UPW Distribution System Components.
SEMASPEC 92010936B Provisional Test Method for
Determining Leachable Trace Organics from UPW
Distribution Systems.
SEMASPEC 92010945B Provisional Test Method for Verifying
the Pressure Rating of Plastic Valves Used in UPW
Distribution Systems.
SEMASPEC 92010950B Provisional Test Method for Visual
Characterization of Surface Roughness for Plastic
Surfaces of UPW Distribution System Components.
SEMI
SEMI Standard F57-0301 Provisional Specification For
Polymer Components Used in Ultrapure Water and
Liquid Chemical Distribution Systems. 参考
SEMI F40 Practice For Preparing Liquid Chemical Distribution The DyconEX SM procedure is patented by BOC Edwards
Components for Chemical Testing. Chemical Management Division (US patent No. 5,641,895).
この日本語版製品カタログは、英語版製品カタログの内容を
忠実に反映することを目的に、製作いたしました。日本語版の
Dycon EXー SM FSI International, Inc.
内容に英語版との相違が生じないよう、細心の注意を払ってお Swagelokー TM Swagelok Company
りますが、万が一相違が生じてしまった場合には、英語版の © 2002, 2006 Swagelok Company
December 2006, R2
内容が優先されますので、ご留意ください。 MS-06-102-EJ
H07E